「来たか…」
大和はアリーナ中央で、零戦を展開させ待機していた。
「確認する。一次移行(ファースト・シフト)は済んでいるか?」
大和はそれによって戦術を変えようとしていた。一次移行(ファースト・シフト)が済んでいないと初期設定で戦うことになる。その状態で機体がボロボロになると後々まずいことになる。
「一次移行(ファースト・シフト)?なんだそれ?」
織斑は疑問を疑問で返してきた。
「…了解。後でわかる」
一次移行したなら、形が変わるため誰だって分かる。それが分からないということは、まだ 初期状態のままということだ。
大和は織斑先生に連絡をとる。
「こちら、蒼井大和。織斑一夏は現在、初期設定のため、一次移行(ファースト・シフト)してから1分以内の撃墜ということでよろしいでしょうか?」
「構わん。愚弟の面倒を見てやれ」
「了解。織斑一夏の一次移行(ファースト・シフト)が完了したら、二人まとめて指導したいので、セシリア・オルコットを出撃させて貰ってもよろしいでしょうか?」
「いいだろう。あの高飛車なお嬢様に現実を教えてやれ」
「了解。感謝します。」
そして、大和は一夏に向かい、
「一夏、まずはお前の機体を一次移行(ファースト・シフト)させる。少し手荒にするが、大体30分位で終わる。それが終わったら、お前とオルコットがペアを組んで俺はお前らを堕とす。質問は?」
「ちょっ、二対一って大丈夫なのか?」
「問題ない。余裕だ。それと言っておくが、最初の30分で堕ちるなよ?」
「わかってる!!」
「試合、開始!!」
とコールがながれ、大和は20mm機銃を呼び出し、一夏に浴びせる。
「何をやっている!!止まっていたらただの的だ!!」
「どうしろというんだよ!!」
と一夏は20mm機銃の弾幕から抜け出したところで刀を持ち出した。
へ?刀?
「正気か!?銃相手に刀敵う訳ないだろ!!」
「正気も何も、これしか武器が無いから仕方ないだろ!!」
「そうか、なら!!」
と、20mm機銃から日本刀へと武器を持ち替え、一夏に肉薄する
キィイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!
金属同士がぶつかる音がし、つばぜり合いになる
大和は一夏を回し蹴りの要領で蹴りとばし、距離をとる。
そこに、シールドを呼び出し、瞬時加速(イグニッション・ブースト)を使い、再度一夏に肉薄し、一夏のブレードをシールドで流しながら一夏の左脇から斜め上に切り上げる。
「つばぜり合い担ったら、距離をとれ!再度突撃されたら素早く回避しろ!!」
と言いながらライダ○キックのように蹴りとばす。
大和は、シールドを構えると、ミサイルポッドが現れ、無数のミサイルが一夏を襲った
*****
この戦いを管制室から見ている人が四人いた。
織斑千冬、山田真耶、セシリア・オルコット、篠ノ之箒である。
「いや~、二人共凄いですね~」
と、真耶は感想を語る
「蒼井はあれで手加減しているが、一撃も攻撃を喰らっていないからともかくとして、織斑は、回避どころか攻撃を入れることすら出来ていない」
と、千冬は戦いの解説を行う。
そこに、一夏がミサイルに襲われる映像が映し出された。
皆が息を飲む中千冬は
「機体に救われたなバカめ」
とつぶやき、
「オルコット、出撃準備!準備が出来次第連絡しろ」
と指示を出した。
映し出された映像には一次移行(ファースト・シフト)を終えた百式が映っていたという
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蜂 「機体に救われたなバカめ」