No.451912

ゼロの使い魔 ~魔法世界を駆ける疾風~ 第六話

第六話です

2012-07-13 00:34:10 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:13015   閲覧ユーザー数:12135

「『我らの英雄』が来たぞ!」

今日も夕ご飯を貰いに厨房に来たんだけど、その呼び方はやめて欲しいなあ

「シエスタ!『我らの英雄』に特別(・・)を出してやれ!」

「わかりました」

そういってシエスタは白パンとシチューを出してくれた

「いつもありがとうね。シエスタ」

「いえいえ。今日のシチューは特別ですわ」

 

ハヤテはシチューをほおばった

 

「美味しい。確かにいつもとは違う…。まさかコレ貴族用の?」

「そうだ。そのシチューは貴族連中に出してるのと同じものだ」

「確かに美味しいよ。だけど…。マルトーさん。俺はいつもどおりのシチューでいいよ」

「なんでだ?!もしかして口に合わなかったか?」

「いや貴族たちに出してるのと同じってことは、コレを俺に出すために貴族たちのシチューがいつもより少ないってことでしょ?俺は大食いだから多分だけどおかわりの分も確保してるだろうし…。それで貴族たちから文句が出るのは嫌なんだ。俺がみんなに迷惑かけるのは…」

「…そうかわかった!お前のシチューは今後は俺達の賄いのにする。だけど今回はそれを食ってくれないか?自信作なんだ」

「うん、わかった。じゃあおかわり」

『早ッ!?』

「うんうん。いいヤツだ。料理人の一番嬉しいことは美味そうに食ってくれることなんだ。まったくお前はいいヤツだ!なあ『我らの英雄』!俺はお前に接吻するぞ!いいな!」

「接吻?!それはやめてくれ!!その呼び方はしてもいいから!!接吻だけは!!!!」

「な、なんでだよ。『我らの英雄』」

「ちょっと、師匠から術を教える代わりに接吻を迫られたんだ・・・結局その術は教わらなかったけど」

「ちなみにその師匠は男か?女か?」

「…男」

「お前たち!聞いたか!」

「聞いてますよ!親方!」

「いいか!真の男は男女問わずあこがれるんだ!見習えよ!」

『ハイ!親方!!』

 

やめてくれ。あの蛇のあのときの顔は思い出したくないんだ…

 

「やい、『我らの英雄』。その話を聞いて俺はますますお前が好きになったぞ。どうしてくれる」

「いや、どうしてくれると言われたって…」

 

いつもこうしてご飯の時間は過ぎていく…

 

 

 

 

 

 

 

俺はご飯を食べ終わった後、ルイズの部屋に戻ろうと女子寮を歩いていた

ん?ルイズの部屋の前になんかいる?

アレは・・・フレイムかな?

 

「《こんばんはフレイム》」

「キュルキュル《あ、やっと来た。ずっと待ってたのよ。ご主人様が呼んでるから部屋に来てくれない?》」

「《キュルケが?何の用か分かる?》」

「キュルキュル・・・《そこまでは分からないわ。ゴメンね》」

「《う~ん。緊急の用事だったら困るし、でもルイズのとこにも戻らなくちゃいけないし・・・そうだ!》影分身の術!」

 

ボン!

 

俺は影分身の術を使い、影分身を出した

 

「分身。お前はキュルケの部屋に行ってくれ。何の用事かは分からないけど」

「了解」

「《コレでいいかい?フレイム》」

「キュ、キュル《え、ええ。いいと思うわよ?》」

「《じゃ、俺はこれで》」

 

そういってルイズの部屋に戻った

 

 

 

分身Side

「キュルケ?フレイムに呼ばれたから来たけど、何のよう?」

「扉を閉めて?」

 

?よくわかんないけど言うとおりにしておこう

 

「こっちに来て?」

「暗くってよく見えないんだけど」

 

まあ実際は白眼使えば見えるけど

キュルケが指をはじく音が聞こえた

すると、部屋の中のロウソクが一つずつ灯っていく

俺のほうからキュルケのほうに灯っていって最後の一つが灯ったそのとき・・・

 

「ブッ?!///」

 

扇情的な格好をしたキュルケが目に入ったので、俺は鼻血を出してしまった

余談だがハヤテの影分身は腕や脚を落とされたくらいでは消えない

流石に首や頭をやられれば消えるが

 

「ちょ、ちょっとダーリン大丈夫!?」

「だ、大丈夫。それより何でそんな格好を?それにダーリン?」

「ええ、あたし恋してるのよ。貴方に。まったく恋は突然ね」

「へ?」

 

俺は突然の告白に唖然とした

 

「貴方がギーシュとヴィリエを倒したときの姿・・・かっこよかったわ。まるで伝説のイーヴァルディみたいだったわ!あたしはねそれを見て痺れたのよ。信じられる!痺れたのよ!情熱!ああ情熱だわ!」

