No.447947 IS<インフィニット・ストラトス>with LN<リリカルなのは>第六話2012-07-07 11:01:21 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:6485 閲覧ユーザー数:6058 |
第六話 代表決定戦.....当日
試合当日。
俺は今ISのピットにいた。
そこには俺の他に幼なじみの篠ノ之箒がいた。
簪や本音は観客席にいる。
「なあ、箒」
「なんだ?」
そして俺は気になっていることを言った。
「なんでここにいるんだ?」
はたから見ればひどいセリフかもしれないがそういう意味で言ったのではない。
この場合、何故箒は観客席の方ではなくここのピットに居るんだと言うことである。
「べ、別にいいではないか!!どこで見ようが!!
決して試合前の一夏と一緒に居たいわけではないからな!!」
これが俗に言うツンデレと言うやつか。
まあ、箒に限ってそんなことはあり得ないか。
「まあ、別に構わないんだけどさ」
そんな感じで箒と会話していると、
「お、織斑くん織斑くん織斑くん!」
突然三回も名前を呼ばれたのでなんだと見てみると慌てて走ってきた山田先生だった。
転びそうで心配だな。
「山田先生落ち着いて下さい」
「は、はい。ごめんなさい織斑くん..........」
しょぼんとする山田先生。
それを見て可愛いと思ってしまった俺は悪くない。
「いえ、気にしないで下さい。それより俺を呼んでいた理由を教えてください」
「あ、そうでした!今すぐISの格納庫に来てください!」
山田先生は思い出したように言った。
俺は先生に案内されるがまま格納庫へ向かった。
「これは..........!?」
格納庫へ向かった俺を迎えたのは
『白』だった。
純白を纏ったISが装甲を解除して待っていた。
「これが.....」
一緒に来ていた箒がいきをのむように言った。
「はい!これが織斑くんの専用IS『白式』です!」
その純白のそれは俺をずっと待っているように見えた。
「今すぐ装着しろ。時間がないからフォーマットとセッティングは実戦でやれ。まあ、お前なら負けることはまずないだろうがな」
そう言って来たのは千冬姉だった。
「織斑先生、これって..........」
「あぁ、アイツからだ」
やっぱりかぁ、もう『白』ってところで分かったもん。
『白』は俺を象徴する色と言っていい。
『白の剣聖』と呼ばれている俺にはお似合いのISだな。
俺はそのISに触れる。
そして俺と『白式』は輝き出す。
光りが消えると俺は『白式』を身に纏っていた。
(これが『白式』..........かなり馴染むな..........)
「フォーマットとセッティングを触れただけで終わらせた!?」
山田先生は予想外の出来事にびっくりしていた。
「流石、束いや一夏というべきか..........{一夏、ISに自分を合わせたな}」
千冬姉は何か納得したような顔をしていた。
「千冬姉、問題ないいける」
「あぁ、分かっている」
千冬姉は全てお見通しと言わんばかりと言ってくる。
「一夏..........」
箒が心配そうに言った。
「箒」
「な、なんだ?」
「行ってくる」
「あ、あぁ!勝ってこい!」
俺はその言葉を背にピットゲートにのる。
「(この感じは、六課での最初の出撃の時に似ているな)」
[(そうですね、でもマスターなら大丈夫ですよ。いや瞬殺ですね。こればかりは相手側がかわいそうに見えますね)]
「(スノウが俺をどう見ているのか分かったよ..........まあいいけどさ、スノウ今回の戦闘ではお前を使わない。いいな?)」
[(それこそ分かってますよ。マスターが魔法使ったら誰も勝てませんよ)]
「(悪いな)」
[(気にしないで下さい。それよりも相手が待っていますよ)]
「(あぁ、そうだな。じゃあ行くか)」
ピットのゲートが開く。
「織斑一夏『白式』行きます」
俺はゲートから飛び出た。
「あら、逃げずに来たんですのね」
セシリアがIS『ブルーティアーズ』を展開して立っていた。
「最後のチャンスをあげますわ」
びっと指差してくる。
「チャンス?」
「わたくしが勝つのは目に見えていますわ。ですからここで降参すれば痛い目を見ないですみますわ」
完璧に慢心してるな。
それじゃあ俺には勝てないな。
