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テイルズオブエクシリア~転生者はイレギュラー

第34話 エリーゼとティポの真実

2012-07-07 17:45:48 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1388   閲覧ユーザー数:1364

~レオンSIDE~

 

 

俺達はアルクノアがミラを客席から狙うことをアルヴィンに言われ、俺達は客席であたりを見回す。今のところ、怪しい人物はいない。

 

 

そうしていると、

 

 

「最初の登場したのは、キタル族代表だ!昨日、不幸な事故はありましたが、大会執行部の努力により、本日の決勝戦が実現しました!」

 

 

司会人の説明と共にミラと対戦相手が闘技場内の中央に立つ。

 

 

「その上で、今年の決勝戦は公平に行うため、過去の慣例にならい、前王時代のルールとなります」

 

 

「「どんな理屈だよ……」

 

 

離れたところにいた俺とアルヴィンが同時に同じことを言った気がした。

 

 

そんな中、対戦相手がいきなりミラに攻撃を始めた。

 

 

「今の感じは!」

 

 

俺は対戦相手の武器を見る。やっぱり、あれは!

 

 

「…………っ!」

 

 

ドカァァン!

 

 

ミラはその攻撃を避けるも、険しい表情をする。間違いないな、あの武器は……黒匣(ジン)!

 

 

ジュード達も驚き、相手を見ている。

 

 

「……今、詠唱しなかった!」

 

 

「あれほどの力……まさかっ」

 

 

「黒匣(ジン)……!?」

 

 

ジュード達も武器の正体に気づき、声を上げていた。

 

 

「微精霊たちの悲鳴が……。また間に合わなかった……」

 

 

悔しそうにしているミラを見て、俺は悲しくなってきた。くっそ!記憶があやふやだぜ!大きな出来事は覚えているが……細かいことが頭にあんまり残ってない!

 

 

俺も悔しく思っていると、

 

 

「何、や、やめて!返して!」

 

 

俺とミラはエリーゼの声が聞こえ、そちらを見た。すると、

 

 

「やめろー、はなせー!」

 

 

複数のアルクノアのメンバーがエリーゼからティポを取り上げようとしていた。

 

 

「ちぃ!」

 

 

俺のいるところは一番観客が多いので、ここからエリーゼのいるところは反対側。ならば!

 

 

俺の手が光るとそこから、黒と赤の色に羽のついた弓……ソドムの弓矢が出現した。

 

 

俺は素早く矢を弓に装填し、

 

 

「屠龍!!」

 

 

放つ!

 

 

放たれた矢は小さく分離し、エリーゼからティポを取り上げようとしている奴らに、

 

 

「ぐあっ!」

 

 

「がはっ!」

 

 

「ああっ!」

 

 

直撃した。

 

 

しかし、

 

 

「やめろー!」

 

 

他のアルクノアのメンバーがまた、ティポを取ろうとする。

 

 

ジュード達もそれに気づいたのかエリーゼの元へ向かっている。

 

 

「屠龍!屠龍!屠龍!」

 

 

何回も矢を放って奴らをそこから動かさないようにしている。

 

 

「レオン!どうした!!」

 

 

俺が何度も矢を射ているのに気付いたミラが俺に話しかけてくる。

 

 

「ティポがアルクノアたちに狙われている!」

 

 

「なんだと!?私ではなかったのか!」

 

 

レイアとアルヴィンが合流しているのが見えた。こうなったら!

 

 

「ジュード!アルヴィン!ローエン!レイア!ここは俺とミラにって!?」

 

 

俺が少し目を話していたら何時の間にかティポとエリーゼがいなくなっているし?!

 

 

「俺とミラに任せてお前たちはアルクノア達を追うんだ!」

 

 

「で、でも!」

 

 

「いいから!やつらが何をする気かわからないが、行け!」

 

 

シュドォォォォン!

 

 

俺がジュード達を見て言っていると、ミラの対戦相手が増えているし!

 

 

ミラは自分に打ちだす攻撃をことごとく避けていく。さすがだ!

