第一章 無印編
第七話「Star Strike Blast」
なのはside
昼休み。
いつも通りに屋上で、四人で弁当を食べています。
そして今日の話題は、3時間目の授業の中であった将来の夢の話。
「アリサちゃんとなのはちゃんと彩斗くんの将来の夢って何?」
すずかちゃんが言った。
前世でもあった会話。でも今回は彩斗くんがいる。
知っている二人のこともだけど彩斗くんがなんて答えるかも気になるなあ。
「うちはお父さんもお母さんも会社経営だし、いっぱい勉強してちゃんと後を継がなきゃ」
アリサちゃんがそういった。
アリサちゃんの両親は日米に関連会社を持つ大企業を経営している。
やっぱりいろいろ大変なんだね。
「なるほどね。すずかちゃんは?」
彩斗くんがそういうとすずかちゃんが答える。
「わたしは機械系が好きだから、工学系で専門職がいいなと思ってるけど・・・・・・。」
すずかの親も工業機器の開発・製作する会社の社長だ。
お姉さんの忍さんも機械いじりが好きだったけ。
「2人ともすごいね。もう大体決まっちゃってるんだ」
「なのはは喫茶翠屋の2代目じゃないの? それか家の道場で剣を教えるとか・・・。」
「うん。それもありだとは思うんだけど・・・でももっと別の道もあるかも、
とか思ってるんだ。それに家の剣術はたぶんおにいちゃんが引き継ぐと思うから。」
「へぇ、じゃあ彩斗は?」
「俺?そうだな・・・強いて言えば消防士だが、母さんの前の職場の人から才能あるからやらないか?
とも言われたな。ただなぞに包まれているから詳細を知るまでやる気はまったくないが・・・。」
「一体あんたの母さんなにやってたのよ・・・。」
「・・・特殊部隊?」
「・・・冗談よね・・・?」
「多分・・・。」
「「「「・・・・・・・・・・・・。」」」」
彩斗くんのカミングアウトでみんな固まっちゃって昼休みは終わりました。
―放課後
学校が終わった後。私たちはいつも通り帰っていた。
アリサちゃんとすずかちゃんも今日はお稽古がないから一緒に帰っている。
「・・・それで、なんだかなのはちゃんがどんどん強くなっててさ・・・」
「お父さんとお兄ちゃんも驚愕してたの」
「その一言で済ませられるあんたが怖いわ!」
「アリサちゃん・・・。」
そんな他愛もない話しながら歩いているとあの公園まで来た。
そこは変わってしまってた池にかかる桟橋は壊れ木屑になっていて、
ボートは壊され、管理小屋も壊れていた。ひどい状態だった。
「あ、君たち、危ないから入っちゃだめだよ」
ここの管理人さんが言ってきた。
「はい、でもこれどうしたんですか?」
そうアリサちゃんが聞く。
「いや~、朝来たらこの状態でね。いたずらにしては度が過ぎてるから警察に来てもらったんだ」
「そうですか」
その話を聞いていると、
― 助けて ―
頭の中に声が響き頭痛がする。
これは!
― 助けて ―
もう一度声が響く。
間違いない。あの時と同じ。
隣を見ると彩斗くんも同じみたいだった。
「アリサちゃんすずかちゃんゴメン」
「俺も行くよ」
そう言って私と彩斗は声のした方に走り出した。道を外れ森の中に入って行く。
「はぁはぁはぁ」
しばらく走るとそこにはフェレット・・・の姿をしたユーノ君が倒れていた。
「ちょっと、なのはどうしたのよ急に!」
「どうしたのなのはちゃん?」
アリサちゃんとすずかちゃんが追いついてきた。私はフェレットを抱きかかえ見せる。
「なのは、それどしたの?」
「ゑ?・・・イタチ?う~んフェレットかな?」
「此処に倒れてたの」
「とりあえず病院に連れて行きましょ」
「うん、その方が良いね」
「分かったの」
私たちはそう言って近くの動物病院に向かうのだった。
― 槙原動物病院 ―
診察台の上にはなのは達が拾ったフェレットが、包帯を巻かれた状態で寝ていた。
治療を終えた先生が道具の片付けを終えフェレットのそばまで来た。
「あの、院長先生この子の具合は?」
「今見た限りだと特にひどい怪我はしてないみたいね。ずいぶん衰弱してるみたいだけど」
なのは達四人が心配そうな顔から安心して笑顔になる。
「先生。この子フェレットですよね?どっかのペットなんでしょうか?」
「う~ん、フェレットなのかな?変わった種類だけど・・・」
「あの~、この後どうしたら?」
「そうね、しばらくは安静にしてた方がよさそうだから、とりあえず明日まで預かっておこうか?」
『はい!お願いします!』
「良いのよ。こっちも好きでやってる事だから」
そう言って快く治療を引き受けてくれた。そしてなのは達四人は病院を後にした。
―高町家
