No.455368

魔装機神インフィニット・ストラトス~

女性しかISを稼働できなかったのが、突然男でISを稼働できるのが同時に二人も現れた!?その二人の名は織斑一夏と龍見雅樹。
この物語の主人公である龍見雅樹が女尊男卑の世の中に疾る『風』・・・その名はサイバスター!!

2012-07-18 21:59:58 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:5527   閲覧ユーザー数:5393

第五話「蒼い雫VS山吹の姫君」

 

 

第三アリーナ・Aピット

 

いよいよ、今日は最初のクラス代表決定戦、唯依とセシリアの試合の日だ。

俺と一夏、箒にイーニャとクリスカも唯依のいるAピットに向かった。

 

「よ、唯依。調子はどうだ?」

 

ピットに入るとそこにはISスーツに着替えた唯依が精神統一していた。

 

「雅樹。皆も、来てくれたのか?」

 

「そりゃあな、幼馴染みの試合だし・・・」

 

「イーニァがみたいと言うからな・・・」

 

「ゆい、がんばってね!」

 

「・・・その、しっかりな・・・」

 

「ああ、ありがとう」

 

四者四様の答えに唯依は気恥しさを感じながら礼をいうと今度は俺の方に視線を向けた。

 

「雅樹。それに、一夏も、この試合をよく見ておけ」

 

「おう、わかったぜ」

 

「ああ」

 

そして、唯依は徽章を取り出すとその徽章が一瞬で光の粒子に変わり、唯依を包み込んだ。

光の粒子が収まった後、唯依の体を山吹色のまるで鎧武者の様な装甲が覆っていた。

 

「あれが、((武御雷|タケミカヅチ)・・・」

 

武御雷(タケミカヅチ)、あれがそうなのか」

 

武御雷(タケミカヅチ)

純国産の後継機である倉持技研の打鉄弐式とは違い、新機軸な第3世代として航空自衛隊が富嶽重工と遠田技術に開発を依頼、発展性を多少度外視したことで機動性・近接戦闘に高いポテンシャルを持つが、第三世代機の特徴である特殊兵装が未完成なため2.5世代に分類されているISだ。

唯依はISの感触を確かめた後、ピット・ゲートに進み位置に着いた。

 

「篁唯依。武御雷(タケミカヅチ)行きます!」

 

ゲートが開かれ、唯依は戦場(いくさば)へ飛び出した。

 

 

 

 

 

「あら、それが貴女の専用機ですの?」

 

アリーナに着いた唯依の耳にセシリアの小馬鹿にした様な声が響いた。そして続けて、

 

「2.5世代・・・半端物ですわね」

 

そうだな。と唯依は彼女の態度にそう思った。

確かにこの武御雷(タケミカヅチ)は2.5世代と第三世代になれない半端物だ。

だが、それがどうした?

機体を操るのも、武器を扱うのもその人次第。例えどんなにいい名刀でも扱うのが素人ではただのナマクラ刀以下になり下がってしまう。

故に、

 

「そうだ。この武御雷(タケミカヅチ)は私の唯一無二の相棒だ」

 

(このような、未熟者に負けるはずがない!)

 

機体の性能で相手を舐める様な相手に勝利など無い。

そして、唯依は背中に装備されている二本の近接ブレード『村雨』を一本抜き放ち両手で頭の右横まで持っていき、両足を少し開いて構えた。

 

―――――警告!敵IS射撃体勢に移行。初弾エネルギー装填―――――

 

「中距離射撃型のわたくしに近接格闘用装備で挑むだなんて・・・・日本の代表候補生が聞いてあきれますわね!」

 

それと同時にセシリアは右手に装備されている長大な銃器―――六十七口径特殊レーザーライフル『スターライトmkⅢ』を構え、唯依に向かって狙撃した。

が・・・・

 

「ハァッ!」

 

ザンッ!!

