No.451329

青いチビの使い魔 第4話

だしィーさん

モブ主人公(笑)とヒロイン(?)

2012-07-11 23:35:49 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:5703   閲覧ユーザー数:5481

ジンSide

 

「あ、あの大丈夫ですか?」

 

俺は門から出てきて転んでからピクリとも動かない女性に声を掛ける。

 

「・・・・・・・・」

 

返事が無いまるで屍のようだ、・・・・・・っゆーかホントに息してるか? 全然呼吸音が聞こえないんだが・・・

 

「な、なぁ君、大丈夫か?」

 

もう一度たずねる、今度は彼女を揺らしながら起こそうとしたが・・・・・・・なんか、冷たい。

 

「えっ?・・・・ちょっ!!!」

 

俺はあわてて彼女を仰向けにして抱きかかえるように上半身を起こす。まず呼吸・・・・してない。次! 脈・・・・・・無し、え・・・死んでる? ・・・俺は恐る恐る彼女の顔を見る、血の通ってない真っ白な肌、紫の唇、そして・・・・・瞳孔が開きハイライトが消えた眼・・・・・・・・・・・・・・が俺を見た・・・!!!!!!!!!!???!?

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

俺は驚いて彼女を思い切り投げ飛ばしてしまった。ハッキリ言って怖かった、昔オーク鬼や盗賊とかをミンチにしたり焼いたり斬ったりして死体には慣れてるけど、今のはソレとは違った怖さだよ。しかも美人なのがさらに怖さを倍増させてるし! 彼女は3階ぐらいの高さの宙を舞いそして、グシャッと頭から地面に落ちた。が、次の瞬間、

 

「いったーーーーーーーーーい!!」

 

女性は大声を出して、頭のタンコブを両手だ押さえながらうずくまる・・・・・って

 

「なんでやねんっ!!!」

 

俺は思いっきり叫んだ。いや、だって息が! 脈も無かった! 瞳孔も開いてた!! さらにはあの高さから頭を打って痛いですむとか! 俺、絶対ヤバイなにか召喚したよ。外見は美少女でも実際は完全な人外だな・・・・・・・って、あれ? そう考えれば俺最高の使い魔召喚したんじゃね? しかも美少女・・・・・・問題無いじゃん! むしろラッキーじゃん。俺のハーレム計画に1人美少女増えたんだから。なら、やる事は簡単。

 

「大丈夫かい?」

 

篭絡するのみ!

 

「え?あ、はい。ちょっと頭打っただけなので、えーっとどちら様でしょうか?」

 

「失礼。俺は名をジンと言いまして、貴方のお名前も御教え頂けないでしょうか。」

 

「はい、私は烏丸ちとせ、と申します。」

 

「じゃあチトセちゃんだね(ニコッ)」

 

決まった。チトセちゃんは顔を赤くして俯いてしまったが完璧だろ。ふふふ

 

「・・・・ブツブツブツ・・・で・・・きた・・・ブツブツブツ・・・(ニヤリ)」

 

ん?なんか言ってるが小声でよく聞こえない。俺は何を言っているのか聞き取ろうと顔を近づけようとしたら、バッとチトセちゃんが顔を思い切り上げて俺の顔を瞳を潤ませて覗き込むように見上げてくる。うわぁ、超可愛い。そして、

 

「ゴフゥ!」

 

盛大な吐血をしてパタリと倒れてしまった。

 

「えええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!」

 

もうどう対処したらいいのか解らない!

 

「ああ、実は私どんな高名で実力もある宇宙一の医者でも治せない不治の病に侵されているんです。ゴフッ、私は昔から体が弱く・・・・・・」

 

なんか吐血しながら自分語り始めちゃったよこの娘。うわぁ、篭絡とか言ってるレベルじゃないよ、ツッコミどころ満載な自分語りもそうだけど不治の病って・・・あ、そうか!その病を俺が秘薬と魔法で治せば万事解決じゃないか!よし、まだ大丈夫だ問題は無い。

 

「・・・・・・だから、キスしてください!!!!ムチュゥゥゥ~」

 

・・・・・彼女が口を3の形にして突き出してくる。・・・・・・・・・・・ごめん、話しを聞いてなかった俺も悪いけどさぁ、一体なにがどーしてそうなった? 前言撤回、問題有り過ぎじゃあ!!! ぬぐぐぅぅ、しかしどっちにしろコントラクト・サーヴァントでキスはしなくちゃいけないし・・・くっ、しょうがない。

 

「チトセちゃん・・・・」

 

「ムゥムゥムゥ」

 

俺は彼女の3の口にキスをする、すると

 

「ああっ!!!!!私の王子様ァァ!!!貴方のキスのおかげでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!?!?」

 

チトセちゃんは急に起き上がり芝居がかった感じでクルクル回りながら喋り始め、そして突如スッ転び首の後ろを両手で押さえながら地面の上でのたうち始めた。

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!熱いぃぃぃぃぃ!首が燃えるぅぅぅぅぅぅ!!?」

 

おお、神よ。いつか貴様を殺す。

 

 

 

 

 キキSide

 

いや~、驚いたねぇ~。だって俺がタバサの母親治せるかもって教えたら急に泣き出すし。と思ったらさらに俺に助けて欲しいとか言い出すし。うん、現実は厳しいと思ってたら実はそうでもなかった。

