「あ！あおい…ちゃ…ん？」

「あぁ、なのはか…おはよう………どうしたの？」

「あ、葵ちゃん…そ、その格好って男の子用の服……だよね？」

……………………………あ。

わ～す～れ～て～た～…………………だけど今なら、ばらしても大丈夫だろう。そして面白い方向に持って行こう。

「？僕は男の子だよ？」

「え？………………ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!???!!?!!??!!?!!???!!」

とても大きな声だった、ドラクエの雄叫びよりあるんじゃね？さすが魔王と呼ばれるだけのことはある。何か隣では桃子さんがクスクス笑ってるし………………………絶対に気づいてたな桃子さん。

「あれ？言ってなかったっけ？」

「初耳だよ!!!!」

まぁ、言ってないしねぇ。

「ごめんごめん、そっちの方がおもしろいと思ってつい………。」

「面白いからって黙ってるなんてひどいよ！」

「ほんとにごめんってば」

「………反省してる？」

「ボク、ハンセイ、シテマスヨ？」

「なんで片言でしかも疑問系なの!?」

「なのはをいじるためだけど……」

「うにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

おぉ……初めて聞いたなこの叫び

「どうしたんだ、なのは!?いったい誰のせいでこんな風に…」

「葵ちゃん！……じゃなくて葵君のせいだよ!!!!!」

「…………え？」

「うにゃぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

可哀想だからそろそろ止めてあげよう。そんな事を思っていると見知っている人が見えた。

………あれはすずかだな。

「すずかちゃ〜ん」

そう言うとすずかはこっちを見て、小走りでこっちに近づいてきた。

………………反応が楽しみだなぁ。

「葵ちゃんおは……よ…う」

おぉ、見事に固まったな

「おはよう、すずかちゃん……どうしたの？」

「ねぇ、葵ちゃん。何で男の子の制服を着ているの…？」

「それは僕が男の子だからだよ」

「…………え？」

よし、耳栓装着。

「ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!!?!??!?!!???!?!!?」

すずかもなのはと同じぐらいか……。

「え!?えぇ!?だって前聞いた時は女の子って……」

「あぁ、それは嘘で本当は男の子なんだ」

「えぇ〜…………じゃあ、何で嘘ついてたの？」

「そんなの決まってるじゃないか……………………そっちの方が面白いと思ったからだよ」

「へぇ〜それなら仕方ない……………わけないよ!!そんな理由で嘘付かないでよ！」

「ごめんごめん、つい出来心で……」

「まったくもう……………………ところでそっちの子は？」

「あぁ、紹介がまだだったね……。こっちの子は高町なのは。すずかちゃんと出会う前に出会ったんだ。そしてなのは、こっちの子は月村すずかちゃん、なのはと出会った後に出会ったんだ」

「…………そうなんだ…。よろしくね、なのはちゃん」

「こっちこそよろしくね、すずかちゃん」

…………今思ったんだけどこの二人、体の割に精神年齢高くね？…………………え？僕の精神年齢？………………僕の精神年齢はもう大人になってるよ。そう思っているとなのはが

「そう言えば葵ちゃ…………葵君はクラスどこだった？」

「えっと…………僕は２組、なのは達とは違うクラスだね」

面倒な事に巻き込まれずにすむと思うと安心する。

「そっか、残念だなぁ………………あっ、でもお昼はお弁当一緒に食べようね、葵君。」

なん……だと!?クラスが違うから大丈夫だと思って、喜んでいたのにそこで魔王からの誘いだと!?流石、将来魔王になるだけのことはあるな……。しかしどうするよ僕、断ると言う手段もあるけど、それだと悲しそうな顔をするしなぁ………今はまだ純粋な子だから、悲しそうな顔をされると困るんだよなぁ…。

「う～ん…………………分かった、一緒に食べようねなのはちゃん」

「うん！」

そう言うとなのはは、嬉しそうに笑った。………笑った顔、可愛いなぁ…。

「あ、あの葵君！」

「うん？どうしたの、すずかちゃん」

「良かったらで良いんだけど、私も一緒にいいかな？」

「僕は別にいいんだけど……。」

もう一人増えたところで何も変わらないだろう(主に危険度が)。それよりも、なのはがどうか分からない。

「いいよ、一緒に食べよう、すずかちゃん」

元気よくそう言うなのは……。

「それじゃあ一緒に食べようか、すずかちゃん」

「うん、ありがとう。」

………これからの学校生活、できるだけ穏便に過ごせたらいいなぁ。

そう思わざるをえなかった。