No.448016 IS−インフィニット・ストラトス−黒獅子と駆ける者−ファントムさん 2012-07-07 13:46:34 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:4638 閲覧ユーザー数:4396 |
episode17 取引
そうして時間は過ぎていって数日後・・・・・
「なぁ、一夏」
「何だよ」
「いいよな・・・・お前たちって」
「・・・・・」
「だからなんだよ」
「分かるだろ。メールで分かるぞ。天国だろIS学園は」
「いや、天国ってほどじゃないぞ」
「嘘つけ!どう考えたって男にとっては天国みたいなもんだぜ!招待券とかねぇのか?」
「ねぇよ」
「・・・だろうな」
「・・・王手」
「ちょ!?・・待った!!」
「これでもう十回目だ。それに今度ばかりは待ってもお前には勝ち目はないぞ」
と、隼人は腕を組んで将棋の面を見る。
「くそおぉぉぉっ!!また負けたぁぁぁ!!」
そうして友達であった弾は叫んだ。
今日は中学の友達である五反田弾の家に一夏と共に来ていた。
でもって、隼人は弾と将棋をしていたが、これで二度目の勝利。その前ではオセロで三回、そのその前ではゲームで十回勝っていた。
「・・隼人って本当にゲーム全般強いなぁ・・・・」
それを見ていた一夏は感嘆の声を漏らす。
「当然だ」
「さらって言うなよ・・・傷つくぞ」
そして弾はガクッとうなだれる・・・・・
「兄ぃ!お昼だって言っているでしょ!早く下りて・・・来て・・・?」
そして勢いよく扉が開かれると、そこには弾の妹である蘭がいた。
「よぉ蘭。久しぶりだな」
「えぇ!?一夏さんに隼人さん!?」
そして蘭は一夏と隼人の姿を見て、顔を赤らめると、とっさに壁に隠れた。
そして蘭は顔だけ出すと、弾に向けて「なんで言ってくれなかったのよ!」って言って拳を握る。
「い、言っていなかったかな」
と、弾は少し脂汗を掻いて返事をした・・・・・
そうして一夏と隼人も昼飯にお邪魔して一緒に食べていた。
元々弾の家では『五反田食堂』をやっており、一回は食堂になっているので、そこで食事をしていた。
「・・・あ、あの、隼人さん」
「なんだ?蘭」
「そ、その・・・また髪が伸びたんですね」
「あぁ。引っ越す前じゃ腰の辺りまでしかなかったからな」
「・・・それにしても、隼人さんの髪の毛って、綺麗ですよね」
「そうか?」
「はい。ここからでもつやのあることがわかりますから」
「・・・・・」
「そういえば、蘭」
「な、なんでしょうか?」
「何で服を着替えているんだ?」
見れば、蘭の服装は先ほどのラフな格好ではなく、白いワンピースを着ており、束ねていた髪の下ろしていた。
「そ、それはですね・・・・えぇと・・・」
蘭は視線を泳がす。
「・・あぁ・・・!もしかして出かけるのか?」
「ち、違います!」
と、蘭は顔を赤らめて否定する。
「・・・一夏」
「な、なんだ?」
「・・・いつか誰かにやられるぞ」
「え・・・?」
一夏は理解しておらず、首をかしげて、隼人と弾はため息をつく。
「それで、隼人はこの後どうするんだ」
そして昼飯を食べ終えて五反田食堂を後にした。
「・・俺はこの後・・・墓参りに行く」
「・・・そっか・・・。今日だったよな・・・お前の両親の命日って・・・」
「あぁ・・」
「・・・じゃぁ、俺はIS学園に帰るな」
「分かった」
そうして一夏と隼人は分かれ道で別れた・・・・・
「・・・・・」
そうして隼人は霊園にやってきた。
「・・・親父・・お袋」
そして隼人は両親の墓の前に来た。
「・・・・・」
隼人は手にしていた花束を墓前に置いて、線香を上げた・・・
「・・・・・」
そして墓の前に座り込むと、両親の死を思い出す。
隼人の両親は交通事故で亡くなったと言われている・・・・。しかし、いくつか不自然な点が多かった・・・・
(交通事故って言っても、車が大爆発するほどな衝突が起こるような場所じゃない・・・・それに・・)
