No.446072

魔王少女?冥王の前には無力!!6後

自身の死因が面白かったから。 神にそう言われ転生することになった主人公。 彼はその世界でどう生きて行くのか?

2012-07-04 23:45:49 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2599   閲覧ユーザー数:2513

暁~

 

「お前、転生前も自己中心の考えで相手にすらされなかっただろう。本当に哀れだな、お前。」

 

 

 

 

ブチッ!

 

 

「黙れぇぇ!!!」

 

 

我は怒り狂い剣を振るった。

 

 

貴様に解るか?

 

無視される気持ちが、相手にされない惨めさが、日々馬鹿にされ笑われて続ける惨めさが、貴様に解るか!!

 

 

我は奴を斬ろうとエアを振るった。

 

 

だが奴は閃光弾を使い逃げた。

 

 

だが、サーチャーで追いかけており直ぐに見つける事ができた。

奴は地面からナイフ、手榴弾を投げてくるが我の鎧(バリアジャケット)にはそんなモノ通用しない。

おかしい。幾らなんでもこんな弱い攻撃ばかりでは我には敵わぬと解る筈、何故魔法を使わない?

不思議に思い我は奴にカマをかけてみた。

「なんだ、貴様魔力が無いのか?」

 

 

「……………」

 

答えは沈黙。

試しに我は真尋にリンカーコアがあるかどうか確認した。あるにはあるがランクはE-、暁の足元にも及ばなかった。

 

「はぁはははは。何だ、何だ。魔力無しか、そうかそうか。だから実弾でしか攻められないのか。」

 

 

我は空中から地べたにいる奴を見て高笑いした。

 

「どうやら神の恩恵を受けていないようだな。哀れな、唯の雑魚か。」

 

 

再びゲートオブバビロンから剣を出し奴に放つ。

 

 

ソレを避けた時、

 

 

「ふん!」

 

我はバインドを撃ち出す。

 

「!!」

 

奴は身動きがとれずそのまま捕まった。

なんと愉快なことか。こうも簡単に引っかかるとは。

 

「ふふふ、惨めなモノだ。そのように地べたを這いずり廻ることしか出来ぬとはな。」

 

地に降りた我は横たわる八坂に近づき、腹部を思いっきり蹴った。

 

 

「!!っほ、げほ、!!」

 

 

「誰が、哀れだと!」

 

 

更に我は八坂を蹴る、蹴る、蹴る、蹴る。

散々苔にされたことに対する怒り、恨みが我を動かす。

 

「誰が赤子のようだと?誰が愚かで可哀想になるだと?もう一回言ってみろ!!」

 

 

咳き込む暇を与えず蹴り続けた。

 

 

「ふん、我を馬鹿にするとは。貴様の方が惨めで哀れな愚か者だ。そうだよなぁ雑種!!」

 

 

我は八坂の髪を掴み顔を殴り、斬りつけた。

 

 

ブシュゥ。…

 

 

八坂の腹部から大量の血が流れる。良い感覚だ。

この血の量ならば確実に死ぬ。

 

「せめてもの情けだ。最強の一撃で葬ってやろう。エア!」

 

 

エアに莫大な魔力を集める。

 

 

「消え失せろ、エヌマ・エリシュ!!」

 

 

我の切り札

エヌマ・エリシュ

 

 

その一撃は奴を蒸発させるには充分だった。

 

そして、ついに我は奴を殺すことに成功した!

 

 

後はこいつの処分と周りへの誤魔化し、女達の洗脳を解き我のモノにする。

 

 

 

 

それだけだと、考えていた。

 

 

 

 

 

 

「うわぁ、派手にやるねぇ。最早クレーターだよ。」

 

 

奴の声を聴くまでは。

 

 

暁 終~

 

 

 

私は金髪の後ろに現れて惨状を確認する。

 

 

 

そこには金髪の魔力で攻撃した後だけが残っていた。

 

 

ふむ。中々の威力かな?

 

 

「!!?き、貴様、な、何故生きて、確かに殺した筈、…」

 

 

「ああ、うん。確かに殺したね。……私のクローンを。」

 

 

「!!!」

 

金髪は驚愕した表情で私を見ていた。

 

 

「FATEプロジェクトは知っているだろ?あの技術を使い私のクローンを作ったんだ。リンカーコアもあるから見分けがつかなかったろう。まぁ、頭の中は取り除いて機械を埋め込んでデバイスの指示に従うようにしているがね。」

 

 

私はデバイスを見せびらかすように持つ。

 

と言っても即席で作った試験体、やはり色々と脆くこの戦いを無事に終えてもそれで廃棄だったろうな。

 

 

 

 

「く、狂ってる!」

 

 

金髪は表情を恐怖で歪め後退りしていく。

 

 

 

「自分に都合の悪い奴を殺そうとした君には言われたくないな。それに私は攻撃して来なければ放っておく主義?だ。現に他の転生者とは対立していないだろう?どうだった?私を殺した気分は?最高だったか?」

 

私は嗤いながら続ける。

 

