プロローグ
俺は棗涼介。うん問題無い。
年齢は18歳であってる。
性別は男……うん問題なし。
此処までは良い、此処までは……
次はとても重要、俺は死んで違う世界に転生した転生者らしい(?)しかも赤ちゃんからだ。
なんでや、なんでこんな事になったんだ。好きな女の子に告白して彼女も出来て、リア充の生活を送り始めて、なんで! なんでや。
なんでリア充になって15分後に死ななあかんねん俺は、世の中はそんなにリア充が嫌いなのか? そうなんだろう。
だからリア充になって、幸せ絶頂期の俺を死に陥れたんだろう。そうなんだよな。
ならなんで俺だけを死なせた。他にもリア充の奴らは居るだろう? なんで俺なんだよ。
折角彼女が出来てリア充になれたのに、リア充を満喫したかったのに、なんでや。初リア充になって15分後に死ぬって、もうギャグやん。ギャグ以外の何者でもないやん。
何で爆発して死ななあかんねん。リアル、リア充爆発じゃないか!!
転生した直後は相当荒れた記憶がある。
しかーーーーーーし!!!!! 此処が魔法少女リリカルなのはの世界と知って、テンションハイ!!!!!
なんだが、その事実を知ったのは俺が小学四年生の頃。丁度4年生の頃に海鳴市って所に引っ越してきたんだ。
その名前を聞いて此処が魔法少女リリカルなのはの世界って知ったんだ。その時クラスは違ったが、他のクラスになのは達がいるのを発見したんだが、不思議な事にアリシアだと思われる人物が居た。
更に見たことの無いツンツンヘアーの黒髪でそこそこ格好いい男の子も混ざって居た。背はなのは達より頭一つ分位高いかな、まあ俺ほどじゃないけど。
そんな事よりも俺は目が点になった。それと同時に、この時点でP・T事件も終わっていて、闇の書事件も終わっている事を物語っていた。しかも二つともハッピーエンドで終わった可能性がある。
あの男の子は原作には居なかった。多分俺というイレギュラーが現れたことにより起こった小さな歪みかもしれないし転生者という可能性も捨てきれないがもうどうでもよかった。
当然の事だがこの時点でやる気が失せた。人生に落胆した。
だけど、神は俺を見捨てて居なかった。
俺が小学五年生の時、デバイスを手に入れた。普通なら手に入れた瞬間テンションがhighになるんだが、なれなかった。
だって、山奥の洞窟だ。しかも、此処まで来るのに死ぬような思いもした。更に目の前には見たことのある女の子が俺にデバイスを手渡した。
こうしてしまった経緯が、家族でピクニックに行く。山の探検に出て。遭難。
不幸だあぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁああああ!! と全力で叫ぼうかと思った時に、目の前から大きな毛むくじゃらの動物が現れた。
全長は3m以上で四足歩行で、全身が黒っぽい茶色の毛で覆われている。
手足には人の頭蓋骨を簡単に破壊しそうな鋭い爪。あれで引っ掻かれたら即死間違いなし。
鋭い牙に強靭な顎。あの顎に噛まれたら俺の二度目の人生終了を告げましたになる。
此処まで言えばなんとなく想像は着くと思うが、クマだ。しかもクマの視線が俺を捉えて動こうとしない。とても怖い、小便漏らしそう。脱糞しそうだよぅ。
いくら精神年齢が20を超えていても小学五年生の肉体でクマに勝てない。転生する前でも勝てる要素は……無し、一個もないよぉぉぉおおお!!
俺とクマまでの距離は大体5m弱しかない。
さあどうする俺? まさにdead or alive. 俺が思案している間にもクマが近づいてくる。
さあどうする俺?! 回れ右してダッシュか? それとも死んだふりか? どっちが良いんだ!!
選択の時だ。どっちがバッドエンドルートなんだ? 逃げるか、死んだふりか。どっちが良いんだ。
それとも戦闘……そのルート死亡フラグが半端じゃないんですけど。ダメだな。
もうヤバイ。こうなったら・・・・・
……死んだふり。君に決めた!!
