No.451247

魔法幽霊ソウルフル田中 ~魔法少年? 初めから死んでます。~ 俺の知ってる第一話と違う、な6話

第6話、戦闘話です。
主人公『は』、勝てる気がしない。

2012-07-11 21:48:37 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1212   閲覧ユーザー数:1184

ユーノ・スクライアは夜の動物病院で目を覚ました。

 

 

 ボロボロになった体の治療を、残った魔力すべてを使って実行していたのだがどうやら上手くいったらしい、体の痛みはすでに無くなっていた。

 フェレット形態になって体ごと怪我の部分を小さくしたのも効果があったようだ。

 

 前述のとおり、ユーノはこの世界にいる存在でも、フェレットでもない。

 彼は、ミッドチルダと呼ばれる異世界からやってきた『魔導師』である。

 

 そんな彼が、魔法の存在が明らかになっていない地球にきたのは訳があった。

 

 

(聞こえますか! 僕の声が聞こえているなら、どうか力を貸してください! この世界に危険が迫っているんです!)

 

 

 自分が持ち込んでしまった災厄の宝石、『ジュエルシード』。

 古代の遺跡を発掘する部族に生まれた彼は、偶然にもその石を発掘してしまった。

 願いを叶えるという特性と、膨大な魔力の塊で制御が不可能という性能のおかげで安全な場所へ輸送されていたのだが……。

 

 異世界から、ミッドチルダへ輸送中に何者かの襲撃または事故に遭ってしまったらしく、この世界に21個のジュエルシードが散らばってしまったのだ。

 

 輸送に関わってはいないものの、発見者であるユーノは責任を感じ単身で地球を訪れるがすでに発動していたジュエルシード暴走体の1つと戦闘、善戦するも取り逃がしてしまった。

 

 アレを放っておくと大変なことになってしまう、しかし今の自分にはもう魔力が残されていない。

 自身が死の一歩手前に追い詰められて、ようやく彼は助けを求めることにした。

 

 

 

 自分の念話が聞こえる、『魔法』の才能を持つ栗色の髪の少女に。

 

(お願いします! お礼なら、何でもしますから! 力を貸してください!)

 

 

 もちろん、躊躇いはあった。

 なんの関係も無い、自分と同じぐらいの年齢の少女を巻き込んでしまうことには。

 本来なら自分がやるべきことを他者に頼むことしかできない自分自身に、後悔と嫌悪しか感じない。

 

 しかし、残念なことに世界はいつだって理不尽なものだ。

 すでに事態は少年一人の手でどうにかできるものではなくなっていた、例えば――――

 

 

 

 

 

「グゥゥゥゥ、ガアァァァルルルル……!」

 

 

 

 

 

――――窓の外に、退けたはずの暴走体がこちらを覗いている、とか。

 

 

「くっ……!? しまった、もう……!」

 

 

 巨大な、真っ黒で毛むくじゃらの丸い怪物。

 四肢はなく、血のように真っ赤な目が二つある。

 一体どんな刺激を与えればあの石からこんなものが生まれるか見当もつかなかった。

 

 どうやらユーノを壁ごと破壊するために突撃するつもりらしく、距離をとっているように見える。

 

 

「まずい、ここから離れなきゃ!」

 

 フェレットになっているとはいえ、無償で自分を治療してくれた病院をこれ以上巻き込む訳にはいかなかった。

 

 なけなしの魔力を纏ってゲージの檻に突撃、破壊し、そのまま窓から外へ飛び出す。

 獲物が自分から飛び出してきたことに気付いた暴走体は、標的をユーノに変えて突っ込んでくる。

 

「ガアアアッ!!!」

 

「う、ああっ!」

 

 

 フェレット状態だからこそ出来る獣の反射神経で間一髪、暴走体の上を跳躍しこれを躱す。

 なんとか切り抜けたが、もう飛行する魔力は無くなってしまった。

 

