No.447753

魔法少女リリカルと恋姫な物語 ~少年の数奇な運命~ 第4.5話 尾行する者

レアさん

皆さん、夏バテしてませんか?こちらは正常です(笑)。てわけで今回は前回の分を別視点で見たお話です。誰が見てたのかは本編をどうぞ~。

2012-07-07 01:01:37 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1714   閲覧ユーザー数:1637

(図書館?まさかあの子に会いに行くのか?)

 

 俺こと朱鷺島裕樹(ときとうゆうき)は神那が図書館に行くと言っていたのが耳に入ったので、前世から知っているこの世界のとある少女(・・・・・)について思い出していた。

 

(確かにあの子は図書館に行けば会える確率が高いが・・・確かめてみるか)

 

 思い立ったが吉日だ、見失う前に追いかけないと。なるべく気づかれない様に行かんとな・・・。

 

―――尾行中―――

 

(ふ~む・・・ただ尾行するのも詰まらんな・・・よし)

 

 さすがに何もしゃべらず尾行するというのは意外と退屈なものだな。そう思い俺は尾行対象(神那)が何かしゃべっていないか確かめるため、自分の首にかかってあるペンダントに声をかけた。

 

「シャル、神那の声拾えるか?」

<<・・・う~む、さすがにそれはやめないか?まさかアリサに相手にされないからといって友達にはしるのはさすがに・・・>>

「あほか!お前、俺の言ったことをどういう風に捉えてんだよ・・・」

<<ん?おまえのいつもの行動からそう捉えたんだがなにか?>>

「よ~し、お前が俺のことをどう思ってるのかよくわかるセリフだな」

<<否定しないということはそういうことなのだろう?全く、それならそうと「違うからな!?」・・・冗談で言ってるのにそれほどマジになって返すとは・・・まさか本当に・・・>>

「・・・ほんとなんで俺のデバイスはこんな性格なんだよ・・・」

 

 このデバイス、いつか解体してやろうか・・・。自分のデバイスであるシャル、正式名称アイシャンク・ルーディンと話していると突然あたりが灰色の世界に塗り替えられた。

 

「なに!?敵か!?」

<<違うな、これは・・・マスターが尾行していた人物、つまり神那が発動した結界のようだ>>

「・・・やっぱり尾行だと分かってやってたな・・・」

<<は?何を当たり前のことを言っている。ついにぼけたか?>>

 

 こんのクソデバイス・・・。だが今はそんなことよりもだ・・・神那が発動した結界だと?ならあいつも魔導師ってことか・・・。

 

「シャル、サーチャーを飛ばして映像を出せるか?」

<<問題ない、というかすでにやっているぞそら>>

 

 俺が指示を出す前に、シャルはサーチャーを飛ばしていたようだ。優秀なのはいいが、その性格はどうにかならんものかね・・・。まあ、それより映像を見てみるか。

 

「どれどれ・・・なるほど戦闘に入ったのか。相手はフェイトと・・・アルフもいるのか」

<<さすがはマスターだな。女性なら誰でも知っているとは>>

「一応確認のために言っておくが、お前には俺のこと話してるよな!?だったら分かれよ!?」

 

 からかわれているのは分かるが、どうしても反応してしまう・・・。

 

<<ん?神那がきびすを返してこっちに来ているぞ?>>

「なに?ここで尾行がばれると、次学校で会った時に困る!そこの路地裏に隠れるぞ!」

 

 さすがに友達を尾行していたのがばれて、学校で気まずくなるのはごめんだ!そう思いつつ俺はあわてて近くの路地裏に隠れた。さすがに立っているとばれると思い、少し奥の方に行って俺はしゃがんで身を隠した。

 

「これでばれないと思うが・・・」

<<まったく・・・そもそも尾行なんてしなければこうはならなかったものを・・・>>

「・・・うるせぃ、俺も少し後悔してるよ・・・」

 

 小声でそうしゃべりつつ再び画面を見た。お?フェイトたちの後ろで急に爆発が起こったが、なんだ?

 

「シャル、なにがあった?」

<<それは帰ってから確認しよう。ちゃんと記録はしてある>>

「そうか、友達の秘密を暴くみたいだが、俺も知りたいしな」

 

 そう言いつつ俺は心の中で、スマンと神那に謝っていた。と、突然周りの色が元に戻った。

 

「結界が解除されたか・・・三人は?」

<<神那に二人がついていってるな。方向的に今日はもう図書館には行かないみたいだ>>

「そうか・・・本来の目的は達成されなかったがまあ、よしとしよう。あいつのことを少し知ることができたしな」

<<その知り方は盗撮なんだがな>>

「それは仕方ないだろう!?さっきも言ったが気まずくなりたくないし・・・」

<<だから私はやめておけとあれほど・・・>>

「一度も聞いた覚えないんですけど!?」

<<やれやれ、そんなにつっこんで疲れないのか?>>

「疲れさせてるのはお前だからな!?」

 

 まったく・・・こいつの相手はほんと疲れる・・・。だがまあ、こいつのことは嫌いにはなれない。どんな経緯であれ、俺のデバイスであることには違いないし、俺が転生者だってことも馬鹿にせず呆れもしないで受け入れてくれたしな。だからさ、お前も俺のことは嫌いにならんでくれよ、シャル?

 

<<・・・なんか、背筋が寒くなった気がしたのだが・・・何を考えた、マスター?>>

「何で真っ先に俺を疑うの!?確かにシャルのこと知ってる人はあんまりいないけどさ!しかも背筋ってそもそも体がないだろ!?」

 

 くっそ、ちょっとくらいシリアス入ったっていいじゃないか・・・。はぁ・・・まぁいいや。でも、今度俺も話さなきゃな・・・神那に自分のこと、転生者だってことを・・・。信じてもらえるとは思ってないけど、あいつなら受け入れてくれる、勝手だが俺はそう信じてるぜ神那。

 

「そんじゃま、俺たちも帰るとしますか」

<<そうだな。このままここにいたらマスターはただの変質者だ>>

「どうしてお前はそう一言多いかな!?」


 
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