No.447365

魔法戦記リリカルなのは 二人の転生者の願い

DFGNEXTさん

こっちにもあの子が登場。
そして彩斗のこころにあるものが・・・?

2012-07-06 19:17:27 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1026   閲覧ユーザー数:1007

序章:始まりの鐘と

第四話「守りたい笑顔」

 

あれから四年後・・・。

俺たちは私立聖祥大学付属小学校に入学した。

ちなみにただいま小学2年生。

 

いやここ海鳴市って意外と公立の学校が少ないんだよねぇ。

だからなのはも同じってことも含めて人生初の私立に行くことに

あとここでも原作と違ったのが、私立聖祥大学付属の学校が大学まで全部男女共学だってことだ。

 

二次創作設定なら良く見るけど、実際に見るとクロノのあの台詞が思い浮かぶ今日この頃。

 

さて学校では早速アリサとすずかと再会していた。

なのはと俺はもちろん仲良くなり、昼休みはいつも学校の屋上で世間話をしながら昼食を摂っていた。

 

実はそのときマルチタスクを使いなのはと俺が念話で今後について考えているのだが・・・。

 

ジュエルシードが地球に来るまであと約一年。

とりあえずすべての事情をわかっている俺たちは

ジュエルシード集めでフェイトたちの邪魔をしないことを決めた。

 

ただなのはが「この時代のフェイトちゃんと本気の勝負をしたい!」といって

最初は前世どおりにするといっていたことに驚いたが、

 

まあそれは前世のとおりに動けば問題ないだろう。

最悪海にあるやつ以外は全部先に集めるのもいい。

 

ジュエルシードが前世のとおりにあるか知らないが、

俺の予知夢を使えば差ほど問題ではないだろう。

 

さて今現在は昼休み。

今回も四人で弁当を食べている。

 

「今日も平和で何よりだ。」

【なのはちゃん、御神流の修行のほうの調子はどう?】

 

マルチタスクを使い通常の会話と念話を並立して使う。

 

「うん、そうだね。」

【大丈夫だよ。お兄ちゃんからも才能あるって言われてるし】

 

「確かに平和なのはいいことね。」

アリサが言う。

 

「そうだね。私が変な人に絡まれても二人が助けてくれるし」

 

すずかがそう言った。

というのもすずかがいろいろな方面で絡まれるたびに

俺となのはがO☆HA☆NA☆SHIするからだ。

 

「それはどうも」

【ははは、やばい。近接戦で俺が負けそうw】

 

「当然のことをしたまでだよ。すずかちゃん」

【さすがにまだ勝てないよ。彩斗くん動体視力良すぎ】

 

「それでもありがとう。二人とも」

 

「ところで明日の休日みんなはどうするの?」

【空間認識能力がとんでもないなのはちゃんに言われたくないなあ】

 

「私は家の用事を、アリサちゃんもだよね。」

 

「そうね。二人は?」

 

「私も家の手伝いかな。休日翠屋忙しいし。彩斗くんは?」

【まあお互い様ってことだね。】

 

「俺は図書館に行く予定。機械関係の本読みたいから。」

【そういうことで、ところで日曜日は訓練するか?】

 

「そういえば彩斗くん機械関係の話題好きだよね。すずかちゃんも」

【そうだね。よろしくお願いします。】

 

「私は家の影響もあるかな。将来も機械関係の仕事に尽きたいし。」

 

「俺は単純に趣味の範囲だけどな。」

【こちらこそ。】

 

「そろそろ時間だね。教室に戻ろうか?」

 

「そうだね。行こうアリサちゃん、彩斗くん」

 

「了解」

 

「わかったわ。」

 

そういうと四人は弁当を片付け教室へと戻った。

今日も海鳴は平和である。

 

 

次の日

 

 

俺は海鳴市にある風芽丘図書館に来ている。

ここは結構多種類の本がおいてあり、子供向けから大人向けの難しい本までいろいろとある。

 