 

「え・・・?」

 

一瞬、セシリアは何が起こったのか分からなかった。それは試合を見に来た生徒の大半がそうであった。

唯依に撃ったはずのレーザーを唯依は村雨で叩き斬ったのだ。

そして、その事実にセシリアは一瞬、思考を止めてしまった。だが、唯依(たつじ))を前にその一瞬が命取りになる。

 

「はあぁっ!」

 

「ハッ!?」

 

唯依は瞬時加速(イグニッション・ブースト)で間合いを詰めてき、それに反応したセシリアは何とか回避を行おうとしたが、

 

「遅い!」

 

ザンッ・・・ドガアァンッ!

 

「キャアッ!?」

 

時すでに遅く、唯依は村雨でスターライトmkⅢを両断した。

 

「クッ!」

 

「逃さんっ!!」

 

なんとか間合いを空けようとするセシリアだが唯依はセシリアにピッタリ張り付き、容赦なく斬撃を叩きこんでくる

 

「ああ、もう!インターセプター!!」

 

距離を空けられず、唯依の太刀によって大幅に削られるシールドエネルギーにセシリアは苛立ちながら近接用ショートブレード『インターセプター』を呼出(コール)し構えたが、

 

「舐めるな!」

 

パキンッ!

 

「えっ!?」

 

インターセプターを構えた矢先、唯依の太刀によってインターセプターは根元から断ち切られてしまった。

 

「クッ!この・・・調子に乗るんじゃありませんわ!」

 

セシリアの腰部から広がるスカート状のアーマー。ブルーティアーズの六基ある特殊兵装『BT(ブルーティアーズ)』兵器、その内の二基『弾道型(ミサイル)』を迫りくる唯依に向かって近距離で撃ちはなった。

 

「っ!?」

 

ドッガアアァンッ!!

 

完全に意表をついた。そうセシリアは確信した爆発の衝撃でこちらのシールドエネルギーは残り一ケタになってしまったが、相手もタダでは済まないはず。今の内に距離を取ってBTを展開しようと距離を取ろうとしたその時、

 

「忠告しておくぞ・・・」

 

「!?」

 

ボッ!

 

爆煙の中から突然声がしたと思ったら中から山吹色の機体――――武御雷(タケミカヅチ)を纏った唯依が飛び出してきた。しかも、驚くことにほとんど無傷でだ。

 

「しまっ―――――!!?」

 

気付いた時にはもう遅かった。ここは既に唯依の間合いの中、しかもセシリアの武装を展開する余裕もない。そして、

 

「戦闘中に一瞬でも気を抜けばそれが命取りになる・・・・虚空斬!!」

 

ザンッ!

 

通り過ぎ様に一閃。

まるで時が飛んだようにいつの間にか剣を振り抜いた状態の唯依と両手でガードしているセシリアはお互いに背を向けていた。お互いに動かずそこだけ時間が止まった様な錯覚が起きたが、唐突に唯依が村雨を背中に納めた。

すると・・・

 

ビーーーー!!

 

――――試合終了。勝者、篁唯依―――――

 

「そ、そんな・・・・」

 

いつの間にかシールドエネルギーがゼロになっており、いつ斬られたのかわからずセシリアは呆然と下に降りて行った。

 

「・・・・・まだまだ未熟だな・・・・」

 

そんなセシリアを見ながら唯依はそのままピットに戻った。

 

 

 

 

~Aピット~

 

「・・・なあ、クリスカ」

 

「・・・なんだ?」

 

先ほどまでの試合を見て俺は隣のクリスカに問いかけた。

 

「この試合って代表候補生同士の試合だよな?」

 

「ああ」

 

クリスカも俺が何を言いたいのか、わかってるみてぇだな。

 

「唯依の圧勝じゃねぇか・・・」

 

「・・・お前が見ているから余計に張り切っていたのだろう」

 

「ん、どういう意味だ?」

 

尋ねてみたが、クリスカはため息をついてそっぽを向いてしまった。

 

「な、なぁ箒。一体何が起こっただ?確かにオルコットのミサイルは唯依に直撃したよな?」

 

「わ、私にもわからん。一体なぜ・・・それにあの技は・・・?」

 

どうやら、一夏と箒は先ほどのやり取りが見えてなかった見てぇだ・・・。

 

「なにって・・・オルコットのミサイルが当る前に唯依は後ろに飛びながら短刀で迎撃しただろ?」

 

「ほう。先ほどの攻防を見えていたのか?」

 

後ろを振り返ると千冬さんと真耶ちゃんが並んで立っていた。

 

「ち、千冬姉・・・」

 

スパァンッ!

