No.445632

IS レジェンドウォーズ 8話 一次進化

竜羽さん

8話です

2012-07-04 18:55:52 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2638   閲覧ユーザー数:2591

 

Side秋人

突然、空に空いた穴から巨大な怪獣たちが現れて兄さんたちと戦い始めた。クラスのみんなや山田先生は状況についていけず混乱するばかり。そんなみんなに

 

「全員落ち着け!!」

 

姉さんがどなる。

 

「今はとりあえず非難することが優先だ。山田先生、他の教師に至急連絡を。生徒たちの誘導を。それから教師部隊に出撃要請を。二人の援護を行う」

 

「は、はい!」

 

姉さんの適切な指示をうけて山田先生はみんなをIS学園にあるシェルターに誘導しながら、他の教師に連絡を始める。

 

僕が再び上空に視線を戻すと巨大なクワガタに捕まった兄さんが地面にたたきつけられていた。

 

Side out

 

Side一夏

クワガーモンに投げ飛ばされた俺はいつまでも止まっているわけにもいかないので何とか起き上がり、飛びあがる。

エアドラモンに吹き飛ばされた簪も何とか体勢を立て直している。

相手は成熟期デジモン三体。一体一体なら問題はないが同時に攻撃されると厄介だ。

加えて、学園のほうに攻撃がいかないようにしなければならない。

さっきの攻撃でシールドエネルギーは五分の二ほど削られた。

まだまだ戦えるが、こちらが若干不利だ。

 

「一夏」

 

俺が考え事をしながら、攻撃を避けていると簪からの個人間秘匿通信(プライベート・チャンネル)がきた。

 

「織斑先生たちが避難誘導を始めたみたい。だから、こいつらをなんとかして海のほうに誘導しよう」

 

「了解。挑発頼めるか?」

 

「うん」

 

簪は両肩のミサイルランチャーと両足のミサイルポッドからミサイルを発射。

それらは三体に命中し簪に狙いを定めたようだ。

 

「きしゃああああ!」

 

「があああああ!」

 

「GUAAAAA!!」

 

俺はその三体の前方に向けて

 

「ガイアフォース!」

 

放たれたガイアフォースは三体の前方で爆発。ひるませる。

 

「簪!いまだ!」

 

「うん」

 

その隙に俺たちは海上に向かう。

後ろを見てみると三体ともこっちに向かってきている。

このまま誘導できれば、と思った矢先

 

「一夏!」

 

「ん?なっ!?」

 

上空からもう一体デジモンが現れ

 

「『クリムゾンネイル』!」

 

攻撃してきた。

 

デビドラモン

属性 ウイルス

邪竜型

世代 成熟期

必殺技 クリムゾンネイル

「複眼の悪魔」と呼ばれ恐れられている邪竜デジモン。闇の使者デビモンにダークエリアより召還された魔獣で、これほど邪悪なデジモンは他にはいない。ドラモン系のデジモンだが手足が異常に発達しており、長く伸びた両腕で相手を切り裂き、強靭な両足と翼で闇を飛び回る。性格は邪悪そのもので慈悲の心は持ち合わせていない。深紅に燃え上がる四眼でにらまれると相手は身動きを取れなくなり、無抵抗のまま体を切り刻まれる。また、尻尾の先は開くと鉤爪状になっており相手を串刺しにすることができる。コンピュータネットワークを私利私欲のために悪用するハッカー達の邪悪な感情がこのデジモンを生んだのだろう。必殺技は巨大な爪で相手を切り刻み、血祭りにあげる『クリムゾンネイル』

 

「ぐああああ!」

 

「きゃああああ!」

 

完全に三体に気を取られていたのでかわせずまともに受けてしまった。

――ダメージ大・シールドエネルギー残量178――

まずい。桜花さん作のISだったからよかったけど普通のISなら今の一撃で大破していたかも。

簪のほうも何とか無事みたいだが俺たちは海岸に墜落している。

何とか起き上がるが

 

ズン!

 

「ぐるるる」

 

クワガーモンが下りてきて俺たちに向かってくる。

くそ、なんとかしないと

そう思うのだが悪いこと続くもので

ズン! バサッ!

