「とりあえず二人の様子はどうですか?」
「ぐっすり寝ているよ。それにしても、本当に治すなんて……」
「でも、心臓が一人止まった時はさすがにちょっと焦りましたけどね」
私は先ほどまで死ぬ寸前だった二人を治し、客室の一つに二人をくーちゃんに寝かせておくようにしまし、それからくーちゃんとまた合流してアリサちゃんが居る応接間に向かっていました。
それにしても、初めてやったのに本当に成功するとは思いませんでしたよ。恐るべし私の記憶力。前の時に私が取り押さえた
でも、そうでなければこんな実験できませんでしたし、
え、どうんな実験をしたかですか? それは秘密です。後の楽しみと思ってください。
とりあえず今はアリサちゃんの所へ早く向かわないとですね。
「さて、やっと着きましたね」
私は応接間の入り口の前に来ると、ついそう言っていました。
だって、地下へとつながる階段から応接間のところまで七分以上かかるんですよ。本当にすずかちゃんのお家だってそんなに掛かりませんよ……
そうおもながらも私は応接間のドアを開いて中に入ることにします。
中に入ると応接間のちょうど中央の椅子でアリサちゃんが紅茶を飲んでのんびりしていました……紅茶?
「あのアリサちゃん。何処から紅茶を淹れてきましたか?」
「ん? なんか暇だったからこの部屋を回ってみたら、なぜかそこの棚にいろいろな紅茶の種類があったから、勝手に一つ借りて飲んでたの」
……なんでそんな棚がこの建物にあるのですか? 私知りませんのですが。
そう思ってくーちゃんの方を見ると、なぜか少し冷や汗を掻いているような気がしました。犯人はくーちゃんですか。
いつの間に紅茶の葉とティーセット買ったのでしょうか? っていうよりくーちゃんってそこまで紅茶好きだったのですか?
まぁ、それは後で聞くにして今はアリサちゃんの件を片づけないといけませんね。
そう思って私はアリサちゃんが座っているところから、テーブルを挟んで反対側の椅子に座り、アリサちゃんを連れてきた理由を話すことにします。
「さて、どうして私がアリサちゃんを連れてきたかというと、もしかしたらアリサちゃんに魔力があるかもしれないからです」
「え? でも前になのはは私には魔法が使えるほどの魔力はないと言ってなかったっけ?」
「確かにそう言いましたが、なぜか今は魔力をかなり感じだれるからです。まず質問ですが、今私が考えてる事は分かりますか?」
今日アリサちゃんと会った時に、どうして私の心が続けざまに読めるのかと思ったのでまず聞きました。
ちなみに私が考えてたことは目の前にあった紅茶を見て、紅茶を飲みたいと意識して考えることにしました。
そしてアリサちゃんは私の質問の問いにすぐに答えるのでした。
「……紅茶が飲みたい」
「正解です。それじゃあくーちゃん、なんでもいいですが何か考えてくれますか? なるべくアリサちゃんにも分かる簡単な事でお願いします」
「うん分かった」
くーちゃんはそれから何かを考え始め、それをなんとなく察した私は少ししてからアリサちゃんにまた問いかけます。
「じゃあアリサちゃん、くーちゃんが今何を考えているか分かりますか?」
「う~ん……翠屋のケーキが食べたいかな?」
「くーちゃん、当たってますか?」
「……当たってる」
くーちゃんはまさか自分が考えていることが当てられるとは思っていなかったらしく、驚いているような感じでした。
やはり、アリサちゃんは他人の考えていることが分かるようですね。ついこの前までそんな感じはありませんでしたし、覚えたのはここ最近でしょう。
「さて、次にやってもらいたいことがあるのですが、建物の中でやるのは危ないので一度外に出て、庭に行きましょうか」
「分かった」
「あ、くーちゃんはもうすることがありませんので、眠っている彼女たちに付き添っていても良いですよ」
「じゃあ、私はそっちに居るよ」
私たちは一緒に応接間から出ていき、くーちゃんは応接間から出てすぐに、先ほど私が治した彼女たちがいる客室へと向かい、私とアリサちゃんはエントランスへと向かって、外へと出ていくのでした。
外に出ると庭の中央付近まで歩いて行き、そこで私は立ち止まってアリサちゃんの方へ振り向きます。
「さて、アリサちゃんの魔法はもしかしたら周りに被害が及ぶかもしれませんので、なるべく周りには使わないでください」
「分かったけど、私はどうすればいいの」
「まず右手か左手を前に出して、手のひらを上にしてください」
私の言われた通りにアリサちゃんは右手を出して、手のひらを上にしました。
「言われた通りにやったけど、この後はどうするの?」
「右手に何かを出すように思ってください。体から出すような感じで」
「わかった。やってみる」
アリサちゃんは目を閉じて意識して始めました。
見ているだけなので魔力の流れを知ることしかできないので、私はアリサちゃんの魔力の流れがどうなっていくかを見ることにします。
アリサちゃんの魔力はだんだんと右手に集まってきて、そして手のひらの上で炎が現れるのでした。