それからは母親の治療の代わりに俺の生活を良くしてもらう事とルーンに制限を掛ける事を条件にし話し合いは終わり、2人で広場に戻っている。

そうそう、俺、戦闘中にこっちに召喚されたから服がボロボロだったので変化の術で服を私服変化させた。まあ、外見がキレイになっただけなんだけどね。あとで服を調達せねば。他はタバサがクナイに興味があったみたいだから、一つ譲った。簡単に使い方を教えているうちに広場に着いたのだが、

 

「おや?人が居なくなってる。」

 

「皆の召喚が終わったから教室に戻った。私達も行く。」

 

「あー、なるほど。」

 

みんなで空飛んで教室か、才人君はさぞ驚いただろうな。タバサは飛ばずに歩いて行く。俺も後に続きタバサを追おうとして、ん? あれ? 俺は広場に人影が居るのに気づき足を止め目を凝らす。

 

「へ?」

 

そして俺はあまりの事にフリーズした、

 

「ん? どうしたの?」

 

「いや、なんでもない。」

 

タバサが急に止まった俺を見て声をかけて来たがテキト-に返事をする。この場合、俺の取る行動はただ1つ・・・見てない、聞いてない、喋らない、だ。はぁ此処は原作基準の世界じゃなかったのね。

その後は2人で教室まで行き教師の話を聞く。まぁ入ったときに教室の空気が一瞬重くなったが、それはしょうがない。ちなみにルイズともう1人の生徒は使い魔の容態が悪いから2人は早退、こっちは教師曰く午後からは使い魔との交流で授業無しだそうだ。そんで話しが終わると俺達はすぐに教室から出て行く

 

「何処行くんだ?」

 

「私の部屋。」

 

「そうか。」

 

そんな感じで俺達は寮へと行く。しかししばらくして、

 

「ターバーサー。」

 

後ろから声を掛けられタバサが止まる。

 

「タバサ!見て見て、私の使い魔。サラマンダーよ! しかもこのツヤ、大きさ、そして尻尾の炎! どう考えても火竜山脈の物に違いなの! どお、微熱の名にふさわしいと思わない?」

 

わぁ~、キュルケが来たよ。俺こうゆうタイプ苦手なんだよな~。・・・・・・俺は隠れ蓑の術を使い姿を隠した。キュルケのマシンガントークに入れられたく無いし。

 

「・・・・・・でね、ルイズったら物凄くカッコイイ人を呼び出したのよ! ハッキリ言ってルイズには勿体無いぐらいなの。あ、そう言えばタバサも人間を召喚したわよね? どこに居るの?」

 

うわ、隠れておいて正解。

 

「彼ならそこに・・・」

 

タバサが俺の方を向くが、

 

「へ? 居ないわよ?」

 

「・・・???」

 

隠れ蓑の術。上忍クラスなら完全に気配を消すことができるので、タバサたちには見つけられないだろう。

 

「まぁいいわ、じゃあまた後でねー」

 

キュルケはひとしきり喋った後そそくさと行ってしまった。あの手のタイプはホント苦手だ。俺は術を解きタバサに声を掛ける。

 

「なんていうか、元気だねぇ~」

 

「!!!??」

 

ブゥン!!

いきなり杖で殴られそうになったので避けた。

 

「危ないな。」

 

「何処にいたの?」

 

「ずっと此処に居たが」

 

「・・・うそ、居なかった。」

 

「だって、隠れてたもの。」

 

「・・・・・・」

 

「睨むな睨むな。俺はああゆうタイプは苦手なんだよ」

 

俺の言い訳を聞いたタバサは呆れたように嘆息して、

 

「行く」

 

と、言って部屋へ足を向けた。そして、部屋に着き俺は椅子に座り、タバサはベットに座り本を読み始める。・・・暇だ、精神統一でもしてよう。・・・・・・・・お昼になった。

 

「そう言えば俺は飯、どこで食えばいい?」

 

「・・・厨房に頼んで貴方の分を追加してもらう。」

 

「わかった。」

 

あの場所で食うのか、後でテキトーに言い訳して次からは厨房で食べさせてもらおう。

 

「それと、午後に貴方に頼みたい事がある。」

 

「ん?・・・わかった。」

 

・・・・・・・昼飯はとても美味かったが、周りの視線がウザかった。それとキュルケに遭遇して精神的に疲労した。タバサに頼んで次から厨房で食べられるようにしてもらった。以上。そして部屋に戻ると

 

「え?買い物?」

 

「そう、ここに書いてある本を買ってきて欲しい。」

 

俺はタバサからメモを渡された。

 

「・・・どこに?」

 

ってか、この世界の地理全然分からない上に文字も読めないのに、なぜ俺に買い物をさせようとする? 

とにかく、タバサにそのことを伝えたら、

 

「これ。」

 

地図を渡された。

 

「印を付けた。迷ったら聞けばいい。」

 

「・・・俺の条件忘れてないだろうな。」

 

「忘れてない、だから貴方も必要なものを買ってくるといい。」

 

タバサはそう言ってお金を渡してきた。

 

「むぅ、ならしょうがないか。」

 

貨幣の単価もよくわからないが何とかなるだろう。それにルーンに封印術を掛けるのに人目の付かない所に行きたかったからちょうどいい。

 

「そんじゃあ、行ってくる。」

 

コクッ

タバサはそれに小さくうなずいた。俺は本と私物を買いにトリステインの城下町に行く。


 
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