「それで、デバイスを使た魔法は慣れました?」
数分後、アリサちゃんがそろそろデバイスに慣れた事だろうと思いまして、私はアリシアちゃんから離れてアリサちゃんの方へと戻りました。
戻って早々にデバイスの使い方に慣れたかと私は聞き、アリサちゃんはすぐに返事を返してきます。
「うん。なのはがインテリジェントデバイスにしてくれたからアドバイスもくれるから、もう大丈夫だと思うわ」
〈マスタの言葉通り、私が付いているので大丈夫です〉
「フレイアもそう言っているのだし」
確かに大丈夫そうですね。それにアリサちゃんのデバイスがそう言うのですからもう大丈夫なんでしょう。アリサちゃんだけだったら無理して大丈夫だと言うと思っていましたし。
後どうやらアリサちゃんのデバイスの名前はフレイアのようですね。なんか神の名前にそんな名前が居たような気がしますが、その話はどうでもいいですのでさっさと始めましょうか。
「それじゃあ、そろそろ始めましょうかね。ルールは先ほど言った通り私に一度でも触れるか攻撃することが出来たらアリサちゃんの勝ちです。制限時間は今日の練習が終了するまでにしますので」
「分かったわ」
「それでは一旦少し離れましょうか」
それから私とアリサちゃんは一度距離を取るためにお互いに離れていきます。
数メートル離れていき、それから私はアリサちゃんの方へ振り向きます。
「それと一応この場所は庭園ですので、アリサちゃんの魔法は気を付けてくださいね。燃えたら困りますし」
「その辺りはさすがに気をつけるわよ。それよりも早く始めたいのだけど」
「分かりました。アリサちゃんがバリアジャケットに着替え終わりましたらすぐに始めますので」
「わかったわ。フレイア、セットアップ!!」
アリサちゃんは私の言葉を聞いてからすぐにフレイアを起動させ、着ているものがバリアジャケットに姿が変わるのでした。
アリサちゃんのバリアジャケットはどうやら戦闘で移動しやすいような服装でしっかりと守りもよさそうなバリアジャケットでありました。赤のチェックのスカートに上は私のバリアジャケットと同じような白い服装なのですが、私より全体的にスリムのようになっている感じでした。
両手には二つの長刀を持っており、多分見えないが柄にデバイスが両方に埋め込まれているのだろうと私は思いました。なんか二刀の長刀以外にもありそうですが、今はあまり詮索しなくていいでしょう。模擬戦だとしても、相手の魔法がどんなのかを聞くのはどうかと思いますしね。
そしてアリサちゃんはバリアジャケットに姿を変えた刹那、私の方へと向かって一気に突き進んできました。
正直言ってかなり単純でわかりやすい攻撃ですが何かありそうですね。何かなければそんな相手に分かりやすい攻撃なんてしてくるはずがありませんし。
「動きが単純すぎですよっ!!」
私はすぐに前方にプロテクションを張って、アリサちゃんの攻撃を防ごうとします。バリア貫通能力がなければ別に砕かれることは――
「っ!? まさか!?」
「貰ったっ!? 『フレイムスピア』っ!!」
アリサちゃんは左手に持っている刀を私の方へ突き刺してきました。
どうして利き腕でない方の刀を突き出してきたのか気になりましたが、突き出した刀には多分バリア貫通能力が付加されているのでしょうと思いました。
すぐに私はバックステップでアリサちゃんから離れることにします。昔の私ならこんな避け方なんてしないし、多分できなかったでしょうね。
アリサちゃんから距離をとって私でしたが、その行動はアリサちゃんにとって嬉しいことだという事はまだ知りませんでした。
「フレイムスピアは確かにバリア貫通能力を付加されているけど、それだけじゃないわよ!!」
「なっ!?」
距離をとって体制を整えようとした私でしたが、先ほどアリサちゃんが突き出した刀から炎が私に向けて飛んできていたのです。向かってくるスピードは速いですが、バリアジャケットを着ていない今の状態では避けるのが精いっぱいでした。
私は攻撃が来る前に上空へと回避し、炎を避けきります。炎が消えきったのを確認してから私はもう地上へと戻るのでした。
「……デバイスを起動したばかりなのに、まさか直撃受けそうになるとは思いませんでした」