 宙にいる僅かな合間に辺りを見回す、目についたのは一本の木。

 木を伝って塀を越える事を考えたユーノは着地した瞬間からそちらへ駆け出す。

 

 

「間に合えっ!」

 

 

 木に到着しそのまま駆け上がる。

 このまま道にでて時間を稼げば、そう思うユーノだったが上手くはいかなかった。

 

 

「グ、ギイイイ!」

 

 ユーノの意図に気付いたのか、獲物が逃げるという本能がそうさせたのか、暴走体は即座に反転し地面に大跡を残しながら木に突進してきた。

 

 

 

「うわ、わああああ!」

 

 ミシミシミシ! と木は根元から折れてゆく。

 重力に従って落下していくユーノ、『万事休す』おもわず頭によぎる言葉。

 

 

 

 

 

 しかし、まだ天は彼を見放してはいなかった、視界の端に彼女をとらえた。

 

 夕方、傷ついた自分を助けてくれたあの少女――――なのはだ。

 

 

「な、なんなのこれええ!?」

 

(来てくれたっ!)

 

 

 

 ユーノは倒れゆく木の上でなんとかバランスを取りながらも、少女に向かって全力でジャンプする。

 

 なのはは目の前の光景に驚愕しつつも、助けをよんだのがユーノであると直感したのか手を広げてキャッチしようとする。

 だがしかし、予想外の事態が起きてしまう。

 

 

 

「グウギャャャャアアッッ!!!」

 

「なっ!? しまった!」

 

「し、喋った!?」

 

 

 木をへし折った暴走体は、そのまま折れた木が自らにのしかかってくることを見ることもなく、『まるで初めから木が落ちてくるのが分かっていた』かのようにそのまま躱してユーノの方へ飛びかかってきたのだ。

 

 

 あの怪物に理性があるとは思えない、後先考えずに暴走するはず、と普段なら思うのだろうが今のユーノにはそんなことも考える余裕すらない。

 

 

 なぜなら、ユーノの前には助けてに来てくれたなのはがいる。

 このままでは、彼女も暴走体に押しつぶされるからだ。

 

 

 

 にげて、そう声に出そうとしたが間に合わない。

 ユーノは自分の非力さをここまで呪ったことはないだろう、それぐらい後悔した。

 

 自分が持ち込んだ災厄を自分で片付けることも出来ず、その尻拭いを見ず知らずの少女に任せようとして、挙句の果てにそのせいで少女を死なせようとしているこの状況を。

 

(ちくしょう……! なんで、僕は弱いんだッ……!!!)

 

 次に起きる悲劇を予想して、己を責めるユーノ。

『もうだめだ』そう諦めかけて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、予想通りにはならない。

 なぜなら世界はいつだって理不尽なもので、予想通りにはならないのだから。

 

 キュボッ! と何かが爆発した音。

 

 見れば、跳躍した暴走体が突如飛来した拳大の黄緑色の火の玉に叩き落されていた。

 

「お前の相手はこっちだ! 化け物め!」

 

 それと、なんか思いっきり死亡フラグを叫んでいる青年が、頭上にいたような気がした。

 

 

 なのはちゃんの頭上で、俺は胸をなでおろしていた。

 あ、あ、あぶなかった~! 

 あとちょっと遅かったらなのはちゃんもユーノくんも取り返しのつかないことになってたよ!

 

 

 原作通りなら、俺がいなくても大丈夫だと知ってはいるのだが、どうしても気になって憑いてきた甲斐があった。

 

 原作ブレイクとか興味ないと言っていた俺だが、5年間もなのはちゃんの守護霊をやってきたのだ、主人のピンチに駆けつけなくてどうする!