俺はその場で倒れて死んだフリをした。さあ、クマよ俺をスルーしろ。
コレで万事解決だと良かったんだが、首元の襟をクマが噛んで俺を持ち上げた。その瞬間、俺は恐怖のあまり失禁して気絶した。カッコよく言えばブラックアウトと言える。
しかし、直ぐに意識を取り戻した。側頭部に何か固いものがぶつかった様な痛みでだ。それは運ばれている最中に俺の後頭部が木にぶつかった。その痛みで意識が覚醒した。
ああ、俺の二度目の人生にも終止符が打たれたな、せめて原作キャラとは一度で良いから話をしてみたかったな。悲哀感を全身から放出しながらクマに連れ去られていった俺。
そして、洞窟の奥深くに連れていかれたその瞬間、俺は驚愕した。
だって俺の目の前に女の子が居た。しかも見たことがある……高町なのは? 違う。目の色が違う。
するとクマがその女の子の目の前に俺を下ろすと、何処かに消えていった。
彼女はマテリアルズの一人。星光の殲滅者(シュテル・ザ・デストラクター)。ということはリインフォースが生きている可能性は高いな。
そんな事を一瞬のうちに考えていると、彼女が手を差し伸べてくる。その手には、日本刀の形を型取った白銀のネックレスがあった。
俺はそれを手を伸ばして受け取った。彼女は優しい微笑みを見せた。
心臓が高鳴る。「ドクンドクン」という音がハッキリ聞こえる。心拍数もハネ上がり、顔が赤くなっていっているのが手に取るように分かる。
相手にこの心臓の音が聞こえてないか凄く心配だ。聞こえてたら滅茶苦茶恥ずかしいぞ。
俺は顔をそむけて、彼女に真っ赤になった顔が見られないようにした。丁度その視線の先に彼女の足元が見えた。しかも、ふらついていた。
危ない、俺はそう叫んだ時には体が動いて彼女の体を俺の体で受け止めていた。まだ発育途中のお胸さんが俺の胸板にむにゅうってなった……oh yes!!!!!!
だが直ぐ彼女の異変に気が付いた。息が荒く、呼吸が激しい。おでこに手を当ててみると熱いし、しかも頬が赤く火照っている……
これってもしかして……
……発情期!? マジで、ヤバイじゃん。今から俺に襲えと言いたいのか? 上等!! 襲いまくってやるぜって何を言っているんだ俺は。そんなわけねえじゃん。
俺は彼女をおんぶして、洞窟から抜け出した。俺今、現在進行形で絶賛遭難中、早く父さんと母さんを見つけないと。この子の為でもあるけど、一番は俺の為に。
遭難中の俺は何とか父さんと母さんを見つけて、この子を発見した事情を話した。(クマとの死闘? は口にしなかった。)親が居ないことやその他もろもろ。
するとさ、俺の予想通り……家の子になった。養子に取ったんだけどね。
ああ、俺の平穏の日々が崩れたかもしれないな。
何でこうなった。
それから約一週間が経ったある日、俺は家でつまらんTV番組を見ていた。
ガシャン! という物音が二階から聞こえた。
「おいおい、マジかよ。こんな時間帯から幽霊が出たとかいうなよ、俺チキンだから幽霊とか全くダメなんだよな。ああ、幽霊とかマジで勘弁してくれよ。小便漏らしそうだよ。」
メッチャ棒読み。
「ああ、怖いよ。ちびるよ~。」
棒読み。
「父さ~ん。母さ~ん。早く帰ってきてよ。」
ガチャンっとリビングの扉が開く音が聞こえた。首を後ろに回して見ると……美少女だと? 美少女の幽霊だと。キャッホーウ!! 美! 少! 女! イエーイ
御ふざけは此処までにしておこう。
「もう、大丈夫なのか?」
「お陰様で、大丈夫です。」
凛とした透き通るような綺麗な声。
「そうか、それは良かった。」
「…………」
「…………」
会話が続かん。ちょいっとばかり気まずい空気だな。そんな中きゅるるるる~~~っという可愛い音が聞こえた。しかも、彼女の方からだ。
もう一度後ろを振り向くと、全身をプルプル震わせていて、耳まで真っ赤になった顔を下に向けていて、両手でお腹を押さえていた。
正直に言おう。メッチャクチャ可愛い。お兄さんの心臓鷲掴みにされちゃったよ。
まるで、小動物を見ているような感覚だ。撫でたい、愛でたい、ペロペロしたい、お持ち帰りぃぃぃい!!!!
