「あ゛~~~やっぱここの景色と空気はいいな・・・」
俺、アーヴァイン・L・クルーザーはいつも通り自分に割り当てられた区域の動物の様子を観測し終え、本部に帰っても面倒な仕事しかないので、相棒で狼の使役獣のコルトとパトロールがてら登山をしていた
召喚師の一族の古い掟に嫌気が差して里を飛び出して5年と少し・・・
今は管理局の地上部隊で、山岳地帯が管轄の第554部隊で自然保護と遭難した登山者の救助の仕事をしている
「さってと・・・そろそろ本部に帰るか・・・コルト?」
俺の横にいたコルトが急にある方向をじっと見つめだした
そして次の瞬間
《ピー!ピー!本部より緊急通信》
俺のデバイスに本部からの緊急の通信
(なんだ?遭難者か?いや、コルトの様子だとこれは・・・)
「繋げ!それとセットアップ!」
俺は嫌な予感を感じ、通信に出ると同時にデバイスを起動して、バリアジャケットを展開する
『アーヴァイン、今どこだ?!』
「山頂付近の休憩所です」
『ったくお前はまた仕事サボりおって・・・まぁいい、北西にアンノウンの反応が5つ出た。確認してくれ』
(アンノウン、やっぱりか・・・)
北西はコルトが見ていた方向だ
「了解、現場に向かいます。コルト!」
「ワウ!!」
本部との通信を切り、ずっと反応のあった方向を見ているコルトに声をかける
コルトは声に反応し一声吠えてから俺の下に来る
「我に仕える白き狼よ、汝の真の姿を今ここに・・・コルト!封印解放!」
呪文を唱え、両手をパンッと合わせる
コルトを中心にミッド式の魔法陣が広がり、1メートルにも満たない体高のコルトの身体があっという間に俺よりも体高が大きくなる
コルトは俺の故郷に生息する狼でこの巨大な姿が本当の姿、いつもは俺が封印して大型犬くらいサイズにしている
「行くぞ!」
俺はコルトに飛び乗り、コルトが山を一気に駆け下りた
現場に着くと空中をフワフワと浮かびながら何かを探す機械があった
「こちらアーヴァイン。現場到着しました。映像送ります」
『こちら本部、映像を確認した。ただ今地上本部の情報と照合中。応援を送っているので警戒を維持して待機せよ』
「こちらアーヴァイン、了解・・・はしたくないですね」
『なぜだ?』
「コルトがものすごい反応してます。あのアンノウン、今すぐ破壊停止したほうがよさそうです。許可ください」
俺は今にも飛び出しそうなコルトの前足の付け根あたりをポンポンと叩いて抑えながら応答する
『・・・わかった。破壊停止を許可する。気をつけろよ』
さっすが隊長、話がわかる
「よし、許しが出たぞコルト!!レイン!モード2!それからコルトに打撃とディフェンスブースト!」
《モード2、クローモード。ブーストアップ、ストライクパワー&エンチャントディフェンズゲイン》
デバイスを戦闘仕様に切り替え、コルトに補助をかけて機械に向かって飛び出す
機械はこちらに反応して中心のレンズのようなところから弾丸を発射した
「あぶねぇもん撃ってくんじゃねぇよ!何?!」
弾丸を回避しながら機械に向かって魔力刃の爪を突き刺そうとすると刃が分解されるように消えた
《ジャマーフィールドを検知!》
「AMFだと?!機械の癖に!!」
愚痴りながら回避行動をとる
《本部からの情報来ました。ガジェットドローンと呼ばれるロストロギアを探査、収集する自動機械とのこと。一機一機がAMFを発生することが可能》
「ったくそういうことは初めに言ってほしいよ・・・」
《情報が来る前に戦闘開始したのはマスターなんですが・・・》
「そうだったな・・・コルトは大丈夫・・・のようだな」
相棒に目を向けると補助を無効化されながらも前足で叩きつけて機械を圧壊させていた
俺の心配返しやがれ
「レイン、モード1。俺とコルトにアンチフィールド、コルトにディフェンス、俺に打撃で」
《モード1グローブモード。ブーストアップ、ダブルフィールドインベイト&ディフェンスゲイン&ストライクパワー》
デバイスを戦闘仕様から戻してAMF無効化と一緒に補助をかけ直す
同時に4つの補助魔法、さらに・・・
「身体強化」
《フィジカルアップ》
身体強化魔法を起動させる
「オラァ!」
機械に向かって振りぬいた拳が装甲を破った
適応性の高さ、これぞ補助魔道師の真髄だ
「本部、ガジェット全機を破壊停止完了、負傷者無し。片付けはどうしましょう?」
その後、応援の隊員が来る前にコルトが残りの機械を破壊停止して本部に指示を求めた
森の真っ只中に機械の残骸放置は自然保護の観点から見るとまずい
しかし、何か事件なら現場検証を行わないといけない
『現在、執務官が現場検証の為にそちらに向かっている。待機してくれ』
了解っと返して通信をきった
「ふぅ~~~コルトお疲れ、戻すぞ」
「ガウ」
コルトに再封印の魔法をかけてサイズを小さくする
・
・
「執務官、到着しました」
コルトとボーっと休んでいると隊員が執務官が来たことを知らせにきた
「フェイト・T・ハラオウン執務官です」
執務官に対応をした局員の話が聞きたいと呼び出され、コルトと一緒に執務官のところに来た
「アーヴァイン・L・クルーザー一等陸士です。こちらは使役獣のコルト」
「わう」