俺は入り口に入るとまず受付のお姉さんに挨拶する。

ここに来たのは1年前。小学校に入学した後小学校の図書館じゃ満足できなかったので

ここまで来たのがきっかけだ。

 

その後良く通うようになったので、受付のお姉さんには顔を覚えられた。

まあこの年齢では難しい本を借りるからな。

 

「こんにちは、雨宮さん。」

 

「こんにちは彩斗くん。今日も来てくれたね。」

 

こちらがそのお姉さん。名前は「雨宮可奈」

年齢は禁句とのこと。仕方ないね。

 

挨拶をした後はいつもの場所へ行こうとする。

が今日はいつもの道が清掃中で通れなかった。

しかたなく俺は別のルートで行こうとする。

 

 

数分後

 

 

「ふう、今日はこれぐらいにするか。」

そういう俺の手には厚めの本が3冊あった。

本当は限界である10冊まで借りたいのだが、手がふさがるのでこの数で抑えている。

 

本を仮に受付へ行こうとするがいつものルートではないので、

少しきょろきょろしながら戻ろうとする。

 

「く、うー・・・。」

 

そんな声がしたのでふと声がしたほうを見る。

するとそこには茶髪のショートカットに車椅子の少女。

 

「八神はやて」いた。

 

(へぇ~。この時期にもう図書館にいるのか)

 

どうやら上の棚の本を取ろうとしているが、車椅子に座っていせいで取れないらしい。

手を伸ばしているが、全然届く気配がない。

 

(今かかわるとややこしくなりそうだが、困っている人を放っておけないな。)

 

よし、俺が取ってやるか、と思い近くから子供用の台を持ってきて取ってあげる。

 

「これかな?」

「えっ、あっ、ありがとうな」

「ううん。気にしないで、他に取りたい本とかある?」

「え、っと・・・。それじゃあアレとアレを・・・・・・・・・。」

 

俺は言われた本を順々に取っていった。

一通り借りたいのが済んだのか、そのまま本を持ってカウンターに行った。俺もそれに付き合う。

 

「あ、あの、ありがとうな」

「どういたしまして」

 

俺はそう言うと本を借り、図書館を出る。

 

「よかったら家まで押していこうか?」

「え、ううんえぇよ。そこまでして貰わんでも。」

「気にしなくていいよ。今日は暇だし。」

「そ、それじゃあ送ってもらおうかな。」

「了解。」

 

そういうと俺は彼女の車椅子を押して帰り道を行く。

 

―帰り道

 

「今日はホンマにおおきにな。あっ私の名前は八神あやてや。あんたは?」

 

「へぇ~。名前は八神はやてって言うんだ。俺の名前は九十九彩斗。」

 

「彩斗くんかぁ。あ、私のことははやてでええよ。」

 

「じゃあそう呼ばせてもらうよ。はやてちゃん。」

 

「今後ともよろしくな。彩斗くん。」

 

「こちらこそ」

 

―八神家の前

 

「うちはここや。ホンマありがとな。」

 

「ううん。大丈夫だよ。ところでこんな大きな家に住んでるの?」

 

「そうやで、でも一人暮らしなんや。ちょっと寂しいかな。」

 

「えっ?一人暮らし?」

 

原作を覚えているとはいえ現実に見ると本当に驚く、

こんな小さな子が一人で暮らしてるなんて・・・。

 

確かに小さい子でも一人で家にいたり、家事をしたりすることもある。

アニメとかの話でも某八神家の長男が一人で目玉焼き作ったりしてるし。

 

でもそれは保護者がいることが前提だ。

こんな小さい子がいくら資金援助を受けていたって一人で暮らすなんて日本じゃまずありえない。

普通は施設に入るなり、親戚の家に行くなりするはずだ。

 

ましてや、はやてちゃんは障害持ちだ。

原作通りならこの障害は闇の書によるもの。

直す手段はこの世界にはない。

 

