No.448007

魔法少女イレギュラーなのは~4~ 美貴「初戦闘」

これは、リリカルなのはの世界で転生者たちが転生生活を頑張るお話。

2012-07-07 13:19:02 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2048   閲覧ユーザー数:1992

可愛い魔法少女だと思った?

残念、美貴ちゃんでした!

 

 

……んー、連続はつまらないかな?

 

 

というわけであたしです。

 

学校へ行って、たまに帰る途中に寄り道をして、剣の素振りをしてます。

 

別に大して意味はないんだけど……何となく、ね。

もう癖になってきてる、っていうか。

 

学校で友達も出来ました。

男友達も出来た、前世じゃ信じられないね。

まあ、この容姿も関係するんだろうな。

美樹さやかにそっくりなこの身体は、小学生の頃はなかなかボーイッシュなんだよね。

 

「さやかわいい」なんて言われるのは中学生から。……まあ、あたしはさやかじゃないし、だからどうしたって話なんだけどね。

 

 

 

というわけで(?)、今は宿題を終わらせて、2階にある自分の部屋でぼうっとしてるところです。

小学生ならもう寝る時間なんだけど……何故か眠れないんだなこれが。

胸騒ぎ……って言うのかな。

何か、身体の中でざわざわってする感じ……。

 

「……嫌だな、こういうの」

 

そう、ぽつりと呟いた時だった。

 

 

 

 

(……か……す…て……)

 

 

 

 

「!?」

 

突然、頭に何かの声が響いた。

きょろきょろと周りを見回すけど、当然誰もいない。

 

(……れか……た…けて……!)

 

あ、ちょっと鮮明になってきた。

 

(この…えが……えてい…人……!お願い…す……助けて……さい……!)

 

「助けて」。

確かにそう聞こえた。

 

『マスター、魔力反応を確認しました』

 

ブルーも何かに気付いたかの様に言う。

 

魔力反応って何だろ。

どうしよう、助けるべきなのかな。

 

そんな事を考えながらも、既にあたしの体は動いていた。

 

道路に面した方の窓を開け、外を確認する。……夜のお陰か、誰もいない。……よし。

 

「……ブルー、セットアップ!」

 

『Stand by、set up!』

 

あたしの姿が、青が基調の騎士の姿に変わった。同時に、剣の形となったブルーがあたしの右手に握られる。

 

窓から飛び降り、マントをたなびかせながら着地。

 

「ブルー、その魔力反応ってどっちから?」

 

『誘導します。まずは、左へ進んでください』

 

とりあえず、ブルーに従って走る。……うわ、凄いスピード出る。風が気持ち良い~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……居た!ってあれ?

 

「なのはちゃん!?」

 

「え、あ、美貴ちゃん!」

 

そう、あたしの目の前にはクラスメートが居たのだ。

 

高町なのは。

 

アリサ・バニングス、月村すずかとの3人コンビでよく見かける。

あたしもよく話す。ほんと優しくて、良い子なんだよね。

 

「どうしてこんな所に?」

 

「この子が……助けてって……」

 

あの声が聞こえた、って事かな。

ってこの子って……フェレットじゃん?フェレットが喋るの?

 

「あの、美貴ちゃん……?その、服は……?」

 

「え?あ、あー、これは、えっと……」

 

ヤバい、ここは何とか誤魔化さないと……!コスプレ少女とか勘違いされたらマズい……!

 

「急いで!今はそれどころじゃ……!」

 

ってあれ?男の子の声?どこから?

……え、フェレット!?マジで喋った!?

っていうか、急いでって……?

 

……あー、納得。

 

何か居るね、化物みたいなの。

 

なるほど、魔力反応ってあれか。

 

「……なのはちゃんは下がってて。ここは魔法少女美貴ちゃんに任せてもらおうか」

 

「え、で、でも!?」

 

「……その姿は、バリアジャケット?君は……魔道士なのか?」

 

後ろからの声は申し訳無いけど今はちょっと無視。前に集中しないとね。

 

……ぶっちゃけ、怖い。

足が軽く震えちゃってるもん。

何よあの赤い目。現実だとこうも震えが来るもんなの?

 

あー、本来の美樹さやかは良いなぁ……あの魔女、端から見たらそんなに怖くなかったもんね。

 

……とと、そんな弱気じゃ務まらないね。

 

「ブルー……いけるかな?」

 

『とにかく、焦らず冷静に。そうすれば、少なくとも致命傷は避けられます』

 

ここしばらくあたしの訓練に付き合ってくれた相棒に聞くと、こんな返事をいただいた。……もうちょっと励ましてくれても良いんでは……?

 

……ま、でも正論だよね。

剣を正眼に構える。

 

「でやああああ!」

 

それから、敵に向け突進を開始。

接近し、剣を振りかぶる!

 

「ッ!」

 

けど、あっさり弾かれた。……流石にそこまで甘くないかぁ。

 

「ふっ、くっ、わっ、と!」

 

そして次々伸びてくる攻撃を剣で何とか弾いていく。……ここ!

 

「このおお!」

 

弾き終わってから、隙を見つけて敵へ肉薄!

 

 

 

『Caution!』

 

「え!きゃあぁ!」

 

 

 

でも、相棒の警告に気付いたときにはもう遅かった。

横から来た攻撃を受け止め損ね、吹っ飛ぶ。……イタタ。

 

「美貴ちゃんっ!」

 

「あ、はは、大丈夫、へーきへーき……こんぐらい……」

 

あん時の虐待に比べりゃ精神的にもだいぶマシってもんよ!

……あー、でも回復はしておこう、何が起こるか解らないしね……。

 

って!

 

「うわっと!?」

 

何こいつ容赦無さすぎでしょ!?

倒れてる少女に追撃とか!

……まあ、人間じゃなさそうだしね……。

 

「よいしょ、と……」

 

何とか転がって距離を取ってから起き上がり、手を痛い部分に当てる。

 

『Healing』

 

青い輝きがあたしの体を包み込んだ。……よーし、いける!

 

『焦るとさっきの二の舞です。ご注意を』

 

「あはは……み、耳が痛いな……」

 

ブルーの言う通り、でも参ったな……攻撃出来ないんじゃジリ貧だよ。

 

「……マズい、あのままじゃジリ貧だ……!」

 

「そ、そんな!ど、どうしよう……!?」

 

うん、後ろの2人共、あたしが思ってた事を口にしてくれてありがとう。

 

「……仕方ない……!ごめん、今から僕が言うことを繰り返して!」

 

「!?ちょ、何しようとしてんのさ!?」

 

『Caution!』

 

「くっ!」

 

フェレットの声に、何故かあのマスコット(笑)の事が思い浮かび、とっさに振り向く。けど、化物が邪魔してくる。

 

 

 

 

 

「いくよ……!【我、使命を受けし者なり】」

 

「わ、【我、使命を受けし者なり】」

 

「【契約の元、その力を解き放て】」

 

「け、【契約の元、その力を解き放て】」

 

「【風は空に、星は天に】」

 

「か、【風は空に、星は天に】!」

 

「【不屈の心は、その胸に】」

 

「【不屈の心は、その胸に】!」

 

 

 

 

 

次の瞬間。

桃色の閃光がなのはちゃんを中心に立ち上った。

 

……感じる……なんか、もの凄い力というか、何というか……!

 

「……綺麗……」

 

まるで、女神となったどこぞの女の子のようだと。

 

あたしは思わざるを得なかった。


 
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