敬礼と自己紹介をして、横でお座りをしているコルトも紹介する
(この人が海のエースか・・・美人だな・・・)
「このガジェットはあなたが破壊停止を?」
「はい、俺とコルトで・・・というかほぼコルトがやりました」
「そっか、強いんだねコルトは」
「わう」
俺の答えにハラオウン執務官はコルトを褒めながら撫でた
コルトはそれに尻尾を振って喜んでいる
「あの、ハラオウン執務官、服に毛が・・・」
コルトの毛は真っ白なので執務官用の黒の制服に付くと目立つ
それにコルトは戦闘後で綺麗と言える状態じゃない
「構いませんよ、うちにも狼の使い魔がいますから」
「そうでしたか・・・」
「わう!わう!」
ハラオウン執務官の言葉に反応するようにコルトが吠えた
「どうしたのかな?」
そんなコルトに微笑むハラオウン執務官
「会いたいんだと思いますよ。その使い魔に」
「わう!」
「ふふ、そっか・・・じゃあ会ってみよっか。今日はたまたまついてきてるからね」
現場検証が終わって隊舎に帰る
ハラオウン執務官の使い魔は隊舎で待っててもらっていたようだ
「フェイト~もう終わった?」
「うん終わったよ」
隊舎の休憩室に入ると狼の耳と尻尾を持った少女がハラオウン執務官に飛びついた
「その子が使い魔ですか?すごいですね・・・」
人語を使い、人並みの知能を持って、さらに人と同じ姿をとることができる
使い魔としては最高ランクだろう・・・
「アルフ、アルフに紹介したい子がいるんだ」
「紹介したい子?」
「わう!」
「お~珍しい種類の狼だな」
アルフがコルトに近づいていく
「コルトって言います」
「そおかい、コルトって言うのか・・・」
アルフがコルトを撫でると、コルトは小さく声を出し始めた。コルトは尻尾をブンブン振っている
そして・・・
ボン(///)
アルフの顔が急に真っ赤になった
「いや・・・あ、あたしらまだ会ったばっかりだから・・・それにあたし使い魔だし・・・」
アルフは動揺しながらそんなことをコルトに向かって言っている
「あの・・・うちのコルトはなんと言ったのでしょうか?」
「さ、さぁ・・・?アルフ、コルトはなんて言ってるの?」
「・・・なって」
「え?何?」
ハラオウン執務官の問いかけにアルフは言い辛そうに口篭っている
「つがいになって・・・って」
「「・・・」」
なんとも言えない気まずい空気が俺たちを包む
「コルト・・・お前ってやつは・・・初対面でそんなことを言う子に育てた覚えは無いぞ・・・」
「ま、まぁ狼ですから・・・にしてもコルト・・・大胆だね」
コルトの愛は受け入れられるのか?!
「あれ?主人公って俺じゃないの?」
主人公設定
名前 アーヴァイン・
性別 男
年齢 18歳(STS開始時点)
階級 一等陸士
概要
・陸士554部隊所属の陸戦魔導師。554部隊の管轄は山岳地帯で主な仕事は自然保護や遭難者の救助
・少しサボり癖がある。しかし任務中などは真面目
・キャロと同じような召喚師の里の出身。しかしキャロのように追放されたわけではなく、里の掟などに嫌気が差して、「世界を見たい」と自分から旅に出た。今のところ里に帰る気はない
・ギンガと同期で元コンビ。だけど訓練校を卒業してからは直接会ったことは無い
・補助系が得意で、特にブースト系が得意
・戦闘スタイルはブースト魔導師だが、軽装甲高機動型の近接格闘主体
・アーバインと呼ばれるのが嫌いで、そう呼ばれると「『バ』じゃねぇ、『ヴァ』だ」と怒る
・使役獣として真っ白な狼を連れている
魔法面
ミッドチルダ式
魔力量A+
魔導師ランクA+
適正(優54321劣)
・射砲撃1 ・防御2 ・バインド系2 ・ブースト系5 ・身体強化・高速移動系4 武器威力強化3 ・ヒーリング系4
飛行適正無し
変換資質無し
備考・・・召喚魔法、転送魔法を使える
デバイス
グローブ型ブーストデバイス。登録名称は『レイン』
AI付きでAIは女性人格
待機形態は金属っぽいリング状のブレスレット
デバイスフォームはグローブとクローの2形態
使役獣
真の主人公
真っ白の狼で、名前は『コルト』
オスの10歳
アーヴァインの故郷の世界に生息する狼
普段はザフィーラと同じくらいの大きさだが、本当の姿はその4~5倍くらい
アルフが大好きでアーヴァインかアルフかだと迷わずアルフを選ぶ(アーヴァインはそのことについて、『男同士の絆なんて惚れた女の前じゃそんなもんだ』とのこと)。ちなみにアルフとは違う種族
名前の由来
主人公 トヨタ・ランドクルーザー
使役獣 三菱・コルト
あとがき
アルフかわいいよアルフ
なのに使い魔で素体が狼というだけで恋愛絡めないし、STSじゃほとんど出てこないから『STSでアルフと恋愛』というテーマで書きました
アーヴァインなんてオマケです(笑)
でもアルフを恋愛に絡めようとするなら一番簡単なのが『主人公がアルフと一緒にフェイトの使い魔になる』だろうな。使い魔2体持ちはリーゼたちで前例あるし
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題名の通りアルフと恋愛をするにはどうしたらいいかを考えた結果、できた作品