No.450115

テイルズオブエクシリア~転生者はイレギュラー

第41話 VS針のアグリア

2012-07-09 23:21:55 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1470   閲覧ユーザー数:1442

~レオンSIDE~

 

 

バサ……バサ……シュタ!

 

 

俺たちはカラハ・シャールから一気にイル・ファンの近くにあるバルナウル街道に到着した。

 

 

ワイバーンから降りた俺たちはこの先にあるイル・ファンがあるかを確かめていた。

 

 

「イル・ファンはこの道を行けばいいんだな?」

 

 

ラ・シュガルの地理に一番詳しいローエンに聞いたミラ。そんなミラにローエンは静かに頷く。

 

 

「よし、行くぞ」

 

 

そのまま、イル・ファンへの道を歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

歩き始めて数分が経過し、空の景色が段々と暗くなっていく。夜域だ。

 

 

「夜域に入ったな。ってことはイル・ファンは近いな」

 

 

辺りには照らすための木の形をした街灯が置いてある。この街灯のある方向に進んでいけばイル・ファンというわけか。わかりやすいな。

 

 

「お、見えてきたな」

 

 

「うん。あそこは……中央広場かな」

 

 

イル・ファンにいたジュードはここから見える場所がイル・ファンの中央広場だと言う。

 

 

「行こう」

 

 

ミラを先頭にイル・ファンへ入っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イル・ファン二は言って最初に目にしたのは、

 

 

走り回る兵士たち・泣いている子供・指示を飛ばす指揮官・学者ect……

 

 

そんな慌しいイル・ファンを見たジュードは驚いていた。

 

 

「どうなっているの??」

 

 

「ねえ、あっち!煙が上がってる!」

 

 

レイアが指差す方向を見ると確かに煙が上がっていた。

 

 

「おいおい!」

 

 

「あっちは……」

 

 

「研究所だよ!」

 

 

その方向にある建築物のことを知っている俺たちは驚いている。

 

 

俺とミラは険しい表情をし、皆に言う。

 

 

「クルスニクの槍は研究所だ。行こう!」

 

 

「ああ!嫌な予感がするしな!!」

 

 

俺たちは研究所のある方へ走って移動していく。

 

 

 

 

 

 

 

研究所のある地区に来ると、数名の兵士と研究員達が倒れていた。

 

 

「大丈夫ですか!」

 

 

ジュードは近くで倒れていた兵士のヘルメットを取ると驚いていた。

 

 

「エデさん……?」

 

 

「先生……ジュード先生なのか?」

 

 

目を開けたエデはジュードの声を聞いてジュードなのかを確かめる。

 

 

にしても、この人数……俺が回復させた方が早いか。

 

 

「全員、その場から動くなよ。リザレクション!」

 

 

俺を中心に回復陣が展開され、傷ついていた兵士や研究員を癒していく。

 

 

「ジュード先生、聞いてくれ。研究員の中にア・ジュールのスパイが紛れ込んでいた。逮捕しようとしたら……そいつらが実験室を爆発させて……」

 

 

ふぅ……回復は終わったが、失った血液を元に戻すわけじゃないしな。

 

 

「ケガ人は病院へ搬送する。こちらへ」

 

 

一人の男性がそういうと、丁度よかったので俺はその男性に近づいて増血丸の入った袋を渡した。

 

 

「大体の傷は治した。後は失った血を補充しないといけないから病院へ搬送させたら一人に一個ずつこの増血丸を渡してくれ」

 

 

「?増血丸??わからないが、名前の通りなら血を増やすんだな?わかった!」

 

 

ケガ人たちは傷も治ったが血が足らないのかフラフラしている。

 

 

そして、そのまま病院へと向かった。

 

 

それを見届けた俺たちは話をしている。

 

 

「ミラ。ガイアスが動き出したのかもしれない」

 

 

「ああ。これは急いだ方がいいな」

 

 

全員頷き、研究所の中へ入っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究所に入った俺たちは、前にクルスニクの槍のあった部屋の前に立っている。

 

 

だが、扉は固く閉ざされていた。

 

 

「この中に入るのは、ちとキツイぜ」

 

 

ぼやくアルヴィンを余所に、ミラが扉に近づき、剣を抜いて振るった!

