「おい! 大丈夫か! 一誠!」
俺は一誠の体を揺らす。すると、一誠は意識を取り戻した
「くそ…済まない。俺がもっと早く来ていれば…」
「クリス…今籠手にドラゴンの力を宝玉に移した。これをお前に
渡す。受け取ってくれ」
一誠は俺に渡してきた。力があふれてくる。
渡した瞬間、一誠は気絶した。
「一誠…お前はよくやった。だから少し休んどけ」
一誠を部長のところへ連れて行くと
「部長…一誠をよろしくお願いします」
「クリスは…」
「俺は…ライザーと闘って来ます。大丈夫ですよ。負けませんから」
そう言うと、俺はライザーのところへ向かった。
◇
「ライザー。俺はお前を許さない」
俺はキンジの武装からアッシュの聖騎甲(アーク)に変えた。
「万物を切り裂く鋼鉄(はがね)にして…騎士の中の騎士にふさわしき
聖剣よ―――――その銘は…エクスカリバー!」
俺の両手に巨剣が顕現した。周りの悪魔達は騒いでいる。
「何…? 聖剣だと!?」
ライザーは明らかに動揺していた。悪魔は聖剣に弱いからな。
「だが、不死鳥の炎はドラゴンの鎧すら傷をつける。聖剣といえど
ただでは済まないはずだ!」
ライザーは羽から炎を出した。これは危険だ。
だが、俺は炎に向けて駆け出した。
この剣の特性はすべてを斬り裂く。たとえ…炎でもな!
「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」
俺は炎の中を走っていく。
この炎が当たったら俺は消えるだろう。でも、聖騎甲(アーク)の加護は
最強だ。たとえ数百mから落ちても傷すらつかないからな!
「何故だ! 何故お前はそこまで頑張る!?」
「俺は、この力で部長や一誠達の敵を断ち切ってみせる!それが龍や天使でもな!」
俺は全速力で走った。ここから『桜花』へ持っていく…!
「うおぉぉぉぉぉぉ!!」
膝、腰、肩、肘、手首、これだけあれば充分だ!
―――――――『桜花』―――――――――!
エクスカリバーから円錐水蒸気(ヴェイパー・コーン)が放たれ、衝撃波で腕から
血が噴き出す。
とうとう、炎から抜け出した俺は、超音速の突きを繰り出す。
ザシュッッ!!
「うがぁぁぁぁぁ!!」
きれいに右腕が千切れとんだライザーはフラフラになりながらも
立っていた。
「俺は…不死だ。これくらいでは……負けん」
俺を纏っていた聖騎甲(アーク)は霧散していった。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
聖騎甲(アーク)は霧散して…おれは疲労困憊。絶体絶命だ
それでも戦わないといけないんだ!
俺は緋アリのヒルダの武装になった。黒のフリフリのロリータ衣装。
そして…魔臓(まぞう)で傷が癒えていく。
不死鳥の力で完全回復したライザーは
「これで…形勢逆転だな。諦めろ」
「いやだわ。私も傷が癒えているから。さぁ…第二ラウンドよ」
私は三叉槍(トライデント)を構え、向かっていく。
「俺に何度も攻撃しても意味ないぞ」
「はぁ!」
私は三叉槍で何度も突き刺す。…が、ライザーは何度も復活していく。
私は紫電化して、突きのスピードを上げていく…
「無駄無駄。俺には効かない」
「ふふっ。それはわからないわ。不死鳥(フェニックス)の復活も無限な訳ではない。
復活するさいには精神力を消費する。だから、何度も突いていけば
復活できなくなる」
そう言うと、ライザーの表情から余裕の色が消えた。図星ね。
突きのスピードはドンドン上がっていき、先からパァン! パァン! と
発砲音に似た音が出てきた。
復活しているライザーの顔には疲れの色が見えている。
私はシャーロックの武装に変え、スクラマ・サクスで突く。
「はぁ…消えろ!」
ライザーが炎を俺目掛けて放ってくる。ゼロ距離で当たると思ったんだろう
でも俺はそれを避けた。来る場所は推理(・・)できていたから。
「何!?」
「ははっ。ライザー。お前が攻撃してくるのは推理できるんだよ」
俺はライザーから距離を取った。目を瞑り、集中する。
すると俺の体から緋色の光が現れてきた。
「これで…この世から消えるんだ。『緋天・緋陽門』」
指先に緋色の光が集まっていき、そして―――――
パァァァァァァァァァン!!!
音も無く、ライザーの横を通り過ぎ緋天は壁にぶつかり、
壁は跡形も無く消え去った。
会場にいた皆は驚いているようだ。ライザーは…
「………」
ドサッ!
気絶して倒れた。どうやら、心が折れたらしい。
「…いい勝負だった。あなたの心が直ったら、また勝負しましょう」
俺は、ライザーの妹のところへ行き
「ライザーが起きたら言ってくれ。"また、勝負しましょう"と」
「わ、わかりましたわ」
俺は今度、部長のお兄さんと思われる人のところへ向かった。
「では、リアス部長を連れて行きます」
「わかったよ。連れて行くがいいさ」
と起きている一誠に肩を貸して、
「部長。帰りましょう」
俺達は、部室へ向かった。
今回も、これにて一件落着だな。
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神様の悪戯で、死んでしまった俺―――神矢クリスはハイスクールD×Dの世界に転生した。原作の主人公、兵藤一誠らに会っていろんな事に巻き込まれる。