No.447653

英雄伝説~光と闇の軌跡~ 23

soranoさん

第23話

2012-07-06 23:43:58 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1484   閲覧ユーザー数:1379

~遊撃士協会・ロレント支部~

エステル達は準遊撃士になって、さまざまな依頼を達成した後起こった強盗事件に関わった。事件は犯人を逃がしたが、幸いにも奪われた物は取り返せた。また、カシウスが行方不明になるという信じられない情報が来て、最初はそれに驚いたエステルだったが気を取り直し母と同じく父の無事を信じた。そして今までの地道な功績を評価された2人は各地のギルドで貰える正遊撃士資格の推薦状を貰い、2人がそれぞれ喜んでいた所通信機が鳴った。

「あら、誰かしら。ちょっと待ってね。」

そう言うとアイナは通信機を手に取った。

「はい。こちら遊撃士協会・ロレント支部です。」

そしてアイナは相手が名乗り出ると驚いた。

「ご丁寧な連絡、わざわざありがとうございます。今、本人に推薦状を渡したのでそちらにご連絡を差し上げようとした所です。………あの、本当に指定した遊撃士でないとダメなのでしょうか?よければもっと実力のある遊撃士を用意できますが……」

「へ……今推薦状を貰ったのってあたし達の事だよね?」

会話を聞いていたエステルは自分達の事だと気付き目を丸くした。

「恐らくそうだよね……話を聞く限り依頼で僕かエステルを指名しているみたいだけど一体誰が……?」

「誰でもいいじゃない!あたし達は遊撃士なんだから依頼を達成するだけよ!」

「エステルは呑気だなあ……」

準遊撃士に成り立ての自分達を指名して依頼を出すことをヨシュアは怪しく思ったが、エステルは全く気にせず答えたことに

思わず苦笑いをした。

「………わかりました。それではお待ちしております。」

アイナは諦めの表情で通信機を切った。

 

「アイナ、誰だったの今のは?依頼のようだけど、エステル達のことを言ってなかった?」

会話を聞いてある事に疑問に思ったシェラザードはアイナに聞いた。

「ええ……実はエステル達が準遊撃士になった翌日にある方から依頼が来たの。しかも、エステルを指名で。」

「へ………あたし??」

自分の事を言われたエステルは思わず目を丸くし驚いた。

「アイナさん、そのある方という人は誰なんですか?」

ヨシュアは警戒するように真剣な顔をして依頼した人物の正体を聞いた。

「それは………」

依頼者の正体を聞かれたアイナは戸惑った顔をして言い淀んだ。

「あんたが困惑するなんて珍しいこともあるものね。ちなみにどういう依頼なの?」

アイナの様子を珍しく思ったシェラザードはこのまま聞いても埒があかないと思い、肝心の依頼内容を聞いた。

「………その方の縁者3人とエステルが共に行動すること。期間はエステルが正遊撃士になるまでよ。後、遊撃士の仕事をサポートさせること。それが依頼内容よ。」

「えっと、それってどういうこと??」

依頼内容の意味がわからなかったエステルは質問した。

「要するに僕達の修行の旅に同行者が3人増えるってことだよ。後、その人達が僕達の仕事を手伝ってくれるってことだね。でも、いいいんですかアイナさん?

僕達はまだ準遊撃士に成り立てですよ?それに一般の人達に僕達の仕事を手伝わせるのは無理なんじゃあ……遊撃士の仕事は荒事もありますし、正直僕達2人で

3人も守るなんて難しいことだと思いますよ。」

エステルに判り易く説明したヨシュアはアイナに依頼の難しさを訴えた。

「私だって最初は断ろうと思ったけど相手が相手だしね……本部にも一応聞いたけど、今回は特例よ。後、護衛に関しては一切心配しなくていいと思うわよ。多分、あなた達より実力があると思うし。」

「あたし達より実力があるってどんな人達なの?」

同行者の3人が気になったエステルは質問した。

 

「………会えばわかると思うわ。ちなみに提示された報酬の金額はこんなにあるわ。」

3人はアイナから見せられた依頼書に書かれてある報酬の金額を見て驚愕した。

「いち、じゅう、ひゃく………じ、10万ミラ~~~~~!!!!!????な、何よこの金額!!??」

「信じられない金額ですね………相手は貴族か商人ですか?」

「何よ、このバカげた金額は!?先生でもこんな報酬の仕事、滅多にないわよ!?準遊撃士の報酬で10万ミラなんてありえないわ!?」

エステルとシェラザードは提示されてある金額に目を大きく見開き思わず叫び、ヨシュアは依頼者の正体を推理した。

 

「私も本当なら受けるにしてもカシウスさんか最低でもB級と思ったんだけど、カシウスさんは行方不明だし、何より相手がエステルでないとダメって言い張るのよ……」

「………どうして、その依頼者はエステルを指名したんでしょうね?僕達はまだ準遊撃士の成り立てで父さんやシェラさんと違って知名度はないのに。」

ヨシュアは最大限に警戒し、相手の思考を考えたがわからずアイナに聞いた。

「それはあんまり詳しく教えてくれなかったけど、唯一教えてくれたのはエステル。あなたが”闇夜の眷属”と仲がいいからよ。」

「へ……?なんでそれが関係するの??」

アイナに言われたことが理解できなかったエステルは目を丸くした。

「……ちょっと待ってアイナ。”闇夜の眷属”が関係してあんたが断れない相手でこんな金額を出せる人物ってもしかして……」

アイナから出たある言葉から依頼者を推理したシェラザードは信じられない人物が浮かび上がりそれを聞こうとした時、ギルドの扉が開かれた……

 

 

 


 
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