 

 

カァ――ン!カァ――ン!カァ――ン!カァ――ン!

 

 

何度も何度も扉をたたくミラ。だが、扉は壊れない。

 

 

「すぐそこにクルスニクの槍がありながら……!」

 

 

悔しがるミラ。俺はそんなミラの肩に手を置く。

 

 

「下がってろ……」

 

 

俺はミラに下がるように言い、

 

 

「スゥ~~~~ハァ~~~~」

 

 

俺はマナを高めていく。

 

 

「まずはこいつだ!ファイアストーム!」

 

 

炎の嵐を扉に放つ。

 

 

「続いてブリザード!」

 

 

今度は氷の嵐。

 

 

「ファイアストーム!ブリザード!ファイアストーム!ブリザード!」

 

 

何度も同じことを繰り返す。

 

 

「一体何やってんの?」

 

 

「さ、さあ?」

 

 

俺の行動を不思議がるアルヴィンとレイア。

 

 

そんな中、ジュードとローエンは俺が何をするのかがわかってきたみたいだ。

 

 

「そうか!どんなに堅く・強固な壁や扉も!」

 

 

「急激に暖める・冷やし・暖める・冷やすを繰り返していけば!」

 

 

「その個所は脆くなるということか!」

 

 

ミラも俺が何をするのかがわかったようだな。

 

 

それから何度か繰り返すと、

 

 

ピキッ!ピキキキ!

 

 

扉にヒビが入った。

 

 

「これで終わりだ!空破爆炎弾!」

 

 

炎を体に纏ってヒビの入っている個所に向かって突撃する。

 

 

ドシャ―――ン!

 

 

扉を破った。

 

 

「おお!!」

 

 

「レオン君ーすごーい!」

 

 

驚く皆を余所に、俺とミラは部屋を見渡すが……

 

 

「クルスニクの槍が……」

 

 

「なくなっている!?(そういえば、移動しているんだっけ?忘れてたわ)」

 

 

驚く俺はそう言えば、ここから別の場所に移動させたのを思い出す。

 

 

「くぅ!一体どうすれば」

 

 

悩むミラ。そこへ、

 

 

「槍が無くなった理由がわかるかもしれないし、どこかの部屋で何があったか確かめてみようよ!」

 

 

ジュードの提案に俺とミラは頷く。

 

 

「なら、俺とミラがジュードと初めて出会った部屋に行ってみよう」

 

 

「そうか、確かあそこには……」

 

 

「そうだ。何かを動かす端末があったしな」

 

 

「じゃあ、そこを目指そう」

 

 

俺たちの次の目的地は俺とミラが初めてジュードと出会った研究室だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガタンッ!

 

 

俺たちは研究室のすぐ近くに来ると中から物音がした。

 

 

「なんだろう?」

 

 

「入ってみればわかる」

 

 

そういい、俺は部屋の中へ入っていく。

 

 

中には……一人の老婆が倒れていた。

 

 

「大丈夫か?」

 

 

俺たちはその老婆を近くで見ると、

 

 

「わ、わたしはもう何も……許してください……」

 

 

「このバアさん……」

 

 

「村長さん……!」

 

 

「しっかりしてよー!」

 

 

「ハ・ミルの村長か」

 

 

ハ・ミルの村長の婆さんだった。

 

 

「ラ・シュガル軍に侵攻されたと言っていたな」

 

 

「ああ。おそらくクルスニクの槍に使うマナを吸収されていたんだろうな」

 

 

「ああ!みなが……凍りづけにされる……やめてくだされ――っ!」

 

 

俺たちの声が聞こえていないのか一人でに話をする村長。

 

 

「おい、しっかりしろ」

 

 

「あ……ぁ……ぁ……」

 

 

そのまま村長は消滅した。

 

 

「村長さん、村長さん!」

 

 

「ハウス教授の時と一緒だ……」

 

 