今は笑顔を見せているが、本当の気持ちはどうなんだろうか。

 

「小さいころ親が亡くなっていてほんでずっと一人暮らしなんや・・・。」

 

少し顔に曇りが出てきた。やっぱり寂しいんだ。

両親がいないって気持ちだけなら・・・俺にもわかる・・・。

 

血の繋がらない人でも家族になることはできる。

だからこそ俺はあの孤独に耐えられた。

だけどはやてちゃんはずっと一人だ。多分原作どおりならグレアムさんだけが

唯一の安心できる要因なんだろう。

 

「あっごめんな。暗い話してしもうて」

 

「あっううん。大丈夫。」

 

「そっか。それじゃあ、ありがとうな。送ってってもらって」

 

「うん、こっちもありがとう。また会えるといいね。」

 

「私はあそこの図書館か海鳴大学病院ってところにおるから、そこに行けば会えると思うよ。」

 

「それ・・・じゃあね!また会おう。」

 

「ほな、さよなら。また会おうな。」

 

そういうと彼女は飛び切りの笑顔を返してきた。

そのあと彼女は家の中へと入っていった。

 

俺はそれを見送ると家へと向かって走り始めた。

 

 

―九十九家

 

家に帰ったと俺は父さんと母さんと夕飯を食べる。

俺の食べる速度は常人よりはやい。もちろんよくかんで食べる。

 

「ごちそうさまでした・・・。風呂に入ってくるね・・・。」

 

俺はそう言うと着替えを持って風呂場に向かった。

 

「なあ、アルト。今日の彩斗変じゃないか?」

父親である修治がそう言う。

いつもの彩斗はもっと元気に、家族との交流を持とうと

明るくいろいろな話題を振ってくる。

しかし今日は心ここにあらずといった感じで、静かにご飯を食べていた。

 

「そうね。だけど別に何かに悩んでいるわけでも調子が悪いわけでもなさそう・・・。」

 

「なんだろうか?・・・・・・・・・。もしかして!」

 

「なにか心当たりが?」

 

「あの感じにあの顔・・・つまりこれだろ」

 

そういうと修治は右手の小指を立てる。

 

「それってもしかして」

 

「あぁ、あいつにも春が来たか」

 

そういう修治の顔はすばらしい笑顔だった。

 

「ふふ、だったらいいわね。あの子が好きになったのならきっといい子よ。」

 

アルトの顔にも笑顔がともる。

 

「良かったら俺たちにも紹介してくれるとうれしいな。」

 

「そうね。ふふ。」

 

二人はいろいろと盛り上がっていた。

 

 

数時間後・・・

 

 

風呂から上がった彩斗は歯を磨いた後ベッドにうつ伏せで寝ていた。

しかし胸の奥にあるもやもやが彼の眠りを妨げている。

 

「どうしちゃったんだろう・・・なんか胸の奥がむずむずする・・・。」

 

風呂から上がったけどこのもやもやは取れなかった。

前世でも経験してなかった症状だった。

 

今日はやてちゃんと別れてからだ。

 

夕飯を食べても風呂に入っても歯を磨いてもとれなかった。

 

いろいろ悩んでいたが、あるものを思い浮かべるとそれは少し和らいだ。

 

「あの子の笑顔・・・。作り笑いとかじゃなくて本当のものだった・・・。」

 

それははやての笑顔だった。

 

うそ偽りのない純粋な笑顔。

彼のもやもやはそれで大分晴れていった。

 

「あの笑顔は・・・絶対に守りたい。闇の書の主になったからってあの笑顔を消す理由には絶対にならない!」

 

彼はそういって手を握り締める。

そして決意する。

 

「あいつの笑顔は・・・俺が守るんだ」

 

彼の顔には決意が溢れていた。

 

 

これが彼の初恋だった・・・・・・・・・。

 

 


 
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