「―――――お?」
どうやら転生とやらは終わったようだ。
「ゲホッ……!うっとおしい!!」
手で振り払おうとして、手を振ると……
―――ビュオオオオオオオ!!
風が巻き起こり、煙をすっ飛ばした。
周りでは悲鳴とか聞こえるが、問題はそこじゃない。
―――俺は剣を握っていた
剣をまじまじと見つめる。
ゲームで愛用していた剣だ。
それにしても……ここはどんな世界なんだ?
周りを見渡す。
中世ヨーロッパにあるような建物がある。
初めて見る物だ。どうやら俺の知らない世界のようだ。
頭をかくと、周りの人がウィザードが持つような杖を向けてくる。
「お、おい……何だよ?」
当惑気味にヴェルが聞くとピンクのロングヘアーの小さい女の子が近づいてきた。
「あ、アンタ誰よ!?いきなり剣なんか振り回して!!」
「あー、そういう事か……」
どうやら、俺が砂埃を剣で振り払ったから、杖を向けてきたようだ。
「悪いな、持ち物確認してたんだ。
いきなり知らないとこに来て、大事な物がありませんでしたなんて
笑い話にもならないって」
「アンタ何者なのよ?」
「俺か?俺は魔法剣士だけど……」
周りから、ざわざわと声があがる
―――魔法剣士?魔法衛士じゃなくてか?
―――あんな汚いコート着て……貴族なわけないだろ?どうせ嘘だろ
「お取り込みの途中、悪いのですが……」
「ん?」
振り返ると、中年の男性が立っていた。眼鏡をかけてる。
他に特徴は……頭がかわいそうだな。
「何か用か?」
「私は、あそこに見えるトリステイン王立魔法学院で教鞭を執っております。
ジャン・コルベールと申します。いきなりの事で困惑していらっしゃるでしょうが、
名前を教えて欲しいのですが……」
そう言って、ジャン……コルベール?どっちで呼べばいいんだ?
先生でいいか……先生は名前を聞いてきた
「ヴェルだ。よろしく」
「では、ミスタ・ヴェルは……」
「あ、普通にヴェルでいい」
「そうですか……ヴェル君は、どこから来たのですか?」
君づけかよ……
「俺は…………あー」
現実の事話しても……なぁー、
ゲームの世界でいいかな?ここファンタジーだし。
「バサリアだけど……」
「……バサリア?そこは一体……」
「あの、ミスタ・コルベール?」
「何でしょうか?」
「私も召喚したいんですけど……」
ん?俺はこのピンクブロンドの子に呼ばれたかと思ったけど、違うのか。
「あの、コルベール……さん?」
「何でしょうか?」
「召喚っていうのは……?」
あれ?先生が当惑気味に見つめてくる
「失礼ですが、メイジでは……?」
メイジ……?ゲームではウィザードの下の職業だったけど……
駄目だな、この世界の強さの定義がわからない。
「まぁ、魔法使いには変わりないな、うん」
「では、貴族では……?」
貴族……?貴族って金持ちの事だよな?
「いや、違う……それで聞きたいんだが」
「はい、何でしょうか?」
「俺を召喚したのは……?」
「召喚したのは、あそこに座っているミス・タバサですね」
あの、青い髪の女の子か……?
本を読んでいる子かな
「そうか……」
俺は剣を消して、タバサという女の子に近づいていく。
「なぁ」
「……何?」
本から目を離さないねこの子。
友達できないぞ。
「俺を召喚……したんだよな?」
「そう」
「理由は」
「……理由?」
「そうだろ?召喚したんだから、俺に用があるんじゃないのか?」
だってそうだろ?召喚魔法は戦闘を手伝って欲しいときとか、
素材採取だったり、用があったときに呼ぶ筈……もしかして、使い魔ってのは
召喚獣と違うのか?
「……サモン・サーヴァントは、何が来るか分からない」
「……は?」
サモン・サーヴァント……どうやら、この世界の魔法……か。
「なぁ、そのサモン……」
サーヴァントってのは……と聞こうとした時、
後ろから爆発音がする
「うぉっ!?」
びっくりして振り返ると、あのピンクブロンドの子がやったらしい。
「……説明は後でする、こっち」
「お、おう……」
どうやら、召喚が終わった順から教室に戻るらしい。
俺は急いでタバサについていった。
―――――この後、契約?というのをしたが、契約方法がキスだとは思わなかった。
そして左手がとても痛くなった。
ルーン文字?というのが刻まれたらしい
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二話『導き』