墓参りに来たといっても、ここには両親の遺骨は納められてない・・・・ただ、名前が刻まれているだけ・・・
(死体が消し炭になるほどの爆発など、車の衝突による爆発でもそこまでの火力はない・・・)
そう考えていると・・・・・
「・・・久しいのぅ・・・隼人」
「・・・・?」
すると、後ろから声を掛けられて、隼人は振り向くと、そこには一人の老人が居た。
「じいちゃん・・・」
そして隼人は立ち上がると、老人に近づく。
「一年半ぶりかのう」
「・・正確には一年七ヶ月十七日ぶり」
「そうか・・・。相変わらず正確じゃのう」
「しかし、もうお前さんの両親が死んでから一年半近くなるんじゃな」
「・・・・」
そして隼人と老人は近くの長椅子に座って話していた。
「わしは心配じゃったな・・・・なにせお前さんが一人で生きていかなければならなくなってしまったことに」
「でも、その心配はなかった・・・でしょ」
「そうじゃな。お前さんは昔からしっかりしておった・・・・ある意味問題児じゃったがな」
「うっ・・・」
「・・・じゃが、お前さんが左目を失ったと聞かされたときは、少しショックじゃったのう。若いのに、不自由になって」
「・・確かに不自由だけど、そこまで不自由じゃないよ」
「そうか・・・」
「・・・・・」
「・・・じいちゃん」
「なんじゃ」
「・・・じいちゃんは知っているのか」
「なにを?」
「・・・親父のことだよ」
「・・・・・」
「事故があった頃から、親父の変な噂が立っていたんだ。親父は普通の会社員だった・・・けど・・・」
「けどなんじゃ?」
「・・それにしては裕福だった。親父は会社の上司にあたる役職だったけど、それでも裕福すぎだった・・・不自然なぐらい」
「・・・・・」
「じいちゃんは何か聞いていないのか?」
「・・・すまんのう隼人。淳一郎からは固く口止めを受けているんじゃよ」
「・・それほど・・・知られたくないものなんだね」
「・・・そうじゃ」
「・・・・・」
「・・なら、いいよ。知らないほうがいいって事もあるから」
「そうか・・・・すまんのう」
「別にいいよ」
そして隼人は立ち上がった。
「それにしても、長い髪じゃのう」
「俺の好みだよ」
「・・・お前さん、なんじゃか女みたいじゃのう・・・。心なしかお前さんの顔・・・少し女の子っぽいぞ」
「・・・・・・」
「まぁ、人の好みはそれぞれじゃ」
「・・そういうこと」
「・・お盆には帰ってくるんじゃろ?」
「そのつもりでいるよ」
そして隼人は老人に手を振ってその場を後にした・・・・・
「はぁ・・・・」
そうして隼人はIS学園の寮に戻ってきた。
「お疲れのようね・・隼人君」
そして楯無が隼人の後ろに来る。
「・・・・・・・・・・」
しかし、隼人にとっては、どうも不思議でいっぱいであった・・・なぜなら・・・
(一夏は部屋替えがあったって言っていたが・・なぜここはないんだ」
つい最近一夏は部屋替えがあったらしいが、なぜか隼人のところだけは部屋換えがなかった・・・。が、理由はある程度想像がつく。
(絶対にこの人が裏で手を引いているに違いない・・・それ以外に何がある)
この人とはもちろん・・・・楯無である。彼女の権限であれば、このくらい造作もない・・・はず
「少しですね・・・・。両親の墓参りに」
「・・・そう。そういえば、隼人君の両親は・・・」
「・・・・・」
「・・・・」
そして楯無は隼人の隣に座る。
「そういえば・・・簪との関係は・・どうなりましたか」
「・・・・話せるぐらいまでは・・なったわ。でも、そんなに話が進むってわけじゃないわ」
「・・・でしょうね」
「・・・・私って不器用ね」
「・・・・」
「・・・まだそんなに時間は経っていません。地道に時間を掛けていくしか・・ありませんね」
「そうね・・・それが当然、か」
「・・・・・・」
「・・ねぇ、隼人君」
「なんでしょうか」
「・・・私からのお願いを聞いてほしいの」