「貴様が仕掛けない限りは適当にあしらう積りだったが、どうやら貴様は少しいたぶらないと解らないらしいな。」

 

 

そう言って私はデバイスを高らかに上げた。

 

 

「G.Z、セットアップ『天』だ。」

 

 

そう言ってセットアップを開始した。

 

 

私は白い装甲を纏い、胸部と手甲に球光が現れた。

 

 

天のゼオライマーとなり金髪と対峙する。

 

 

「な、何だそれはぁ?!」

 

 

金髪は叫びながら魔力弾を撃つ。

だが、

 

 

「なぁ!?」

 

 

着弾する前にゼオライマーの次元連結システムにより攻撃は届かない。

 

 

「ふふふ、何をしている?得意の剣の放出はしないのか?くくくく。」

 

 

そう言って私は歩み始めた。

 

 

ゆっくりと、しかし確実に、金髪に近づく。

 

 

「来るなぁぁぁぁあ!!!!」

 

 

金髪はゲートオブバビロンを使い大量の剣の空間に出し私に放った。

 

 

幾百、幾千の剣の大群が私に襲いかかる。だが、………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「冥王にそんな攻撃が通用するとでも?」

 

 

 

 

その剣群ですら、私を傷つけることすら出来なかった。

 

 

 

 

「あ、ああ、ぁあぁあああ!!エアぁぁぁ!」

 

 

金髪はエアに再び大量の魔力を流した。

 

 

「消えろぉぉ!エヌマ・エリシュ!!」

 

 

金髪の必殺技が私を襲う。

 

 

爆炎が起き砂埃が舞い上がる。

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ、………ど、どうだ、流石にこの攻撃をら受ければ奴も、」

 

 

「まぁ、中々だとは言ったが防げないとは言ってないぞ?」

 

 

 

 

 

 

 

「……………え?」

 

 

金髪は惚けた顔をして硬直した。

おいおい、敵を前にしてソレは無いだろ。

 

 

「……今度はコッチの番だ。」

 

 

私は左腕を上げ球光を光らす。

 

 

 

バァン!!

 

 

「…ぁ、うぇ?」

 

 

次の瞬間惚けた金髪のわき腹を吹き飛ばした。

 

 

「■■■■■■■■!!!!!!」

 

 

余りの痛みに金髪は声すらあげられずに蹲る。

 

 

 

続けてもう一回光らせる。

 

 

バァン!!

 

 

 

 

 

今度は左脚を吹き飛ばした。

 

 

「■■■、アアァァァァァア!!ァァアアア■■■■アアァァァ!!!」

 

 

 

金髪はもの凄い悲鳴を上げて魔力を撃った。

 

それは狙いが定まっておらず至るとこに着弾して砂埃が上がる。

 

暫くして砂埃を吹き飛ばすとそこには金髪はいなかった。

 

 

「ふぅん、逃げたか。さっきとは真逆だが、まぁイイだろう。」

 

 

私はゆっくりと歩み始めた。

 

金髪の血を辿り、奴に真の恐怖を与える為に。

 

 

 

暁~

 

 

 

はあ、はあ、はあ、

 

 

どうしてこうなった。

 

 

我は、選ばれた人間だ!!

それがどうして、どうして!!

 

 

「ぐぁあ、痛い、痛い!!」

 

 

わき腹と左脚を治療しているが完治するのは無理だろう。

 

 

何でだ、何で何時もこんな目に!!

 

我が何をした?我は悪く無いのに!!

 

 

痛い、いたい、イタイ、イタイ、イタイ、イタイ!

どうすれば、

「!そうだ、なのは達に連絡を!」

 

そう思い我はデバイスを握る。

 

なのは達なら我を救ってくれる。

最近は話しすら満足にしていないが、今は任務に当たっていると思うが我の危機に、仲間の危機に駆けつけ、助けにきてくれる筈だ。

 

きっと、いや絶対そうだ。

 

「…………クソ!何で繋がらないんだよ!!」

 

 

 

しかし、無情にも通信で流れてくるのは砂嵐の音のみ。繋がりすらしない。

 

結界はとっくに解いたのに何故繋がらないのだ!!

 

コッ。

 

「!!」

 

コッ、コッ。

 

 

 

近づいてくる。

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。」

 

 

息が荒くなっていく。

 

 

 

生まれて十何年、

 

 

転生して13年、これ程までに恐怖した事は無い。

 

 

 

コッコッコッコッコッ。

 

 

 

近づいてくる、奴が、近づいてくる、俺を消しにクルクルクル!!

 

死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無いぃぃぃぃぃぃぃい!!!!!!

 

 

「ああああ、ぁぁぁぁぁあぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

ひたすら、タダひたすら剣を投げる。

 

まだ助けは来ないのか!

 

なのは達は何をしている!?

 

アニメでは直ぐに仲間のピンチに駆けつけていたのに、何故我の窮地に駆けつけてくれない!!

