No.452864

ハイスクールD×D~暗黒の神器~

前話を連続投稿してしまい読んで頂いている方には余計な混乱を招いてしまいましたorz
この場を借りて、報告して頂いた方と何時も読んで頂いている方に深い感謝を!

さて2話目ですが、漸く従者の彼女の名前が書けましたー!
もうお分かりの方もいらっしゃると思いますけどね・・・(´-`)

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2012-07-14 20:43:14 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:5671   閲覧ユーザー数:5394

「第2話」

 

 

 

 

 

 俺の肩を飛び立ったカラスは時折こちらを振り返ったり、生えてる木に止まったりして俺達を案内してくれている。

 ゆっくりと二人でそれを追いかけていると、ふと自分がまだ彼女にちゃんと自己紹介をしていない事を思い出した。彼女にはこれから先色々と面倒をかけてしまう訳だし、幾ら俺の想いから生まれたと言ってもその辺の礼儀はしっかりしておかないといけない・・・

 

 「あぁ、そう言えばまだちゃんと自己紹介していなかったな。もう知ってるとは思うが、俺の名前は如月紫苑。これから宜しくお願いするよ。」

 

 周りを珍しそうに見回していた彼女は、俺に振り返った彼女はニヤニヤと小悪魔的な笑顔を浮かべていた

 

 「ふふっ・・・殊勝な心掛けね。確かにあなたの思った通り私はあなたの想いから生まれたからあなたの事なら何でも知ってるけれども礼を尽くすのは素晴らしい事よ。なら私も礼には礼で返さないといけないわね。我が名は曹孟徳、真名は華琳よ。我が主として相応しい働きに期待してるわよ紫苑?」

 

恋姫無双と言う三国志を舞台としたゲームの中で、彼女は魏の覇王として三国の平定を目指していた。少女としての生き方より覇道を貫く者としての生き方を選んだ彼女に惚れ込んだ俺は、サタンに従者を選べと言われた時真っ先に彼女を思い描いた。その実物が目の前に居る、こんなに嬉しい事はないな・・・。

 

 「そう言われると何か恥ずかしいわね・・・。正直すぎるのもどうかと思うけれど・・・惚れられて嫌な気はしないわね・・・。」

 

 何故か彼女・・・華琳は恥ずかしがっている・・・。んん・・・?恥ずかしがってる・・・?

 

 「華琳もしかして君・・・俺の考えが・・・分かる・・・?」

 

 恥ずかしそうに下を向いていた彼女が、ぼそぼそと小さい声で

 

 「えぇ・・・まぁ・・・。生まれる時にあなたと魂が繋がったらしくて、大体の事は・・・ね。」

 

 うん、さっきから俺が考えてた事全部筒抜けだった訳ね。何この羞恥プレイ・・・

 

 「ま、まぁほら離れててもお互い分かるし、私の考えもあなたに分かる訳だし?これから一緒に居るんだから細かい事はいいのよ!」

 

 「まぁ、そうだな・・・。華琳の恥ずかしそうな顔も拝めた事だし良しとするか。」

 

 「う、うるさいわね!あんな事言われた事なかったんだからしょうがないじゃない!あなたいい加減にしないとその首刎ねるわよ!?」

 

 そう言いながら愛用の死神鎌「絶」を取り出す

 

 「ちょっと待て、もうからかわないから落ち着け・・・。さすがにそれは色々マズイだろ・・・。」

 

 多分その程度じゃ俺は死なないんだろうけど色々マズイ気がするので、とりあえず華琳を落ち着かせる。

 

 「はぁ・・・もう・・・。」と、絶を収納した彼女はこちらを向き

 

 「とりあえず、これから宜しくお願いするわね紫苑」

 

 そう言った彼女はとても綺麗な笑顔をしていた

 

 「あぁ、こちらこそ宜しくな華琳。」と、微笑み返した。

 

 

 

side:華琳

 

 

 如月紫苑・・・彼が私の主の名。私は彼の想いによって生まれたわ・・・。生まれる時彼・・・紫苑と魂が繋がった私は、魂を通して今までの紫苑と言う人物の生き方を知ってしまった。

 

 初めて彼の魂に触れた時・・・とても悲しく、そして生まれる時代を間違えた人だと私は思った。

 

 紫苑は私と同じく人から「天才」と、呼ばれるタイプの人間だったわ。努力も怠らなかったみたいだけどね・・・。

 ある程度の物事は超一流と言われるレベルまでこなし、分け隔てなく他人とも付き合えるそんな人だったみたいだけれど・・・彼が生まれて生きた所は他人が自分と違う事が容認出来ない・・・そんな時代だった・・・。常に周りから疎まれ、蔑まれ、執拗な嫌がらせを受けていた彼はそんな生活に疲れてしまい、それをする他人に絶望していた。

 

 「もったいない」と、私はそう思ったわ・・・。

もし紫苑が私と同じ時代に居たなら、確実に彼を召抱えて常に傍に置いていたはずだもの・・・。

 

 そして次の場面では、サタン達に見初められて殺された後今の紫苑になったみたいね。不必要なしがらみから抜け出せて自らの力を最大限に発揮しても問題ない「この世界」に行く事になった紫苑はとても生き生きとしている。