「そういうのはチャンスとは言わないんじゃないか?」
「そう?残念ですわ。なら..........」
セシリアはIS用レーザーライフル『スターライトmk
Ⅲ』を構える。
「お別れですわね!」
その瞬間青色のレーザーが放たれる。
しかし
「遅いな」
俺はちょっと右に反れる。
レーザーは俺には当たらずアリーナのバリヤーに当たり消滅する。
「なっ!?」
セシリアは驚いて声をあげていた。
「それじゃあ、オルコットさん」
「始めようか?」
そして試合は始まった。
「す、すごい..........!」
私は観客席で本音と一夏の試合を見ていた。
「い、いち..........オリムーほんとすごいね~///セッシーの攻撃全部かわしてるね~」
まだ一夏と呼ぶのに抵抗があるのか本音はオリムーと呼んでいた。
今、繰り広げられている一夏とオルコットさんの戦いは圧倒的に一夏が優位だった。
一夏はオルコットさんの攻撃を全て最小限の動きでかわしていた。
しかも無傷で。
「これが『白の剣聖』の実力..........」
一夏は管理局最強と呼ばれている。
今出している実力は十分の一、いや千分の一も出していないだろう。
それに魔法を使ってないのだ。
本気を出せば一体どれ程の強さになるのだろうか?
私には全く想像することができなかった。
「本音の魔導師ランクっていくつだっけ?」
「たしか~、B+だったかな 」
本音はB+と言っているが実際はもっと高いAはあるはずだ。
私のランクはA+くらい。
魔導師の中ではかなりの方だと思っている。
しかし目の前で戦っている織斑一夏という青年は更に上をいっている。
「たしか一夏のランクって..........」
「うんとねー、SSSのはずだよ」
SSS、実質のEXランク。
つまり測定不能。
最早次元が違う。
管理局と戦って勝てると言われているが定かではない。
私の好きな人の背中は遥かに遠い。
でも追い付いて一緒に並びたい。
そう思ってしまった、
(だから今はちょっとずつでもいいから強くなっていこう)
そしていつしか一夏に追い付く。
そう誓った。
「あ、かんちゃん。試合が動いたよ」
本音に言われ私は試合の方を目を向けた。
「な、なんですの!?攻撃が当たりませんの!?」
セシリアは何度もライフルを撃つが全て一夏にかわされてしまう。
「そんなんじゃ、俺に当たらないぞ」
一夏はそう言いながらもかわし続ける。
「今度はこっちからいくぞ」
かわすのを辞め、『瞬時加速』<<イグニッションブースト>>を発動する。
「は、速い!!」
セシリアは急いで迎撃の体勢をとる。
しかしそれよりも一夏は速かった。
「まずは一本もらいだ」
一夏は右腕に展開した『雪片弍型』<<ゆきひらにがた>>でセシリアの『スターライトmkⅢ』を切断した。
「くっ!」
セシリアはその爆風にまぎれ後ろに飛ぶ。
「流石、代表候補生。ほんとなら今のでかなりダメージを与えられたんだけどな」
一夏は余裕そうに言う。
「それなら、これならどうですの!」
セシリアは自身のISからエネルギービット『ブルーティアーズ』を射出する。
『ブルーティアーズ』はフィン状のパーツにBTレーザーの銃口が開いている兵器。
その機能は相手に追尾のレーザー攻撃を放つ兵器だ。
その性能上かなり厄介なはずだが。
「厄介な攻撃だな。でも俺には通用しないぞ」
その瞬間『ブルーティアーズ』は爆散した。
「えっ..........今何が..........!?」
山田真耶は今起き現象を見て唖然していた。
「..........」
箒に至っては声も出せずにいた。
「あいつ..........」
千冬はその様子を見て溜め息をついていた。
「織斑先生、今のは..........?」
「今織斑はただ速く動いて全てのビットを落としただけだ」
千冬はそう言うが明らかにISの性能を越えていた。
「速く動くってISでもあの速度は出せませんよ!」
「実際に出しているだろう、私にも一応できるが..........................どちらかと言えばあれは自身の身体能力を使っているんだがな」
千冬は最後の方を自分にしか聞こえないように言った。
一夏と千冬は身体能力だけで軽くISを圧倒できる。
まあ、一定のレベルに達していれば流石にきつくなるが(国家代表クラス)
しかし千冬は別のことを心配していた。
(あのままでは..........)
