No.450287

恋姫で学園パロっぽく書いてみた。

ボンボンさん

自分でも良く分からないが、なんとなくノリで書いてみた。
多分(要望でもない限り)続かないです。

2012-07-10 06:57:57 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1561   閲覧ユーザー数:1452

 
 

この世界のどこかにある聖フランチェスカ学園。

もともとは所謂『お嬢様学校』だったこの学園も、少子化に伴い二年前から男子生徒の受け入れを始めていた。

とは言っても、急な共学化故か男子生徒の数は推して知るべしといったところではあるが。

 

さて、この学園にある四人組がいる。

 

「おーい、詠!」

 

この学園の二年生である北郷一刀。

つまり、男子の一期生でもあるわけだ。

実家は剣術道場で、本人は既に免許皆伝の腕前である。

また剣道部にも所属しており、全体への指導をしていることもしばしば。

 

「あれ、一刀?どうしたの?」

 

後ろから掛かった声に振り返ったのは、一つ年下の九十九詠。

身長は低め、メガネを掛けており少々釣り目な少女。

ある方向に需要が出そうな容姿だ。

 

先程述べた四人組のうちの二人が彼らである。

この二人は幼馴染であり、家は近所、幼稚園から現在に至るまでずっと同じ学校というちょっとした運命的な軌跡を辿っていた。

普通に考えれば、兄弟姉妹でもない限り年上には敬語で話すのが一般的だが、この二人の場合は付き合いが長すぎるため逆にそっちの方が違和感があった。

無論、仲がいい理由はそれだけではない。

二人には共通の趣味があるのだ。

それについては、四人組の構成員である残り二人にも言えることなので今は割愛させていただく。

 

「いや、目の前に知り合いがいたから声かけただけ。」

 

「なにそれw」

 

「今から食堂か?」

 

「うん、一刀も?」

 

「ああ、とは言っても俺は弁当だけどな。お前が食堂行くなら弁当持って俺も行こうと思って。」

 

「あら、悪いわね。」

 

「大丈夫だ、問題ない。」

 

「好きね、アンタも。」

 

「汎用性高いからね。」

 

これだけ仲がいいと、無論「付き合ってるのでは?」と考える者も出てくる。

だが、この二人は声をそろえて「NO!」とはっきり言うだろう。

それだけで、お互いがお互いをどう認識してるかがよくわかる。

 

食堂についた二人は当たりを見渡す。

目的は開いてる席の捜索・・・ではなく、とある人物の捜索だ。

 

「さて、あいつ等はどこかな・・・っと。」

 

「ボク達の方が早かったんじゃない?」

 

「かも「お~い、兄貴~!」・・・そうでもなかったみたいだ。」

 

「そうみたいね。」

 

『兄貴』という呼称にも特に否定もせずに、二人は声を掛けてきた少女の方へと歩いて行く。

 

「相変わらず速いな、猪々子は。」

 

「どうせ、授業終わるや否やロケットスタートで来たんじゃないの?」

 

「へへ、まあな。」

 

水色の髪にバンダナを巻いた少女は得意げな顔で答える。

彼女が件の四人組のうちの一人、永沢猪々子である。

喋り方から分かる通り快活な少女で、陸上部に所属している。

「運動は得意だが、勉強は苦手」と言った典型的な部活少女だ。

歳は一刀から見て一つ下、詠と同じ学年である。

彼らとの付き合いは一刀が小学校六年、詠と猪々子が小学校五年の頃に始まり、中学が別になり高校で再会と言った感じだ。

もっとも、中学時代も頻繁に一緒に遊んでいはいたが。

尚、猪々子の一刀に対する『兄貴』と言う呼称だが、「自分にとって兄のような存在」との事らしい。

間違っても「いい男」の意味ではないので、悪しからず(尤も、猪々子はそっち方面のネタはあまり詳しくないが)

 

「あいつはまだ来てないのか?」

 