「それはなのはの甘く見過ぎね。デバイスを手に入れる以前に様々な攻撃パターンを脳内で考えていたから」
……昔の私より強いのではないですかアリサちゃん。っていうか攻撃パターンを考えてたという言葉には驚きましたし、まさかそこまでしていたとは思いませんでした。
「さて、ウォーミングアップもちょっとしたことだし、少し真面目にやろうかな?」
「あれで真面目にやってないのですかっ!?」
思わず突っ込んでしまいましたが、こうなると私の方もレイジングハートを起動する必要があるようですね。今のままでは本気を出しかねないし、本当に手加減して戦うのならばレイジングハートを起動させた方が良さそうですしね。
「……ちょっと待っていてください。さすがにこのままで戦うのはちょっとまずいかもしれませんので、私のデバイスを起動させていいですか? さすがに舐めすぎていました」
「それくらいの事なら別に良いわよ。なんとなく私を舐めているよう思えたからちょっと癪だったし」
確かにそう思ってしまいましたかもしれませんね。少し反省です。
とりあえず私はレイジングハートを起動させ、バリアジャケットを着ることにします。
「さて、これでもう大丈夫ですよ。模擬戦再開しましょうか」
「それじゃあ、こっちも少しふざけてないで本気で行くわよ!!」
刹那、アリサちゃんの周辺から熱風が噴き出しており私の方まで熱風が感じられるほどでした。
私はアリサちゃんの居場所を確認するためにアリサちゃんの方をずっと見ていましたが、一瞬目を離したすきにアリサちゃんは目の前から消えているのでした。
それから数秒もなくして、アリサちゃんは突然私の目の前に現れて右手に持ってる炎で燃えている刀を私に振りかざしてきました。
「『ブレイドファイアー』っ!!」
すぐさま私はプロテクションで今度こそ守ろうと動き、プロテクションによってアリサちゃんの攻撃は阻まれてしまいます。
「くっ、硬すぎる……けど、」
アリサちゃんはもう片方に持っていた刀を先ほどと同じように突き刺すような感じで攻撃してこようとします。すぐに私は次に何をしてくるのか分かり、その前にその攻撃を阻止するために動くのでした。
「『フレイム』――」
「『アクセルシューター』!!」
私はアリサちゃんから離れるために、アクセルシューターでアリサちゃんに向けて放ちます。
さすがに今の攻撃は読めました。私がプロテクションで片方の刀を防いでいる間、もう一方の刀でフレイムスピアで私のプロテクションを防ごうとしたのはさすがに分かりました。
すぐに対応してアリサちゃんに向けてアクセルシューターで放ったのです。あの状態からでは避けようがないですし、もろに食らうしかありませんからね。
「ぐっ、」
アリサちゃんはアクセルシューターによって少し吹っ飛ばされましたが、すぐに態勢を整え直して私から少し離れたところで立ち止まりました。
「動きが単純すぎですよ。もう少し工夫ぐらいしませんと。たとえ相手の攻撃が読めるとしても、あれでは単純すぎて攻撃されるのがオチですし」
「やっぱりそうかな? やっている途中でやっぱりそうかなとは思っていたけど」
私がアリサちゃんにそう注意しますと、どうやらアリサちゃんも今の攻撃は単純だろうと思っていたようでした。確かにコンビ技としてはよいとは思いましたけど、真正面で使う様なものではないと思いますね。あれではバレバレですし。
「さて、まだ考えていた攻撃はあるのでしょ? その攻撃で私を触れさせるかダメージを受けさせてみなさい」
「なのはに言われなくても、分かっているわよ!!」
それからアリサちゃんはこの後も自分で考えた魔法を使ってくるのでした。
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新暦85年、高町なのははある任務の途中で死亡する。
任務は全て嘘であり、全てはなのはを殺害するための一部の管理局員による計画だった。
なのははその計画通りに殺されるが、その任務に向かう途中に偶然何故か落ちていた拾ったジュエルシードによって、なのははタイムリープをするのだった!!
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