No.448113

黄泉路への案内人 第二話

楽一さん

今までと同じ

2012-07-07 15:46:10 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:795   閲覧ユーザー数:777

第二話

 

SIDEなのは

 

「どうかいたしましたか?」

 

「ふぇ?」

 

 そこにいたのはわたしとおなじぐらいの一人の少女でした。

 

「泣いていたようにお見受けしますが?」

 

「え、えっと・・・」

 

 同じ年齢ぐらいなのに大人びて見えます。お姉ちゃんのような、でもお母さんのような。

 

「よければ相談に乗りますよ?」

 

「えっと」

 

 わたしはその子になんで泣いていたのかを話した。

 

「そうですか。ですが、一つだけ言っておきます。あなたのお父さんはまだ生きています

よね?」

 

「うん」

 

「なら泣く必要はありません。まだこちらに帰ってくる希望はあるのです。希望を捨て去ることはいけません。それになのはちゃん。あなたも注意しなければ」

 

 え? どうして?

 

「人には言葉があります。言葉にしないとわからないこともあります。あなたのお母さん、

お兄さん、お姉さんも人です。分かりますよね?」

 

「うん」

「今、あなたのお家はお父さんが倒れたことによってパニック状態になってます。いったん冷静になるように言ってちゃんとお話しましょう。話さないとわからないことだっていっぱいあるんです。分かりあうために人には言葉があるんです」

 

「でも、迷惑かけちゃう」

 

「子供は遊んで、学んで、食べて、寝る。これ子供の仕事です。仕事というのは少し変なのかもしれませんね。甘える、迷惑をかけると言うのは親から見れば信頼の証です。まあ限度はありますがね。それに伝えたいことは言葉にしないとね」

 

「うん! 分かった。お母さん達と話してみるの!」

 

 そういってわたしは葵ちゃんの手を握る。

 

「ありがとう葵ちゃん!」

 

「感謝を言われることはしてません。それにあなたは、笑顔の方が似合いますね」

 

「あ、ありがとう///」

 

 女の子だけどほめられたらやっぱりすごくうれしいの!

 

「あと、忠告を一つ」

 

「ほえ?」

 

「私は男ですよ」

 

「へ、ほぇえええええええええええええええええ!??!?」

 

SIDE out

 

「(まあ、そうなりますよね。)さて、ではお家までお送りしますよ」

 

「え? でも」

 

「時刻を確認してみましょう」

 

「えっと・・・あれ?」

 そういってなのはは公園の時計を見る。時刻は6時。空は少し薄暗くなっている。

 

「あ、あの!」

 

「はい。なんでしょう?」

 

「て、てを、にぎ・・・ても・・・」

 

 後半はなかなか聞きとりずらい音量になったが、

 

「はい、どうぞ。お嬢様?」

 

「お、お嬢様!?」

 

「冗談です。どうぞなのはさん」

 

「う、うん。あと、もう一ついい?」

 

「どうぞ。子供の時が一番甘えてもいい時期ですから」

 

「こどもって。葵君も子供だと思うの?」

 

「そうですね。で、もう一つのお願いは?」

 

「お、お友達になってほしいの!」

 

「喜んで。さて、では参りましょうか」

 

「うん!」

 

 そういって公園を後にしながら他愛もない話をしながらなのはの家に向かっていった。

 

「へぇ。じゃあ葵君も付属小学校に?」

 

「えぇ。おっと、ここみたいですね」

 

 喫茶店翠屋。なのはの両親が経営している喫茶店らしい。

 

「ただいま」

 

「なのは!」

 

 そこにいたのはなのはのお姉さんが二人と兄一人。すると、メガネをかけたお姉さんがなのはの前に来て、

 

「心配したのよ!」

 

「ごめんね、お姉ちゃん」

 

「ごめんなさいね。迷惑かけちゃって」

 

 そういうとメガネをかけていない方のお姉さんが葵に向かって話しかけてきた。

 

「いえ。それと、なのは」

 

「うん。あ、あのね!」

 

 なのはの父が倒れてみんなが頑張っているから迷惑をかけないように耐えてきたこと。でもそれでもやっぱりさみしく、悲しかったこと、辛かったこと。全てを家族に話した。

 

「そう。ごめんね。ごめんね。なのは・・・」

 

「ひっぐ、・・・お、かあさん」

 

(え、お母さん? あの人が!? 3人の子供産んであの若さ・・・・あり得ない)

 

 家族愛に艦どうしようと思った葵だがなのはによく似ているお姉さんがなのはの母と知り驚愕した葵であった。

 

「葵君もありがとうなの!」

 

「い、いえ。どう、いたしまして」

 

 いまだに彼女がなのはの母とは思えず驚愕しっぱなしである。

 

「なのは? 彼女は女の子じゃないの?」

 

「ううん。葵君は男の子だよ?」

 

「「「・・・・・」」」

 

 発射5秒前。葵はなのはの耳をふさぎ、自分は耳に耳栓を、え? どこから取り出したか? 無論葵が魔法で作りました。

 

「「「えぇえええええええええええ――――――――!?!?!?」」」

 

 耳から手を離すとなのははなぜか顔が真っ赤だった。

 

「(そんなに嫌でしたか・・・。)大丈夫ですか、なのはさん?」

 

「う、うん。ありがとうなの。葵君///」

 

どこかまだ顔が赤いなのはでした。

 

 その後、お礼としてコーヒーとチーズケーキをごちそうになり、自己紹介もすませた。

 翠屋を後にした葵はその後急いで家に帰りエクスとルミルの要望通りハンバーグを作り、リニスにはキャットフードと普通のご飯どちらを食べさせるべきか聞くと。

 

「キャットフードや猫缶もなかなかいけますがこれは非常食にしてください」

 

 と、なかなかの好評だった。

 


 
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