 

 

ダダダダダタダダダダダダダダタダダダダダダダタダダダダダダダダダダダダトトットトトダダダダダダダダ!!!!!

 

……………………

 

………………………

 

…………………………

 

……………………………

 

………………………………

 

沈黙

 

何もなく、何も聞こえない。

 

我はデバイスで奴の反応を探したが見つからなかった。何度も何度も、奴の反応を探していたが見つけられなかった。

 

「は、ははは、はははは。ははは、は、は、は、は、ははははふふふ。ひひ、あははははは。」

 

安堵したら急に笑いが止まらなくなった。

 

 

もうあいつはここにいないんだ。

何があったのかは知らないが我は助かったのか?

ふふふ。

「あ、あははは、生きてる、助かったんだ!!」

我は震える両手を見つめながら喜んだ。

 

 

 

 

それが束の間の幸福と知らずに、

 

 

 

コッ。

 

 

「!!?」

 

まさか、まさか!

 

嘘だ、嘘に決まっている。そんなこと、そんなことは!

 

「あー、喜んでいる所済まないが油断するにはまだ早いんじゃないか?」

 

 

 

「な、何で、どうして?!魔力の反応は無かったのに!!」

 

 

 

我は何も理解出来ぬまま目の前にいるモノ、魔王に問いかける。

 

「ああ、簡単だよ。私が張った結界のギリギリまで逃げたんだ。流石にあの剣の大群を相手にするほどMじゃないし。楽したいじゃない?」

 

「けっ、…かい?」

 

「………あぁ、気づいてなかったのか。今この周辺半径10kmに結界を張り外の世界から切り離したんだ。ちょうど、貴様が結界を張った時にね。」

それでは、我は最初から、此奴の掌で踊らされていたと?

そんな筈は無い、

「そんな筈は無い!今回の計画は今日考えたんだ!事前に知ることなど、」

「あんだけ殺気を漏らしていてよく言うよ。お前私を見かける度に殺気を飛ばしてただろう。気づかない方が無理だ。…………後,一つ教えてやろう。なのは達は助けに来ない。」

 

ピキ、

我の何かにヒビが入っていく。

 

 

「そんなことは無い!彼女達は仲間を見捨てたりはしない!だって彼女達はアニメでは、」

 

「あのね、ココはアニメの世界じゃない。現実なんだ、そしてなのは達はお前の命令無視の後始末をする為に他の任務に行ってるんだ。助けに来れるわけないだろう?」

 

う、そ、…だ。

 

「うそ、だ、………そんな、…」

 

 

 

嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!!

 

 

「ああ、それとなのは達と話して分かったのだが、どうやら君は彼女等に嫌われているらしいぞ?近寄って欲しくないそうだ。」

 

ピキピキ、

 

 

 

 

 

キライ、ナノハタチハ、

オレノ、コ、ト、………ガ、

 

ガメンノムコウノカノジョタチデスラ、

 

 

 

 

 

オレヲ、ミテクレナイ…………

 

 

「あひゃ、ひゃっははは、ひゃっははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

 

 

ピキピキ、ピキ、

 

 

 

夢なんだ。コレは夢なんだ。

 

目が覚めたら、…………オレ、……は…………

 

 

 

 

 

 

パキンッ!

 

 

 

 

暁 終~

 

その戦いの雌雄は決した。

私の目の前には戦意を失い、生きる事すらも放棄した暁が座り込んでいた。

 

ギルガメッシュの優雅さもなく、王の威厳も無い、壊れた人形の成れの果て。

 

本当に哀れだな。

 

「あちゃー、壊れちゃったか。」

 

私の目の前には奇声を上げて笑う暁 晃“だったもの”がある。

 

わき腹と左脚から大量の血を流し、放って置いても勝手に死んでくれるだろうが少々消化不良だ。

 

全然戦えていない。

 

「まぁ仕方がないか。力の差があり過ぎるし、精神的に追い詰めたし。あー、やだやだ。こんなのあんま好きじゃないんだがな。」

 

 

そう言って暁からデバイスを取り上げ暁の髪と皮膚を少々手に入れた。

 

 

「サヨナラだ金髪。冥王の力の前に消え去るがいい。」

 

 

空中に浮かびメイオウ攻撃を金髪に放つ。

 

 

メイ、オウ!!

 

ドォォォォォォォォォン!!!!

 

 

其処には暁は、公園そのものが失くなり山を削ったような後が残っていた。

 

「くくく、はははは、あっはははははは!!」

 

 

私は笑い声を上げながらその場を去った。

 

 

結界を解き、消えた筈の自然公園が目の前に現れ。。

 

 

ただ一つ違うとしたら暁の遺体がその場に無いことだけだが。

 

 

 

管理局情報課~

 

 

昨夜、管理局員である暁 晃が犯罪者グループ及び管理局員十数名を殺害した。

 

ロストロギアを強奪しその力で管理外世界を一つ消滅した。

 

幸いなことにそこが人のいない世界だったが、このことより暁 晃をSS級犯罪者として手配する。

 

管理局情報課 終~


 
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