「・・・っていうわけで、家でフェレットを飼いたいのだけど・・・。」
「フェレットか・・・・・・。」
フェレット状態のユーノを動物病院で預けた後、
私はアリサちゃんとすずかちゃんに家で飼えるか聞いてみると言っておくことにしました。
彩斗くんが「俺が飼えばいいんじゃないか?」といってくれたけど。
そうすると後々ユーノくんとのやり取りが面倒になると思ったから
取りあえずは前世と同じようにしてみると言っておいた。
さてここは前と同じように頼んだ事から、大丈夫だとは思うけど、何か忘れていたような・・・・・。
「ところでフェレットってなんだ?」
思わず椅子から転げ落ちそうになったよ。
そういえばお父さんは私がフェレットの事を言うまで知らなかったの。
とりあえずお父さんにフェレットについて説明しますか。
「イタチの仲間で、近年ではペットとして飼う人が多い人気の動物だよ」
私がフェレットについて説明しようと思っていると、お姉ちゃんが先に説明しました。
「それでフェレットは飼っていいの?」
私が再度そう聞くと、お父さんは腕を組みながら悩んでいるよう。
あれ? 前なら簡単に通ったはずだけど、どうして今回は悩んでいるのだろう?
どうして飼っていいと言ってくれないのか疑問に思っていると、お兄ちゃんが小声で話してきた。
「多分、なのはが御神流も習っているから、疲れて世話をしないのか心配なんじゃないか?」
あ~なるほど。確かに今の私のスケジュールだと余り時間がないの。
フェレットの世話をしている時間はあるのだろうかという事なんだろう。
だからお父さんは本当に飼えるのかと思っていたらしい。
でもここで引き下がったら負けなの。
「大丈夫だよ、お父さん。御神流もランニングも毎日忘れずにやるし、フェレットの世話もちゃんとするから」
「しかし・・・・・・。」
「それに彩斗くんも協力してくれるって言ってるし。」
「ふむ・・・・・・。」
「なのはがそう言っているのだから別に良いじゃない。しばらく預かるだけなんだから」
「桃子さんがそう言うのならば・・・。」
「あ、ありがとう!! ご馳走様でした!!」
私は食べ終わった自分の食器を片づけ、すぐに自分の部屋へと駆けつけた。
部屋に戻るとすぐさまアリサちゃんとすずかちゃんに、私の家で飼っていいと、メールを打って送信した。
後はユーノ君からくる念話を待つだけだった。
― 聞こえますか? 僕の声が聞こえますか? ―
来た!!
そう思った後私は出かける支度をして窓から飛んだ!
なのはSide out
―九十九家
「今日の放課後。予知夢のとおりにスクライアの少年が来たよ。」
「そう・・・今日なのね。」
母さんがそういう。
顔にはまだ葛藤があった。
「なのはちゃんは絶対にいくからね。俺は援護しに行くよ。」
ちなみに予知夢で見たということでなのはちゃんがこれに参加することは伝えてある。
というかそういう建前がないといくら危険とはいえ俺が参加するのは難しいからね。
「彩斗・・・今更止めはしないが、死ぬなよ・・・。」
「もちろん、あと一応高町家の人にも魔法のこととか話しておこうと思っているんだけど?」
「できれば話してほしくはないのだけれど・・・どうして?」
「予知夢の通りなら今年中に高町家の人は魔法を知る。だったら早めに教えといたほうがいいと思ってね。」
「そう・・・だったら私のことも話さないとね・・・。」
「そうだね。だから今日はこの後高町家に行っていてくれない?」
「わかったわ。それで ―聞こえますか? 僕の声が聞こえますか?― !!」
母さんが何か言おうとしているときにユーノからの念話が聞こえていた。
ちなみに父さんにはリンカーコアがないためこの中で唯一聞こえていない。
「今のが!?」
「そうだよ!ご馳走様でした。俺行ってくる。」
「気よつけろよ」
「必ず無事でね。」
「行ってきます。」
そういうと俺は玄関を飛び出る。
「初の実戦だ!行くぞキューフォー!!!」
《了解しました。マスター》
「レスキューフォース セェーット・アーっプ!!」
オレンジ色のバリアジャケットを身につけ俺は空へと飛んだ。
―動物病院前
なのはSide
私は目的地である動物病院の前までたどり着いた。
着くととても静かだった。運動していたので前世よりも少し早く付いてしまったかも。
そう思っていると、結界が張られていくのに気づいた。
結界が張られて少しすると、ユーノ君が動物病院の窓から出てきて姿を現した。
その後ろにはジェイルシードによって暴走している何かがいた。
私は急いで逃げているユーノくんを捕まえました。
