「全ては明日から、か」
「何がだ?」
「うわぁ!」
そんな正純の声と共に小狼が青雷亭から出てきた。
「いきなり返事するなよ、驚くだろ!っていうかどっから出てきた?」
「店の奥から。トーリとホライゾンにタオルケットをかけるためにな」
見れば二人の肩からタオルケットがかけられている。
「というかお前、動いて大丈夫なのか?」
「Jud、日常生活にはもう問題無い。医者に見せたら一週間程で完治と言ってたよ、それと大事な時に足手まといになって迷惑を掛けてしまった
すまない。」
と小狼が正純に向かって頭を下げた。
急に頭を下げられ、
「いやいや、私も怪我した事情は知っているし何より普段からお前に葵のことで負担をかけっぱなしだしな、だから気にしないでくれ!」
と珍しく正純が動揺している。
正純は普段から外道連中と相手しているせいで武蔵の中ではまとも以上に真面目な小狼の謝罪に対して動揺している半面、何か裏が有るのではないかと
疑ってしまう自分がいる事に驚いているのである。
というか正純はすでに武蔵の外道連中に染められていると思います。
そんなことをしていると、
「ほらほら、あんたはこっち!」
小狼が喜美に引っ張られドナドナされた先には、梅組の面々を中心に武蔵の学生が大勢いた。
「どうしたんだこんなに人がいるんだ?何か芸でもするのか?」
と小狼が疑問符を浮かべているとネシンバラが
「忘れたかい小狼君、君と浅間君の過去バナトーク会を戦いの後話すと言っていただろう」
「Jud、俺は構わないが、浅間はいいのか?」
と隣で俯いているもう一人の相方に聞いた。
「わ、私は別に構いませんが、小狼君、本当にいいんですか?」
浅間は俯きつつも心配そうな声で言った。
「Jud、どうせ覚えていないからな。みんなの話のネタになるなら構わないよ」
かっこいい!、と周りから聞こえた。
「それじゃあ喜美君よろしく頼むよ」
「ふふふ、じゃあどこから話しましょうかしらね」
とそんな楽しげな声で
「あれは小狼が武蔵に来てから一週間ごろだったかしら・・・・・・」
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次回、小狼の過去が明らかになります。
あとすみません。次で二巻終了です