ハッ!! 危ない危ない、もう少しで理性が崩壊するところだった。何とか踏みとどまった―――――パンツ一丁で……アウトォォォ! 俺完全にスリーアウトチェンジィィ!!
ヤバシ、このままだと。変態という名の紳士から変態という名の変態に成り下がってしまう。なんとか戦況を打破しなくては……気のせいか? あの子から熱烈な視線を感じるのだが? 視線を向けてみた。
顔を両手で覆っている。うん大丈夫―――
「なわけあるかぁぁぁ!!」
ビクッと体を震わせたのが伝わってくるが、関係ねぇ。ガン見じゃん、メッチャガン見じゃん。両手で覆っているのに関わらず、大きな隙間があるじゃん。指と指の間の隙間空きすぎじゃんか!! 意味ねえじゃんかよぉぉ。
するとまた、きゅるるるるる~っという音が聞こえた。
「ハハハハハハハ!!」
俺はもう腹を抱えて爆笑するしかない。ああもう可愛い。
必死にお腹の虫の音を隠そうと顔を左右に震わせる。何この可愛い生き物は? ぐへへへへお兄ちゃんが美味しく食べてあげまちゅよ。
台所に行き、包丁を取り出した。
「何が食べたい。」
包丁を片手に包丁に聞いてみる。
「…………」
返事が無い。只の包丁のようだ。
変な空気が流れる。Ohツッコミ無か、そうかそうか。なら、ツッコミをしてくれるまで俺はボケるぞ。それでも良いのか、美少女。
「な、なんでやねん?」
疑問文+可愛く首を傾げる=グハッ!!。
「グハ!!」
口から大量の血を吐き出して倒れるイケメン。駆け足で俺の傍まで来てくれる美少女、最後の俺を看取ってくれるのか。それはありがたい。
左手で俺の後頭部に手を差し入れて、頭を起こしてくれる。
目には涙を溜めている。そうか、こんな俺が死ぬことを悲しんでくれるのか。
「……」
何を言ってるんだ。
「はよ、飯作れ。」
彼女がそう言ったのがハッキリと聞こえた。
「死にかけの俺にそれは無いっしょ。」
我が生涯に一片の悔い無し。ガクッ。
それから、数年後。俺は中二になった。
これで、いくら厨二発言しても大丈ブイ!!! 一応俺はなのは達が通う中学と一緒だ。しかし、あの美少女は違う中学に通ってもらうことになった。
その時に猛反発を喰らったが、高校は一緒の所を通うという事で決着はついた。
後は此奴の学力なんだが、ハッキリ言おうか。学校行く必要なくね! それが俺の回答だ。
頭良過ぎ、適当に中学レベルの問題(まだ、俺が四年生の頃)出してみたんだが、全問正解。試しに高校レベルの問題も出したが、殆ど全問正解。
そのままの勢いで大学の問題集を買って、試したところ7割以上はあってた。モーマンタイ。
そして、名前の方だが、父さんと母さんが斬新すぐる名前を出すせいで三日三晩もかかってしまった。
父さんは、来栖星(星と書いてスターと読むらしい。)どこぞの「はがない」に出てくるペガサスさんだとツッコミたくなったが、我慢我慢。
母さん、これは流石にツッコまずには居れなかったよ、来栖流星と書いて(スターダストと読むらしい。)アウトォォォォオオ!! それ完全にアウトォォォォオ!!
それで、俺の出した案で妥協してくれた。いや、マジで良かった。
来栖星香(くるすせいか)と読む。正直に言って、これが一番妥当でしょう。上二つは父さんと母さんが出した案でも比較的にマシな方だ。あれでも。
あ、俺? 今の俺の名前はメッチャ斬新すぐる――――――――――――――父さん母さん、この恨み死んでも許さないからな。
来栖一馬。何となく予想は付くと思うけど、これ「かずま」って読むんじゃなくて……「ユニコーン」って読むんだ。
穴があるなら穴に入りたい。いっそ殺してくれ。
どうしてこうなった? ……割とガチデ……
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まあ、死んで転生した。何処でもあるような話だ。
だがな、あんな死に方あるのか。神はどれだけ俺が嫌いなんだ!! 折角。折角出来たのに……色々と運に見放された不幸な転生者の物語です。
もとは、NOSにじファンで書いていたものです。