No.456629

ぬこの魔法生活 第11話

pluetさん

無印編

2012-07-21 09:12:22 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4788   閲覧ユーザー数:4449

 ◆ 第11話 Q.ご職業は? A.魔法少女なの。 ◆

 

 

 おはようございます、みぃです。

 昨日はどうも夢見が悪かったせいか、イタチもどきがしゃべったり、ご主人が魔法少女になったという夢を見たんだぜ。

 ハハ、まったくどこのアニメだっての。そんなことあるわけなかろうに。

 などと、ぬこに憑依してる分際で好き勝手に考えてると、ご主人が目覚めたようだ。

 

 おはようございます、ご主人。

 

 「おはよう、みぃ君、ユーノ君」

 「あ、おはよう……その、なのは」

 

 キャァァァ、シャベッタァァァ!!!

 夢じゃなかった……orz ひどい現実だ、涙が出そうだぜ。受け入れるしかないんですか、コレ。

 ……でも、このユーノとか言うフェレットが喋れるんならぬこだって喋れるんじゃないか? あ、でも昨日は魔法がどうとか言ってたっけ。

 実はぬこに魔法の素養がある……! なんて、都合のいい設定はないですよねぇ、さすがに。

 ま、別にいいさ。現状でも十分満足してるしね。

 

 さて、ご主人も着替えることだし部屋から出るとするか………オイ、そこのフェレット!

 何見ようとしてやがる! テメェはこっちだ! 口にくわえて連行、もとい部屋を出ることにする。

 

 「がぶっ」

 「あいたー!? て、うわぁーー!?」

 「みぃ君っ! ユーノ君いじめちゃだめだよ!」

 

 シラナーイ。ご主人の着替えを覗こうとする変態にはOHANASHIしてやらないとな!

 で、部屋を出ると恭也さんと遭遇。

 こちらを見て、サムズアップ。

 

 「………よくやった」

 

 ですよね! このままリビングへと連れて行こう。

 まぁ、一応怪我をしてるようなので乱暴には扱わないようにしてやる。

 ぬこの優しさにむせび泣くといいよ。

 

 そしてリビングには士郎さんが、こちらを見て以下略。

 高町家の男性陣は理解が早くていいですな!

 

 「もうっ、みぃ君! 勝手にユーノ君連れってちゃだめじゃない」

 

 ゴメンナサーイ、ちょっといっしょにあそびたかったんだー(棒読み)

 だって、話せるってことはある程度の知能があるわけであって、そんな物体が覗くとか許せるわけないじゃないか。

 本来ならぬっ殺すところなんだから、感謝してよね。

 

 で、朝食が始まったわけですが。お母様が超かわいがってます。

 士郎さんの嫉妬の眼が怖い、いいぞもっとやってください。

 そういえば、このユーノとやらが家にいることはすでにご存知だったみたいですね。

 やっぱり、昨日の外出はバレてたみたい。ユーノが喋ってないところを見るに、例の魔法とかについては話してないようです。

 

 そんなことを考えていると、キッチンの方から美由希さんがお皿を持ってやってきた。

 

 「ユーノ、ごはんだよー」

 「待って、お姉ちゃん! それはっ!?」

 

 クンクン、ペロ。

 「きゅー……」

 「あぁ、遅かったぁ……」

 

 プギャーー! ざまぁ! 美由希さんのものを迂闊に口にするとか、野生の本能が働いてないのか?

 いまだに、ぬこのえさにたまねぎを入れる人なんだぜ、彼女は!

 ……いつになったらまともなご飯が作れるの? あんなにがんばって練習してるのに……

 

 いつの間にかご主人に正座させられて、お説教されている美由希さんを横目にそんなことを思う。

 でも、一応フォローのためにすり寄ってあげることに。

 

 「うぅ、みぃはいい子だねぇ」

 

 泣きながらなでてくれています。まったく世話の焼けるお姉ちゃんだぜ。

 そして、狙い通りにぬこの株は上がっていくのだ! フゥハハァーーー!

 マスコットキャラの座は渡さないぜ!

 

 朝食も無事(一匹ほど気絶したが)終わり、ご主人は学校へ行くこととなった。

 

 「じゃあ、この念話? でお話しようね、ユーノ君。

 それと、お家のことで何か困ったことがあったらみぃ君に言えばいいよ」

 「えっ? でも、この子は普通の猫みたいだけど」

 「大丈夫! みぃ君頭いいから、ちゃんと理解してくれるよ。」

 「にゃあ」

 「ねっ?」

 「……分かったよ」

 

 ということで、いってらっしゃいませ。まぁ、他ならぬご主人のお願いだ、協力ぐらいはしてやりますよ。

 お母様からもユーノの面倒を見てあげてね? と言われ、翠屋でのお仕事もしばらくお休みをもらうことになりましたしね。

 まぁ、やることもないのでほとんど寝て過ごすことになりそうだが。ある意味、自宅警備員ですね、分かります。

 

 早く、ご主人帰ってこないかなぁ。

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 「――――!」

 

 耳元で、大声で誰かが叫んでいる。

 

 「――て! 起きてよ!」

 

 むぉ? おはようございました。あまりの暇さに眠っていたようです。

 んで、起こしてきたのはユーノか。なんだよ、何かあったのか?