「願い・・・?」
「・・・今まで隼人君を見てきたけど・・・・隼人君は私の思う以上の人材だわ」
「・・・・・」
「・・・・だから、隼人君・・・。生徒会に入ってくれるかしら?」
「生徒会に?」
「そう・・・」
「・・もし断れば、どうするんですか?」
「今回ばかりは頑固として譲れないわ。隼人君ほどの人材はいくら探しても一生に二、三人会えるかどうかの割合ってぐらい、とても優秀な人材ですもの。それを逃す手はないわ」
「・・・・そういうと思いましたよ。楯無さんが俺の事を見ていたことも・・・」
「・・・・やっぱり、気付いていたんだね」
「あれくらい分かりますよ」
「・・最初に出会ったときもそうだけど・・・・ほとんど気配を消したはずなんだけど・・・君にはそんな子供だましは効かないわね」
「・・・・・」
「・・でも、そう言うと思ったから、条件付でいいわ」
「条件?」
「そう・・。私はあなたに生徒会に入って欲しいというのが条件。隼人君は自由に条件を言ってもいい」
「・・・・・」
「・・例えば・・・・私を・・・自由にしてもいい・・・とかね」
と、楯無は挑発的な眼差しで隼人を見る。
「・・・俺はそんな条件では言いませんよ」
「そう・・・。でも、それでよかったわ」
「・・・・?」
「こんな条件で飲むのであれば、期待外れだったってことになるけど・・・でも、そうじゃなかった」
「・・・・選ぶ目に狂いはなかった・・・と?」
「そういうこと」
「・・・・・」
「それで、答えは?」
「・・・・・・・」
隼人はしばらく考えた・・・・・
「・・・分かりました。俺の条件を呑むのであれば」
「いいわ・・・。それで、条件は?」
「・・・楯無さんとほぼ同じ権限が使える役に就かしてもらいましょう」
「なるほどね・・・これは難しい条件を出したものね」
「・・・できませんか?」
「まさか・・・。分かったわ。あなたには・・・私の助手に就いてもらうわ」
「助手?」
「助手は生徒会の中でも生徒会長とほぼ同等の役・・・。すべての権限は使えないけど、自分の判断で緊急時にはISの使用ができるわ」
「なるほど・・・それはまた魅力的なことで」
「・・・そして、助手には生徒会長との約束がある」
「・・・・・」
「・・一つは・・・助手は言わば生徒会長の秘書・・・そして・・・守護者(ガーディアン)でもあるのよ」
「・・・・・なるほど」
「二つは・・・・生徒会長の命令には絶対に従う・・・それが生徒会長と助手が交わす約束よ」
「・・・・そういうことか」
「・・・・・」
「楯無さん・・・最初っからこうなるように、誘導していたんですね」
「・・・・・・・・・」
「確かに俺には得がある・・・。だが、楯無さんにも得がある・・・。どちらにも損はない・・・」
「・・・さすがね。ここまで私の考えを見破るなんて・・・・。だからこそ、より一層あなたに魅力があるわ・・・」
「・・・・・・」
「・・・これなら・・満足かしら?」
「・・・分かりました。今から、あなたの助手になりましょう」
「・・じゃぁ、契約成立ね」
そして隼人と楯無は握手を交わした。
「それじゃぁ隼人君。明日から生徒会室に必ず一回でもやってくるのよ。生徒会の仕事を手伝うこと」
「・・分かりました」
「それと、基本的にはあなたは自由に行動していいわ。でも、時には私の側にいるのよ」
「・・はい」
「よろしい。今日はもう寝ましょう」
「そうですね」
そうして隼人と楯無は寝る準備に入った・・・・・・・
後書き
TINAMIにはこういうコーナーが無いので、こうして自分で書かないといけない・・・・
隼人に男の娘疑惑・・・・まぁ、イメージ的にはそういう感じなので・・・。
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トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!