No.455094

ハイスクールD×D~HSSを持つ転生者~ 第20話

あっくんさん

神様の悪戯で、死んでしまった俺―――神矢クリスはハイスクールD×Dの世界に転生した。原作の主人公、兵藤一誠らに会っていろんな事に巻き込まれる。

2012-07-18 13:07:05 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4902   閲覧ユーザー数:4703

朝。目を覚まして1階へ降りると、

「…先輩。おはようございます」

 リビングに小猫がいた。何故だ…?

 あっ! 思い出した。確か小猫が「先輩を監視する為」といわれて、

 俺の家に泊まったんだっけ。

「あぁ…おはよう」

「…先輩。お腹がすきました。何か作ってください」

「はいはい」

 苦笑しながら、朝ごはんをつくる準備をした。

 

 

 

 

 朝ごはんを食べた後、俺は少し出かけた。聖剣使いの

 イリナとゼノヴィアを探す為だ。探している途中に一誠を見つけたが、俺達の

 姿をして逃げたので小猫を捕まえに行かした。

 俺も小猫を追いかけると、そこには匙もいたから問いただしてみた。

「…で、何で俺達の姿を見て逃げ出したんだ?」

 一誠は咳払いをすると

「聖剣エクスカリバーの破壊許可をイリナとゼノヴィアからもらうんだ」

 俺が思っている事と同じ事を言った。

 

 

 

 

 

 

「…で、ドコを探すんだ? 一誠」

「町を歩いていたら、見つかるだろうな」

 まぁそうなるだろうな。ドコにいるかわからないからな。

 匙は…逃げようしたところを小猫に捕まっていた。

「小猫は、祐斗が聖剣計画の犠牲者で、エクスカリバーに恨みを持っている

 事は知っているよな?」

 小猫は頷いた。

 まぁそんなこんなで話しながら町中を歩く事30分。流石にそう簡単に

 見つからないと思ったら―――――

「えー、迷える子羊にお恵みを~」

「どうか、天の父に代わって哀れな私達にお慈悲をぉぉぉぉ!!」

 思っていたより、早く見つかった。極秘任務中じゃなかったのか?

 歩行者も「何? こいつら」みたいな目線を向けていた。

「なんて事だ。これが超先進国であり経済大国日本の現実か。これだから

 信仰の匂いもしない国は嫌なんだ」

「毒づかないでゼノヴィア。路銀の尽きた私達はこうやって、異教徒どもの

 慈悲なしでは食事も摂れないのよ? ああ、パンひとつも買えない私達!」

 

「…クリス。多分あの人達だよな?」

「…違う事を祈りたいけどな」

 正直、見ていて楽しい。何かケンカをはじめるし。

 でも、見ていて悲しくなってきたので、俺はあの二人のところに行って

「…おい。何してんだ」

 声をかけた。二人は俺の方を向き

「…何のようだ。今ちょっと手が離せないんだ」

「そうよ。用なら後でいってちょうだい」

 そう言うと、二人はまたケンカを始めた。

「食事に今から行くが…お前達も行くか?」

 

 

 

 

 

「うまい! 日本の食事はうまいな!」

「うんうん! これが故郷の味なのよ!」

 ファミレスのメニューの半分以上を食べている二人を、見て

「一誠。お前が六割出せ。俺四割な」

「なんだと!? お前が誘ったくs「俺は一人暮らしなんだよ」そうですね。

 すみませんでした」

 そう。潔く出せばいいんだよ。

「で、私達に接触した理由は?」

 ゼノヴィアが聞いてきた。鋭い人だ。偶然にしては出来すぎだったかな?

「お前達のエクスカリバーの破壊に協力したい」

 俺の告白に二人は目を丸くしていた。それもそうだよな。悪魔が聖剣の破壊

 に協力したいなんて言わないからな。

 二人は少しの間考え込んで

「そうだな。一本ぐらい任せてもいいだろう。破壊できるのならね。

 だが、そちらの正体を知られないようにしてくれ。関わりを持っているのは

 上にも敵にも知られたくない」

 どうやら、協力してもいいらしい。よかった。

 