エリーゼはあまりのショックで俺とミラに抱きつく。俺とミラは静かにエリーゼの頭を撫でる。

 

 

「村の人たちが凍りづけにされるとは一体……ガイアスのところで聞いた大精霊の力でしょうか?」

 

 

ローエンの言うことに腕を組みながらアルヴィンは言う。

 

 

「あの状態での言葉だから、どこまでアテになるか」

 

 

「許せることではないな」

 

 

ミラも静かに怒りを見せる。

 

 

「さて、今は感傷にしたっている暇はないな。クルスニクの槍を止めなければこんなことが第二・第三と続くぞ。あそこにある端末で調べよう」

 

 

俺は指差すほうには端末があった。

 

 

 

 

 

 

 

梯子を登って端末の電源を入れた俺たちはクルスニクの槍がどこに行ったのかを調べている。

 

 

「映像を出すぞ」

 

 

俺が端末を操作し、クルスニクの槍が無くなったのはいつかを調べる。

 

 

操作していると、

 

 

「ん?こいつは……」

 

 

「どうしたレオン?」

 

 

「いや、情報を捜していたらこんなのが出てきたぞ。見ろよ」

 

 

俺はミラに今映している記録を見せる。

 

 

「この女、確か前にここで……」

 

 

「ああ。俺とミラにボコボコにされた赤服の女だ。待てよ?ってことはエデが言っていたスパイはこいつか」

 

 

俺は頭の中ら原作知識を絞り出す。

 

 

「こいつ、おそらくだがクルスニクの槍がないから今頃は捜しているんじゃないか?そして、そいつを俺たちが探し出して……情報をもらえば」

 

 

「槍の在りかがわかる……そういうことか」

 

 

「その通り」

 

 

「じゃあ、皆で探そうよ!まだ、記録を見る限りじゃそんなに時間もたっていないし!」

 

 

ジュードもアグリアを捜すことに賛成して、皆で一度研究所の外を出て捜すことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究所の外に出た俺たちは今、中央広場に来ていた。

 

 

「さて、どこにいるのかね」

 

 

俺はあたりを見渡す。すると、

 

 

「あ―――っ、見つけた」

 

 

俺はサンサーラ商会前の左側ロープのところにいるのを発見した。

 

 

「行くぞ」

 

 

俺たちは急いでそこへ移動する。

 

 

ロープのところに着くと、

 

 

「あんたたちは……!」

 

 

アグリアも気付いたのか俺とミラを見る。

 

 

「アハハハハ!ようやくあんたたちを殺(や)れる日が来た!!」

 

 

「恨みたっぷりのところを悪いが、聞かせてもらいたいことがある」

 

 

「アハハハハ!バーカ。答えるわけないだろ!」

 

 

ミラの質問に笑いながら答えるアグリア。はっきり行って不愉快なんだが。

 

 

「あなた……どこかで……ひょっとして……トラヴィス家のナディア様ではありませんか?」

 

 

「な……!」

 

 

ローエンの言った……自分の本名を言われたアグリアは驚き、声を上げる。

 

 

「やはりそうでしたか。六家(りくけ)のお嬢様がア・ジュールのスパイとは……一体なぜ」

 

 

「あたしはトラヴィスなんて関係ない。あたしは四象刃(フォーヴ)、無影のアグリアだ!」

 

 

アグリアは自ら自身の名を名乗り、二つ名を名乗る。

 

 

「四象刃(フォーヴ)って!」

 

 

「つまり、ガイアスの命令で動いているのか」

 

 

「だったら、何だよ」

 

 

「お前はクルスニクの槍を破壊しようとしていたのだな」

 

 

「あたりだよ、アハ~!」

 

 

「私も同じだ。つまり私たちは敵では……「待てミラ」……何だレオン?」

 

 

ミラの言葉を俺が遮る。

 

 

「こいつはどう見ても一緒に破壊しようとかそんなことを言っても意味はない奴だ。それにこいつがバカなことをしなかったら四大達はクルスニクの槍に捕らわれることはなかった」

 

 

「だぁれがバカだ!!」

 

