No.447382

料理が趣味な一般人(自称) 「第八話 最果ての料理」

Delayさん

海斗は買い物を済ませ家に帰る。そして、はやてとリインフォース・アインス(以下アインス)に料理を見せてやると言い三人はキッチンへと向かう……

2012-07-06 19:31:16 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2299   閲覧ユーザー数:2196

「ありがとうございましたー」

 

 俺は両手いっぱいのビニール袋を持ち近所のスーパーを出る。今日は八神家が全員飯を食いにやって来るからいつもより多めに買い物をした。

 いつもより多めに買い物をしたといっても俺は一人暮らしだから飯食うのが一人増えるだけでいつもより多めに買い物することになるんだが、まあそれは置いておこう

 

「とりあえず旅行に行く際に必要な物は粗方揃えた、新品の包丁10本に砥石20個、念のための小型ナイフ25本、これならどこに行こうとやっていける、鍋とか調味料は家にまだ新しいのがあるはずだし」

 

 あとは本屋にでも寄ってサバイバル向けの本を買えば問題ないな。どこに行くかは適当だし念のためにサバイバルについてよく書かれている本でも買った方がいいだろう。俺はそう思い、本屋に入っていった

 

 

☆★☆★五分後☆★☆★

 

 

「ありがとうございましたー」

 

 

 俺の手に袋が一個追加された。ちなみに俺が買った本は『ホモサピエンスでも分かるサバイバルの本』『サバイバルの常識』の二冊だ。

 

「必要だったけど、寄り道をしてしまったな、早く帰らなければ……だが手にいっぱいの荷物があるからスーパーに行くときみたく空中二段ジャンプして電柱の上に着地するのも難しそうだし、仕方無いこのまま徒歩で帰ろう」

 

 

 俺は両手に荷物がいっぱいのため、空中二段ジャンプで帰ることができないから徒歩でマンションに向かう。幸いにも本屋から俺の家は近いところにあるから(徒歩で三分ぐらい、スーパーは徒歩十分ちょっと)そのまま歩いてマンションに向かった。

 

 

☆★☆★そして三分後☆★☆★

 

 

「帰ってきたぞー」

 

 マンションについた俺は玄関のかぎを開けた。

 

「海斗さんおかえりー、みんなもう来とるで」

 

「お、そうか、じゃあもう料理作り始めるから、誰もキッチンに入ってくるなって言ってくれる?」

 

「了解や、……私も手伝おうか?」

 

「いや、はやてがどれくらい料理がうまくなったのかは気になるが、客に手伝わせるなぞ笑止千万、客人をもてなすのが、家主としての使命だ……まあはやてのみなら俺の調理を見ることを許可する、なにせお前は俺の一番弟子だからな、越えることのできない絶対の壁を教えてやる」

 

「ほぅ…そんなに言うなら見せてもらおうやないか」

 

 俺の挑発じみた発言に見事食ってかかるはやて、俺の一番弟子なだけあって料理のこととなると威勢が良くなる。はやてのその気迫は阿修羅にも劣らないほどだ、だが今の俺は阿修羅すら凌駕する存在だ!!

 

「ならば刮目するがいい、今宵お前は、真の料理人を知ることになる」

 

 そう言って俺とはやてはキッチンへと足を進めた。

 あ、ちゃんと料理に必要ないものは部屋に置いてきたよ、さすがにサバイバルの本なんかキッチンに持ち込まないし

 洗面所によりちゃんと手を洗いそしてキッチンへ到着、早速俺は料理に取り組んだ

 

 

 ★☆★☆一方その頃リビングでは★☆★☆

 

「さあ、待ちに待った海斗さんの料理!今日の解説は海斗さんの料理に釣られてやってきました、リインフォース・ツヴァイと!」

 

 今回はアタシ視点らしい、……おっとメタは自重自重っと。なんか急に解説をやりだしたツヴァイの隣にいる。もちろんツヴァイはアウトフレームを使って大きくなってる。じゃないと海斗に魔法のことがバレるからな、それにしても

 

「八神ヴィータだ、それにしてもツヴァイはテンション高いな、いったいどうしたんだ?」

 

 今日はやけにツヴァイのテンションが高いんだ、暑苦しいくらいに

 