追ってくる敵に対してプロテクションでガードしようとすると・・・
「うぉおおおおおおー!!!」
バリアジャケットを着た彩斗くんがそれをなぎ払った。
「ま、魔導師!?なんでこの世界に!?」
「説明は後でする。ちょっとこれ貸して」
そういうと私は落ちていたレイジングハートを手に取った。
「えぇ?わ、わかった君は魔力資質があるようだし。僕の指示に・・・」
彩斗くんは封印魔法を知らないから私にしか封印できない。
だから少し急いでいるので非情な気もするけど
ユーノくんの話を無視して前世の通りにする。
少し忘れていた部分も彩斗くんが予知夢で教えてくれたから大丈夫。
「我、使命を受けし者なり」
「契約のもと、その力を解き放て」
「風は空に、星は天に」
「そして不屈の心はこの胸に。」
「この手に魔法を」
「レイジングハート、セットアップ!」
《stand by ready.set up.》
刹那、レイジングハートが光だす。
私はすぐにバリアジャケットと魔法の杖をイメージする。
前と同じでもいいけど。前のは少し子供っぽかったので
前とは少し違ったバリアジャケットと魔法の杖をイメージした。
胸元はリボンではなくて金属にし、他の部分も金属の部分を増やした。
そして私はイメージしたとおりに変身した。
「起動に成功した!!??でもなんで詠唱を知ってるの!?」
「説明は後。レイジングハート!シーリングモード」
《・・・All right My master.Sealing mode.set up.stand by ready.》
レイジングハートがそう答えるとその姿がシーリングモード:デバイス形態へと変わる。
その時目の前で戦っていた彩斗くんが思念体に吹き飛ばされた。
「ぐっ!ちぃ実戦じゃまだこの程度か!なのはちゃん封印よろしく」
彩斗くんがそういったので私は詠唱を始める。
「封印すべきは忌まわしき器。ジュエルシード!ジュエルシードを封印。」
「リリカルマジカル。ジュエルシード、封印!!」
そういうと思念体は姿を消し、その場にジュエルシードが残った。
レイジングハートでジュエルシードを触れて回収する。
「一応初めてだったけど。ありがとうレイジングハート」
《No problem.master.》
「お前の才能が怖いよ。あぁユーノ今治療するから待ってろ。」
「ど、どうして僕の名前を!?」
「あぁそうだったな。近くに公園があるからそこへ行って話そう。いくぞなのは」
「うん、いくよユーノくん!」
「せ、説明してもらいますよ!!」
そういうと私達は近くの公園へと向かった。
なのはSide out
「さて何から話そうか?」
公園に着いた後俺はユーノにそう問いかける。
「えぇと・・・まずはお二人の名前を・・・。」
「ああ悪い、俺は九十九彩斗 彩斗って呼んでくれ。」
「私は高町なのは、なのはでいいよ」
「あ、はいそれで彩斗さ「呼び捨てでいい。なのはも」彩斗どうして君は僕の名前を?
そしてなんでなのははレイジングハートの起動の詠唱を知ってたの?」
「ふむ、なるほどね。ユーノ忠告しておくぞ。今から言うことはすべて事実、信じろよ。」
「わかった。それで・・・。」
「うん、まずね。・・・私転生者なの」
「はい?」
―説明中
「・・・つまりなのはは一度これと同じことを体験していて、彩斗は未来予知のレアスキルで
それを知っていた。彩斗は母親が元管理局員でデバイスは自分で作った。でいいのかな?」
「そうだよ。信じてくれる?」
「うん、確かに信じがたい話だけどそのほうがしっくりとくるし、なにより助けてくれてありがとう。」
そういうとフェレット状態のユーノがペコリとお辞儀をする。
「じゃあこれで終了ってことでいいな。後は家でも同じことを説明しないと。」
「えぇ!?私の家族にも言うの?」
「どうせばれるんなら早めに話しておいたほうがいい。転生者ってこともな」
「・・・・・・変に思われたりしないかなぁ・・・。」
そういうなのはの顔は何かを恐れているようだった。
確かに転生者ってばらすのは気が引けるよな。
俺はしたくないし。でもまあ
「俺には話したくせに家族には言えないってこともないだろう?」
「・・・・・・そうだね。話すよきちんと。」
「よし、じゃあ帰ろう。ユーノもな」
「はい」
そういって俺達は高町家へと向かう。
その足取りは少し軽かった。
―高町家
帰ってみると高町家の前に俺の家族と高町家の皆さんがいた。
「一体こんな時間帯に何をしていたんだ?二人して」
恭也さんがそういう。
まあ仕方ないね。
というかなのは、どうしてそんなに顔が青いのだ?