 

「しゃあああ」「ぐるるる」

 

スナイモンとデビドラモンまで下りてきた。

いくらIS戦が強くて、機体が良くても、実践、それも殺す気で襲い掛かってくる相手

だとそう簡単には勝てない。ましてや一体一体ならともかくこの状況は完全に詰んだ。

でも

 

「あきらめてたまるかよ」

 

「うん、絶対にあきらめない」

 

このくらいの状況、デジタルワールドでは何度もあった。このくらいではあきらめない。

 

「簪。シールドの残りは?」

 

「153。一夏と同じくらい」

 

「そうか」

 

「一か八かの賭。やってみる?」

 

「ああ、たのむぜ」

 

「うん。それじゃあ」

 

簪は簡潔に指示を出す。

 

「了解」

 

「それじゃ1、」

 

クワガーモンが顎を振り上げてくる。

 

「2」

 

スナイモンとデビドラモンが鎌と腕を振り上げる。

 

「3!『コキュートスブレス』!」

 

簪は一瞬で右腕にオオカミの頭部を模した重火器を展開。そこから超低温の冷気を発射。クワガーモンの足元を凍らせ顎を振り上げていたクワガーモンはつんのめって転倒。俺たちは瞬間加速(イグニッション・ブースと)、一瞬でトップスピードを出す技術で離脱。そして繰り出された鎌と腕はクワガーモンに直撃。

 

「ぎしゃああああああ!?!!」

 

そのままクワガーモンはデジコードを浮かべ、デジタマになった。

 

「よし」「やったあ」

 

俺と簪は作戦が成功して喜んだ。

でも、少し油断してしまい

 

「GUOOOO!!」

 

「え?!」「な!?」

 

エアドラモンの接近を許してしまった。

 

そして、エアドラモンの尻尾が直撃

 

「うわあああ!」「きゃああああ!」

 

――シールドエネルギー残量23――

 

「ぐ、くそ」

 

「・・・・」

 

「簪?簪!」

 

どうやら簪は気絶してしまったようだ。

前を見てみるとこっちに向かってくる三体の姿。

 

さすがにやばいと思ったその瞬間

 

キュキュキュインッ!

 

「きしゃあああ!?」「があああ!」「GUOOOO!」

 

複数のビームが三体を攻撃し

 

「はああああ!」

 

白式を纏った織斑がエアドラモンに接近し

 

「GAAAAAA!」

 

顔を雪片で斬った。

 

そこで俺の意識は途切れた。

 

Side out

 

Side秋人

みんなの避難がある程度進んだ後、兄さんたちのことが気になり僕となぜかついてきたセシリアと姉さんの制止も無視していってみると追いつめられている兄さんたちの姿があった。

怪獣たちを見てみるとクワガタの姿はなくかわりに黒い竜がいた。新手か。クワガタの姿がないってことは兄さんたちが倒したのか?

兄さんたちが追いつめられていたので

 

「セシリアたのむ!」

 

「わかりましたわ!」

 

セシリアに狙撃してもらい、その隙に竜に斬りかかる。

 

「はああああ!」

 

「GAAAAAA!」

 

このまま兄さんたちから離さないと。

 

Side out

 

Side楯無

「まさか、デジタルゲートが開くなんてね」

 

わたしは授業中にDアークの反応があったので急いで訓練機のラファール・リヴァイブを装備してきてみれば。

 

「何が出てくるかわからないから閉じないと」

 

水色のふちどりのDアークをかまえ

 

「デジタルゲート、クローズ!」

 

デジタルゲートを閉じる。

 

「さあ、いきましょうか」

 

Side out

 

Side一夏

気が付くと俺は昨日の夢でみた草原にいた。

 

「力を望むか」

 

声が聞こえた。しかし前と違いそこには楽しげな感じはなかった。

 

「答えよ、力を望むのか、否か」

 

「ああ、望む」

 

「なぜじゃ」

 

「・・・・・」

 

なんで、か。大切な人を守りたいから?いや、みんなは俺が守らなくても強い。

ならなんで?

