No.445661

IS レジェンドウォーズ 12話 クラス対抗戦

竜羽さん

12話です。連続投稿もここまでです。

2012-07-04 19:17:42 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2653   閲覧ユーザー数:2563

Side一夏

クラス対抗戦当日。

あれから、鈴は織斑と仲直りするどころかさらに険悪になってしまった。なんでも織斑に反省したか聞きに行ったら言い合いになってそのとき織斑が鈴にとっての禁句『貧乳』を言ってしまったらしい(ちなみにこのことを聞いた簪は義姉さんに匹敵する黒いオーラを放っていた)。まあこのことはどっちかというと鈴にも非はある。自分から避けておいていきなり謝れって言っても無理があるぞ。正直鈴は付き合いやすいが気性に難があるからな。そこさえ治せればいろいろうまくやれると思うぞ。

 

まあ、それはさておき俺たち生徒会は対抗戦の段取りのほかに緊急事態に対処するためのプランや警備体制の見直しなどなど結構大変だった。一昨日なんて徹夜で、昨日は授業をさぼって生徒会全員生徒会室に布団を敷いて丸一日寝てしまった。昔、義兄さんも入れた六人で寝たことを思い出して懐かしかった。

 

いまは第一試合一組対二組の試合。

 

「さてさてどっちが勝つのかな?」

 

「正直鈴はセシリアと違って油断とかはあまりしないと思う」

 

「右に同じだ」

 

そんなことを話しているうちに試合の時間になった。

鈴のISは中国の第三世代型IS『甲龍(シェンロン)』。燃費の安定を第一に設計された機体で近・中距離での戦闘を主体に置いている。肩の横に浮いたスパイク・アーマーの非固定浮遊部位が特徴的だ。

 

「簪。あのISの名前、こうりゅうって呼ばないか?正直、別のものを想像してしまう」

 

「うん。私もそう思う」

 

Side out

 

Side秋人

僕と鈴はいまアリーナの空中で向かい合っている。

 

「秋人、今謝るなら少しくらい痛めつけるレベルを下げてあげるわよ」

 

「いらないよ。全力で来いよ。じゃないと強くなれないからな」

 

「一応言っておくけど、ISの絶対防御も完璧じゃないのよ。シールドエネルギーを突破する攻撃力があれば、本体にダメージを貫通させられるのよ。わかってるの?」

 

「『殺さない程度にいたぶることは可能である』ってことでしょ。わかってるさ。だからどうした?」

 

「ん?」

 

「おびえていて強くなれるわけがない。だからこい」

 

「ふん。いいわ。ただし賭けの約束は守ってよね」

 

「ああ、そっちこそちゃんと約束の意味、説明しろよな」

 

「うえ、わ、わかってるわよ!」

 

『それでは両者試合を始めてください』

 

Side out

 

Side千冬

秋人の試合が始まった。

秋人は凰に斬りかかるが凰が展開した青竜刀で弾き飛ばされる。

 

『ふうん。初撃を防ぐなんてやるじゃない。けど――』

 

バトンでも扱うように凰が斬りかかっていく。秋人はオルコットが教えたであろう三次元躍動旋回(クロス・グリッド・ターン)でかわし、距離を取るが

 

『あまい!』

 

肩のアーマーが開いて一瞬光り秋人が吹き飛ばされた。

 

『ぐあっ!』

 

「なんだあれは・・・?」

 

ピット内にいた篠ノ之がつぶやく。

 

「衝撃砲ですね。空間自体に圧力をかけて砲身を生成、余剰で生じる衝撃それ自体を砲弾化して撃ちだす兵器です」

 

「わたくしのブルー・ティアーズと同じ第三世代兵器ですわね」

 

山田先生が解説をし、オルコットが補足する。

 

そのあと、秋人は衝撃砲の雨を何とか回避していくが衝撃砲は砲身も砲弾も目に見えず、砲身斜角がほぼ無制限のようだ。加えて凰の技量がかなり高い。秋人には厳しい戦いだな。

 

『鈴』

 

『何よ?』

 

『本気で行くぞ』

 

『な、なによ!そんなこと当たり前じゃない!とにかく格の違いってのを見せてあげるわよ!』

 

秋人は衝撃砲を躱しながら様子見に入った。

 

「秋人さん何かするつもりなのでしょうか?」

 

「瞬間加速(イグニッション・ブースト)だろう」

 

オルコットの疑問に答える。

 

「瞬間加速?」

 

「私が教えた技能だ。だしどころさえ間違えなければ代表候補生とも渡り合える。だが」

 

一度言葉をきり

 

「通用するのは一回だけだ」

 

しばらくするとしびれを切らせた凰が衝撃砲を撃とうと発射対背に入った。その前に秋人は爆発的な加速で接近し雪片弐型で斬りかかる。

 

ドガアアアン!!

 

その瞬間、アリーナに爆発音と振動が響き渡った。

 

「山田先生、なにがおこった!?」

 

「な、何かがアリーナのシールドを破って侵入してきました」

 

山田先生が混乱しながらも答えてくれる。

 

「試合中止!織斑、凰ピットに戻れ!」

 

Side out

 

Side秋人

僕たちの前にはISのような何かがいた。

全身装甲(フル・スキン)の機体に巨大な腕。しかもその腕とても大きく、右腕にはビームガンを装備して、体の大きさの半分もあろうかという翼状のスラスターを装備していた。おそらく、右腕から放ったビームでシールドを破ったのだろう。

 

「秋人!千冬さんの言うとうりすぐピットに戻りなさい」

 

「な、鈴はどうするんだよ?!」

 

「私が時間を稼ぐ。だから早く」

 

「女の子を置いてそんなことできるかよ!」

 

「ばか!あんた私より弱いんだからしょうがないでしょうが!」

 