 

 

「三人の相手じゃさすがに!」

 

 

レイアとアルヴィンが目を合わせ、頷き、行動を開始する。ジュードとローエンも動きだす。

 

 

「アルヴィンっ!!」

 

 

ミラは移動し始めるアルヴィンの名を言う。

 

 

「やつらの狙いはお前とレオンじゃない、きっと初めからティポだったんだ!客席から狙ってるやつなんてのも、いなかったんだ!俺は知らなかった!」

 

 

「お前とジュードたちに任せる!」

 

 

「何……?お前、俺を試して……」

 

 

「お前しかいない、皆を頼んだぞ!」

 

 

「なっ……!」

 

 

ミラの言ったことに驚愕するアルヴィン。

 

 

「そう来るかよ……」

 

 

「アルヴィン!」

 

 

皆がアルヴィンの元の着いた。

 

 

「ああもう!どうなっても知らないからな!皆ついてこい!」

 

 

アルヴィンはやけになったのか皆を先導し、走り出す。ジュード達もアルヴィンについていった。

 

 

さて、俺も

 

 

「はっ!」

 

 

シュン!

 

 

俺は客席から跳んだ。

 

 

 

 

シュタ!

 

 

跳んでミラの傍に立つ。

 

 

「さっさと、こいつらを倒して皆を追おう!」

 

 

俺は弓矢を構える。

 

 

「ああ!エリーゼとティポが心配だ!」

 

 

ミラも剣を構える。

 

 

「死ねぇ!」

 

 

黒匣(ジン)を使う奴らは俺たちに向かって攻撃を放つ。

 

 

だが、

 

 

「てめえらにかまってる暇ねえ!」

 

 

「ああ!行くぞレオン!」

 

 

俺とミラは初っ端からアーツを放つ。

 

 

「「聖なる意思よ、我らに仇なす敵を討て。ディバインセイバー!!」」

 

アルクノアのメンバーの足下に巨大な魔法陣を展開し、外側から中心に向かって雷を連続で落ちまくる。

 

 

「ぐああああ!」

 

 

「しびれる!!!!」

 

 

「ぐおわあああ!」

 

 

ディバインセイバーによって体が痺れる奴らに向かって俺とミラは攻撃を続ける。

 

 

「集え!万物を貫く業火!」

 

「これで潰す!!」

 

 

ミラが手から炎を上に投げ、それが太陽になり、俺は矢を放つ!

 

 

「「ワイルド・ギース!!」」

 

 

放たれた矢が炎を纏い、無数に別れ、アルクノアのメンバーを潰した。

 

 

「ミラ、ジュード達を追うぞ!」

 

 

「ああ!行こう!」

 

 

俺とミラは倒れたアルクノアの持っていた黒匣(ジン)を破壊して、闘技場内を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

闘技場内を出ると、ユルゲンスが待っていた。

 

 

「皆はどこへ行った?」

 

 

「仲間が追っているが、まだ連絡がない」

 

 

ユルゲンスがそういい、俺は聞いた。

 

 

「ユルゲンス!この辺りに人が来なさそうな場所は無いか?」

 

 

「人が……はっ!王の狩り場か!」

 

 

「あそこか!」

 

 

俺とユルゲンスだけで話していると、

 

 

「なんだそこは?」

 

 

「キタル族の管理する土地だ。街のぞばに広がる原生林帯で、代々ア・ジュール王が狩猟を行う場所なんだ」

 

 

「なるほどな……」

 

 

「危険な魔物も多い場所だ。十分、気をつけてくれ」

 

 

「わかった。行こう、ミラ!」

 

 

「ああ、ジュード達と合流しなければな!」

 

 

俺とミラはユルゲンスに礼を言い、俺達はジュード達が向かったであろう王の狩り場へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

王の狩り場についた俺達は無数の新しい足跡を発見した。

 

 

「これは……」

 

 

「皆だな。かなりの人数だし。これは……こっちだな」

 

 

足跡の多い、方へと走って行く俺とミラ。

 

 

王の狩り場の奥へ向かっていくと……

 

 

 

 

 

 

 

 

これまでのようなところとは、違った雰囲気の場所についた。

 

 

「レオン、これを見ろ」

 

 

ミラが足元にある足跡を見つけた。

 

 

「これは……新しいな」

 

 

「ああ、この奥に皆はいるのだろうな」

 

 

そう、俺達が言っていると、

 

 

ドカァァァン!

 

 

奥の方から爆発音がしてきた。

 

 

「ミラ!」

 

 

「行くぞ!」

 

 

俺はミラを抱きかかえた。

 

 

「しっかり捕まっていろよ!!」

 

 

「落とすなよ」

 

 

「誰に言ってんだ!」

 

 

そのまま俺は跳躍し、次々と地面に足を着けば跳躍、着けば跳躍を繰り返し、爆発音のしたところについた。

 

 

「このドアの先か!」

 

 

バキン!