 

『なんで力が必要なのか。俺にもよくわからねえが、多分自分のためじゃないか』

 

『自分の思い、願い、信念を貫きたいならやっぱり力がないとな』

 

『そして、どんな時でも自分と仲間の力を信じてあきらめないことが強さじゃないのか』

 

ああ、そうだな悠輝義兄さん。

 

「自分のためだ。おれの願い、思い、信念を貫くためだ」

 

「・・・くくっ、かかかかかっ!己のためか。やはり面白いのお前様は」

 

俺の目の前で光が集まり、金髪赤眼の少女の形をとる。

 

「きみは」

 

「わしの名は幽里(ゆうり)。コア人格じゃ」

 

「コア人格」

 

「もうわかっておるじゃろ。お主のISの本当の名が」

 

「ああ」

 

「ではいくぞ」

 

《First Evolution Over Drive!!!》

 

Side out

 

Side簪

気が付くと私は湖にいた。

 

「ここは夢で」

 

「・・・力を望む?」

 

また聞こえてきた声。でも、今回は儚げな中に芯があるよう。

 

「・・・答えて。力を望む」

 

「望む」

 

「・・・なんで?」

 

なんで。そんなの

 

「強くなりたいから」

 

「・・・強く?」

 

「うん」

 

私は昔から守られていた。お父さんに、お姉ちゃんに。昔はわからなかったけど、お姉ちゃんは私に裏にかかわってほしくないから、つらい訓練に励んで当主に相応しくなろうとしていた。そして何でもできるようになるお姉ちゃんに嫉妬したけど、悠輝義兄さんに理由を教えてもらってお姉ちゃんに謝った。そして思った。

『強くなりたい』

だから

 

お姉ちゃんと肩を並べられるくらい強くなりたい。

悠輝義兄さんが誇れるくらい強くなりたい。

そして、

 

「一夏とずっといっしょにいるために強くなりたい!」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「・・・ふふふ。やっぱり」

 

「?」

 

「・・・大好きなんだね。あの人が」

 

「へ、えええええ!?」

 

私が慌てていると、目の前に光が集まって、一人の蒼銀の髪に碧眼の女の子になった。

 

「・・・私は白歌(しろか)。コア人格」

 

「やっぱり」

 

「いこう」

 

「うん」

 

《First Evolution Over Drive!!!》

 

Side out

 

Side秋人

僕らは遅れてきた教師部隊と怪獣たちと戦闘中だけど

 

「『スピニングニードル』!」

 

「きゃああああ!」

 

竜の巻き起こす竜巻に吹き飛ばされたり

 

「『シャドウシックル』!」

 

「うあああああ!」

 

鎌で斬りかかられ、撃墜されたりしている。

厄介なのは、あの黒い竜だ。

あの竜に睨み付けられると動けなくなりその隙に他の二体に攻撃される。

残っているのは僕とセシリアと数人だけになってしまった。

 

「秋人!」

 

「姉さん!」

 

姉さんからの通信だ。

 

「状況はかなりまずいな。今避難が完了した。政府にも救援要請が完了した。お前とオルコットも避難しろ」

 

「でも」

 

「さっさとしろ!仮にお前たちが残ってもなんになる。一夏たちもつれて早く「織斑先生!」

なんだ!」

 

突然山田先生が割り込んできた。

 

「膨大なエネルギー反応です」

 

「なに!?新手か!?」

 

「いいえ、これは、更識君たちから発せられています!」

 

「なんだと?!」

 

兄さんたちのほうを見てみると二人のISが光を放っていた。

 

Side out

 

Side一夏

目が覚める。

そして、立ち上がりオレンジのふちどりのDアークをかかげ、

 

「黒龍閃一次進化(ファースト・エヴォリューション)!」

 

《First Evolution》

 

黒龍閃が変わっていく

 

丸みを帯びた鎧は鋭く角ばった装甲に

 

背中のシールドはなくなりバーニアが装備され

 

両腕のドラモンキラーは鉤爪状から盾に三本の剣が平行に取り付けられたような形状に

 

漆黒だった色は力強さを感じるオレンジ色になった。

 

これが俺の本当の機体。名前は

 

「鎧輝龍(がいきりゅう)!」

 

輝く龍の鎧

 

Side out

 

Side簪

意識が戻る

蒼いふちどりのDアークをかかげ

 

「鋼一次進化!」

 

《First Evolution》

 

鋼が変化していく

 

左肩に六連装ミサイルランチャー

 

右肩にレーザーキャノン

 

右手にビームガン

 

左腕にはガトリングガン『メタルストーム』

 

両足には六連小型ミサイルポッド

 

装甲も角ばって機械的に

 

銀色だった色も澄み渡るような蒼色に

 

これがわたしのほんとうのIS。名前は

 

「蒼鋼・狼(あおはがね・ろう)」

 

蒼き鋼の狼

 

 


 
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