 

「てめえだドアホ。お前が不用意にクルスニクの槍を起動させるからだろうが。そんなことをしなかったらミラがクルスニクの槍を破壊できていたと言うのに……」

 

 

「だ、黙れ!あたしには関係ないね!」

 

 

アグリアの態度に俺は呆れている。

 

 

「やれやれ……面倒だ。力ずくで話をさせてもらおう。なぁ~に、槍の在りかを知っていれば……命だけは助けてやるよ」

 

 

ニヤリとほほ笑む俺。

 

 

「はん!やってみろ!」

 

 

アグリアは武器を構える。

 

 

「待って!お願いよ。あなたもあんな危ないもの、壊したいって思うでしょう」

 

 

レイアを見てアグリアは言う。

 

 

「くせぇな……」

 

 

驚くレイア。

 

 

「アハハハハ!決めた~!槍を壊す前にラ・シュガルに向けて一発ぶっぱなしてやるよ。アハハハハ!」

 

 

狂ったような笑い声を上げるアグリアを見て、信じられないものを見るようにアグリアを見るレイア。

 

 

「何言ってるの、あなた。みんな一生懸命やろうとしているのに、どうして邪魔しようとするの!」

 

 

怒るレイアにアグリアは笑いながら言う。

 

 

「アハハハハ!やっぱりくせぇよ、お前!」

 

 

「何?失礼な人! お前、がんばれば世の中どうにかなると思ってるだろ?アハハハハ!お前からはそんな悪臭がぷんぷんすんだよ」

 

 

「がんばればいいことじゃない!」

 

 

「うっせー、ブス!しゃべるんじゃねーよ!」

 

 

ブチッ

 

 

「ん?今、何かがキレるような音……が?!」

 

 

俺は音がした方を見ると固まる。

 

 

「レオン?どうし……た?」

 

 

ミラも固まる。

 

 

他の皆もどうしたんだろうと俺とミラの見ている方向……いや、人物を見る。

 

 

その人物とは、

 

 

「ねえ、君さ」

 

 

「ああ~~ん?」

 

 

アグリアに近づくジュードを見る。

 

 

「今、レイアになんて言ったのかな?」

 

 

「ああ?ああ、あの時のガキか。はっ!悪臭のするブスって言ったんだよ」

 

 

アグリアは高らかに言う。

 

 

「へぇ~じゃあ、僕も言わせてもらうけど、僕から見て君の方が〝ブス″だよ」

 

 

「んだと!」

 

 

「だって、君みたいな人が六家(りくけ)のお嬢様のわけないよね?だって、汚い喋り方・くねくねした変な動き・作法のなっていない・どう見ても僕たちと同い年ぐらいなのに、レイアと違って本当の〝子ども″みたいだからさ。いや、別に君のことは何とも思ってないよ?〝子ども″で〝ブス″な〝ガキ″に言っているんだから」

 

 

…………汗。ジュードが黒い。物凄く黒い。遠まわしにアグリアのことを言っているな。

 

 

「み、皆、下がろう(汗)」

 

 

「そ、そうだな(汗)」

 

 

「さ、賛成だぜ(汗)」

 

 

「こ、怖いです(ブルブル)」

 

 

「こ、こわーいよー!」

 

 

「ろ、老人には堪えますね(汗)」

 

 

ジュードとレイアを除く6人は2人から距離を取る。

 

 

「レイア、行くよ!あんな〝子ども″で〝ブス″な〝ガキ″に礼儀を教えてあげようよ!」

 

 

「そ、そうだね(汗)行こうか!」

 

 

「アハハハ……アハハハハハハハハ!…………ぶっ殺す!」

 

 

ジュード・レイアVSアグリアの戦闘が始まった。尚、アグリアの部下らしき2人は俺が拘束した。

 

 

 

 

 

 

「炎舞陣!」

 

 

アグリアは仕込み杖を変形させ頭上で回転させることで周辺狭範囲に炎の竜巻を作ってジュードとレイアの攻撃を防ごうとするが、今の鬼神になりかけているジュードには無意味だな。