「ゼノヴィア。相手はイッセーくんと未知の神器を持っている人とはいえ

 悪魔なのよ?」

 異を唱えるイリナ。それが普通の反応だろう。悪魔(エクソシスト)祓いならな

「正直言って私達だけでは聖剣三本とコカビエルの戦闘は辛い」

「それはわかるわ! でも…」

「最低でも私達は三本のエクスカリバーを破壊して逃げ帰ればいい。

 私達のエクスカリバーが奪われるぐらいなら、自らの手で破壊すればいい。

 奥の手を使ったとしても任務を終えて、無事帰れる確率は三割程度だ」

「それでも、高い確率だと私達は覚悟を決めてこの国に来たはずよ」

「上にも任務遂行して来いといわれた。自己犠牲に等しい」

「それこそ、信徒の本懐じゃないの」

「気が変わったのさ。私の信仰は柔軟でね。いつでもベストな形で動き出す」

「あなたね! 前から思っていたけど、信仰心が微妙におかしいわ!」

「否定はしないよ。だが、任務を遂行して無事帰る事が本当の信仰と信じる。

 生きて、これからも主のために戦う。――――違う?」

「……違わないわ。でも」

「だからこそ、悪魔の力は借りない。代わりにドラゴンの力を借りる。

 上もドラゴンの力を借りるなとは言っていない」

 ゼノヴィアの視線が一誠に向けられた。

 

 一誠の左手に宿っている赤龍帝の事を言っているのだろう。

「交渉成立だな。俺のドラゴンの力を貸す。じゃあ俺のパートナーを呼んでも

 いいか?」

 一誠は携帯を取り出して、誰かを呼び出した。

 

 

 

「……話はわかったよ」

 祐斗は嘆息しながらコーヒーに口をつけた。

「正直、エクスカリバー使いに破壊を容認されるのは遺憾だけどね」

「ずいぶんな言い様だね。そちらが『はぐれ』だったら、問答無用で切り捨てている

 ところだ」

「そんなに睨み合うな。ケンカをするなら死なない程度でやってくれ」

「やはり『聖剣計画』のことで恨みを持っているのね」

 祐斗は目を細めながら「そうだよ」と冷たい声音で肯定した。

「だが、その事件は私達の間でも、最大級に嫌悪されたものだ。処分を決定した

 当時の責任者は信仰に問題があるとされ、異端の烙印を押された。

 今では堕天使側の住人さ」

「堕天使側に? その者の名前は?」

「―――バルパー・ガリレイ。『皆殺しの大司教』と呼ばれた男さ」

 そいつが…祐斗の仇敵か。

「僕も情報を提供したほうがいいね。先日、エクスカリバーを持った者に

 襲撃された。その際、神父を一人殺害していたよ。そちら側の者だろうね」

「!!」

 祐斗が先に接触していたとはな。

「相手はフリード・セルゼン。この名に覚えは?」

 あいつ…あの氷結弾をかわしたのかよ。

「なるほど…奴か」

「元ヴァチカン法王庁直属のエクソシスト。十三歳でエクソシストになった天才

 悪魔や魔獣を滅していく功績は大きかったわ」

 下級悪魔の俺に遅れを取るあいつが天才かよ。世も末だな

 

「そうか。フリードは奪った聖剣を使って同胞を手にかけていたのか。

 あの時、処理班が始末できなかったツケが私達が払うとはな」

 忌々しそうに言うゼノヴィア。まぁあの性格では嫌われても仕方ない、か。

「まぁいい。とりあえず、エクスカリバーの破壊の共同戦線といこうか」

 ゼノヴィアはメモ用紙にペンを走らせると、連絡先をこちらに渡した。

「何かあったらここに連絡してくれ」

「イッセーくんのケータイ番号はおばさんからもらっているわ」

「マジかよ! 母さん! 勝手なことを!」

「では、そういうことで。食事の礼、いつかするぞ」

「食事ありがとね」

 二人は帰っていった。

「ふうぅぅぅぅ…よかった。失敗していたら今頃エクスカリバーに斬られて

 いたところだな」

 俺は自分で自分を守れる程度の力はあるからな。

 

「…クリスにイッセーくん。どうしてこんなことを」

「そんなに不思議そうな顔をするなよ。俺達は、同じ眷属で仲間だ。

 助けるのは当たり前だろ?」

「私は…先輩がいなくなるのは、悲しいです」

 哀しげな表情をする小猫。

「…お手伝いします。…だから、いなくならないで」

 やば…少し可愛いと思ってしまった。普段は無表情だから

 こんな哀しげな表情されてたら無条件に守りたくなるな。

「ははは。まいったね。小猫ちゃんにそんな事を言われたら、僕も無茶できないよ

 わかった。今回は皆の好意に甘えさせてもらおうかな。みんなのおかげで

 真の敵もわかったしね。でも、やるからには絶対に壊す!」

「よし! 俺らエクスカリバー破壊団結成だ! 頑張って奪われたエクスカリバー

 とフリードの野郎をぶっ飛ばそうぜ!」

 気合の入れた一誠。…一応、俺もエクスカリバー使いだけどな。

 でも絶対に俺のエクスカリバーは壊れる事はないからな

 

 


 
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