はっきり言われてしまった。

 

「別に私も最後まで戦うつもりはないわよ。こんな事態すぐに先生たちが」

 

『そうもいかないんだ』

 

突然兄さんの声が聞こえた。

 

「その声一夏?どうゆう意味よそれ?」

 

『アリーナの遮断シールドがレベル4に設定されて、さらに全ての扉がロックされている。だからピットに戻ることはできない』

 

「だったら、僕たちがあいつの相手をしてひきつけないといけないな」

 

あのビームはアリーナの遮断シールドを貫通した。つまり僕たちがあいつの気を引き付けないと観客席に被害が及ぶかもしれない。

 

『ちょ、ちょっと待ってください!生徒にそんなことさせられません!もしものことがあったら――』

 

山田先生の言葉はそこまでしか聞けなかった。

 

敵ISが突進してくる。それを回避。

 

「鈴。俺がつっこむから衝撃砲で援護してくれ」

 

「わかったわ。あんたの武器それしかないみたいだしね」

 

俺は敵に突っ込んでいった。

 

Side out

 

Side一夏

俺達は、アリーナの扉のロックを解除するためにピットに向かっている。

ピットもロックされていたが簪と白歌が蒼鋼を使ってシステムにアクセスし解除してくれるのですぐについた。

 

「失礼します!いまからシステムクラックに加わります」

 

織斑先生の返事が来る前に簪は空中ディスプレイを展開。白歌のサポートによってメインシステムに侵入する。

 

「どうだ更識妹」

 

「やっぱりあのISがシステムを掌握しています。お姉ちゃん、一夏」

 

「なに?」

 

「なんだ?」

 

「これから、システムを取り返すから扉が開いた瞬間突入して。虚さん、現在システムクラックをしている先輩たちにサポートをしてもらえるよう連絡してください。織斑先生いいですよね?」

 

「あ、ああ」

 

『了解』

 

織斑先生も戸惑っているな。こういう時の簪は頼りになる。コンピューターやプログラム関係だと俺たちの中で頭一つ飛びぬけている。

 

「先生!わたくしにISの使用許可を」

 

「それは」

 

「それはやめて。あなたが行っても邪魔になるだけ」

 

織斑先生の言葉を遮って簪がきつい言葉を言い放つ。簪なんか性格変わってない?

 

「な!?どうゆうことですか!?わたくしがじゃまだなんて!」

 

「接続完了。本音、よろしく。」

 

「ほ~い。あのね、せっしー。せっしーのISの装備って対多数用でしょ~。そんな人が多数の側にいたらとっても迷惑なんだよ~」

 

「な、そ、そんなことあ・・」

 

「では連携訓練はなさいましたか?そのときのあなたの役割は?ビットをどうゆう風に使うのですか?味方の構成は?敵のレベルはどの程度を想定していますか?」

 

「わ、わかりました。おとなしくしています」

 

布仏姉妹の口撃に引き下がるオルコット。この二人も結構容赦がないな。

 

「システムの五分の四解放完了。お姉ちゃん、一夏いって」

 

「さあ行くわよ一夏」

 

「はいはい、義姉さん」

 

俺達はピットを後にした。その姿を織斑先生はさびしそうに見ていた。

 

俺たちが出てった後にピットから出て行った篠ノ之には誰もきづかなかった

 

Side out

 

Side秋人

ガキン!

 

「くっ」

 

「秋人!離脱!」

 

僕が離れると鈴が衝撃砲を撃つ。しかし敵は翼で衝撃砲を防ぐ。

 

「ああもうっ、めんどくさいわねこいつ。なんなのよあの翼!」

 

あの翼は何でできてるのかわからないけどとてつもなく硬い。雪片で斬りつけても少ししか傷がつかない。

 

バン!バン!

 

「くそっ」

 

「くう」

 

そして、その翼は大型のスラスターでもあるようでかなりのスピードで動きながら右手のビーム砲を撃ってくる。

そしてこちらの攻撃にはすぐに反応して防御態勢に入る。だけど、その行動は常に一定でどこか機械じみている。もしかして

 

「鈴。なんかあいつの動き機械じみていないか」

 

「なにいってんのよ。ISは機械でしょ」

 

「いやそうじゃなくてな。さっきから攻撃と防御を一定のパターンで繰り返していないか?あいつ」

 

「そういえば確かに」

 

「加えて、なんだか僕たちを観察しているようにみえない?」

 

「じゃあまさか無人機?でもISは人が乗らないと動かないはずでしょ」

 

「たしかにそうだけど、発表しなければ誰もわからないさ」

 

「でも、無人機だったらなんなのよ」

 

「無人機なら全力で攻撃しても大丈夫だからな。何とかなるかもしれない」

 

『零落白夜』はバリヤーを無効化して攻撃する。もし全力で攻撃すれば操縦者を傷つけてしまう危険なものだ。だから普段は全力で使っていない。でも、無人機なら問題ない。

 

「ふう。わかったわ。乗ってあげる。で、どうすればいいの?」

 

「僕の合図で衝撃砲を全力で撃って。あとはなんとかする。」

 

「了解。きっちり決めなさい」

 

「ああ、じゃあ」

 

僕らが攻撃に入ろうとしたその時

 

「秋人!」

 

突然箒の声が響き渡った。

 

「な!なにしているんだ?!箒!」

 

中継室のほうを見てみると箒が審判とナレーターを倒して勝手に侵入していた。

 

「男なら・・・男なら、そのくらいの敵に勝てなくてなんとする!」

 

まずい!あいつが箒に気が付いた。ビームがもう発射体制に入っている。このままじゃ。

 

「ほうきぃぃぃ!」

 

そしてビームが箒に向かって発射された。

 


 
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