No.447624 IS インフィニット・ストラトス ~転入生は女嫌い!?~ 第十五話 ~戦場~Granteedさん 2012-07-06 23:21:25 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:10464 閲覧ユーザー数:9921 |
「待たせたな、一夏」
「クロウ!」
そこにいたのは銀と黒で構成されたISに身を包んだ、クロウ・ブルーストだった。
「さて、早速だが」
クロウは
「鳳!俺がこれから発射する弾を衝撃砲で撃ち抜け!」
「わ、分かったわ!」
クロウが
「全員集まれ、一旦作戦会議だ」
白煙の外、アリーナギリギリの場所に三人が集まる。
「さて、まずはお前らの意見を聞こうか。気付いた事って何かないか?」
「あいつ、もしかして人が乗ってないかもしれないんだ」
「何だと?」
「ほら、あいつ俺たちがこうやって話している時は攻撃してこないんだ。それに何か動きが機械染みているっていうか・・・」
一夏が歯切れが悪そうに言う。ISは人が乗らなければ動かないはずなのだが、二人にはそう言えるだけの根拠があるらしく、鈴も同じ様な事を言う。
「あたしも同意見よ。少なくとも、あのISには何か普通じゃないものがあるのは確かね」
「そうか、じゃあその仮定を前提に攻撃するぞ。二人に何か案はあるか?」
「ああ、相手が無人なら、白式の全力攻撃“零落白夜”が使える。人が乗っていると、相手を傷つけてしまうけど、無人ならちょうどいい。でも一つ問題があるんだ」
「何だ?もうそろそろ煙幕が晴れるから手短にな」
クロウの言葉通り、煙幕はもうすぐ晴れようとしており、敵の姿もうっすらとだが見えるようになっていた。
「ああ、
「じゃあ一回で決めろ。俺と鳳はお前の援護に回る。何か質問は?」
二人が首を振る。その間にも、もう煙幕はほとんど消えていた。
「じゃあ、行くぞ、俺の合図で作戦開始だ!それまでは今まで通り回避に徹しろ!!」
その言葉の通り、三人は散開し、回避行動に入ろうとした。煙幕は完全に晴れ、敵は変わらず地上に、微動だにせず直立していた。その時、
「一夏ぁー!!」
「っ!箒!?」
その声の主を見ると、どこから入ったのか、クロウが出て行った方とは反対側のピットの先端に篠ノ之 箒が肩で息をして、大声で怒鳴っていた。
「男なら・・・男ならその程度の敵に勝たないで何とする!」
その言葉は一夏だけではなく、敵にも届いたようで、顔を箒の方に向け、両腕を上げた。
「っ!」
「まずい、箒!逃げろっ!!」
警告する一夏と反対に、クロウはあくまで冷静だった。不測の自体にも、しっかりと反応する。
「やるぞ!鳳、やつに衝撃砲!!動きを止めろ!!」
「了解!」
鈴の甲龍から、不可視の弾丸が発射される。弾丸は見えないが、着弾しているようで敵がわずかによろめいた。
「一夏、俺が隙を作る。発動の準備をしておけ!!」
「OK!!」
クロウは敵に向かって突撃を開始する。その間に、
「くらいな!!」
ネット弾を二発放った後、腰のスタンロッドも一緒に射出する。ネット弾が先に敵にとりつき、動きを封じた所にスタンロッドが突き刺さる。かなりの高圧電流が流れているようで、ネットはおろか、その周囲の空気も帯電している。
「今だ、一夏!行って来い!!」
「おおおおおおおっ!!!」
一夏が敵に高速で向かっていく。その体はエネルギーで覆われており、雪片弐型もエネルギーの刃を形成している。
「俺は、みんなを、守る!!」
その言葉と共に、一夏は敵を大上段から切りつける。
「やったか!?」
しかし、右腕を切り落とされ、胸の部分に大きく切り込まれたというのに、敵は動きを止めない。零落白夜の発動が終わってしまった一夏に対して、左腕による殴打を仕掛ける。
「ぐあっ!」
「一夏ぁ!!」
一夏は殴打を受けた衝撃で、10m程吹き飛び、動けなくなってしまう。その間にも、敵は一夏にとどめを刺そうと近づいていた。一夏の所に到達すると、残った左腕を振り上げ、とどめを刺そうとする。
「一夏、逃げて!」
その時、クロウが吠えた
「セシリア、今だ!!!」
「了解ですわ!」
「狙い撃つぜ!!」
その瞬間、一夏が切りつけてできた、胸の切り傷に吸い込まれるように二つの銃弾が撃ち込まれた。さすがに耐えきれなかったのか、敵はその衝撃で吹き飛ばされ、起き上がってはこなかった。一夏と鈴が辺りを見回すと、スナイパーモードに切り替えた
~数分前・ピット内~
「作戦?」
セシリアが怪訝な声を出す。クロウは話を止めない。
「そうだ、お前は万が一に備えて、上空で待機していてもらう。まあ保険と考えてくれ」
「わ、私も一緒に!!」
自分も一緒に前線で戦えないのが悔しいのだろう、懇願するセシリアだったがクロウはそれを一蹴する。
「駄目だ。お前では、あのビーム攻撃は一撃当たればそこで終わる。装甲が薄いからな」
「・・・」
「俺が合図をしたら、狙撃してくれ。できれば一発ですむとありがたい。一発ですまなかったらお前も敵の標的になるかもしれんしな。わかったか?」
「了解ですわ」
「じゃあ、いくぞ。死ぬなよ、セシリア?」
「わかりましたわ、ひとつ聞いてもよろしくて?」
「何だ?」
「クロウさん、貴方は一体何者ですの?」
~現在・アリーナ内~
四人は倒した敵の周囲に展開し、様子をうかがっていた。
「・・・倒した、のか?」
「ああ、そう判断していいだろう」
「や、やっと終わった~」
「皆様、お疲れ様でした」
一夏、クロウ、鈴、セシリアの順に口を開き、四人は緊張を一気に緩める。
「いやーしかしクロウ、お前射撃の腕も凄いな!」
「いや、さすがにセシリアには負けるさ」
「またまたそんなご謙遜を」
「何でもいいから早く戻らない?」
「でも倒したあいつはどうすんだ?」
「教師部隊に任せればいいだろうよ。しかし一夏の言うとおり本当に無人機だったとはな」
と四人が話していると、ブラスタのレーダーに反応が。
「(こいつは!!)全員避けろっ!!!」
「「「えっ?」」」
次の瞬間、再びアリーナに光の柱が降り注いだ。
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第十五話です。