第九話
現在、葵は近くの川原にあるサッカーコートに立っていた。
高町士朗がコーチ兼オーナーを務める翠屋JFCの試合の日らしい。だが、葵は全くの無関係にもかかわらず翠屋JFCのユニフォームを着つつ、コートに立っていた。
なぜか、それは・・・
回想
「サッカーですか?」
「うん。悪いんだが、補欠で入ってくれないか? その、一人おたふくかぜで寝込んでしまって」
「はぁ、構いませんが。家の人も呼んでもいいですか?」
「ん? それぐらいはかまわんよ」
「では、参加させてもらいますね。あといっておきますがど素人なのであまり考えず、ね」
「そこまで気負いすることはないよ。こっちも無理を言って頼んでいるのだから」
そして当日
「あ! 葵く・・・ってその子たちは?」
「だれ?」
「あんたの彼女?」
葵の後ろにはエクスとルミル、そしてリニスがいた。
「違う。私がお世話になっている叔父の娘さんと家政h「メイドです」は?」
「ですからメイドです」
「いえ、でも家政「メイドです」・・・・k「メ・イ・ド」・・・・。メイドのリニスです」
「はい♪」
「「「あ、あははは・・・」」」
「〈なのは、ユーノ。聞こえるか?〉」
「〈え、うん〉」
「〈聞こえるよ〉」
「〈エクスとルミルについて簡単に説明する。彼女達は私のデヴァイスみたいな存在だ〉」
「〈え!?〉」
「〈そ、それ本当なの!?〉」
「〈あぁ。彼女たちの能力で人型、待機モードでイヤリングにもできる。だからといって物扱いはできればやめてほしい。彼女達は私にとってかけがえのない大切なものなんだ〉」
「〈うん! 分かった〉」
「〈もちろんだ!〉」
「〈ありがとう。いつか、何か御馳走しよう〉」
「〈ほんとう!〉」
「〈あぁ〉」
そう念話でなのはとユーノと話していると、
「葵君! すまないがレギュラーで出てくれるか?」
「分かりました。では、行ってくる」
「がんばってね! 葵君!」
「まぁ、がんばんなさい」
「がんばってね」
「がんばってください、マスター」
「ファイトです! マスター!」
「「ますたー!?」」
「「あ・・・・」」
後ろで何か言っているが無視して駆け足で進む葵。
そして試合開始のホイッスルが鳴った。
「素人だがよろしく頼む」
「あぁ。頑張ろうな」
「あぁ。それより一つ確認したい」
「なんだ?」
「一人で突っ込んでもいいか?」
「・・・・」
「どうした?」
「い、行けるのか?」
「あぁ。これぐらいなら」
「じゃ、じゃあ、お手並み拝見としよう」
そして、ボールを持っていた味方が葵にパスをした瞬間、
「フッ」
ドリブルで一気に中央を駆け抜ける。
「速い!」
「な、なんだあれ!?」
敵側のスライディングはおろか、突っ込ますすきも与えない。とりあえず速度でほんろう。そして、
「ほっ」
そのままシュートしゴール。
「「「「・・・・・・・・・・」」」」
観客のなのは、アリサ、すずか、リニスは唖然。
「さすがマスターです!」
「当然だ。マスターなら」
エクスとルミルはさすがといったように称賛している。
「ご、ゴール!」
開始数秒でゴール。このことに観客はおろか味方、敵とも唖然としていたがいち早く回復した審判によってみんなが元に戻る。
『おぉおおおおおおおおお!!!』
「あ、葵君。君は一体どこまですごいんだい・・・・」
「お前やるな!」
「勝てるぞ! あれだけの速度なら!」
と見方からは称賛され、
「あ、ありえねぇだろ・・・」
「お、追いつける奴いるか?」
「無理だろ!?」
と、敵は意気消沈。
「葵君すご~い!!」
「へぇ~。やるじゃない」
「かっこいいよ! 葵君!」
その後、葵の速度の翻弄により敵は一点取れずに22―0で翠屋JFCの圧勝に終わった。
帰り際になぜか「陸上部の試合に来ないか?」や、「いやいや、バスケだろ!」とスカウトの嵐が来たが、丁重にお断りした。
その後、翠屋にて祝勝会が行われた。だが、そこでキーパーの子がジュエルシードを持っているのを見えた。
「〈エクス、ルミル。タイムストップを使う。なのはとユーノにそれらしいことを伝えといてくれ〉」
「〈分かりました〉」
「〈了解だ〉」
「〈時を統べる神の身業。タイムストップ!〉」
すると、周りの光景がピタッと止まる。誰一人として動かない。葵の魔法の一つ。タイムストップはその名の通り時を停める。魔法を使用した本人以外いかなるもの、いかなる存在の時をも止める魔法だ。
「さて、ジュエルシードは確保。後これをごまかすために」
そういって魔法でジュエルシードと同様の形、色の宝石を創り、キーパーの子のポケットに戻す。
「これでよしっと。解除」
そういうと、泊っていた時間が動き出すように周りの日々とも再び動き出す。
その後、なのはにジュエルシードを渡し封印してもらった。
なのはも、「これからもっと頑張って一生懸命手伝う!」といって張り切っていた。
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