私のプロデューサー。優しくて温かくて素敵な人。
年齢が離れているせいか、私のことを自分の娘みたいに扱うのはちょっと嫌かなーって思うけど、嫌いにはなれません。
事務所のみんなも優しいけど、プロデューサーはまた違う優しさがあります。
お姉ちゃんとして振舞っている私を唯一甘やかしてくれる人。
お兄ちゃん……って感じではないけど……う~ん、お父さんって感じなのかな?
でもでも私にはちゃんとお父さんがいるから、やっぱり違うかなーって思います。
だけど、お父さんみたいな人。そういうのが一番シックリときます。
それにですね、私の弟達もプロデューサーのことが大好きなんですよ? いつも『おじさんいつ来るの?』って聞かれてるんですよ?
まるで、私達の本当の家族みたいに馴染んでいます。家族みんながプロデューサーのことが大好きで、私もプロデューサーのことが……
「うっうー! ただいまです!」
「お、やよいか。お帰り」
事務所に帰るとプロデューサーが私を迎えてくれました。
事務所にいないこともあるプロデューサーに出迎えてもらえるのは嬉しいです。
「今日の仕事はどうだったか?」
「はい! 楽しくお仕事できました♪」
今日のお仕事は本当に楽しくすることが出来ました。失敗もなく上手に出来た自分を褒めてあげたいです。
「そっか。よく頑張ったな」
「ぁ……っ」
プロデューサーが私の頭をナデナデと撫でてくれてます。
大きくて温かい私の大好きな手。その手で頭を撫でてくれています。
「えへへ……♪」
プロデューサーに頭を撫でられて、つい気持ちよさそうな顔をしてしまいます。
本当に気持ちよくて幸せな気分になるんですよ?
「やよいは相変わらずだな」
「うー?」
「何でもない。やよいはそのままの可愛いやよいでいてくれよな」
「……はい」
可愛いって言われて嬉しいって思う反面、やっぱり子供扱いされてるって思ってしまいます。
子供扱いじゃなくて、一人の私として扱って欲しい。そう思ってしまうのは我儘かな?
「あの……プロデューサー」
「どうした?」
「私じゃダメですか?」
「……?」
精一杯の告白。『好きです』って言葉を伝えることが出来なくて中途半端な言葉になってしまいました。
プロデューサーのことを好きになる前はちゃんと言えてたんだけどなー。
好きになってからは上手く言うことが出来なくなってしまいました。
「やよい。いまいち意味が分からないぞ」
「うぅ……少しは察して欲しいです……」
鈍感なプロデューサー。他にもプロデューサーに好意を持っている人はいるんですよ?
それなのに、プロデューサーは気がついていません。ほんとに鈍感すぎかなーって思いますよ。
でも、これがプロデューサーなんですよね。私が好きになった――みんなが好きになったプロデューサー。
私は子供でプロデューサーから見たら、一人の女性に見えないかもしれません。
それでも私はプロデューサーのことが大好きで、この人と一緒になりたいって思うんです。
「……やよい。飯でも食いにいくか?」
「……はい。食べに行きます」
今はこの想いは伝わらないし、伝える勇気もないですけど。
それでもいつかは、きちんとプロデューサーに『好きです』って言葉を伝えたいです。
前に言えていた好きという言葉じゃなくて恋愛感情の好きという言葉を。
「うっうー! プロデューサーとご飯食べるの楽しみです!」
「そうか。後で弟達も食べられるようにおみあげも買っておくか」
「ありがとうございます。みんな喜びますよ!」
「ははっ」
プロデューサーの横に並んで外へお出かけ。
目的は食事だけど、お店に着くまではデートですよね?
二人っきりの時間。プロデューサーは何とも思っていないかもしれませんけど、私にとっては特別。
「うおっ!? どうしたんだやよい」
「えへへー何でもないですっ♪」
プロデューサーの腕に抱きつく。これくらいはいいですよね?
プロデューサーは私のことを子供と思っているから、悪戯か何かと思ってくれますよね?
それはそれで悲しいけど、今はいいんです。だってこうして繋がることが出来るから。
「はは、やよいは仕方ない奴だな」
「はいっ♪ しかたないやつです!」
今はこの幸せを噛みしめようと思います。そして最後は…………
あなたと幸せな日々を。そんな毎日を過ごしたいです。
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うっうー! やよいさんです。
あまりやよいっぽくないかもですが、やよいさんなんです。