No.446823

プロローグ3

プロローグ3です!

2012-07-05 22:39:42 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2300   閲覧ユーザー数:2237

「・・・大丈夫か?」

 

泣きやんだ一誠を心配そうに尋ねる

 

一誠 「うん・・・ごめんね」

 

目を真っ赤にしながら謝る。

 

「・・・気にするな」

 

照れながら言う

 

一誠 「ねぇ」

 

「何だ?」

 

一誠 「お父さん達を殺した人達って・・・」

 

「聞いてどうする」

 

一誠 「えっ?」

 

「もう一度言う。聞いてどうする」

 

一誠 「・・・・・」

 

「よもや、復讐したいと言うのではないだろうな?」

 

一誠 「!?」

 

核心を突かれ驚く

 

「(やはりか・・・)やめておけ、今のお前では返り討ちに遭い殺されるのが火を見るより明らか

だ」

 

一誠を止めようと説得したが一誠は諦めず

 

一誠 「だけど!」

 

「甘ったれるな!」

 

吠える様に大きく怒声を上げ

 

「貴様が復讐などとしてだれが喜ぶ!?ましてや貴様は、奴等に護られた様な命だぞ!」

 

一誠 「護られた・・・?」

 

「お前の中にある神器(セイクリッド・ギア)の名は神愛護珠」

 

一誠 「神愛護珠?」

 

「この神器は本来、護りの能力だ。その他にも能力が有り、その発動条件が特殊なのだ』

 

一誠 「どんな条件なの?」

 

「それは愛だ」

 

一誠 「あ・・・い?」

 

「愛する想いが強ければ強い程、神愛護珠の能力が高まり強くなり」

 

一誠 「・・・・・」

 

「逆に愛する想いの力が弱い程【神愛護珠】の能力も弱まり効果が無くなる・・・・・分かるか?奴

等は死んでも尚!貴様の身を!幸福を!案じた結果!貴様の神愛護珠が発揮して、もう一つの神器

(セイクリッド・ギア)が今の貴様では来られるような処ではない我が支配するこの次元の狭間まで

送られて来た!」

 

一誠 「――――っ」

 

一誠は両親が死んでも尚も一誠の事を案じていた事が理解した瞬間、静かに涙が流れ出る

 

「今でもその力が続いている。後ろを見ろ」

 

一誠 「えっ・・・・・!?」

 

言われて後ろを振り向いたそこに

 

誠・一香 《・・・・・》

 

一誠 「お父さん・・・お母さん・・・・・?」

 

二度と会うことの無いはずの両親がいて一誠は驚愕そして唖然となる。

 

「その姿で会うのが残念だが、久しいなお前等」

 

誠・一香 《ああ(ええ)久しぶり》

 

一誠 「お父さん・・・?お母さん・・・?どう・・・して・・・?」

 

一香 《一誠、貴方の中にある【神愛護珠】はね、もう一つ能力が有るの》

 

一誠 「もう一つの能力?」

 

誠・一香 《それは【最後の贈り物】(だ)》

 

誠 《【最後の贈り物】の為にまずは一誠、お前のもう一つの神器(セイクリッド・ギア)『時空・

次元航路』で、この次元の狭間に送らせようとお父さん達は決めたんだ》

 

一香 《私達の身に何かが遭った時は一誠を次元の狭間までの移動魔方陣を発動させる様にしたの》

 

一香 《それが今、起きてしまった。》

 

一誠 「どうして、お父さん達は何で殺されちゃったの?悪い事したの?」

 

誠 《お父さん達はね?神器(セイクリッド・ギア)とは別の理由で狙われていたんだ。》

 

一誠 「どうして?」

 

一香 《私達の事を教えなきゃならないね》

 

誠達は自分達の事を話す

 

一香 「太古の昔とある力を秘めた一族が存在していた。その一族の名前は兵藤、私達の名前だ。兵

藤の者は規格外な力や人より長く生きられる命や秘めた能力が有るの、それも様々な存在達を・・・

神をも殺す力も秘めている。まぁ、神器(セイクリッド・ギア)の事だけど」

 