 

 

 俺が放った人魂で、暴走体は地面にたたきつけられている。

 だが、大したダメージは与えられてはないだろう。

 無傷のままで怒りの咆哮をあげていた。

 

 

「グウゥ……! ギィィィアアアッ!」

 

「な、なになに! 何が起きてるの!?」

 

「僕も分からない! ひとまずここから逃げて!」

 

 

 状況を確認するために、ユーノくんとなのはちゃんは道にでて一旦撤退を開始。

 しかし、暴走体もそうはさせまいと即座に後を追うとする。

 

「オオオッ!」

 

「させるか! くらえ人魂シュート!」

 

 だが、このままだまってスルーする俺じゃあない、手の上にこぶし大ぐらいの大きさの人魂を作りだす。

 そのまま大きく振りかぶって、俺を通り過ぎようとする暴走体に真正面から黄緑色のそれを投げつけてやる。

 

 

「ギャアァアッ!?」

 

 さっきとは違い、ドカンという音が響き暴走体は人魂の爆風で塀を壊し、なのはちゃん達とは道の反対方向へ吹っ飛んで行った。

 

 俺に作用していた吸引力が離れていくを感じる、なのはちゃん達が逃げているのだ。

 こういう時にこの『つながり』は便利なものだと感じる。

 

 

 

 

――――俺の使う人魂は説明をすると、やはりイメージによって性質が変わってくるものなのだ。

 

 俺が最初に投げた奴は火炎瓶をイメージしたようなもので、更に言うとあんまり威力を意識していなかった、せいぜい『確実に怯んでくれるだろう』というものだ。

 

 今俺が投げたのは手りゅう弾のイメージ、というか『吹っ飛ばす』ことを意識したのだった。

 もちろん威力は本物より遥か下、これにも爆風そのものには破壊力を意識していない。

 

 ちなみに、人魂の色は俺が個人的に好きな色を意識している。

 魔力弾が撃てたらこんな色がいいなー、と思ってのことだ。

 

 

 

「さーて、なのはちゃんが魔法少女になるまで時間稼ぎといこうか!」

 

 俺は花子さんから教わった高速飛行で暴走体のいる方向へ吹っ飛んでいく。

 両手には火炎瓶イメージの人魂を作っておいた。

 

 

 

 俺がやろうとしているのは言った通り、なのはちゃんを無事に魔法少女にするための時間稼ぎである。

 このまま俺が暴走体を倒そうとするのはいくつかマズイことがあるのだ。

 

 

 まず一つ目は、俺の攻撃手段は人魂による『爆発』と瓦礫を投げつける『ポルターガイスト』ぐらいのものだから。

 これらの攻撃イメージを高めてしまうと、万が一民家に被害が出る事態もあるので避けたいのだ。

 

 

 次に、俺はこいつを倒せる気がしないということだ。

 人魂に大した威力が無い上、暴走体が強力すぎるからである。

 限界まで威力を高めても、原作では木の下敷きになっても無傷なこいつに多少のダメージを与えるぐらいか。

 

 つまるところ、やるだけやって後はなのはちゃんに丸投げするのが一番なのだ、情けないとは思うけど。

 

 

 

 

「グガ、ガアア……」

 

「いた! よーし、当たれよ!」

 

 地上から3メートルぐらい離れて追いかけると、すぐに暴走体を見つけた。

 獲物を逃がして、どこにいるのか探っている様子だ。

 

 俺はそのまま高速飛行で接近、暴走体の上についた瞬間すれ違いざまにに両手の人魂を落としてやる。

 落ちた人魂は見事暴走体に着弾、奴の体を黄緑の炎が蹂躙する。

 

 

「ゴアアアァッ!?」

 

「うっし、攻撃成功!」

 

 暴走体の悲鳴をきいて俺は高速飛行をやめ、急停止をかける。

 高速飛行のスピードが少々早すぎるのでその場に止まるイメージができず、少し暴走体から離れてしまった。

 

「おっとっと、ようやく止まったか。 だが、まだまだ終わらせないぞ!」

 

 

 俺は体を反転させ、今度はさっき砕けた塀の残骸をポルターガイストで宙へ浮かべる。

 いくつもの、コンクリートの残骸が暴走体の周りを囲い……。

 