そしてアリサちゃんは目を開いて、驚いていました。
「すごい!! 私の手から火が出るなんて!!」
アリサちゃんは驚いていましたが、それから少しすると炎は消えてしまうのでした。
「あ、消えちゃった」
「それはアリサちゃんが意識をしてないからですよ。それにしてもやっぱりですか……」
「やっぱりって何が?」
アリサちゃんは何のことというような顔をして首を傾げているのでした。
「とりあえず結論から言いますと、いつの間にかアリサちゃんには魔力があるのです。実は行く前にアリサちゃんに触ったのは魔力が流出してないかと思いまして」
アリサちゃんの体が熱いとは思いましたが、私があの時したかったのはアリサちゃんから魔力がかなり流失しているように思えたのです。案の定魔力が流出しており、それが分かった私はすぐにアリサちゃんを連れてきたという事なのです。
「それで一つ聞きたいのですが、ここ最近アリサちゃんの周りで何かありませんでした? 何でもいいですので」
「ここ最近? あ、そうそう。昨日なのはに会いに来たかったのはもう一つあって、またジュエルシードを見つけたの」
アリサちゃんは思い出したかのようにポケットからジュエルシードを出してきましたが、ようやく私は原因が分かりました。
ジュエルシードを見る限りまだ発動しているわけではないのですが、多分ジュエルシードを見つけたアリサちゃんがずっと持っていたおかげで、僅かながらあったアリサちゃんのリンカーコアがジュエルシードによって増幅してしまったのでしょう。どういう原因でそうなったのかはわかりませんが、魔力が流出している量からしてかなりの魔力が蓄えられるかもしれませんね。
とりあえず今はその流出している魔力を何とかしませんと……
「アリサちゃん、今自分の周りにであふれている魔力を抑えることはできますか?」
「よくわからないけど、やってみる」
アリサちゃんはあふれている魔力を自分の中に戻すかのように意識するのでした。
すると先ほどまでアリサちゃんの流出していた魔力はなくなっていき、魔力も感じられなくなりました。
「こんな感じでいいのかな?」
「多分大丈夫です。それで、どうしてアリサちゃんに魔法が使えるようになったかは詳しく分かりませんが、多分ジュエルシードを近くにあったからだとは思います。とりあえずこれは封印していいですよね?」
「あ、うん。別に構わないけど」
アリサちゃんは私にジュエルシードを渡し、私はそれをレイジングハートに取り込みました。
「さて、本当ならこれでアリサちゃんを地球に返したいのですが、まだ私がここに居ないといけませんので。どうせ先に帰そうとしてもここに居ようとするでしょ?」
「うん、その通りだけど?」
……はっきりと言われましたね。しかも即答で。
まぁ、そう答えることは分かっていましたけど、ちょっとぐらいは渋って欲しかったです。
「……それじゃあ、地下以外は何処に居ても良いですから、地下には絶対に来ないでください。あ、一応ここは温泉もあったりするので」
「えっ!? そうなの!?」
「えぇ、買った私ですら驚きましたけどね……」
実は昨日の作業を終わらせてから風呂に入ったのですが、まさかの温泉だったので驚きました。温泉を引いてもあの値段で済むってどういう事なんでしょうねと改めて思いましたよ。
「とりあえず、自由にしても良いですので。まぁ、建てたばかりなので余り暇を潰せる事はないのですけどね」
「わかった。地下にはいかなければいいのね」
「その通りです。それでは私はやることがありますので」
「そのまえに一つ聞きたいのだけど、あのくーちゃんって誰よ?」
あ、すっかり紹介するの忘れていました。後でくーちゃんにも教えておかないといけませんね。
「くーちゃんは私の使い魔です。かなり前から居たのですが、私の頼みでいろいろと任せて」
そう言って私はアリサちゃんと離れて、今日の本来の目的をやっと取り掛かることにするのでした。なんだかんだで朝からいろいろとありましたからね。アリサちゃんの件もそうですし、くーちゃんが急に大けがをしている人を連れてきましたし……
そして私の作業が終わったのが夕方頃で、アリサちゃんと一緒に温泉に入ってから二人で帰りました。くーちゃんはまだ目覚めない二人を見るという事で残るらしいです。
地球に戻って、少し歩いてからアリサちゃんと別れ、私はどこにもよらずに家に帰るのでした。
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新暦85年、高町なのははある任務の途中で死亡する。
任務は全て嘘であり、全てはなのはを殺害するための一部の管理局員による計画だった。
なのははその計画通りに殺されるが、その任務に向かう途中に偶然何故か落ちていた拾ったジュエルシードによって、なのははタイムリープをするのだった!!
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