 

「織斑先生だ」

 

「千冬さ―――じゃなくて織斑先生と真耶ちゃ、山田先生かいたのかよ・・・です」

 

「・・・・篁の実力は代表候補生の中で抜きんでている。あの程度の芸当はお手の物だ。最後の技に関しては・・・・龍見、お前の方が詳しいだろう?」

 

千冬さんはいきなりこっちに話を振って来た。

 

「ああ、俺んとこの流派『神祇無窮流(じんぎむきゅうりゅう)』の『虚空斬』なんだが・・・俺が知ってんのと若干違うんだよな・・・」

 

確かに虚空斬なんだが俺が昔みた虚空斬とはなんか違う気がするんだが・・・気の所為か?

 

「それにしてもすごいかったですね、篁さん。ほぼ近接ブレード一本で同じ代表候補生のオルコットさんを倒しちゃいましたし・・・」

 

「本人はあまり納得してないみたいだがな・・・」

 

確かに戻ってくる時に見た唯依の表情はなんか納得いかないような感じだったな・・・・。

 

「まあ、アイツの事だ。剣一本で勝てなくて、自分を未熟だと思ってんじゃねぇか?」

 

「そ、そんな・・・織斑先生じゃないんですから・・・・」

 

いや、アイツは自分にも他人にも厳しい。

それに行く時、俺達にこの試合をよく見ておけっといったアレは俺と一夏に剣一本での戦い方をみせる為、それに近接型が中距離射撃型(オルコット)に対しての戦い方の手本をみせる為に言ったことだろう。

 

「ほんと、昔っからすごい奴だぜ・・・・」

 

ガコンッ・・・ピットのゲートが開き唯依が戻って来た。

 

土日が終わればいよいよ俺達の試合が始まる。

その時までがんばんねぇとな・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

ヒロイン設定

篁唯依 16歳

性別 女 

イメージキャラクター 篁唯依 (マブラヴオルタネイティヴトータル・イクリプス)

瞳 紫水晶

髪 黒

所属 日本航空自衛隊IS部隊 日本代表候補生

階級 二等空尉

特技 料理(プロ級) 日本舞踊 神楽舞 剣術

好きなもの 雅樹 歌舞伎 和菓子       

苦手(嫌い)なもの 楯無 篠ノ之束 ムカデ

備考

基本的に礼儀正しく凛々しい女性だが、その内には気弱な面もあり、他者にそれを見せようとはしないが雅樹の前だとどうしてそれが保てない。料理が得意で、特に肉じゃがは絶品である。雅樹とは幼稚園の頃からの付き合いで家が隣同士でよく一緒に遊んだ仲だったが、小学校の卒業間近の時に両親が他界してしまい、急遽、叔父である巌谷榮二の元へ預けられる。

その時に雅樹に再会の約束にリボンをプレゼントされ今でも大事に持っている。

幼少の頃、雅樹と一緒に『神祇無窮流(じんぎむきゅうりゅう)』を習い、更に引っ越した際に伯父の巌谷に『不易久遠流(ふえきくおんりゅう)』を習ったため同時に二つの流派を使える。

中学に入る際、ISの適性が高いこと、類稀なる操縦技術からから代表候補生として選ばれ巌谷が彼女を危険にさらさないために自衛隊で保護し、正式な軍人ではないため基本的に日本でISの装備のテストパイロットをしている。

 

 

クリスカ・ビャーチェノワ 16歳

性別 女

イメージキャラクター クリスカ・ビャーチェノワ(マブラヴオルタネイティヴトータル・イクリプス)

