第四話 missionⅠ捕まるな
今日という一日の退屈な学校生活が終わった。
カバンを持って帰ろうと立ち上がった時。力強く肩をガってされました為、肩が脱臼したかと思った。
怖いので少しずつ顔を後ろに持って行きました。
「あの~魔王(なのは)様。私のような下郎に何かご用でしょうか?」
「もぉ~なんで自分を卑下するような言い方するの?」
それはね、あなた様が怖いからであります。最近、自分のキャラが分らなくなってきました。
「何で、勝手に帰ろうとするの。お話しようって約束したのに。」
「what? I do not know」
「何でそんな事言うの?」
「Why, I ask that obvious?」
「それは。」
「それは?」
「なのはが『可愛いからだ』!?!?!?!?」
誰だ?! 何てこと言いやがる。後ろを振り向くと犯人が俺の後ろでしゃがんで、『してやったり』って顔をしてやがった。
なのはは、顔を真っ赤にしているがそんな事を気にしている俺ではない。
「おいはやて。どういうつもりだ? アアァン!」
「にしししし。」
何、悪巧み成功したっていう顔をしてんだよ。この後に俺に降りかかってくる不幸を知っているのか! はやて!!
「一馬(ユニコーン)。どうしてなのはには、可愛いって言うのに。私の場合はバーニングって言うのかしらね。一馬(ユニコーン)?」
ほらね、来たでしょ。不幸の権化が――――――――――どっかに糖分王国への入り口が……。俺は机の中に頭を突っ込みながら吐血をしていた。
吐血している暇なんかねえぇぇぇ!! 怖いよ。炎王が俺の両肩をガってしてきたよ。
「どうしてかしれねぇ?」
「ハハハハハ。どうしてだろうな?」
「アハハハハハ。」
バーニングの滅茶苦茶怖い笑い声に、話をしていたクラスメイトが一斉に静まり返って顔を青くしている。ナイスコンビネーションなのか? そうなのか? そうなんだな。
そして俺とバーニングは最恐のバンドを組んだ。Bad communication.(後のB`z)
「ハハハハハハハ。」
頬を引き攣らせた逃れられない苦笑い。
「「アハハハハハハハ。」」
二人の笑がとうとう合わさる時、一馬(ユニコーン)の逃走劇が始まる。
回れ右からの、
「全力Bダッシュ!!」
「逃がすかぁぁぁぁぁ!!!」
物凄い形相でバーニングが追いかけてくる。赤鬼も青鬼も尻尾を巻いて逃げる勢いだ。いや、悪魔も泣き出す……まさに、Devil May Cryだな……冗談なしでだ。
「はやてぇぇぇぇぇえええ!! てんめぇぇぇぇぇ!! 明日覚悟しとけえぇぇぇぇええ!!!!!」
「ほんじゃ、頑張ってな。」
メッチャ他人事何ですがねはやてさん。明日ハヤテ、オモチカエリ、タベル。マジで覚悟しとけよ。
「ほわちゃあぁぁぁ!!」
「うわっ!!」
マーシャルアーツキックしてきやがった。ちょっと掠ったぞ。どんだけ武術レベルが高いんだ、バーニングは……マジでヤバい。
捕まったら殺されるな俺。ガチのリアル鬼ごっこやん。
一応何とかバーニングを巻くことは出来たが、易々と学校を出ることは出来ないだろうな。アイツの勘は恐ろしいほどに当たるからな。それに捜索レベルも高いし、さて何処に隠れようか? 今隠れているところも何時かは絶対にばれるが、検討はなかなかつかないだろうな。凄く意外なところだからな。
現在、俺が隠れているところは、四階の女子トイレの一番奥の個室だ。何か新年度早々やらかした気がするが、気にしたら負けなんだろう。
普通なら女子禁制の男子トイレに隠れるんだが、彼奴の事だ。直ぐにバレる。ならその裏をかいて男子禁制の女子トイレに身を潜める。これこそかくれんぼの鉄則。
女子更衣室でもOKだ。
さて、それはそうとどうやって出ようか? 今この女子トイレに女子が集団で入ってきて出るに出れない状況にある。しかも、彼女らは先輩だ。
此処で出たら変態という名のレッテルが張られてしまい、学校全土に知れ渡ってしまう。ましてや、家族にも知られてしまう。それだけは避けなければならない。
特に星香にばれたら、search&deathという状況になってしまう。まさしくdead or deathだ。
此処から脱出する為の選択肢は一応何種類かある。
一つ、変態という名のレッテルを張られる覚悟で出る。
一つ、全員居なくなるまで耐えきる。
一つ、女装をして逃げる。これはダメだな、男としての大切な何かが失ってしまいそうだ。それか、何かに目覚めてしまうかもしれん。
いや、もう一つある。それは―――――――――――パンツを被って顔を隠す……そうだ、これが一番良い。これなら顔をばれなくて済む。よし、思い立ったが吉日だ。
しかし、誰のパンツを被ろうか。流石に自分のパンツを被るのは辛いな。出来れば女子のパンツがあれば一番良いんだけどな。そんな都合の良い話あるわけないか。
俺は自分のカバンのチャックを開けて探ってみた。
結果―――――――マジでパンツとブラジャーが入ってた。色はピンクで、Tバック。ブラジャーも色はピンクで生地が薄い。もう言わんでも分る、これは星香のパンツとブラジャーだ。何で入ってるんだ? 俺は入れた記憶はないハズ――――――多分。
さて、今日の朝の記憶を探ってみようか。
今日の朝
「ユー君。起きてください。朝ですよ。」
星香が何時もの日課。俺の部屋に来て俺を起こすという至福のタイム。星香は俺の事を「ユー君」って呼んでくれる。一馬(ユニコーン)って呼ばれるよりマシだが、「ユー君」もキツイ。
なぜか? そりゃあ、「ユー」の後に「ノ」をつけたら淫獣の名前になってしまからだ。それでも一馬(ユニコーン)って呼ばれるより数倍マシだ。
「むにゅあ~後、五分。」
寝返りをうつ俺。当然だが狸寝入りをしている。
「分りました。」
あれ、なんか聞き分けが良いな? どうしてだ……
殺気!!!!!
