No.448766

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ヒーラギさん

率直に言うと、俺は死んだ。
どうやら神……の手違いだったらしい。

転生させてくれる、といったが原作を知らない俺にどうしろと?
まぁ、昔やってたオンラインゲームのキャラで行かせてくれるらしい。

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2012-07-08 03:41:53 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4091   閲覧ユーザー数:3689

 

 

「……あ、あれ?」

 

顔を庇いながら強く目を瞑っている青年は、周りを見渡す。

真っ白だった。床も空も、壁……はあるかどうかわからないが、

とりあえず全部白だった。

 

「俺、どうなって……?」

 

おかしい。こんなのおかしい。

 

当惑している青年……彼は死んだはずの存在だった。

 

バイトからの帰り道、信号無視のトラック。

気づいた時には、避けられる距離じゃなくて、頭だけでも守ろうとして……。

 

「それから……どうなったんだ?」

 

『記憶が混乱しているようだな』

 

突然声が聞こえる……直接頭の中に聞こえるような……

 

「だ、誰だよ!?」

 

周りを見渡すが、真っ白だけで何も分からない……

 

『いや、俺はここにはいない。

直接頭に離しかけている』

 

―――は?それって……

 

『そうだな……神とでも思ってくれればいい』

 

「それで、俺がこんなとこにいるのと、どんな関係があるんだよ」

 

『まずは謝らなくてはいけない』

 

「……何をだよ?」

 

『お前が死んでしまった事だ』

 

「……死んだのか?」

 

『あぁ』

 

「ふっざけんなよ!?俺の日常をかえせよ!!」

 

『そうしたいのは山々だが……生きかえる事はできない』

 

「くっそ……何で俺は死んだんだよ?」

 

『本当は、お前が死ぬ予定はなかったんだが……部下の手違いでな、

お前が死んでしまった』

 

「んだよそれ……手違いで死ぬのかよ……」

 

『お詫び……と言っては何だが、転生をさせよう』

 

「……何だそれ」

 

『お前達人間が作った、空想の世界に入れてやる、という事だ』

 

「おい、好きな奴なんて特にないぞ?」

 

『転生先はこちらで決めてある。お前は欲しいものを言えばいい』

 

「決まってんのかよ!?そこは俺が決めるんじゃねェの!?それに欲しいものって何だよ?」

 

『すまないな、だが転生先は決まっている』

 

「はぁ……転生先はどんな世界なんだ?」

 

『魔法が存在する世界だ。お前はそこで好きなように暮らすといい。

要望は?』

 

「はぁ……んじゃ『ドラゴティック・オンライン』のキャラクターで行きたい」

 

『他には?』

 

「他ァ?じゃあ、男で転生を頼む。それに……記憶引継ぎ、これくらいだな」

 

『他には?』

 

「ねぇよ……そう思いつくかっての」

 

『そうか……』

 

「そうだ、俺はどんな感じに転生するんだ?」

 

『お前は……使い魔だな』

 

「……使い魔?」

 

……何だ?使い魔って……?

物語に関係あるのか?

 

『あぁ、ある人物の使い魔に転生してもらう』

 

「ん、大体分かった……んじゃ、転生頼めるか?」

 

『いいだろう……』

 

真っ白な空間の天井に位置する場所から、光が降り注いでいく。

 

「じゃあな、神」

 

『あぁ、達者でな』

 

 

俺の体は、足元から消えて行った……

 

 
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