第二技 契約……という名の頼みごと
キリトSide
「えっと、シェフってなんのこと?」
混乱の解けたアスナが訊ねてきた。
しまった。いいところに現れたもんだから、
「わるい、あまりにもタイミングが良かったからさ。ちょっとこれをみてもらいたいんだが…」
俺はアイテム欄から
「ちょっと、これって。S級レア食材の≪ラグー・ラビットの肉≫じゃない!」
エギル同様にアスナもだいぶ驚いてるようだ。
レアアイテムは持っていてもさすがにS級のレアアイテムは手に入れた事がないのだろう。
「ああ。経験値稼ぎにMAPに出てたらエンカウントしてな。運がよかったよ」
「運が良いどころじゃないと思うけど…。それよりもこれどうするの?
ここにいるってことはやっぱり売っちゃうの?」
「そうも思ったんだけどな…。でも金に困ってるわけでもないし、かといって俺は料理のスキルが高いわけでもない。
だから、エギルの伝手で知り合いに料理してもらおうかと考えたが、当てが外れたってことだ。
んで、考え込んでいたところに……」
訊ねてきたアスナに、俺は考えが伝わるように意味深に彼女を見た。
「私がきた、ということね」
「ご名答。確か前に料理スキルを上げてるって言ってたよな?」
俺が聞いてみると、腰に手を当てて自身満々にいってのける。
「ふふん、それなんだけどね。実は私、この前料理スキルを
コイツは今なんて言った? 料理スキルを完全習得した?
あの、ナニヤッチャテルンデスカ? アンタは。
いいや、ツッコミはなしだ。多分、
ふと、エギルを見てみると俺同様に呆れているようだ。
「あ~、まあいいや。で、どうだ。料理してもらえるか?」
どうせ何か条件を付けてくるだろうけど、もとより簡単なものなら乗ってやるつもりだ。
「う~ん。それじゃ、私にも分けてくれるかな?」
やっぱりな。だが、それぐらいなら予想の範疇だ。
「分かった。半分でどうだ?」
「私はそれでいいよ」
「OK、契約成立だ」
これでそれなりの飯にありつけるな。
「お、おいキリト! 俺にも分けてくれね~か!?」
「………五百文字以内で感想文を書いてきてやるよ」
頼み込んでくるエギルに断りを入れると、「Nooooo!」といって叫んでいたが、放っておこう。
「いいの? 放っておいて?」
「かまわない。いつもの事さ」
「そ、そうなんだ」といってアスナは苦笑しているが、すぐに笑顔になる。
「それじゃあ、いこっか?」
「ああ」
俺とアスナは店をあとにした。
キリトSide Out
To be continued……
あとがきです。
「この小説、話し短くないか?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、
自分にはこれくらいのペースが丁度良いので、ご容赦のほどをお願いします。
それにしても何回も思うんですが、自分で書くと不安になりますね。
それでも、頑張りたいとおもいます!
では、次のおはなしで・・・。
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第二話です。
この作品はキリトが結構なナルシストですよw
それではどうぞ・・・。