No.450741

テイルズオブエクシリア~転生者はイレギュラー

第48話 合流

2012-07-10 22:47:17 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1309   閲覧ユーザー数:1278

~ミラSIDE~

 

 

洞窟を出てから道筋を進んでいくと、見覚えのある教会を見つけた。

 

 

「ここって……」

 

 

レイアも見覚えがあり、教会を見ている。

 

 

「見ろ。カン・バルクの城だ」

 

 

私はここから見える以前来たカン・バルクの城がここから見えるのを二人に言う。

 

 

「……ミラっ!レイアっ!」

 

 

そう、話しているとジュードの声が聞こえてきた。

 

 

その方を見ると、

 

 

ダキ!

 

 

エリーゼが私の腰に抱きついてきた。

 

 

「ミラ!」

 

 

「会いたかったよー!」

 

 

ティポは私の……む、胸に顔を押し付けてくる///

 

 

あ、こら!そこを擦るな///

 

 

私は表情に出さないようにした。

 

 

「ジュード!」

 

 

レイアもジュードの無事を確認できてうれしいようだ。

 

 

「みんな無事でよかった……レオンは?」

 

 

ジュードの言葉に私たちの表情が固まる。

 

 

「そちらでは会っていないのか?」

 

 

「うん……てっきりミラの方にいるかなって思ってたけど」

 

 

私も他の皆も暗くなっている。

 

 

そんな中、

 

 

「ミラ」

 

 

羽の生えた知らない女が話しかけてきた。

 

 

「む?誰だ?初めて見る者だが……」

 

 

「え?」

 

 

ジュードが私の言ったことに驚いている……何故だ?

 

 

「私はあなたの姉です」

 

 

「姉……?私に姉などいないぞ」

 

 

そうだ。私には姉などいないはず。生まれてからずっとそのような者に会ったことなどないぞ?

 

 

「どういうこと、ミュゼ?」

 

 

ジュードもおかしいと思ったのかミュゼに聞いた。

 

 

「私も話をするのは初めてです。けれど、私たちは同時にこの世に生を受けた精霊であることは事実」

 

 

そう言われ、私は意識を集中する。すると、私と似たような存在をミュゼから感じる。

 

 

「確かに……精霊であることは間違いない」

 

 

「うふふ。そんなに警戒しないで。姉と偽ってあなたを騙す意味など精霊にはないでしょう」

 

 

ミュゼは私を見ながら言う。

 

 

「だって、あなたはマクスウェルなのだから」

 

 

「……確かになんの得にもならないもんね」

 

 

「では、なぜ、ジュードの前に現れた?」

 

 

何もジュードではなく私の前に現れればいいものを……。

 

 

「さあ?それは私にもわからないのよ。私が降り立った場所に彼がいた……ただ、それだけなのよ」

 

 

「……そうか」

 

 

……あまり納得しない理由だが、一応信じよう。

 

 

そう、私が思っていると、

 

 

ガシャン

 

 

教会の扉が開き、中から

 

 

「ウィンガルさん!?」

 

 

ガイアスの部下であるウィンガルが出てきた。

 

 

「話はあとにしてもらおう」

 

 

ウィンガルが手で私たちに待てと合図を出す。

 

 

ピイィィィィィィン

 

 

何かが響く音がしてきた。

 

 

「情報どおりか……」

 

 

 

 

 

ピィーガガァ

 

 

「私はジランド。まずは、君たちの街に強引に進駐した非礼を詫びよう。だが、我々の目的は支配などではない!」

 

 

声の主はあのジランドだった。やつめ、何を企んでいるのだ!

 

 

「これは大国間による最終戦争を回避するための、非常処置だ。諸君の生活と安全はアルクノアが責任をもって保障しよう!」

 

 

……クルスニクの槍を使っておいて……どの口がこのようなことを言っている!!

 

 

私はジランドの話を聞いて拳を強く握る。

 

 

「我々と諸君の願いは、ひとつのはずだ!リーゼ・マクシアに永遠の平和を!!」

 

 

そして、声がしなくなった。

 

 

「ふざけた男だ。ジランド……。黒匣(ジン)などを使って人や精霊に害をなしながら!」

 

 

「……もう、あの者たちを討つしか道はないのではないかしら?」

 

 

「うむ」

 

 

ミュゼの言うことには賛成だ。あの男が話し合いだけでやめる男ではないことは明白。

 

 

「でも、どうするんですか?」

 

 

「あいつら、めっちゃつよかったでしょ~?」

 

 

確かに……エリーゼとティポの言うとおりだ。やつらは強い。黒匣(ジン)のレベルが今までとはケタ違いだった。

 

 

「……アルヴィン。もう知ってること、全部話してよ」

 

 

ジュードがアルヴィンに話を聞こうとしているがアルヴィンはそれを無視して立ち上がった。

 

 

「アルヴィン!!」

 

 

ジュードもそんなアルヴィンに少々怒り気味でいう。

 

 

アルヴィンはそれをも無視し、鳥がアルヴィンの腕に止まる。

 

 

それを見てから私はウィンガルに聞く。

 

 

「ガイアスはヤツらに抗うのだろう?」

 