「落ちろっ!」

 

 浮かべる際に挙げておいた手を振り下ろすと、残骸が一斉に暴走体へ降り注いだ。

 ちなみにこの動作には特に深い意味はない、やった方がイメージしやすいだけである。

 

 人の頭ぐらいのサイズから小石まで、様々な残骸の嵐を喰らい流石の暴走体もこれには怯んでいるようだった。

 

 

「どうだっ! このまま何一つさせずに怯ませ続ける!」

 

 なにからなにまで上手くいき、思わずガッツポーズをとる俺。

 まあ、時間稼ぎについてはかなりの自信があったのだが。

 

 なぜかって?

 そりゃもちろん――――

 

 

 

「俺が分からないだろ! なんせ『見えない』上に『当たらない』からな!」

 

 

 

――――そう俺は『幽霊』だ、攻撃のための人魂は誰でも見えるが、俺自身は『見えない』。

 

 人魂は炎の塊だから当たるけど、俺自身は『すりぬける』。

 

 つまり、このバトルは俺の一方的なワンサイドゲームなのだ。

 下手なチートより便利かもしれん、初めて俺はこの体に感謝した。 

 

 俺は両手に人魂を作って、今度は高速飛行をせずに近づく。

 暴走体に至近距離から人魂ラッシュをくらわす魂胆だ。

 

「ヒャッハー! 汚物は消毒だ~~!」

 

 調子に乗りすぎて思わず死亡フラグを呟く俺。

 絶好調の証である。

 

 

 

――――だが俺はすぐに後悔することになる。

 この暴走体を、何よりもこの理不尽な世界に対して油断していたことを。

 

 

 

 

 

 

「……オ」

 

「ん?」

 

 暴走体の様子がおかしくなったというべきか、さっきまで悶え苦しんでたはずが、急に静かになった。

『もしかして、倒せた?』思わずそう感じた。

 

 

 だが違う、なにかがおかしい、そう。

『なぜ俺の方を向いている?』

 

 

 

「オマエハ、ダレダアァァァ!!!」

 

「!?」

 

 暴走体が、俺に向かって喋ってきたのだ。

『お前は誰だ』、余りにも予想外な言葉に動きを止めてしまう。

 それが命取りだった。

 

「オレハ、オマエヲミタコトガナイイイイイイッ!!!」

 

「んなっ!? しまっ――

 

 次の瞬間、俺は上空へ撥ね飛ばされていた。

 全身にあるはずのない猛烈な痛みがはしる、体がバラバラになったかのような錯覚すら覚えた。

 

「ご、かはッ!」

 

 血は出ない、だがダメージは確実にあった。

 痛みから、飛ぶイメージが安定せず、代わりに車に撥ねられたイメージが頭を覆い尽くす。

 

 しかも、それだけでは終わらなかった。

 

「ガアアアア! シネエエエエエエ!!!」

 

 暴走体は体を雲のように変化させ、宙に浮いている俺に追撃を仕掛ける。

 そうだ、確かにあいつはああやって空を移動できたはずだった。

 

「ごふあぁっ!?」

 

 成す術もなく、空中で何度も何度も撥ねられる、これじゃあどっちがワンサイドゲームか分からない。

 意識が遠ざかりそうになるがなんとか留める。

 

 幽霊の死、それは即ち『意識が完全に無くなること』である。

 だから俺は、眠たくならない、眠ることは出来ないのだ。

 逆に言うと、眠たくなるのは非常に危険な状態であるということ。

 まさに、今の状況だ。

 

「オオオオッ!」

 

「……ッ! させ、るか!!!」

 

 暴走体が何を言っているのか、なぜ暴走体が俺を認識できるのか、攻撃が当たるのかなどの疑問は封殺し、無我夢中で人魂を自分自身の目の前に置く。

 ちょうど、追撃してくる暴走体と俺が挟む形だ。

 