 

 この世界に来てサタンから説明を受けて彼が消えた後、少し頭を抱えていたけれどね・・・。その後全て知っている私に対して自分から自己紹介をし始めた時律儀な人だと思った。

 

 紫苑の考えてる事が私の中に入ってきた時、とても嬉しかった。それと同じぐらい恥ずかしかったけれどもね・・・。

 

 紫苑が私に嬉しそうに微笑み返してくれた時、私は「あぁ・・・この人を支えて行こう」そう思ったわ。

 

 願わくば私と同じ気持ちの人が紫苑の周りに増えますように・・・。

 

 

sideout

 

 

 「・・・琳・・・華琳・・・大丈夫か?」

 

 「え?えぇ、大丈夫、問題ないわ。少し考え事をしていたのよ。」

 

 ぼーっとしていた自分を呼ぶ俺に気づいた華琳は、問題ない事を手を振ってアピールした

 

 「疲れたか?結構歩いたからな・・・。もうちょっとで森を抜けて市街地に出るから、もう少し頑張れば家に着くからな。」

 

 「えぇ、そうね休むのは家に帰ってからにしましょう。」

 

 そうこうしている内に森を抜け市街地に出た俺達は案内役のカラス先導の元、家に向かって歩き続けていた。

 

 「俺の居た所とほぼ変わらないのか・・・。華琳にとっては知識として知っていたけど実物は初めての物ばかりじゃないか?」

 

 「そうね・・・。このビルとか車とか凄いわね・・・。私の居た時代とはかなり違うわ・・・。」

 

 相変わらずキョロキョロと辺を物珍しそうに見ている彼女に微笑ましさを感じながら声をかけ、ふと路地に目を向けると一匹の黒猫が倒れているのが目に付いた。最初は猫の死体か・・・と思っていたが、よくよく見ていると怪我をして動けないだけで規則正しく呼吸をしている。目に付いてしまったし猫が好きな俺はこれから行く家にペットとして置いておいてもいいな・・・と思ったので連れて帰る事にした。

 

 「華琳、怪我してる猫を見つけたから連れて帰って治療するから少し待っててくれないか?」

 

 俺がそう言うと、辺を見回していた華琳は俺の視線の先の猫を見つけて

 

 「いいんじゃないかしら?あなたの家だし、私も嫌いではないわよ?」

 

 彼女の許しが出たので、早速倒れている黒猫を腕の中に抱いた俺は怪我の具合を確かめてみた。

 

 「んー・・・よかった。ぱっと見大きな怪我はないみたいだね。細かな擦り傷とか切り傷はあるけど・・・倒れたのは過労か・・・?まぁ、怪我の方は俺の力で治るだろうし後は疲れが取れたら自然と目を覚ますだろうね・・・。」

 

 スヤスヤと眠る黒猫に無理のない程度で俺の力を送り、傷を癒していたら華琳は興味深そうに

 

 「あなたそんな事も出来るのね・・・。傷がどんどん治ってるじゃない。」

 

 「ん?まぁ壊すだけが力じゃないと常々思ってたからね。出来るかどうか不安だったけどやってみたら出来たから良かったよ。」

 

 傷の癒えた黒猫を優しく抱いて、また家を目指して二人繁華街を歩いて行くとすれ違う人皆が振り返って俺達を見てくる・・・。女性は俺、男性は華琳と言った感じで・・・。

 

 「はぁ・・・こうも見られ続けると見世物になった気分ね・・・。」

 

 元々男嫌いな華琳は、道行く男性の視線に辟易としていた。

 

 「まぁ、華琳は綺麗だからね・・・。仕方ないんじゃないかな?」

 

 俺は苦笑いを浮かべダレている華琳にそう返しているが、実際そう気分の良い物じゃないな・・・

 

 「そうね・・・あなたも同じような物だものね・・・。振り返ってる女の子からとても熱い視線が送られてきてるわよ?」

 

 「んー・・・そんな視線送られた所で別に興味ないからね・・・。上辺だけしか見れない人は好きになれないし・・・。でも実際見世物状態だから早く家に帰りたいよ・・・。」

 

 いい加減今の状態に嫌気が差してきていた俺達の先を飛んでいたカラスが、ある建物の門の前に止まり一声鳴いた。

 

 「ん・・・?あれがそうかな・・・?と、言うかでかくないか・・・?」

 

 俺の目の前には立派な豪邸がそびえ立っていて何かの間違いじゃないかと思っていたのだが・・・門の上に止まったまま動かないカラスをどうやら間違いじゃないらしい・・・。それを見て華琳も

 

「そうみたいね・・・はぁ・・・やっと着いたわね・・・。」

 

華琳は城に住んでたしこのこの程度では動じないらしい・・・。仕方ないので気持ちを切り替えて漸く家に着いたと安堵の溜息を付き目の前の門を開けて家の中に入ろうとした時、ふと隣の家に視線を移した俺が見た物は・・・

 

 

 

 「兵藤」

 

 そう書かれた表札だった・・・。それを見た俺は・・・。

 

 「何でだよ・・・。」

 

 この日何度目か分からない頭痛に頭を抱えたのだった・・・。


 
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