「兄貴と詠が二番目っすよ。」

 

「彼女のクラス、体育だったし着替えてるんじゃない?」

 

「授業中に窓の外見たのか。良く分かったな。」

 

「数人見知った顔が見えたしね。」

 

「ふ~ん。」

 

「兄貴弁当っすよね?アタイ食券買ってくるんで、席取っておいて貰っていいすか?」

 

「ああ、構わんよ。詠も一緒に行って来いよ。」

 

「うん、そうする。それじゃよろしくね。」

 

「あいよ~。」

 

券売機に向かって歩き出す二人に適当に返事する一刀。

そこであることに気が付いた。

 

「・・・喉乾いたな、ついでに茶買って来てもらえば良かった。」

 

「はい、どうぞ。」

 

「んぁ?」

 

何となく呟いた一言に後ろから声が掛けられると同時に、彼の目の前にペットボトルが置かれる。

一刀がふと顔を上げると、そこには見知った少女の顔。

 

「おお、華琳か。遅かったな。」

 

四人組の最後の一人、風間華琳が彼の前の席に座っていた。

一刀と同じく高等部二年で、文武両道を体現したかのような人物だ。

 

「前の時間が体育で、片づけに当たっちゃってね。」

 

「なるほどね。ところで、このペットボトルは?」

 

「一刀が喉乾いたって聞こえたらあげようと思って。私の飲みかけで悪いけどね。」

 

「別にそんなこと気にしないさ。ありがたく貰うよ。」

 

そう言って一刀はペットボトルの蓋を外し、茶を流し込む。

他人から見れば間接キスの現場なのだが、当の本人達はそんなのは全く気にしていない様子だった。

これを見れば、彼らの間に「そういった感情」がないのが見てとれる。

因みにこれは、華琳だけでなく相手が詠や猪々子でも同様に言えることだ。

 

「サンキュー、華琳。」

 

「全部飲んでも良かったのに。」

 

「何となく喉乾いたな、って思ったくらいだしこれくらいでちょうどいいよ。」

 

「まあ、一刀がいいならそれで良いけど。ところで、詠と猪々子は?」

 

「ああ、あいつらなら食券買いに行った。俺は弁当だし、ここで席の確保ってわけ。」

 

「なら、もうちょっと待った方が良いかしらね。」

 

「ああ、もうすぐ戻ってくるんじゃないか?・・・っと、噂をすれば何とやら。」

 

彼らが話しているところへ、詠と猪々子が自分の注文した料理を乗せたお盆を持って戻ってくる。

近くまで来た時に、彼女達も残りの一人が来たことに気付いたらしい。

 

「あ、先輩来てたんすね。」

 

「ええ、今さっきね。」

 

詠と猪々子も自分達の席へと座る。

と、そこで詠がある一言を放つ。

 

「そう言えば、放課後は全員空いてる?」

 

一見、予定を確認しているように見えるが、問いかけた詠の顔は自信に満ちていた。

まるで、彼らの放課後の予定を最初から知っているかのように。

 

「ええ、もちろん空いてるわよ。」

 

「自分も今日は部活休みっすよ。」

 

「言わずもがな、剣道部も今日はちょうど休みだし道場の方も大丈夫だ。」

 

対する彼らも、彼女の意図が分かっているのか若干の笑みを浮かべながら答える。

 

「なら、放課後は店に寄ってから私の家に直行でいいわね?」

 

「「「もちろん!」」」

 

部活や学年の違う、彼らの共通点、それは・・・。

 

「それにしても、新作の発売日に部活の休みが重なって丁度良かったっす。」

 

「俺も、道場はともかく部活の方はどうしようもないからな。」

 

「大変ね、二人とも。まあ、私は部活に入ってないからフリーでやれるけど。」

 

「私も部活に入ってないから、よく一緒にファン○シー○ター弄ってたっけ。」

 

 

四人ともゲーマーだったのである。

 

 

 
 

 
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