 

 

ドアを破壊した俺。

 

 

中では、

 

 

「ティポを返すんだ!」

 

 

ジュードがアルクノアを殴っていたり、

 

 

「早く、データをコピーしろ!これを持って帰るのは無理だ!データをコピーしたのを持っていくしかない!」

 

 

「わかっている!俺を守れ!」

 

 

動かなくなったティポを手にし、機械を使って何かを操作するアルクノアのメンバー。

 

 

「ちぃ!」

 

 

ドンドン!

 

 

銃で応戦するアルヴィン。

 

 

「せいやあ!」

 

 

棍を使ってアルクノアのメンバーを吹き飛ばすレイア。

 

 

「食らいなさい!」

 

 

精霊術を駆使してアルクノアのメンバーを倒すローエン達がいた。

 

 

「よし、コピーできたぞ!」

 

 

「なら、それを早く、あいつに持たせろ!」

 

 

武器で攻撃を防いでいる奴は機械を持って作業していたやつに言う。

 

 

だが、そう簡単にさせないぜ?

 

 

「ハロォ~お待たせ」

 

 

「みな、待たせたな」

 

 

俺とミラの登場。

 

 

「なっ?!」

 

 

「にぃ!?」

 

 

俺とミラの登場に驚くアルクノアのメンバー。

 

 

「くそっ!いけ!」

 

 

アルクノアの1人は懐にひそませていた鳥?を出すと背中に何かやらメモリーのようなものを背中に貼りつけた。あれは……ティポにあった……なんだっけ?……何かのデータか!

 

 

「逃がさねえ!」

 

 

シュン!

 

 

矢を放つ。

 

 

スカッ!

 

 

鳥?避ける。

 

 

「この!」

 

 

シュンシュンシュン!

 

 

同時に矢を3発放つ。

 

 

スカッスカッスカッ!

 

 

「なんなんだあの鳥は!!!何でこんなに避けやがる!皆、ここは頼む!俺はあの鳥を」

 

 

「わかった!」

 

 

皆の代表としてミラが答える。

 

 

「逃がすかああああ!!!屠龍!屠龍!屠龍!」

 

 

矢が分裂する技を出すが、

 

 

スカカカカカカカ!

 

 

全部避けられた!?

 

 

ブチッ!

 

 

「疾風ッ!!!」

 

 

一気に10発放った。だが、

 

 

スカカカカカカカ!

 

 

ドサ

 

 

「と、鳥に全部避けられた」

 

 

さすがにここまで連続で鳥に技を避けられると自信がなくなってきた。

 

 

「レオン!あの鳥はどうし……た?」

 

 

中から出てきた皆は俺の状態を見て驚いていた。ミラも俺が地面に膝をついて落ち込んでいるのは初めて見たみたいで驚いている。

 

 

「ど、どうしたレオン?」

 

 

俺に優しく、動揺しながら話しかけてくるミラに俺はいう。

 

 

「と、鳥に……技を全部避けられた……何なんだあの鳥は……(orz)」

 

 

さすがにショックが大きい俺にエリーゼが言ってきた。

 

 

「だ、大丈夫ですか?ティポは無事です!」

 

 

「レオン君のおかげだねー!」

 

 

ティポにすら励まされる俺って一体……。

 

 

俺が落ち込んでいると、

 

 

ドスゥゥン!

 

 

上から何かが落ちてきた。

 

 

地響きに似た音を聞いた俺を含む皆は驚いた。

 

 

そして、

 

 

「すまなかったな。密猟者を追っていたのだ」

 

 

音の原因はジャオだった。

 

 

「ジャオ…………!」

 

 

「久しぶりだなジャオ」

 

 

さすがに知り合いにこんな落ち込んだ姿を見せたくないので立ち上がる俺。

 

 

「ん、お前さんたちがどうして!?」

 

 

俺達がここにいることに驚くジャオはエリーゼを見て、言う。

 

 

「娘っ子。とうとうこの場所に来てしまったのじゃな。覚えておるのだろう?」

 

 

ジャオの言葉に俯くエリーゼ。

 

 

「エリーゼ、どういうこと……?」

 

 

「ここはお嬢ちゃんのそだった研究所だったんだよ」

 

 

黙っているエリーゼに代わってアルヴィンがここのことを言う。

 

 