 ドカン! と空中で爆風が吹き荒れる。

 当然、中心にいた暴走体と俺は吹き飛んだ。

 

「おおおおおっ!」

 

「グゴオッ!?」

 

 玉砕覚悟ではない、『吹き飛ぶ』イメージだけの人魂で奴と俺の距離を離しただけである。

 これでワンサイドゲームは無くなった。

 

 今度は、夜の海鳴上空での戦い。

 

「ぐっ、はぁ……はぁ……」

 

 だが、俺が受けたダメージはかなりのものである。

 実際に傷なんて負わないと分かっていても、全身の痛みでイメージが阻害されていた。

 これでは空中戦なんて不可能だろう。

 

 一方暴走体はほとんど無傷、状況は完全に逆転していた。

 

「ごめんなのはちゃん、足止めはここまでっぽい……!」

 

 自分の不甲斐なさに腹が立ってくる。

 少し油断したばっかりに、これだ。

 

 いっそ完全に死ぬまで時間稼ぎをするかと考えるが、自分で却下する。

 恐らく俺が死力を尽くしても大した時間稼ぎは見込めないからだ。

 仕方ない……、こうなったら!

 

 

 

 

 

「なのはちゃんに、押し付けるッ!!!」

 

 

 

 

 まさかの他人任せである。

 自分で言っといてアレだが、9歳の少女に化け物押し付けるって世界一かっこ悪いと思う。

 

 だが他にマシな選択肢が見当たらないんだよ!

 このまんまじゃ、俺瞬殺されて特に何もできないだろうし、なら俺まだ生きる(死んでるが)方がいい!

 

「オワリダアアアアア!!!」

 

「確かにこのまんまじゃなあ! だから、(なのはちゃんが、きっと)一撃で決めてやる!!!」

 

 暴走体は俺にとどめを刺すつもりらしく、今までとはけた違いのスピードで突進してきた。

 ちょうどいい、俺も短期決戦しか手段がないからな。

 

 距離はあるのだ、最後の時間を稼ぐために『あけておいた』。

 奴が来る前に俺はありったけの力を、合わせた両手に込めて人魂を作り出す。

 

 それに対して暴走体は、撃ち落とされないように飛ぶ軌道をでたらめにしながら突っ込んできた。

 これでは人魂シュートは当たらない、ただでさえ今は複雑なイメージが出来ない状態だからだ。

 

 しかし問題は無い。

 

 俺は両腕を突き出して暴走体に突っ込む。

 

 空中で暴走体と人魂がぶつかり合った。

 人魂は触れた瞬間に凄まじい爆風を生み出す。

 

「吹き飛べえええええ!!!」

 

「ギャアアアアアァッ!!?」

 

 俺と暴走体は、爆音と共にそれぞれ反対側に吹っ飛んで行った。

 あの人魂に俺が全力をこめたイメージはさっきと同じく『吹き飛ばす』、ただそれだけである。

 

 もちろんなのはちゃんがいるらしき方向にぶっ飛ばした、ほんと役立たずな守護霊(笑)でごめんなさい……。

 

 

 ところが、ここで嬉しい事態が発生した。

 

 

 暴走体が吹き飛んで行った直後に、ピンクに輝く巨大な光の柱が出現したのだ。

 

「ラッキー……! 時間稼ぎもばっちりだ。あとは任せたよ……なのはちゃん……」

 

 

 俺は安心して、フラフラ飛びながら一足お先になのはちゃん家に帰ることにした。

 

 あの暴走体の謎とか色々気になることはあったんだけど、体中痛いからさっさと休みたいし、自分の役立たずっぷりに滅茶苦茶落ち込んでいてどうでもよくなってしまったのだ。

 

「はぁ……、やっぱり出しゃばるんじゃ無かったなぁ」

 

 出だしからこのざまって、俺この先生き残れるのだろうか。

 死んでるけど、というツッコミはお約束だ。

 


 
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