「いやいやヴィータちゃん!私は海斗さんの料理を食べるのこれが初めてなんですよ!! ヴィータちゃんやシャマル、シグナムとザフィーラそれにあのアインス姉様がとてもおいしいって言ってた料理を初めて食べることができるのですからテンションがハイになるのは当然です!! そういえばキャロちゃんはもう海斗さんの料理、食べたことあるんですか?」

 

「あ、はい、最初はお弁当でしたがお弁当が尽きた時から作ってくれました、とても美味しかったです」

 

 ただ単に海斗の料理を食べたかっただけか、まあしょうがないなツヴァイが誕生してからほぼ毎日のように、海斗の料理の話を聞かせてたからなぁ、はやては

 

「それは、当然だろう、主はやての料理の師匠らしいからな、騎士海斗は」

 

 シグナムが話に入ってくる。海斗はシグナムのことが少し苦手なんだよなぁ、だって戦闘凶だし。

 それよりも気になったことが一つ

 

「なんでシグナムは海斗のこと騎士って呼んでるんだ?海斗は魔導師じゃないだろうに」

 

 

 シグナムが海斗のことを騎士海斗と呼んでることだ。そもそも魔導師でもない海斗のことをなぜそう呼んでいるかアタシには分からない。

 

 

「ああ、そのことか、簡単なことだ、私が騎士海斗のことを認めた。ただそれだけのことだ」

 

 ふ~ん、あの堅物のシグナムがねぇ

 

 

「ふ~ん、あの堅物のシグナムがねぇ」

 

「ヴィータ、私に喧嘩を売っているのか」

 

 やべッ、声に出ちまってたか

 

「ヴィータにシグナム、言い争いをするのは別にいいがそろそろ始まるぞ」

 

 ザフィーラが仲裁に入ってきた。ちなみにアタシ達は海斗に気づかれないようにキッチンにサーチャーを設置して、調理している映像を映している。その映像を見たら海斗とはやてとツヴァイの姉に当たる元夜天の書管制人格リインフォース・アインスことアインスだった。ってなんではやてとアインスがそっちにいるんだよ!?

 

「道理で見ないと思ったら、はやてちゃんとアインス、海斗君と一緒にいたのね」

 

 ”シャマル”がニッコリと微笑みながらそう言い、画面を見ていた。今日は海斗何作るのかなぁ

キッチンに入る前にアインスが私にも海斗の料理を見せてほしいと言ってきたので、了承してはやてとアインスを連れてキッチンに入る。

 

「そういや、八神家って好き嫌い多い奴いたっけ?」

 

「好き嫌いするのはおらんよ、ご飯前なのにアイス食べるのはいるけどな」

 

 十中八九ヴィータのことだろうな、あいつアイス好きだし。そう思い微笑みながら買ってきた具材を取り出して並べる、並べられてるのは、じゃがいも、鶏肉、人参、玉葱、これだけで俺が何を作ろうとしているのか大体の人は分かるだろう

 

「俺がこれから作るのはみんな大好きカレーライスだ、普通なら辛口を作るのだが、今日はキャロがいるからな、辛いのは食べさせられんからな、今回は甘口と中辛を混ぜるが構わんよな」

 

「私は別にええでー、美味しければ何でもオッケーや、なあアインス?」

 

「はい、海斗の作る料理はどのようなものでも美味しいですから、皆も文句は言わないですよ」

 

 この二人は中々いいこと言うじゃないか、照れるな

 

「まあ、二人に許可貰ったことだし、早速料理に取りかかるとしますか」

 

 まずは人参とじゃがいもの皮を剥かないとなーっと!

 

「はあ!?」

 

「なんと……」

 

 はやてとアインスは驚いていた。それもそのはず、なぜなら瞬間皮むきとはその名の通り一瞬で皮をむく技術である。どう考えたって普通の人間がやる技ではない。つーか無理である、……高町家なら神速を使えば可能だと思うが、態々料理に神速を使うアホはいないだろう

 

「よっ、ほっ、チョイサー、チェリオーっと」

 

 そんな人間離れしてる技を連発している海斗はもう一般人とは言えないだろう。

 

 どうせ本人はこれは料理人はできて当たり前とでも思っているのだろう。

 

 幻想を殺す不幸少年でも誰でも良いからコイツの価値観をどうにかしてくれないだろうか、いや、本当に

 