俺は転がるようにして、ベッドから逃げて直ぐにドスッ! ていう音が聞こえた。確認して見るとね、俺の頭のあった位置に国語辞典と漢字辞典の二つの角が突き刺さっていたよ。枕には大穴が空いてた。
凄いね。国語辞典と漢字辞典の角って枕にも穴を空けることが出来るんだ…………
「あの~どうやったら、辞書の角が枕を突き破っているのですか? 星香さん。」
「どうしてでしょうかね?」
笑っているが目が全く笑っていない。恐いです。只、逆らってはいけないと本能が告げている。
「あの~どうして、広辞苑なんて凶器を掲げているのでしょうか?」
「簡単ですよ。」
「教えてくれるとありがたいのですが。」
「ユー君を、殺して私だけの者にする為です。」
ヤンデレ化していた。誰か助けて、俺に安息の地を与えてくれ。
それからの記憶が無いんだな実際。気が付いたら制服姿に着替えていて、カバンも準備されていて、リビングのテーブルに座らされていたな。何事も無かったように朝食を食べて、学校に来たな。
星香。俺の記憶が無い時にカバンに入れやがったな。
さて、今の俺の状況を整理してみようか。
先輩方の女子トイレの一番奥の個室に入っている。
片手に女子のパンツとブラジャー片手で皺がつくほどしっかりと握りしめている。
それを被って此処から逃走しようと考えている。
変態という名の変態だな。だが、決して俺は変態ではない。紳士だ。
だが、この状況を誰かに見られたら社会的に終わるね俺。
下手すりゃ警察にお世話になっちゃうぜ……ヤバイ。色々と前言撤回、女子トイレに籠城しようそれが一番良い。
それから、1時間後。やっとの思いで学校から出ることが出来た。
運良くあの後、直ぐに女子たちがトイレを出た。その隙に誰にもバレることなく俺も脱出して、一応学校全域を回った。
バーニングは諦めて帰ったと分かった。
今は校門を出て直ぐの所に俺は居る。正座の状態で……
何で正座をさせられているのか? 簡単だ、バーニングが校門でSPに見張ってもらっていた。俺が学校を出たのを確認してSPが直ぐにバーニングに報告。
その次にSPに捕まった直後にバーニングが来る。
そういった流れで、俺は捕まった。両手に超硬合金で出来た手錠をされていて、バーニング様の片手には最高10万ボルトまで出力が出せれるスタンガンを持っている。
スタンガンがさっきからバチバチ鳴っているのですが? なんでバーニングはそれを俺に近づけているのですか? そんなのされたら俺死ぬよ……多分。
「さて、どんな極刑が良いかしらね。」
「10万ボルトの刑。目に10万ボルトの刑。それとも全部?」
「それ、死ぬぅぅぅぅぅう!! 俺死んじゃうよ!!」
嫌だ。俺はまだ死にたくないよ、まだヴィヴィオのパンツクンカクンカしてないのに死にたくないよ、食べても無いよ。
「ハッ!!!!!」
「汚物は死んだ方が良いようね。」
「嫌だ、止めて、死にたくない。」
「だいじょうぶ。死なない程度で止めるから。」
「それって、死ぬ一歩手前までやるって意味で良いのですか?」
「あら、良く分ったわね。」
目が全く笑っていないですよバーニング様。
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!!」
そこからの記憶が全くない俺は、気が付いたら夜になってた。
どうしてこうなった? ……割とガチデ……
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