No.454627

PERNANO~ペルなの~StrikerS 3話

…俺は『奴』と戦い、『向こう側』に戻ったハズだった。

しかし、俺がたどり着いたのは『ミッドチルダ』という世界だった。

そこで俺は独りぼっちの少女と出会った。

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2012-07-17 15:12:30 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1306   閲覧ユーザー数:1290

前回から少しだけ時間が進みます。

 

達哉がミッドチルダに来てから既に一週間が過ぎていた。

 

達哉はこの一週間、ミッドチルダの文字をティアナに教わったり、街へ行ったりしてミッドチルダの事を調べていた。

 

その中で、達哉はこの世界にも『魔法』がある事を知った。しかし、『魔法』の定義が自分の知っているものと違う事には驚いた。

 

…どうやらこの世界の『魔法』は、自分や悪魔が使うようなものではなく、俗に言う超科学のようなものらしい。

 

そしてもう1つは『質量兵器』…質量兵器とは言うなれば『向こう側』や『こちら側』で使っていた刀や剣と言ったような武器などがそう言われているようだ。

 

そして最後に『時空管理局』という組織がある。

 

これはこの世界…ミッドチルダの他にも多数の世界があり、この『時空管理局』という組織…通称『管理局』はこれらの世界を『次元世界』として管理している組織である。

 

そして、管理局に所属している人の大半は『魔導師』という魔法を使う者で、ティアナの兄であるティーダもその魔導師だったとティアナは言った。その時にティアナはこう言った。

 

『私は兄さんのような魔導師になる…私は兄さんのような執務官になりたい!』

 

それを聞いた達哉は

 

『…それがティアナの夢か?』

 

『はい!』

 

『そうか…頑張れよティアナ』

 

 

『夢は信じていればきっと叶う』、そう達哉は言った。根拠は無い、だがティアナの目を見たらふとそんな事を言っていた。

 

 

と、そんな感じで一週間が過ぎていった。

 

ーーーーーーーーーー

 

ある日の午後、達哉はティアナと街中にある図書館に来ていた。

 

達哉は図書館に『向こう側』へ帰るヒントがないか調べることにしたからだ。(ちなみにティアナは達哉の手伝いである)

 

本来であれば管理局へ行って訳を話して、元の世界へ送ってもらう事で帰る方法があった。しかし、管理局に聞いたところ、管理局の言う地球は達哉の知る地球ではなく、『第97管理外世界「地球」』という、『向こう側』や『こちら側』の地球と全く異なる別の世界…つまり『平行世界』だった。

 

決定的な理由は、管理局の言う地球は珠間瑠市が無く、別の名前の市になっていたからだ。そして、管理局でも平行世界を渡る事は出来ない、と言われた事により、管理局の力では『向こう側』に帰る事は出来ない、と達哉は判断した。

 

しかし、だからと言って諦めるわけにはいかない。今この瞬間にも、ニャルラトホテプはこの世界に目をつけるかもしれないのだ。

 

そうなれば自分だけの問題では済まない、この世界にまでニャルラトホテプの危害が及んでしまう、それだけは絶対に避けなければならない。

 

そう考え、達哉はティアナと共に本を捜し始めた。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

数時間後、図書館を出た2人は買い物をして帰る途中だった。

 

達哉は図書館に欲しい情報が無かった事で少し落胆していた。

 

まあ、管理局ですら出来ない事をしようとしているんだ、そうすぐに方法が見つかるとは思えないが、何か1つ位はあっても良いんじゃないか?

 

そう思っていると、ティアナが達哉に話しかける。

 

「あの…確かに今回は情報は見つかりませんでしたけど、方法は必ずあると思いますから、元気だしてください!」

 

…今の俺はそんなに落ち込んでたのか?

 

「…そうだな、確かに見つからなかったが、まだ方法が無いと決まった訳じゃないな」

 

「そうですよ!時間は掛かると思いますけど、どこかに帰る方法がある筈ですから頑張りましょう!私も手伝いますから!」

 

「…そうだな、ありがとう。ティアナ」

 

達哉はティアナに礼を言った、偽りのない達哉の本音だった。

 

ーーーーーーーーーー

 

家に帰った2人は料理を食べながらテレビを見ていた。番組の内容的にニュースのようだ。

 

『それでは、次のニュースです。今日の夕方5時頃にクラナガン東部にある家屋で火災が発生しました。現場の状況から放火と見られるようで、放火の被害者は体を刃物で切り裂かれているようです』

 

ニュースの内容は火事と殺人の事だった。

 

「最近、放火殺人が多いですね…」

「そうなのか?」

 

「達哉さんは知らないかもしれませんけど、達哉さんがミッドチルダに来る2ヶ月位前から放火や爆発と言ったような事が原因の火事が多くなったんですよ。それで被害者を殺しているのは、放火と同一犯かも知れないってニュースで言ってました」

 

「…………」

 

 

達哉はティアナの話を聞いて『向こう側』の事を思い出していた。

 

爆発や放火、それに殺人…、それはどこか『あの男』のやっていた事を彷彿とさせた。

 

だが、あの男がこの世界に居る訳がない。あの男は『向こう側』でも『こちら側』でも空の科学館で最期を迎えた筈だからだ。

 

そう考える達哉。しかし次の瞬間、テレビのアナウンサーが言った言葉が、達哉の考えを大きく変えた。

 

 

『今、情報が入りました!放火を行った犯人の特徴は…』

 

 

 

 

 

 

 

『たてがみのように伸びきったボサボサの髪に病院着の上に肩でコートを羽織った男だとの事です!』

 

 

「なんだと!?」

 

達哉は驚愕した。まさか、『あの男』がこの世界に居るだと!?あの男は空の科学館で飛行船と共に海へ沈んだ筈だ!

 

アナウンサーが言った事に驚愕している達哉にティアナが聞く。

 

「達哉さん、あの放火犯の事、知ってるんですか!?」

 

「…ああ、よく知ってるさ…」

 

 

達哉はもう一度テレビの方を向くとそこには、先ほどの特徴の男の写真が出ている、達哉はその写真を見て言った。

 

 

 

「…どうしてお前がこの世界に居るんだ!『須藤 竜也』!!」

 

 

 


 
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