千冬は一夏が戦っているモニターを心配そうに見ていた。
「さあ、終わりにしようぜ」
わたくしは『ブルーティアーズ』を全て落とされもう後がない。
「な、なんて強さですの!?」
わたくしはこの男、織斑一夏の強さを今完全に理解した。
自分では、織斑一夏には敵わないと。
「なぁ、オルコットいや、"セシリア"」
「な、なんですの///」
このときわたくしは何故か頬を赤くしてしまいました。
一体どうして?
名前で呼ばれたから?
「どうしてセシリアは男が嫌いなんだ?いや、違うか。ある特定の男か..........情けない男とかか?」
「っ!」
図星だった。
わたくしの父は母の顔色ばかり伺う人だった。
幼少の頃からそんな父親を見て、『将来は情けない男とは結婚しない』と思っていた。
そしてISが発表されてからの父は益々弱い態度になった。
母は強い人だった。
女尊男卑社会以前から女でありながらいくつもの会社を経営し成功を収めた人だった。
そんな母に憧れていた。
だからこそ男、情けない男が嫌いだった。
「なあ、セシリア。お前がそういう男を嫌いな理由が俺にはよくわからない」
この男は何が言いたいんですの?
「でもな、この世の中そんな男ばかりじゃない。そういう情けない男もいれば俺みたいな男もいる」
更に続ける目の前の男性。
「俺はなあまり自分を誇るような人間じゃない。でもな、俺は決して情けない男にはならない。どうしてだと思う?」
「それは..........]
黙りこんでしまうわたくし。
でも
理由は分からないがその答えを知りたくなっていた。
「な、なんでですの..........?」
その男性はこっちの目を見て言った。
「それはな俺のことを目指してくれる人がいるからだ」
「目指してくれる人?」
不思議とまた聞いてしまった。
「あぁ、そうだ。俺のことを目指してくれる人だ。
俺はそいつがいる限り絶対に情けない男になんかならない」
この男性、織斑一夏はまっすぐな瞳でそう言った。
何故かは知らない。
ドキッ
えっ?
何故か胸が熱くなっていた。
(なんですの、この感覚は..........?)
その胸の高鳴りはとても心地よいものだった。
「だからさ、セシリア..........
俺のことを認めてくれないかな?」
そして織斑一夏はこう言った。
「そしてさ、俺と友達にならないか?」
「と、友達ですか?でも、どうやって..........」
いきなりそう言われたので困ってしまうわたくし。
「はあ、この学園の女子は皆こうなのか?」
皆?どういうことですの?
「そんなの簡単なことなんだって。名前を呼べばいいんだよ」
「な、名前..........」
「あぁ、そうだ。名前。俺がセシリアと呼んだのはお前と友達になりたかったからだ」
「わたくしと友達に..........?」
それを聞いてびっくりしてしまうわたくし。
「ダメなのか?」
「わ、わたくしは..........」
言葉につまってしまうわたくし。
(わたくしはどうしたいんでしょうか?)
と、迷っていると。
「自分の気持ちに正直になればいいんだよ」
「自分の気持ちに正直に.....」
わたくしは.....................
「あなたと、一夏さんと友達になりたいです!」
わたくしは自分でもびっくりするくらい大きな声でした。
「そうか、それならセシリア。友達になろうぜ」
一夏さんは笑顔で言った。
ドキッ
まただった。
また胸がドキドキしてきた。
あ、そういうことなのですか.....
(わたくしは恋をしてしまったらしいんですのね)
目の前にいる織斑一夏という理想の男性に。
「はいっ!」
わたくしはそう答えた。
「んじゃあさ、さっさと試合を終わらせて一緒に飯でも食べようぜ」
そう言って一夏さんは近接ブレードを構える。
「そうですね。早く終わらせましょう」
わたくしは右手に小型近接ブレード『インターセプター』を構える。
「いくぞ。セシリア」
「はい、一夏さん」
そしてわたくしたちは衝突した。
『試合終了。勝者、織斑一夏』
実力的にも精神面でも
わたくしの完敗でした。
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