No.455700

ハイスクールD×D~HSSを持つ転生者~ 第24話

あっくんさん

神様の悪戯で、死んでしまった俺―――神矢クリスはハイスクールD×Dの世界に転生した。原作の主人公、兵藤一誠らに会っていろんな事に巻き込まれる。
 

2012-07-19 16:46:41 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4894   閲覧ユーザー数:4704

フリードは倒れ、肩口から横腹までの祐斗がつけた傷から、鮮血を滴らせる。

「せ、聖魔剣だと…? あり得ない…。反発し合う二つの要素が交じり合う

 事などあるはずないのだ…」

 バルパーの顔が強張っている。俺はその事を聞いて考え込んだ。

 バルパーの言うとおり、普通は、聖と魔は対極にある。

 それが交じり合った事は…何かがない。

 俺の頭の中では聖=神、魔=魔王になっている。

 昔に…三つ巴の戦争があったとき、どちらかが亡くなった。

 もしくは……両方亡くなったか。可能性はあるな…

「バルパー・ガリレイ。覚悟を決めてもらう」

 祐斗が聖魔剣を構える。そのときバルパーは何かの思考が達した表情をした。

「……そうか! わかったぞ! 聖と魔、それらをつかさどる存在のバランス

 が大きく崩れているのなら説明がつく! つまり、魔王だけではなく神も――」

 と何かを言いかけたバルパーの胸に光の槍が貫いた。

「バルパー。お前は優秀だったよ。そこに思考が至ったのも優れているから

 だろうな。だが、俺はお前がいなくても別にいいんだ。一人でもやれる」

 コカビエルが高笑いをしている間、俺はさっきの推理の結果が出た。

 

 バルパーの言った事と俺が推理していた事を繋ぎ合わせると…

 昔の戦争で…魔王だけではなく、神も亡くなった。だから聖と魔のバランス

 が大きく崩れた。それで…聖魔剣が生まれた訳か。

 

「―――限界まで赤龍帝の力を上げ、誰かに譲渡しろ」

 なんという自信だ。コカビエルはこの中で一番強いと思っているだろう。

 それは譲渡しても変わらないと考えている。その自信がドコまで自分を

 追い詰めるか見てみたいな。

「…イッセー。神器を」

『Boost!!』

 それから数分間。俺たちは動けずにいた。

 普通に立っているだけで、まるっきり隙がない。

 赤龍帝の籠手が強い光を放った。限界まで上がったのだろう。

「で、誰に譲渡する?」

 興味津々で訊いてくるコカビエル。譲渡する相手は…俺だった。

「クリス。頼む。奴を斃してくれ」

「ああ、まかせな」

 イッセーは俺に譲渡した。イッセーの力が俺に流れ込んでくる。

「フハハハハ! いいぞ! さっきのお前は最上級悪魔に匹敵するほどの

 威圧感だった。今はどの魔王より強い威圧感だ!」

 また高笑いをするコカビエル。うるさいなぁ

 俺は精霊使いの剣舞(ブレイドダンス)のカミトの武装に変えた。

「ほう…これが、未知の神器か。いいぞ! お前の名を教えろ!」

「…神矢クリスだ。以後お見知りおきを」

 俺は自己紹介をすると、コカビエルに向かっていった。

 『魔王殺しの聖剣(デモン・スレイヤー)』をコカビエルに振り下ろす。

 コカビエルはそれを光の剣で受け止める。

「楽しい! 楽しいぞ! あの戦争以来だ! もっと! もっと楽しませろ!」

 ちっ…戦いを楽しんでいやがる。こっちは必死なのに。

 俺は『魔王殺しの聖剣』で光の剣を叩き切った。そして、そのまま

 コカビエルの手を斬ろうとしたが、コカビエルはそれを真剣白刃取りを

 ひとさし指と中指で受け止めた。

 そのとき、聖剣を受け止めた指から煙がでてきた。

「うがぁぁぁあああッッッ!! な…何だこれは!?」

「これはだたの聖剣だ。普通は悪魔を滅する事ができても、堕天使はできないからな

 だが、今の俺には聖剣を強化し、堕天使までも滅する事が出来るようになった」

「堕天使を滅する聖剣なんぞ、聞いたことがない!」

「当たり前だ。いつもの俺なら(・・・・・)できないが、今の俺(・・・)ならできるのさ」

 

 コカビエルは魔王殺しの聖剣から指をとった。その指を押さえている。

 それにこいつには聞きたいことがある。 

「コカビエル。お前に聞きたいことがある」

 俺は浄化の激痛で顔を歪めているコカビエルに向けて言った・。

「単刀直入に言う。昔の三つ巴の戦争で、四大魔王だけではなく…神も亡くなった

 んだろう?」

 コカビエルは一瞬驚いた表情をして、そして不敵に笑った。

「フハハハハハハ! お前たちにいい事を教えてやろう! 昔の三つ巴の戦争で

 四大魔王だけではなく、神も死んだのだ!」

 コカビエルの言葉に俺以外の皆が驚いていた。

 ゼノヴィアは「うそだ……嘘だ…」と呟き、

 アーシアは「主は…? 主は死んでおられたのですか?……」とうわ言のように

 呟いていた。そうとうショックだったようだね。

 女性の涙は今の俺の心に響く…。とても苦しいよ…。

 

 と俺がゼノヴィアたちから目を逸らした瞬間!

 ドスッッッ!!!

「ぐはぁ!!」

 俺の心臓に、コカビエルの光の剣が貫いていた。

 

 

 


 
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