誠 《その力は、お母さんにもある。兵藤に嫁いできた者は全員、秘められる》

 

一香 《そして、それを恐れた様々な存在達に兵藤は根絶やしされた。特に私達は兵藤の中では周り

を圧倒する程の力が有ったから何度も襲撃された。》

 

誠 《そこで私達は偽の情報で死んだ事にして兵藤の名を忘れる時が過ぎるのをこの次元の狭間に隠

れた。》

 

 『あの時は驚いたぞ』

 

思い出したのか遠い目をした

 

誠 《長い、長い時が流れ私達は、忘れられたと思い次元の狭間から出て、人間界に戻った。それか

らの私達は、各地色んな場所に行き人と触れ合い人助けもした。》

 

一香 《助けた人達の中にその後、有名になった人達もいたわ。今では魔王や神と名乗っている娘も

そう、》

 

一誠 「そうなんだ」

 

誠 《まぁ、話は戻すとして私達は一誠が生まれた時に神器(セイクリッド・ギア)をお前に宿し

た。》

 

一香 《その時、そこにいる友達と協力して貰ったの、神器(セイクリッド・ギア)は抜かれると死

んでしまうからね。》

 

誠 《だけど、お前の既に神器(セイクリッド・ギア)が有った。それでも、お父さん達はお前に私

達の神器(セイクリッド・ギア)を宿した》

 

「友よ、一つ聞く」

 

誠と一香に訊く真紅のドラゴン

 

『何故この子をこの次元の狭間へ送り出した・・・?魔王や神の処でも送り届ければいいのではない

か?何故だ?』

 

誠・一香 《・・・・・》

 

「それに何故、我が支配する次元の狭間にした?その気になればここより安全な場所があるはずだ。

そちらの方に送り出せば良いのではないか?」

 

一誠を送り出した事と他の処では駄目なのかと訊く。

 

誠 《ん、確かにそうだけどね?》

 

一香 《まぁ、此処に選んだ理由は》

 

誠・一香 《あなたなら一誠を任せれると信頼しているから》

 

「・・・・・」

 

口を開けながら。そんな理由で?と呆れたが同時に。

 

「(信頼しているからか・・・やはり、こいつ等には敵わん・・・)」

 

どこか嬉しく思う自分がいた。

誠 《友よ、駄目かな?》

 

心配そうに尋ねる。

 

「・・・安心しろ、元々我が面倒を見ようと思っていた。」

 

一誠 「えっ!?」

 

いきなりなことで驚愕する。

 

一香 《ありがとう》

 

誠 《ふぅ~駄目なのかと思ったよ、心配した。》

 

承諾を得て一安心する両親

 

一誠 「ちょっ、ちょっと!お父さん!お母さんどう言う事!?」

 

なにやら雲行きが怪しい会話だったので説明を要求する

 

一香 《一誠、貴方この先一人で生きていけるの?》

 

 

一誠 「うっ!?」

 

一誠は頭が良く料理はプロ級だが、社会的に幼い一誠では一人で生き抜くには無理難題なこと。

 

誠 《それにまた。あいつらみたいな者達が襲われたら今度こそどうなるか理解できる筈だぞ?》

 

一誠 「・・・・・」

 

確かにまだ両親を殺す程の者達が多くいるとなると、今の一誠では抵抗をする術も身を守る術もな

い・・・・・

 

誠 《そこで我が友よ、お願いが有る。いいかな?》

 

「何だ?」

 

誠 《一誠にもこの次元の狭間に住まわせてもらえないだろうか?》

 

「な、なに!?」

 

誠の発言に驚愕の声を出す

 

一香 《?どうして驚くの?》

 

『当り前だろう!此処は次元の狭間だ!我やお前達みたいな者ではなければ生きられない!ましてや

この子はまだ幼すぎる!何時までも居られる訳ないぞ!?』

 

