No.448940

病みつき六課  プロローグな1日(早朝)

rikubさん

病みつき六課 第一話となります

改めてみると下手だなぁーっと思いました

2012-07-08 11:36:49 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:14354   閲覧ユーザー数:13601

 

 俺の朝は早い。

 隊長補佐というポジションに位置する俺は、その名から読み取れるように、各隊長や副隊長の補佐が主な仕事だ。

 ここで指す隊長というのは六課にいる隊長全てだ

 そんな俺の朝は早い。

 

 

 

 

―――――

 

「遅いぞ!!」

 

 FWの朝練が始まる1時間ほど早い時間にも関わらず、彼女は元気に声を大しにて俺を怒る。

 そんな時間に何をやるかと言うと、目の前にいるジャージ姿のシグナムさんと共に早朝のランニングだ。

「すいません、シグナムさん」

 

 怒っているシグナムさんに頭を下げる。

 怒られないため、約束の時間よりも少し早めに着たにも関わらず、頭を下げることになるとは思わなかった。

 

「次からは遅れないようにしろ。

 お前が遅れれば、それだけ私とお前が一緒に居る時間が減るのだからな。

 私はお前と少しでも長く一緒に居たいんだ。

 誰よりもな」

 

 淡々と言うシグナムさんに怒られるのは、もう何度目のことだろう。

 次は怒られないようにしよう、そう決意するのも何度目のことだろう。

 

「すいませんでした」

 再度謝罪の言葉を口にして、頭を下げる。

 それを見られたからか、声をかけられた

 

「隊長補佐、シグナム副隊長おはようございます」

 

「おはようございます」

 

 そう挨拶してくれたのは、ティアナとスバルの仲良し二人組だ。

 シグナムさんが何か言う様子が無かったから俺が2人に挨拶する。

 

 

「おはよう、2人共どうしたの?朝練にはまだ時間があるけど」

 

 朝練にはまだ早いのに俺も何をやってるんだろうか。

 シグナムさんが普段からディスクワークしかしない俺を心配して誘ってくれたのは嬉しいけど、前の時間に戻してほしいな。

 徐々に待ち合わせの時間が早くなってきてる現状に、俺の体がついてきてくれない。

 

「隊長補佐が毎朝走ってるって話を聞いたので、私達も着いていこうかなーって思ったんです」

 

 スバルが元気よく答えてくれた。言われてみれば、2人の服装は普段の制服ではなくジャージ姿だ。

 2人の服装を見ていると俺とスバルの間にシグナムさんが立つ。

 

「お前達には朝練があるのだからランニングなど止めて、高町との朝練に備えたらどうだ?」 「ランニング後の朝練何て集中して出来ないだろうしな」

 

「朝練もランニングも両立出来るように頑張りすよ。

 それに、朝練前の軽い運動と思えばこれぐらい大丈夫ですしね」

 

 シグナムさんの忠告をティアナが反論する。

 雲行きが怪しくなってきたのを肌で感じる。

 

「なぁ、ティアナ」

 名前を呼ぶと彼女の目線が此方に向けられた。

 自分で呼んだにも関わらず、それ耐えきれなかった俺は視線を地面に移した。

 

「どうしたんですか、隊長補佐。

 そういえば、隊長補佐は私達のランニングの参加に賛成ですよね。

 隊長補佐が私のことを拒否するなんて……

 隊長補佐は私と一緒に走ってくれますよね。

 大丈夫です、スバル程では無いですけど、六課に来てから体力には自信があります。

 隊長補佐の足を引っ張るようなことはしません」

 

 ティアナが黙ると畳み掛けるようにスバルは口を開いた。

 彼女もまた、俺を真っ直ぐに見つめている。

 

「そうですよ、隊長補佐。

 いきなり朝練やるよりも、隊長補佐と一緒にランニングしたあとのほうが私はいいです。

 隊長補佐は、私を入らないなんて言いませんよね」

 2人は黙って俺を、俺の目を真っ直ぐに見つめている。

 そんな2人にちょっとした恐怖心を抱くことしか出来なかった。

 もし、断ったりしたら何を言われ、何をやられるのだろうか。

 恐怖心に狩られた俺はシグナムさんにお願いする。

 

「と、とりあえず今日ぐらいは、一緒に走るというのは駄目ですか?」

 

「駄目だ」

 

 即答したシグナムさんは俺ではなく2人を見ていた。

 背中しか見ていない俺には、どんな顔で見ているかとか、全くわからないでいる。

 

「さっきも言ったが、私はお前と少しでも長く一緒に居たいんだ」

 

 二人っきりでな、シグナムさんはそう付け加えるとたちまち、ティアナの顔が目に見えてイラついた表情に変わる。

 

「それってただ、自分の立場を利用して、隊長補佐を無理矢理自分の隣に居させてるだけじゃないですか。

 隊長補佐がどんなに嫌がっても、立場上隊長補佐はシグナムさんの言うことを聞くしかない。

 どんなに嫌でも、傍に居るしかない。

 それって、隊長補佐が可哀想だと思わないんですか?」

 

 ティアナに同調するかのようにスバルが首を何度か縦に振る。

 彼女達はきっと、俺のことを心配してくれているんだろう。

 彼女達

 そこには、ティアナとスバルだけじゃなく、他の人達もいる。

 例えば、目の前に立つ彼女とかが。

 

「そんなことあるばずながないだろ。

 こいつは進んで私と毎朝ランニングしているんだからな。

 それに、こいつが私を嫌うはずがなかろう」

 

 シグナムさんは堂々と、言葉に自信を持ってるのか、強く言い返す。

 彼女達は俺を気遣ってくれているなら、俺は彼女達を気遣うしかない。

 せめてもの恩返しのつもりで。

 

「今日の昼は、時間が空いてますから、その時間に埋め合わせしますから」

 

 そう言うと、シグナムさんは考える素振りを見せる。

 返事は直ぐに返されることになった。

 

「いいだろう、今日はお前に免じて特別にだ」

 

「「ありがとうございます」」

 

 息をそろえて返事をする2人を見ながら、軽い溜め息を吐く。

 今日は朝から大変な目にあった。

 

「それじゃ、行こっか」

 

 俺は彼女達に言うと走りだした。

 肌寒い季節になった、なんて現実逃避ににたことを考えながら。

 機動六課に所属する少し変わった肩書きを持つ俺の朝が、周りよりも早い朝が始まった。

 

 
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