「それじゃ、まず自己紹介させてもらうね。」
あのあと、気絶していた俺が起きた時には、ベッドの周りにはロリっ子と先程の金髪の男性、そして、俺が気絶した元凶である
まあそれは置いておいて。どうやら、俺は二日間も眠り続けていたようだ。あの襲撃の後、どうなったのかを知りたかったので話を聞くことにした。だが、目の前の青年が一体何者かを知らなかったので、先ずは自己紹介からとなったわけだ。
「僕の名前はリング・ブラッド。今では数少ない『
「あー・・・俺の名前は大地龍騎。そこの
というと、俺以外の三人がポカンという顔をした。・・・は?何でそんな顔をされなきゃならん?
「えっと・・・アレを防げる時点で普通じゃないと思うんだけど・・・。ま、まずは先に説明しちゃおうか。」
・・・なんか、凄くイラッ☆とくる言い方だなオイ・・・。
「じゃ、先ずは魔法から説明しようか。・・・君たちの世界には魔法が存在しないんだよね?」
恐らく、先に凛音から聞いていたのだろう。色々説明する手間が省けて良かった。
「そうだな。魔法なんて無かった。」
「この世界には、君たちの世界とは違い、魔法が存在している。そして、何故か国ごとに固有の魔法体系を持っているんだ。国境を越えた瞬間、僕たちが使う魔法は使用することが不可能になる。だから、戦争などが起きる事は少ないね。」
「・・・成程、自分たちは魔法を使うことが不可能になるのに、敵は魔法をバンバン撃てるわけだからな。そんな不利な勝負、誰もしないか。」
意外と平和な世界なのか?
「ところが、平和とは言えないんだよね。」
「ん?だって、人間同士で戦争が起きないんだろ?国内では問題があるかもしれないが・・・。」
「そ。
「魔族・・・?」
リングは大きく頷くと、大きな紙を取り出した。どうやらこれは地図のようだ。
「これがこの大陸の地図。・・・で、ここが今僕たちが居る国、『芸術の国ハマン』さ。」
リングが示したのは、大陸の西端の小さな国。ここがハマンらしい。近くには、同じくらいの大きさの国が結構存在している。
「で、これが魔界と呼ばれる国。」
とリングが指さしたのは・・・大陸の東半分。
「・・・はぁ?」
「ここから先は、全て魔界なのさ。」
おいおい、国土だけで10倍・・・いや、20倍はあるんじゃねぇの?超大国じゃないか。正直、比べるのも馬鹿らしくなるほどの戦力差。
「圧倒的だろ?しかも、彼らは人数が多いだけじゃないんだ。」
「まだ何かあるのか?」
「・・・彼らはね、他の国の中でも、自分たちの魔法を使う事が出来るんだよ。魔法に愛された人間、という意味で、彼らは自らを『魔族』と名乗っているのさ。」
おいおい、圧倒的な物量差に加えて、魔法すら使い放題とか、戦争にもならないだろ。
「近くの国が襲われていても、増援を出すことも出来ない。だって、援護したくても魔法が使えなくなるんだからね。・・・だから、リンドラ大臣は君たちを召喚したんですよ。」
「え・・・何でだ?」
「勇者として召喚された異世界の人間は、魔族と同じことが出来るようになるはず・・・だからだよ。」
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口癖は「飽きた。」熱しやすく飽きやすい幼馴染と俺が、異世界に勇者として召喚された。・・・俺はオマケだったらしいが。・・・だけどさぁ、この『残念美人』を制御出来ると思ってる訳?最悪の場合、コイツに色々されて世界滅ぶんじゃないの?しょうがない、俺が手綱を握ってやるかね。