誠 《大丈夫!君は此処の支配者でしょ?何とでもなるよな?》

 

「だ、だがなっ・・・・・・」

 

一香 《それとも・・・・・》

 

ズズズズズズズズ・・・・・・・・・・

 

おもむろに顔を近づけ

 

誠・一香 《まさか?自由に泳げなくなるのが嫌だから住まわすのを断るなんて・・・・・ないよ

ね?》

 

表情は笑顔なのだが目が・・・笑っていなかった。

 

「いっいえ、そんな事無いです・・・・・ハイ・・・」

 

真紅のドラゴンは冷や汗を流しながす

 

誠 《良かったな!一誠!》

 

一誠 「うっうん、(なんか初めてお父さん達の怖い処を見たよ・・・)」

 

真紅のドラゴンが可哀想とは思っても、両親の顔を見て何も言えなくなる。

 

誠 《一誠》

 

突然、真剣な顔で一誠を呼ぶ

 

一誠 「はい」

 

真剣さが伝わり一誠も気を引き締める。

 

誠 《復讐なんてするなよ?》

 

一誠 「・・・・・」

 

一香 《私達をこんな目に遭わしたあいつ等を許そうとは思わないし許したくないわよね?実際に私

達もそう思っている》

 

誠 《だからって、お前の人生を無駄にさせたくない・・・分かってくれるな?》

 

一香 《憎むなとは言わない、でもいつまでも心優しい貴方でいてね?》

 

誠 《それでも納得がしないなら、あいつ等をお父さん達の分まで殴り倒せ!いいな?》

 

一誠 「・・・はい!」

 

明るく返事を返す

 

一香 《一誠》

 

一香に呼ばれる

 

一香 《私達との約束を・・・願いを聞いてくれる?》

 

一誠 「何?お母さん」

 

一香 《私達はね一誠》

 

誠・一香 《どんな形であろうと一誠が幸せになって欲しい事》

 

誠 《お前の人生はこれからだ。友と次元の狭間で住み、お前の好きに生きると良い》

 

一香 《先程も言ったけど復讐なんてしてはいけないわよ?》

 

再度、釘を刺す。

 

一誠 「解ったよ」

 

誠 《一誠、こっちに来なさい!》

 

一誠 「うん、分かった」

 

誠に近づく

 

誠 《お前にこれとこれを渡そう》

 

誠は両手を抱えるようにした瞬間

 

パアアアアアッ・・・・・

 

両手が眩しく光りだした。

 

一誠 「っ!?」

 

あまりの光の量で視界が遮られ収まる頃には、誠の両手には二つの古の箱を抱えていた。

 

一誠 「これは?」

 

不思議に思い聞くと

 

誠 《これはお父さん達がとある遺跡で見つけた神器(セイクリッド・ギア)それも神滅具(ロンギ

ヌス)と呼ばれる代物だ。しかも二つある。一誠なら使いこなせるだろうと用意した物だ》

 

『だが、神器(セイクリッド・ギア)の多くは人間達が所持しているが神滅具(ロンギヌス)は現時

点で13種しか確認された物ではないか?』

 

誠 《確かに【神器】は≪聖書の神≫が創ったシステムだ。なので、先天的に神器(セイクリッド

ギア)を宿すのは人間、もしくは人間の血を引く者達のみだ》

 

一香 《人工の神器(セイクリッド・ギア)は創られているけど神滅具(ロンギヌス)の創作は不可

能な事は知っているわよね?》

 

「ああ」

 

一香 《私達2人が各地、色んな処に冒険していた時、偶然洞窟を調べていたら奥に古い遺跡を見つ

けてね?奥に進んだ処に高い場所に祭壇を見つけたのよ。祭壇の上にこの2つの箱があって、私達な

り調べた結果、《神滅具|ロンギヌス》だった。でも・・・古の歴史書も黙示録にも記されていない

神滅具(ロンギヌス)驚いたわ13種ではなく15種だったのよ。》

 