「以前、侵入者を許してしまっての。その時、この場所は放棄されたのだ」

 

 

ジャオが侵入者のことを言うとミラはアルヴィンを見て言った。

 

 

「侵入者はお前だったのだろう?」

 

 

「いい勘してんな……ああ、そうだよ。増霊極(ブースター)についての調査だったんだ」

 

 

「なんと……お前さんじゃったのか」

 

 

アルヴィンの言ったことに驚きを隠せないジャオは声を上げていった。

 

 

「増霊極(ブースター)って何なの?」

 

 

「ア・ジュールが開発した、霊力野(ゲート)から分泌されるマナを増大させる装置だよ。そいつだよ。ティポがそうだ。第三世代型らしいがな

 

 

「ティポ……そうだったんですか?」

 

 

「そんなこと言われても、ぼくにはわかんないよー」

 

 

アルヴィンの説明を聞いて驚くエリーゼはティポに聞いたが、聞かれた本人もわからないと言う。

 

 

「ティポはエリーゼの心に反応し、持ち主の考えを言葉にするのじゃ」

 

 

「それじゃ、ティポはエリーゼの考えを喋ってたの?」

 

 

ジュードの問いに何も答えることのできないミラ達。

 

 

「いや、だがそれでもティポは自分の自我をもっているんじゃないか?確かにエリーゼの代わりに喋っていたとしても、それに影響されてティポに少しずつ自我が生まれた……そう言うこともありうるのかもしれないぞ?」

 

 

「確かにのう。始めの頃よりもティポは何やら喋るのが多くなっていたしのう」

 

 

俺の考えを言うとジャオが答える。

 

 

「例え、今までのティポの喋っていたことが全部エリーゼの気持ちで、勘違いだったとしてもティポはティポだろ?何物でもない……ティポという生きた存在……じゃ、ないのか?」

 

 

俺はエリーゼにそういうと、黙った。言い過ぎたかな?俺がそう思っていると、

 

 

「ねえ、おっきなおじさんー!教えてほしいんだー!エリーゼのお父さんとお母さんはどこにいるのー?」

 

 

ティポがエリーゼの代わりに聞くと、

 

 

「それはの……もうこの世にはおらぬ」

 

 

一度、躊躇したが、ジャオは言う。

 

 

「え…………」

 

 

「お前が四つの時、野党に遭い、殺されたのじゃ……」

 

 

エリーゼの家族の真実に何も言えない俺達。

 

 

「……もう、会えないんですね。お父さんにもお母さんにも……」

 

 

「エリーゼ……」

 

 

悲しむエリーゼに何も言えないジュード。

 

 

そこへレイアがエリーゼに話しかける。

 

 

「気を落とさないで……」

 

 

「ジュードやレイアにはちゃんといるじゃないですか!お父さんとお母さんが……」

 

 

「お父さんもお母さんもいる人たちにエリーの気持ちがわかるもんかー!」

 

 

ティポがさらに言うとエリーゼは走ってどこかへ行ってしまった。

 

 

「エリーゼ、待って!」

 

 

レイアはそんなエリーゼの後を追っていた。

 

 

バァーン! 

 

 

「くっ、密猟者どもめ!」

 

 

音のした方へ向かおうとするジャオを

 

 

「待て!なぜエリーゼは研究所にいた?」

 

 

「うむ……連れてこられた。売られたようなものだ。娘っ子のような孤児を見つけては研究所に連れて来ていた女に……名は……」

 

 

ジャオの話しを着ているジュードは何かがひっかかるのかこみかみに指を当てる。

 

 

「まさか……イスラ……?」

 

 

「おお。確かそんな名であった」

 

 

イスラの名を聞いて驚くミラ達。

 

 

「密猟者みたいなもんだな」

 

 

「……わしが言えた義理ではないが、頼む。あの娘っ子を、これ以上1人にせんでやってくれ」

 

 

そう、俺たちにエリーゼのことを頼んだジャオじゃ下に飛び降りて行った。

 

 

俺達はレイア達の後を追うため、そこを離れて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出口近くまで来るとエリーゼとティポ、レイアがいた。

 

 

「レイア……エリーゼは?」

 

 

「うん」

 

 

「……」

 

 

エリーゼを見ると……結構ショックだったみたいだ。

 

 

「まぁ、まだ元気はないけど……それより、ここは物騒だし、早く街に戻ろ」

 

 

レイアの提案で俺達はシャン・ドゥへ戻ることにした。


 
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