 

 

「輪舞旋風!」

 

 

回し蹴りで回転を止めた。

 

 

「んだとぉ!?」

 

 

「三散華!連牙弾!転泡ぉ!!」

 

 

連続で殴って殴って転ばせる。……いつもよりも技を出すスピードが増しているな。

 

 

「ジュ、ジュードさん……気のせいかいつもよりも技のキレがありませんか?」

 

 

「ああ。おそらくレイアのことをバカにされたことでジュードの潜在能力を引き出しているんだろうな」

 

 

俺とローエンは今のジュードの動きを見て、感想を述べていた。

 

 

「私も行くよ!!瞬迅爪!三散華!昇掃撃!三散華ぁぁ!!」

 

 

突いて打ちあげ、棍による三連続攻撃を繰り返すレイアもいつも以上にキレがある。

 

 

「ぐおぉ!?ぐはぁ!?」

 

 

完全にリンチにあっているアグリア。技を出す暇も防御する暇もない。

 

 

「これで」

 

「吹き飛んじゃえ!」

 

「「断空剣!!」」

 

 

2人の息のあった攻撃で竜巻を発生させ、アグリアを吹き飛ばし、そして、

 

 

「ジュード!」

 

「任せて、レイア!」

 

ジュードは殺劇舞荒拳を繰り出し、アグリアを吹き飛ばしたところをレイアが活伸棍を回転させて敵に棍の連撃を当てた後にアグリアを上に吹き飛ばし、それと同時にレイアは活伸棍・神楽の構えを取り、真下ではジュードが拳に力を込めながら待機している。

 

 

「「これが二人の!殺劇舞荒拳・神楽!!」」

 

そして、空中にいるアグリアに上と下から挟み込むように活伸棍と拳を同時に叩き込みんだ!

 

 

「これが僕とレイアの」

 

「愛の力だね!///」

 

「う、うん………そうだね////」

 

 

さっきまでの殺気が嘘のような雰囲気を作り出す2人。

 

 

「ぐはぁ!」

 

 

階段から転がるアグリア。

 

 

倒れているアグリアの頭に俺とミラは剣を構え、当てる。

 

 

「はっ…………

 

 

「あいにく、剣は不得手でな。うっかり手がすべらないよう、よく考えて答えることだ」

 

 

「疲れているから手をすべらないようしないとな~死んじゃうぜ?」

 

 

「「槍はどこだ?」」

 

 

俺とミラの要求にアグリアは舌うちしながら答える。

 

 

「ちっ……!研究所の地下には秘密の通路があって、オルダ宮につながってたんだ」

 

 

「オルダ宮?」

 

 

「ナハティガルのいる……王宮のことだよ」

 

 

ミラはオルダ宮のことを知らないので俺が教えた。

 

 

「そのような通路があったとは初耳ですね」

 

 

「まだあるのか?」

 

 

「残念。もうつぶされたみたいだよ」

 

 

ミラの質問にそう、答えたアグリア。

 

 

「使えないか……」

 

 

「そうだな……」

 

 

「……………」

 

 

ガサガサガサガサ!

 

 

俺とミラがアグリアから目を離すと、アグリアは黒きGのように素早く脱出した。動きがキモいと思ったがな。

 

 

「あ、逃げるな!」

 

 

「マクスウェル、ストライフ、あんたたちもいつかぐちゃぐちゃにしてやるからね!」

 

 

ビシッ!

 

 

レイアを指差してアグリアは言う。

 

 

「それと、ブス!これだけは言っておいてやる。お前がいくら努力しよーが、報われることなんてないんだよ」

 

 

「どうしてそんなことをあなたに……!」

 

 

レイアが話している最中なのにアグリアはこの場から逃げて行った。

 

 

「なんなのよ、あの子!」

 

 

べーとするレイア。

 

 

「オルダ宮か……敵の本陣だな」

 

 

「でも、行くんだろ?ミラ」

 

 

「ああ。だが、まずは様子をうかがう」

 

 

俺たちは中央広場からオルダ宮前へ向かうこととなった。


 
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