誠 《きっと現代の者達でも知らされてない上に、見た事も聞いた事もないだろう。》

 

「そうか・・・」

 

一香 《一誠、貴方ならきっとこの【神滅具】を使いこなせるわ!頑張って!》

 

 

一誠 「うん!分かった!」

 

大事に一香と誠から手紙と二つの古の箱を渡され

 

誠 《・・・さて、そろそろだな?》

 

一香 《・・・ええ、》

 

一誠 「えっ・・・・・!?」

 

突然両親から光りだし淡い光が粒子になって体が透けてゆく

 

一誠 「どっどうして!?」

 

一香 《言ったでしょ?私達は死んでいるの、何時までもこの世にはいられないの》

 

『その割には長く居続けたな・・・』

 

真紅のドラゴンの突っ込みはスル―された。

 

誠 《一誠。お父さん達は何時までもお前の此処にいるからな?》

 

 

トントン

 

一誠の胸(心)を指で突く

 

一香 《一誠。これを受け取りなさい》

 

一香と誠の胸から淡い光の塊が一誠の胸の中に溶け込む。

 

一誠 「温かい・・・・」

 

 

一香 《それは私達の愛の光。悲しい時、寂しい時、辛い時が来るでしょうその温かさを思い出しな

さい、きっと乗り越えるわ。》

 

誠・一香 《そして、最後にこれを・・・》

 

誠と一香がお互い手を握りそれぞれ一誠の手を重ね輪なり

 

誠・一香 《ハアアアアッ!》

 

オオオオオッ・・・・・

 

一誠に蒼い光が流れ込む

 

一誠 「お父さん、お母さんこの光は何?」

 

誠 《お前を永遠に生きられるようにした。》

 

一誠 「えっ?・・・・・・えええええぇぇぇぇぇ―――――――――!!!???」

 

誠の発言で呆け理解した瞬間。驚愕する、

 

一香 《大丈夫♪身体は成長するし調整もできちゃう様にしたから問題ないわw》

 

一誠 「いやいや!?問題でしょ!?いきなり不老不死!?てかっ、本当に何者なの!?お父さん達

は!」

 

誠 《問題ないよ、それに何者って言われても普通にどこでもいる人間で一誠の親だ。まぁ、ちょっ

とお父さん達は色々と有名人だからね。アッハッハ!》

 

『本当に色々と有名だ。お前等は・・・』

 

誠 《それともこんなお父さん達は》

 

誠・一香 《嫌い?》

 

悲しく寂しそうに聞く

 

一誠 「嫌いじゃない!」

 

大声で返事をする

 

誠 《なら、良かった。これで安心して逝けるよ・・・》

 

 

2人はどんどん光の粒子と消え同様に身体が透けてゆき

 

一香 《一誠、最後にもう一度言います。何時までも貴方の心の中にいるわ》

 

一誠 「っ・・・はいっ!」

 

誠 《そして君にはこれを・・・》

 

『これは?』

 

誠 《一誠の三つ目の【神器】の名と使い方が記した物だ。》

 

 

『なるほど、分かった。』

 

誠の言いたい事が理解し頷く

 

誠 《友よ、これで会うのは最後になるが息子をよろしく頼む》

 

一香 《よろしくお願いね?》

 

『あぁ、分かっている。我も、涙を流す処は見たくないからな。強く育てるだから、安心して眠るが

いい』

 

誠・一香に最後の別れの言葉を言い

 

誠・一香 《一誠》

 

一誠 「お父さん・・・お母さん・・・」

 

誠と一香と本当の最後の別れとなり

 

ダキッ!ギュッ!

 

 

お互い抱きしめ合い

一誠・誠・一香 『さようならっ・・・・・!』

 

兵藤家の家族は静かに涙を流し誠・一香の身体はとうとう光の粒子となって一誠の身体の中へ溶け込

み消えた・・・

 

次元の狭間には真紅のドラゴンと自分の腕を胸に抱える様に抱きしめながら涙を流す一誠のみとなっ

た。

 

 


 
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