 

 「ジュエルシードが発動したんだ! 早く行かなきゃ行けないんだ!」

 

 ジュエルシードって何さ。宝石の種?

 あと、いきなりそんなにまくし立てられても意味分からん。簡潔に言ってくれよ。

 

 「なのはが危ないかもしれないんだ! どこから出るの!?」

 

 それを早く言えやぁ!! 慌てて、鍵の空いてる窓を開けて飛び出す。

 

 「ちょっ、場所がどこかわかってるのっ!?」

 

 なら、さっさと先導しろ!!

 

 「こっちだよ!」

 

 そっちは……神社か?

 

 

 

 

 

 

 

 で、着いたわけだが、どういうことかな?

 ご主人が危ないからと聞いてきたのに、本人はなぜこっちに手を振って向かってくるのかなぁ? 危険? これが?

 どういうことだと、ユーノに視線を向けてみるも。

 

 「なのは!」

 「ユーノ君! この上っ!?」

 「うん、そうみたいだ。」

 

 無視か。無視なのか。

 はぁ、でもこれから危ないとこに行くみたいだし、ついてかなきゃなぁ。

 

 「みぃ君はここにいてね。すぐ戻るから! 行こう、ユーノ君。」

 

 そういって、登っていきました。フフフ、だが断るっ!

 運動音痴(失礼)のご主人においていかれても余裕で追いつけるのだ!

 でも、見つかるとまずいのでこっそりついていく。

 

 で、神社の境内に着いたわけですが……何これ?

 でかい、わんこ? と形容していいかわからんがそんな不思議生物が暴れまわっています。いっつぁ、ふぁんたじー。

 いつから地球はファンタジーな世界になったのだ。説明を要求する!

 

 そして、唯一説明できそうなユーノとご主人は魔法やら、防護服がどうとか言ってます。

 とりあえず、もちつけ。

 

 まぁ、落ち着いたところで突進してくるわんこは止まらないけどな! って、キターーー!?

 ご主人逃げてぇーーーッ!? そんな思いも伝わらず、わんこが突っ込んで行き土煙が上がる。

 

 は、早く助けに……ッ! 駆け出そうとするぬこだったが

 

 「―――ふぅ」

 

 普通に無傷で出てきました。

 って、ええぇーーー!? なんか服変わってる!? ていうか、もう一回来た!?

 

 (protection)

 

 そんな音声が聞こえると同時に、ご主人の前にピンク色の障壁がはられる。

 ATフィールドですかぁーー!? 何? どうなってんのこれ!

 ご、ご主人が、汎用人型決戦兵器になった……急展開過ぎて全然ついていけない。

 

 混乱の極みに陥っている間に、なんか封印? をして終わったらしい。

 もう、何が何やら……一応、全部終わったみたいなので出て行くことにする。

 

 「あっ、みぃ君。もしかして見てたの? 全部?」

 「にゃあ」

 「にゃ、にゃはは……実は私ね、魔法使いになったの」

 

 そういうことらしいです。

 その後に、申し訳なさそうにユーノがしばらく休んだら自分がやると言い出したが、そんなことをウチのご主人が許すわけもなく。

 そのまま、ユーノが丸め込まれてご主人が魔法少女になることが決定しちゃったのであった、まる。

 一度言い出したら言ったことを曲げない頑固娘ですから、仕方ないっちゃー仕方がないのですが、心配なものは心配なのですよ。

 

 

 今朝は使えなくてもいいとか思ってたけど、こんなことをするんじゃあ、そうも言ってられないですね。

 ぬこにもどうにか魔法が使えればいいのだが、そんな便利なものが使える予感なんぞ微塵もしないのであった。

 それができれば、意思疎通も楽だし、ご主人の手伝いも楽だろうになぁ。

 

 

 

 と、このときは考えていた。

 これがまさにフラグだったことにまだぬこは気づいていなかったのであった。

 

 

 

 

 ◆ あとがき ◆

 読了感謝です。

 二次ファンと違って半角カタカナが打てていいですわ。ネタの幅が広がる意味で。

 誤字脱字等あれば、報告をいただけるとありがたいです。

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
17
9

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択