「それとなのは、どうして窓から外に出たんだ? 窓から出るという事はよほど外に出る事が気づかれたくなかったことなのか?」
あぁそういう・・・。
原作では玄関からだったはずだが、ばれない様にか
まあばれているが・・・。
「まぁ、可愛いフェレットじゃない」
そういったのは美由希さん。
普通ならこの空気にあわせてごまかすところだが・・・。
「高町家の皆さん・・・そして父さん母さん。重要な話があります。」
俺は真剣な顔でそういった。
「どうした?そんな真剣な顔して」
士郎さんがそういう。
「とりあえず中で話を聞こう。家に入って」
恭也さんにそういわれ皆は高町家の中に入っていった。
そして・・・すべてを話した・・・。
「なるほど・・・にわかには信じがたいが・・・。この目で見たからには信じるしかないな。
それに転生のことも・・・・・・・・・。」
今俺達は魔法の説明のためにバリアジャケットになっている。
なのはがレイジングハートを詠唱なしに起動させたときに
ユーノが驚いていたが気にしない。
「だからお父さん。ユーノくんのお手伝い・・・しちゃだめかな?」
「む・・・・・・・・・。」
「あなた折角なのはがわがまま言ってるのよ。聞いてあげたら?」
「お母さん・・・。」
「そうだな、それにそのジュエルシードをほおって置くと地球がやばいんだろ?」
恭也さんが言う。ちょっと予想外だったかな?
「うん、なのはが折角言ったんだし。」
美由希さん・・・その発想はおかしい。
「ごめんなさい士郎さん。本当は私がするべきなんだけど、管理局をやめたときにデバイス返しちゃってるのよ。
一応さっき連絡を入れたから管理局は来るには来るけど、万年人手不足の管理局来るころには地球がなくなっているかも。」
母さんが少し顔をゆがめ、申し訳なさそうに言った。
元管理局員だから責任感が強いんだな。
「士郎・・・みんながこう言ってるんだが、お前はどうする?」
「・・・わかった。構わない。だが本当に私達にできることはないのかい?」
「はい、なのはから聞いてあなたたちの強さは大体理解しましたが、
ジュエルシードを封印できるのはなのはと僕、あとは彩斗くんだけなんです。
それにジュエルシードがもしもあなた方に対して発動したら・・・。」
ユーノがフェレット状態でそういう。
「わかった。ありがとう。それでなのは、彩斗くん」
「なに?お父さん」
「何でしょう士郎さん?」
はて?士郎さんは何を・・・。
「決して無理はしないでくれ。これが私からのお願いだ。」
っ・・・・・・・。
「「はい」」
俺達は二人は思いを込めて返事をした。
「よし、それじゃあも遅いから二人とも寝なさい。」
「わかりました。」
そういって九十九家の人は自分の家へと帰っていった。
「あっユーノ。お前人間なんだからなのはの部屋はだめだな。俺のほうに来てくれ。」
「うん、わかったよ。」
「え!!ユーノくん人間だったの!?」
美由希さんが驚いて叫んだ。
他の人も顔には驚いたと出ている。
「人間の男の子、年は僕達とほぼ同じ・・・だよね?」
「そうだよ。9歳だ。」
「・・・待てよ、なのはお前は転生者でユーノが人間って知ってたんだよな?」
「ふぇ?う、うんそうだけど・・・。」
「男の子を自分の部屋に入れようとしていたのか・・・・・・。」
「うう、それは前世の通りにしようと思っていたから・・・。」
「まあまあ、とりあえずユーノくんはこっちで預かりますので。」
「・・・わかった。頼んだぞ彩斗」
「わかりました恭也さん。」
今度こそ本当に帰りました。
そしてジュエルシードの位置を探るため予知夢を発動させて俺は就寝した・・・。
???Side
「第97管理外世界・・・現地名称「地球」母さんの探し物、ジュエルシードは此処にある。行こうバルディッシュ」
《Yes,sir》
少女が呟くと、手に持っているプレート、バルディッシュがそれに答える。そしてその呟きは誰に聞かれる事なく夜の空に消えていった。
STORYは始動する・・・・・・。
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無印編です。
とりあえずいろいろ原作ブレイク。
そして彩斗くん空気・・・。
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