 

私の問いに何も答えず、ウィンガルはそのまま教会の中へ向かっていく。

 

 

「誘っていますね……。わざと私たちの前に現れるとは」

 

 

「僕たちを試してるの?」

 

 

「罠……とか?」

 

 

皆がそれぞれ言っていると、アルヴィンが話してきた。

 

 

「……行こうぜ。ケリつけるんだろ?」

 

 

いつもと雰囲気が違うのにはジュードや他の皆も気付いたみたいだ。

 

 

「何か……あったの?」

 

 

アルヴィンは私を見る。

 

 

「もう裏切らない……約束する」

 

 

「……信じろと言うのか?」

 

 

何度も裏切ったアルヴィンをさすがにすぐは信じられんぞ。

 

 

「ジランドは許せねぇ。頼む……俺にジランドを殺せてくれ。次にもし裏切ったら、迷わずお前の剣を俺に突き立ててくれてもいい」

 

 

……目が本気だな。本気で裏切ったら自分を殺してもいいと言っている。一体何があったのだ?

 

 

「だから、俺も一緒に行かせてくれ」

 

 

「ダメだと言ったら?」

 

 

「……俺だけでもヤツを殺る」

 

 

……本気、なのだな。己の命をも賭けてでもジランドを殺りたいのか。

 

 

「……いいだろう」

 

 

「悪ぃ……サンキュな」

 

 

私は教会……いや、中にいるであろうガイアス達とも話をする必要があるようだな。

 

 

「ガイアスたちの思惑も確認せねばな」

 

 

「うん」

 

 

私たちは、ガイアス達と話し合うために教会に入った。

 

 

 

 

 

 

 

教会に入って最初に目についたのは、ガイアスと四象刃(フォーヴ)だった。

 

 

「来たか」

 

 

「……結局その男を信じるというのか。意外と甘いな。マクスウェル」

 

 

ウィンガルはアルヴィンを見て、そう言っているのだな。まあ、確かに甘いと言えば甘いのだろうな。

 

 

「私たちをここへ導いた狙いはなんだ?」

 

 

「我らはヤツらと雌雄を決すべく、立つ。お前たちが勝手にヤツらに挑むというならそれはそれでいい」

 

 

「だが、その前にお前には話してもらうぞ。お前とレオンがひた隠しにしてきた「断界殻(シェル)のことだろ?」……レオン。目を覚ましたか」

 

 

レオン……!?

 

 

私は声のした方を見ると、

 

 

「オス。皆、無事でよかったぜ」

 

 

頭に包帯を巻いたレオンが立っていた。

 

 

無事で……無事で、よかった。

 

 

 

~ミラSIDE OUT~

 

 

 

 

 

 

~レオンSIDE~

 

 

皆は俺のことと俺とミラが隠してきた断界殻(シェル)のことで喜び、疑問に思っている。

 

 

「ミラ。話してもいいんじゃねえか?こうなった以上、隠し通せるものでもないだろ」

 

 

「……そう、だな。……今から二千年前……このリーゼ・マクシアは私の施した精霊術、断界殻(シェル)によって閉ざされた世界として生まれた」

 

 

ミラの話を聞いて驚く皆。

 

 

「この世界が……ミラにつくられた世界?」

 

 

「びっくりー!神様見たい!」

 

 

レイアとティポはすごい驚きようだ。まあ、今まで一緒に旅をしてきた仲間がこの世界を作った……なんて言われて驚かないはずがないな。

 

 

「すべては精霊と人間を守るためだった」

 

 

「閉ざされた、といったな。それでは断界殻(シェル)の外にはまだ世界が広がっているというのか?」

 

 

ガイアスのピンポイントの問いが出てきた。

 

 

「うむ。その世界をエレンピオスという」

 

 

ミラがガイアスの問いに答えると皆はさっき以上に驚いていた。まさかこの世界……リーゼ・マクシアの外にそんな世界があるなんてっと驚いている。

 

 

「だが、クルスニクの槍について私とレオンは大きな思い違いをしてしまった」

 

 

「そう、ジランド達がナハティガルを使って作らせたクルスニクの槍は兵器ではなく、断界殻(シェル)を打ち消す装置だったんだ」

 

 

俺がミラの説明に続いて話をする。

 

 

「打ち消すだと……?それに何の意味がある?」

 

 

ガイアスの問いにミラは、わからない、と首を振る。

 

 

「わからない……断界殻(シェル)を打ち消し、エレンピオスにマナを還元する算段でもしていたか……」

 

 

「あるいは何か別の目的があったのか……」

 

 

「ちがう……」

 

 

皆の視線がアルヴィンに集まる。

 

 

「アルクノアはただ……帰りたかっただけだ。生まれ故郷のエレンピオスにな。この世界に閉じ込められた二十年余り……そのためだけに動いてきた」

 

 

アルヴィンが俺とミラを見て話を続ける。

 

 

「断界殻(シェル)をぶち破る方法を見つけるか断界殻(シェル)を消すか……」

 

 

「断界殻(シェル)を消すためには生み出した者を排除しなければならない」

 

 