瞳 深紫

髪 銀

特技 運動全般 IS操縦 イーニャの世話

好きなもの 雅樹 イーニャ 夏樹 

苦手(嫌い)なもの 織斑一夏 篠ノ之束 他人

備考

雅樹の父ゼオルートがとある実験施設からイーニャとクリスカの二人を助け出し二人を龍見家に養子として迎え入れた。

最初はイーニァにだけは、母親の様に優しく接し、大切に思っており、周囲に対して時たま攻撃的な一面を見せる事もあったが、ある事件が切っ掛けで徐々にであるが雅樹と夏樹には心を開くようになる。ただし、やはり他人には攻撃的で雅樹や夏樹を悩ませている。密かに義母の夏樹に料理を習っており、現在修行中である。

ISの操縦技術は代表候補生並みで特にイーニャとのコンビネーションは世界トップクラスの実力。

研究所と同じ雰囲気を持つ篠ノ之束を嫌悪している。

 

イーニァ・シェスチナ 16歳

性別 女

イメージキャラクター イーニァ・シェスチナ(マブラヴオルタネイティヴトータル・イクリプス)

瞳 深紫

髪 銀

特技 昼寝 IS操縦   

好きなもの 雅樹 クリスカ 夏樹 ミーシャ(ぬいぐるみ) 甘い物

苦手(嫌い)なもの 勉強 篠ノ之束 風鈴音(犬猿の仲)

備考

クリスカと一緒にゼオルートに助けられ、龍見家の養子に迎えられた。性格は幼さを感じる一面もあるが、時折、妙に大人びた雰囲気を出す事もある。ぬいぐるみの『ミーシャ』を大事にしている。

龍見家に引き取られてから雅樹に一番最初に心を開く(その事で当初はクリスカの仲が険悪になってしまう)。雅樹に依存している節があり、中学時代は雅樹にべったりで雅樹もイーニャに甘いので二人はつき合っているのでは?という噂もあった。ただし、それは雅樹やクリスカの前だけで雅樹やクリスカがいない時などはかなり毒舌で冷たい印象がある。

ISの操縦技術は代表候補生クラスで特にクリスカのコンビネーションは世界トップクラスの実力。

研究所と同じ雰囲気の篠ノ之束を畏怖している。

 

 

巌谷榮二

イメージキャラクター 巌谷榮二 (マブラブオルタネィティブトータルイークリプス)

備考

顔に大きな傷負った渋い感じの男で、階級は航空自衛隊二等空佐。自衛隊内部でも女尊男卑の影響が出ている中、その指揮能力とISの開発技術手腕によって今の地位につくほどの豪傑。篁唯依の伯父に当たり、唯依の父親と雅樹の母親とは学校の同級生で親友同士。

『不易久遠流(ふえきくおんりゅう)』の継承者の一人であり、唯依の師匠でもある。

若干親バカ気味であり唯依に近づく悪い虫は血祭りに上げたと噂が立っているが、真意はハッキリとしてない。

 

 

 

フィカーツィア・ラトロワ

イメージキャラクター フィカーツィア・ラトロワ(マブラヴオルタネイティヴ トータル・イクリプス )

備考

金髪ポニーテールのロシア系美女。IS学園二組の担当教師兼二年生寮の寮長、料理部顧問で元ロシア代表。元々ロシア軍の軍人だった時の名残で規則にはかなり厳しい時もあるが、生徒からの個人的な悩みを親身になって答えてくれるため生徒からの評判はかなり高い。

第1回IS世界大会(モンド・グロッソ)の総合準優勝と射撃部門優勝者。その実力と美貌で周りからは敬意を表して『ジークルーネ』と呼ばれているが本人はそう呼ばれるのを嫌っている。

千冬とはお互いが認めあうライバルで接近戦では千冬が、遠中距離ではラトロワが最強といわれるほど。

因みに既婚者だったが現在夫とは離婚しており密かに新たな恋を探している。

なお、この作品のラトロワは千冬と同年代と設定しています


 
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