 海斗に関して色々述べてたらいつの間にか、全部の皮を剥き終わっていて、今度は具材を切る行程へと移っていった。

 

 ん?具材を切る ( ・・・・・)? どこかで聞いたような……、そう思っていた矢先にまた海斗がやらかした

 

 

多重次元屈折現象(キシュアゼルレッチ)ィィ!!」

 

 ……そうだった、海斗は人参を切ろうとして多重次元屈折現象を身につけるに至ったんだった。もう一般人って名乗るのをやめてほしい、なのはが言っていたように一般人(自称)もしくは逸般人と名乗ってもらいたい。そして多重次元屈折現象によって出現したいくつもの斬撃が人参とじゃがいも、玉葱を襲い、細かく切り刻んでいく。

 

 ある意味惨劇に近い状態になっていく野菜たちを見て、アインスとはやては苦笑いを浮かべる。海斗は食べられるサイズまで切り刻んだ野菜たちを、鍋に入れ炒めていく

 

 

【これ以上料理の描写を描くのが難しくなったため、カット】

 

 俺が料理を始めてから約十五分、それでカレーを作り終えることができた。

 そのできたてのカレーを容器に丁寧に盛り付けてはい

 

「完成、ほらはやて、アインスこれ運ぶの手伝いな」

 

 働かざる者食うべからずってな

 

「はいはい、それにしても海斗さんさっきのアレどうしたん?あの……多重次元屈折現象やったっけ?」

 

 はやてが俺が人参、じゃがいも、玉葱を切り刻んでいた時に使っていた多重次元屈折現象について聞いてきたので

 

「ググれ、具体的にはアニ○タwikiかTY○E-MOONwikiと検索してググれ」

 

 と簡潔にそして的確に返答した。まあ間違ってはいないよな、実際に載ってるし

 

 まあそれはともかくとして、料理をはやてとアインスと一緒にリビングに持っていく。

 

「できたぞー」

 

「おっ!やっとできたか、今日は何作ったんだ?」

 

「今日はカレーだ、キャロとツヴァイは辛口は無理だろうなと思ったから甘口と中辛を混ぜてみた。……まあキャロとツヴァイのだけだけどな」

 

 最後の方に俺がボソッとつぶやいたのは誰も気づかなかったようだ、ああ、ザフィーラにはカレーじゃない別の物を用意してるよ。ホラ、ビーフージャーキー

 

「全員座ったか?全員の手元にカレーは置いてあるか?……よろしいそれではいただきます」

 

『いただきます』

 

 ビーフジャーキーを犬の餌をやるところに置いた後、カレーを配膳し、みんながテーブルに座っている、そこで一通りの確認をし、いただきますの挨拶をする。

 それが家で飯を食う時のマナーだ、飯を食う時はみんな一緒で楽しく食べなきゃな

 

 みんながレンゲを持ちカレーを口に運ぶ、とりあえず市販のルーだけではつまらないなと思いちょっとだけ手を加えた。それは何かというと

 

「ん?なんだこれ豆腐……?って辛!?」

 

 カレーに豆腐と豆板醤を隠し味として入れてみたんだ、だからカレーにちょっとした麻婆豆腐を足したような感じだ、キャロとツヴァイのカレーにもとりあえず豆板醤と豆腐は入ってるけど俺たちほどには入れてないな、子供相手にそんな外道なことできるわけないじゃないか、こっちは善良な一般市民であって麻婆好きの神父でも何でもないからな、ヴィータが辛さに悶えてる中シグナムにシャマルそれにアインスは問題なくきちんと食している。なんでヴィータだけあんなにつらそうなんだろう

。そのころのキャロとツヴァイはというと

 

「これが海斗さんの料理ですか、結構美味しいですね、シグナムが海斗さんははやてちゃんの料理の師匠だったって言っていた意味が分かりました」

 

「海斗さんの料理は美味しいでしょ?ツヴァイちゃん」

 

「そうですねぇ~そんな時間が推してるわけじゃないしゆっくり食べちゃいましょう」

 

 二人で仲良く黙々とカレーを食べていた。うんうん仲が良いのは大変素晴らしいことだ

 

 

 まあ俺はそう思いながら結構な辛さの麻婆カレーを食していた。


 
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