「……アルクノアがミラの命を狙ったのはそのためだったんだね」

 

 

レイアが何でミラがアルクノアに狙われていたのかがわかり、そういうとミラと俺は頷く。

 

 

「解せんな……ジランド、何を企んでいる?」

 

 

「え、どういうことですか?」

 

 

エリーゼは何でガイアスがジランドが何かを企んでいるのかがわからず、そう呟くとローエンがそれに答える。

 

 

「アルクノアの目的とジランドの行動はそぐわないものです」

 

 

「エレンピオスから軍を呼び寄せる必要なんかない」

 

 

再び、皆の視線がアルヴィンに集まる。

 

 

「リーゼ・マクシア統一……?俺たちは……そんなこと望んじゃいない」

 

 

「ジランドは断界殻(シェル)がある今の世界のあり方を、何かに利用しようとしているのかもしれない」

 

 

ウィンガルの言ったことに、アルヴィンは何かを思い出したのか言い始めた。

 

 

「そうか、異界炉計画だ……」

 

 

「え……?」

 

 

「あ?なんだ、それ?」

 

 

皆は異界炉計画という初めて聞く、その名前に首を傾げる。

 

 

「通称、精霊燃料計画」

 

 

「燃料……?」

 

 

「まだ俺が向こうにいたガキの頃、従兄が話していたのを覚えてる。黒匣(ジン)の燃料である精霊を捕まえるって話があるってな」

 

 

アルヴィンの話しを聞いたプレザがその話を元に簡単にジランドのすることを話し始める。

 

 

「……つまり、ジランドの狙いは精霊の囲い込みってワケ?」

 

 

「だけど……それおかしいよ 精霊だけなら、あんなウソつく必要ない。ジランドは……」

 

 

ジュードは俺たちを見ながら言う。

 

 

「霊力野(ゲート)をもつ僕たちも一緒にリーゼ・マクシアに閉じ込めるつもりだよ」

 

 

バキィィン!

 

 

俺はそれを聞いて、イラつきが限界に来ていたのかがわからないが椅子を握力だけで壊してしまった。

 

 

「「リーゼ・マクシアの人たち(民)を資源にする気か!!(するつもりか)」」

 

 

俺とガイアスが同時に言った。

 

 

「ふざけたことを!」

 

 

「……バカげたことを」

 

 

「多分ジランドは海上にあるアルクノアの本拠地に戻ってる。エレンピオス軍も来てるんだ。船で近づくにも厳しいぜ」

 

 

アルヴィンが船でアルクノアの本拠地に行くのは無理だというと、ウィンガルが提案を出す。

 

 

「では、カン・バルクに停泊している連中の空駆ける船を奪うのはどうかと」

 

 

何とも凄いことを平然と言うウィンガルに驚くレイアはエリーゼやローエンに言う。

 

 

「あの人、さらっとすごいこと言ってない?」

 

 

「ですが、それしか手はないでしょうね」

 

 

ローエンも自分がウィンガルの立場であったらそう決断するんだろうな。

 

 

「よし!明日決行する」

 

 

ガイアスがそういい、この場を去ろうとすると、 

 

 

「まって!ガイアス!一緒に戦ってくれるんでしょ」

 

 

ジュードが呼びとめ、ウィンガル達はジュードを見る。

 

 

「僕たちの目的は同じでしょ。だから……」

 

 

「冗談ではない」

 

 

ジュードの言うことを否定するガイアス。

 

 

「勘違いしてんじゃねーよ!」

 

 

「マクスウェルが勝手に断界殻(シェル)をつくりだし、我らをこの世界に閉じ込めている事実……これも知った以上は捨て置けん。お前たちとはまた争うことになるかもしれぬ」

 

 

「そんな人たちとは必要以上に馴れ合えないわ」

 

 

「お前たちは勝手にやるがいい。が、我らの邪魔はするな」

 

 

ガイアス達は言いたいことを全部言ってこの場から去っていった。

 

 

「もー!なにあれー!」

 

 

「ヤツらも手が足りないのだろう。情報を共有させたのが何よりの証拠だ」

 

 

「ああ言いつつも、今は私たちをアテにしているのでしょうね」

 

 

「今は、な……」

 

 

「さて、明日に備えてゆっくりしようじゃねえか」

 

 

俺は疲れているであろう皆に、そういうが、

 

 

ガシッ!

 

 

「え……」

 

 

ミラが俺に笑顔を見せながら肩を掴む。

 

 

「レオン……話を聞かせてもらおう」

 

 

「ひぃ!?」

 

 

笑顔の後ろに阿修羅が見えた。

 

 

な、何で怒っているの?!

 

 

「私たちを逃がすためとはいえ、ファイザバード沼野でのこと……忘れたとは言わせんぞ?……お前とだけ合流できなくて……心配していたのだぞ……」

 

 

悲しい表情をするミラ。

 

 

俺はそんなミラを見て、申し訳ないと思う。

 

 

「すまない」

 

 

「……わかってくれればいいさ」

 

 

ミラが再び、普通の笑顔になる。

 

 

「さあ、皆。今日は休もう」

 

 

ミラがいい、皆で休むことにした。


 
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