No.447501

緋弾のアリア 未来を見据える者

俺、藤崎冬真は“あっち系”でいう、いわゆる“魔眼”を持っている。それは、“何でも見通せる眼”宇宙の始まりから、下着の色、宇宙の終わりから下着の色まで全てを見通せる。何、大事な事だからニ回言っただけだ。そして、俺はこの魔眼のせいで敬れ、拝まれ、忌み、嫌われた。まったく、下着の色を視ただけでなぜ嫌われなければならない?10代の若者はキレやすいのだな。
と、いうのは半分冗談だ。まぁ、真面目に言うと俺は世界の終わりを視てしまい、絶望した。でも、俺を救ったのは未来を“変える”という答え。だから俺はこの未来を変えるために抗って見せる。※にじファンからの転稿となります。

2012-07-06 21:26:12 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:970   閲覧ユーザー数:949

 
 

――空から女の子が振ってくると思うか?

 

昨日、親友と観た映画では降ってきたんだ。

 

まぁ、映画とか漫画ならいい導入かも知れないな。

 

親友は「ありきたり過ぎてつまらないなぁ」なんて、呟いていたけれど。

 

でも、俺はそれが不思議な事が起こるプロローグだと思うんだ。

 

そして、巻き込まれた主人公は正義の味方にでもなって悪を倒すために大冒険!

 

だから、空から女の子が降ってきて欲しい!

 

……なんて思うのは浅はかだと思うぜ?

 

だって、空から降ってくるやつなんて自殺志願者くらいだろ?

 

何を好き好んで空から人が降ってくるんだ?

 

そして、そんな自殺志願者紛いの事をしてまで降ってくる女の子なんて……普通なわけがない。

 

巻き込まれた主人公はきっと、正義の味方に仕立て上げられて危険な物事に立ち向かうんだ。

 

だから俺、遠山キンジは少なくともそんな事には関わりたくない。

 

と、思っていた時期が俺にもあった。

 

なにせ、この後、降って来ちまったんだからな。女の子が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神崎・H・アリアが――。

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

「と、いう夢を見たので遠山キンジくん。君は今日バスに乗りたまえ」

 

まだ春先で朝の風が冷たいこの時期に、しかも朝っぱらの6時にインターホンをピンポンピンポン鳴らしまくってまで俺、遠山キンジを起こしにきてくれやがった175cmくらいの黒髪の男がいきなりそんな事を言ってきた。

 

「はぁ……、((冬真|とうま))……。つまらない冗談はよしてくれ、俺の睡眠時間が無くなるじゃないか」

 

目の前にいる親友、藤崎冬真に対して半眼にして睨む。

 

「キンジくん?俺は本気で言ってるのですよ?親友の言葉でしょ?信じようよ。てか、信じろ」

 

そんな横暴な……。と呆れつつ、俺は起きて数分しか経っていないからか、まだ力があまり入らない腕を使い、ドアを閉めた。

 

すると、ドアの外から

 

「あー!ちょ、キンジ!マジなんだってば!本気と書いてマジなんだって!」

 

ドンドンドン!!

 

冬真がドアを叩きながら叫んでいる。……はぁ、朝からうるさいんだよ……。

 

このままうるさくさせているのもどうかと思うのでとりあえずはドアを開けてやることにした。

 

「あ、開けてくれのかキンジ!これで俺の話を……」

 

冬真が何か潤んでいる様な瞳で言ってくるがどうでもいい。

俺は冬真の言葉を遮って言った。

 

「いいか冬真。女の子が空から降ってくるわけないだろう?」

 

「だ!か!ら!降ってくるって言ってるだろ!?」

 

「おいしいよね。ダカラって」

 

「うるさああああああい!」

 

「お前がうるさいわ」

 

俺はうるさい冬真にチョップをしてやる。だが

 

「その未来(ヴィジョン)は予測済みだ」

 

と、厨二病患者みたいな事を呟いてひょい、っとチョップを避ける。

 

「はぁ……、もういいや。こうなる事は“視て”判ったし。うん、いいよ。わかった。もう何も言わない」

 

 

視て?何の事だ?

 

 

冬真が言ったその言葉に捕らわれ、俺はその次の言葉を聞きそびれていた。

 

 

「お前の……チャリは、ジャック……されるんだ」

 

 

 

 

 

 

そして、俺は冬真のこの助言を無視した事を激しく後悔する事になる。

これは、そんな遠山キンジと神崎・H・アリアが織りなす物語である。あと、ついでに冬真も

 

 

「あれ?俺ついで?」

 
 

 
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