ブラッキーと共に自室に戻り、八神指令から提示された時間まで時間に余裕があるので掃除したり荷物を整理したりして時間ギリギリまで費やし、疲れて眠ってしまったブラッキーを置いて一人で指定された食堂に向かう。
着いた食堂では隊舎内のほぼ全ての人間が整列して集まっており、俺は一番後ろの目立たない場所に立つ。
俺が到着してから少しして八神指令の挨拶が始まり、全員が真剣に耳を傾けている中。俺は一人くだらない話を耳に入れずに上の空の状態で居た。
まぁ理由はかったるい挨拶を真剣に聞いたりするのが嫌いなだけなんだが。
「ではこれで終わります」
おっ、終わったみたいだな。
無駄に長くて退屈した。
取り敢えず俺は八神指令が指示したように食堂で待機しておく。
はぁ・・・頼むから怠い事だけはさせてくれるなよ?
「久しぶりだな、トウヤ・サトシ三等陸佐」
「ん? ぉわっ?! シッ・・・シグナム二等空佐!? 居たのかよ!!」
「相変わらずの上司を嘗めた口調だな」
「そういう連中に囲まれて育ったんでね。それより何用ッスか? ・・・まさか」
「そうだ、私が主はやてから仰せつかった者だ」
ΩΩΩ<ナッ、ナン(ry
おいおいマジかよ・・・なんたってこの人なんだよ・・・もっとふさわしい人が居ただろ・・・
「スマナイがこれより訓練施設で貴様の腕がどれほどか確認させて貰う」
そう言ってシグナムさんは目をギンギラギンにさり気無く光らせ、俺を獲物を狩る猛獣の眼で見据える。
「うわぁ・・・マジですか、非戦闘員な俺を戦場に出すおつもりで?」
「非戦闘員が壁一枚をぶち抜くパンチを放てるものか。それに・・・私が主はやてに頼んだのだからな、此処へ配属させて貰えるように」
「アンタが推薦しやがったんですかい?!」
コイツが俺をこんな面倒な場所に・・・! 月の出て無い日と出てる日の夜は背後に気を付けな!!
「なんだ? 嫌だったのか?」
「はい」
当たり前です。
「だろうと思った。だから推薦させて貰った。これから毎日、私がお前を扱くから覚悟しておけ」
・・・なんだって?
「よし、今直ぐ転課届けを・・・」
「させると思うか・・・?」
俺は懐から転課届を取り出し、ダッシュで八神指令の部屋まで行こうとするも、それ以前にシグナムさんに腕を掴まれて抑えられる。
くそう・・・くやしいのう・・・くやしいのう・・・
「それでは行くぞ」
「そう言いながら腕を掴んで無理矢理連れて行かないで!腕が!腕が悲鳴を上げているゥゥゥゥゥ!!!」
俺は女性とは思えない程の圧倒的な握力で腕を掴まれたまま、強制的に訓練場に連行させられた。
あぁ・・・ブラッキー、多分俺はお前の所には帰れんかも知れない・・・。
☆★☆
そして訓練場・・・。
俺が引っ張られて連れて来られた時には丁度、高町教導官の扱きが終わった頃らしく、ぐったりと息を切らしながらFW連中は座っていた。
「はぁいみんなお疲れー」
「「「「はっ・・・はい・・・」」」」
「お疲れの所悪いんだけど、これからちょっとしたデモンストレーションが行われるから移動しようか」
「・・・デモンストレーションですか?」
「うんそうだよ、シグナムがサトシ三等陸佐と模擬戦闘を行うみたいなの。だからみんなには模擬戦闘を見て勉強して欲しいんだ」
「その・・・なのはさん、サトシ三等陸佐ってどういう方なんですか?」
? 俺の話か?
「えっと・・・それは・・・」
「それは私から話そう」
「「「「シッ、シグナム副隊長!!?」」」」
「イダダダダダッ!!? 服が伸びるっつってんだろ!!」
シグナムの腕を振り解き、服を整える。
「あっ、シグナム来たんだ。それでそっちの方が・・・」
「あぁ、トウヤ・サトシだ」
「勝手に俺の名前を教えるな! たくっ・・・初めまして、俺はトウヤ・サトシ三等陸佐。無理矢理嫌々強引で強制的に此処に連れて来(こ)さされた被害者だ」
「と言っときながら喜んでいるだろう?」
「ンな訳あるか?! 犯(おか)すぞこのアマ!!」
コイツ・・・勝手に俺をMにするな!!
「仮にも一般局員がそんな言葉使いは怪しからんな」
「うっせえ! それならこういう言葉使いにした上の連中に文句言って来いよ! ついでに俺の転課届も受けとれ!」
「文句も言いに行かんし、転課も認めん」
「そうだろうと思ったよこんちくしょう!!」
俺は醜態吐きながら転課届を懐に戻す。
そう簡単に受け取ってはくれないか・・・畜生!
「それでシグナム、そのサトシ三等陸佐が今日の相手?」
「ああ、そうだ。出来ればコイツの実力を見てFW達にも何か得る物が有れば良いのだが・・・」
「俺から得る物? そんなの片手で数え切れるかどうか位だぜ? だから俺よりシグナムさんの応援や見学でもして得るモン得るんだな」
俺はそう忠告した後、シグナムとの戦闘準備に入る。
「は、はぁ・・・(ねぇティアナ、このサトシ三等陸佐って何で自分の上司であるシグナム副隊長に敬語を使わないんだろう?)」
「(知らないわよ、どうせ自分が天才だか何だかで他の人を見下してるのよ。きっと)」
橙色髪の少女と青色髪の少女が俺を訝しめに見てくる。
まぁ『だからどうした』って話なんだが。
「キャロ、お前はよく見ておけ。奴はお前と同じ召喚系魔導師だ」
「えっ、そうなんですか?! 分かりました、よく見て勉強します!」
そう張り切られても困るんだが・・・そもそもポケモン召喚は魔法じゃ無いし。
「それでは私とサトシ三等陸佐以外は全員退いてくれ」
「うん」
「「「「はい」」」」
「了解」
さぁて、帰りま・・・
「ってお前まで行くな! お前は私との戦闘があるだろう!!」
・・・チッ。
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ポケモンBW2をしていた主人公。しかし、不幸にも彼は事故により命を落としてしまう。そして次に彼が目を覚ました時、彼はポケモンを召喚出来る能力を持った赤ん坊となっていた!