「そ、そうなのか。情熱ねえ…?」

「二つ名の『微熱』はつまり情熱なのよ!その日からあたしはぼんやりとしてマドリガルを綴ったわ。マドリガル。恋歌よ。貴方の所為なのよ。ハヤテ。貴方が毎晩あたしの夢に出てくるものだから、フレイムを使って様子を探らせたり…ホントにあたしってば、みっともない女だわ。そう思うでしょう?でも全部貴方の所為なのよ」

 

俺は混乱してなんと答えればいいのか分からなかった

それをキュルケはYESととったのか目を閉じ唇を近づけてきた

 

「キュルケ!」

 

その時、窓の方から怒鳴り声が聞こえた

 

「君が待ち合わせの場所にいないから来てみれば…」

 

見てみるとそこにはハンサムな男がいた

確かここ三階だったはずだけど、魔法で浮いてるのかな?

 

「ぺリッソン!ええと二時間後に…」

「話が違う!」

 

 

キュルケはうざったそうに胸の谷間から出した杖を振った

その刹那、周りにあったロウソクの一本から炎が伸び窓ごとぺリッソン?を吹き飛ばした

ってあれ?

 

「ちょっとキュルケ!?彼大丈夫なの!?」

「大丈夫よ。彼もメイジなんだし落ちる直前にフライなり何なり使っているわ」

 

そんなもんなのかな?

俺は今落ちていった彼の安否について考えていると今度は窓枠が叩かれた

思考を中断して、見てみると今度は精悍な顔立ちの男が悲しそうな顔で居た

 

「キュルケ!その男は誰だ!今夜は僕と過ごすんじゃなかったのか!?」

「スティックス!ええと四時間後に」

「そいつは誰だ!キュルケ!」

 

スティックス?はキュルケの部屋に入ってこようとしたので

 

「女性の部屋に深夜、了解を得ずに入ろうとするなど貴族様のやることではありませんよ?」

 

と忠告したら

 

「お前は誰だ!なぜキュルケの部屋に居る!!」

 

という答えが返ってきた。可哀相に…

と、その瞬間背後から何かの気配を感じたので横に飛び退った

すると再び炎が飛んできてスティックス?を吹き飛ばした

 

「危ないなあ」

「貴方ならよけると思ったからやったのよ」

「…彼は?」

「彼はただの知り合いよ。まったく貴方の言ったとおり深夜に女性の部屋に押し入ろうとするなんて、貴族の風上にも置けないわ」

「いやそういうことじゃなくって…」

 

彼も大丈夫なの?と聞こうとしたら窓のほうから三人ほどの気配がしたので、うんざりしながら振り向いた

 

『キュルケ!そいつは誰なんだ!それにこいつらも!恋人は居ないって言ったじゃないか!』

 

三人の男が声を揃えて言った

 

「マニカン!エイジャックス!ギムリ!ええと六時間後に」

『朝だよ!!』

 

またまた声を揃えて言った

 

「フレイム~」

 

キュルケは頭に手を当てながらフレイムを呼んだ

 

「キュルキュル《なあに~。ご主人様。あたし寝てたのに~》」

「ゴメンね~、フレイム。あそこに居る人たちを炎で吹っ飛ばしてくれない?」

「キュルキュル!《こいつらの所為であたしは起こされたのね!》」

 

フレイムは口から炎を吐き三人を焼き払った

 

「ちょっと!今のは洒落にならないよ!キュルケ、俺は彼らを治してくる!それじゃおやすみ!!」

「あ!待ってダーリン!」

 

俺は窓から飛び出し、地面に落ちた人たちを探した

案の定五人ほど倒れていた。そのうち最初の二人は意識が戻っていたが、三人は気を失っていた

 

「大丈夫ですか!?」

「ああ、俺とそこのスティックスは大丈夫だ。落ちる直前にフライを唱えたからね」

 

キュルケの言ったとおりだった

 

「今回彼女に怪我を負わされたからって、彼女を恨まないでくださいね?」

「ああ、その辺は分かっているつもりだ。もともとほかにボーイフレンドが居ることを承知でアピールしたんだから」

「よかった。それじゃ治療しますね」

 

俺は掌仙術を使い彼らの怪我を治した

 

「おどろいたな。君は土のメイジだと思っていたが。治癒の魔法も使えるのか」

「ええ、まあ。そういうことにしておいてください」

「ありがとう。もう治ったよ」

「それじゃ。俺はもう行きます」

「本当にありがとう。よかったら君の名前を教えてくれないか?」

「いいですよ。俺の名前は波風ハヤテ。こちら風にいうとハヤテ・ナミカゼです」

「そうか。俺の名前はぺリッソン・ボナシューだ」

「それではこれで。ミスタ・ボナシュー」

「ああ。ミスタ・ナミカゼ」

 

そうして誰にも見られない場所で影分身を解除した

 

 

 

 

 

 

一方その頃、ハヤテ(本体)は今日も主人と一緒に、緊張しながら寝ていた

ぺリッソンはモブです

ぺリッソンファンの方(いるかどうか分かりませんが)すいませんm(_ _)m


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
13
5

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択