早朝。お日様の光が私を照らし出す時、私も意識が目覚める。
(おはよう、小鳥さん達)
私はいつも通り綺麗な囀りを聞かせてくれる小さな訪問者たちに心の中で挨拶をする。
これが目覚めてから最初にするいつもの日課だ。今日のお日様もとても気持ちいい。
ここは私にとってとても過ごしやすく暖かい島だ。綺麗な空、澄んだ空気、自然も豊かで
草花や虫たちも元気いっぱいに過ごしている。そして、ここに住む人間たちもまた、この
島の気候と同じように柔らかく、暖かい心を持った者たちが多い。
私はこの島の環境のおかげで一年中花を咲かせていることができるので、「伝説の桜の木」
と呼ばれ親しまれている。定期的に周りを竹箒で掃除してくれるお婆さん、お仕事に向かう
途中で通り過ぎる男性、若い男女、無邪気に遊ぶ子供たち、皆私を見てを笑顔になってくれる
のがとても嬉しい。そんな中で今一番気になっている男の子がいる。学校帰りだろうか、い
つも一人で私の元に来ては柔らかい表情で語りかけてくれる。そして私は何だか不思議な魅力
を持ったその子と毎日接しているうちにある感情が芽生え始めていた。
(人間として生きるってどんな感じなんだろう)
日を追うごとにその思いが強くなっていき、数年が過ぎた。
そんなある日の夜、幾分か成長したその男の子が泣き腫らした目をして、ぐったりした傍目に
見ても弱っていると分かる女の子を連れて私の元へやってきた。そしてこの世界全てを恨んで
いるかのような表情を浮かべ泣き崩れてしまう。
そんな様子を見て私は---------
(ああ、この子たちを救ってあげたい)
その瞬間、男の子の目の前に柔らかい光が溢れてきて、気が付けば私はその子を抱きしめてこ
う言っていた
(諦めちゃ、駄目なんだよ)
(一人で怖かったよね、辛かったよね、心細かったよね)
(でも、もう大丈夫だよ。私が側にいるから、ね……)
(もう一度いっしょに考えてみよ?貴方が思うよりこの世界はずっと優しいんだよ)
そして私はその後、男の子-----芳乃 零二の中に意識を宿し、妹さんと再び共に暮らすため
に島を離れて、仕事漬けの毎日を送る零二を見つめ続け、4年後再び島に戻ってきた。だが
零二はそこで、召喚せし者(マホウツカイ)なる異形の者に襲われ命の危機に瀕してしまう。
そしてまた私は強く願う、「この子を救いたい!」と、
その思いは光を灯し---------
----------「魔術兵装」(ゲート・オープン)------!!!!
「やっと---逢えたね、マスター」
零二「サクラ」
その名前は私がそうだと思い出したわけじゃなく、ましてや今付けられたわけでもない。
ただ単純にそうなのだと理解する。
サクラ「うん、私の名前はサクラ。マスターが呼び出してくれたマホウの美少女なんだよ」
そして私は、ずっと焦がれていた人間の体をもって、この子の道を照らす光となるため、
この世に生を受けた
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投稿期間を少し過ぎてしまったのですが、入れてもらえないでしょうか?サクラ視点の小説を投稿してみました。最後の方が走り気味になってますがご容赦を