No.445550

魔法少女リリカルなのはTime Leapなの? 〜過去に戻った高町なのは〜 【無印】 第十話

新暦85年、高町なのははある任務の途中で死亡する。

任務は全て嘘であり、全てはなのはを殺害するための一部の管理局員による計画だった。

なのははその計画通りに殺されるが、その任務に向かう途中に偶然何故か落ちていた拾ったジュエルシードによって、なのははタイムリープをするのだった!!

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2012-07-04 17:43:58 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2433   閲覧ユーザー数:2341

 アリサちゃんに魔法の事を話してから六日が経過しました。

 

 翌日にはアリサちゃんとすずかちゃんの二人と一緒にお茶会の日であり、フェイトちゃんと初めて会う日です。

 

 正直明日はフェイトちゃんと会うので楽しみで会ったりするのですが、その前日の夜に突然アリサちゃんから電話が掛かってきました。

 

 一体何の用なのかと思いながら、電話に出ることにしました。

 

 

「アリサちゃん? こんな時間にどうした――」

『なのは!! ちょっと今家を出れる!?』

 

 

 電話に出てみると、アリサちゃんは少し慌てているような感じでした。

 

 そんなに慌ててどうしたのだろうかと思いながら、私は冷静に返します。

 

 

「それで、一体どうしたの?」

『さっき町を歩いていたら、なのはが言っていたジュエルシードが見つかって……』

 

 

 ……ちょっと待ってください。

 

 アリサちゃんがジュエルシードを見つけました? え、マジですか。

 

 正直な所、アリサちゃんからジュエルシードが見つかるという事はないだろうと思っていたぐらいでしたので、見つけたという言葉に驚いていました。

 

 とりあえず、どうしましょうか? もしこのままアリサちゃんに持たせておくのも危ない可能性が高いですので、やはり行くべきでしょうね。

 

 

「とりあえず何処へ行けばいいですか?」

『なのはの家の近くの公園で待ち合わせでいい? あたしもそこが一番近いから』

「分かりました。ジュエルシードには気を付けてください、少しでも願えばジュエルシードが発動してしまいますので」

 

 

 そう言って私は電話を切ると、すぐに私の部屋から出ていきました。

 

 ユーノ君は今お姉ちゃんに遊ばれていますし、呼ぶ必要も無さそうなので、ユーノ君には何も言わずに玄関に向かう事にします。

 

 部屋を出てすぐに玄関に向かおうとすると、お兄ちゃんがリビングから突然出てきました。

 

 

「この時間帯から何処へ行くんだなのは?」

 

 

 やはりお兄ちゃんが出てきたのは私が玄関に向かっているのを見たからでしたか……

 

 まぁ、今回窓から出なかったのは別に本当の事を言えば大丈夫だろうと思っていたからです。アリサちゃんと会うと普通に言えば大丈夫でしょう。

 

 

「ちょっとアリサちゃんに呼ばれて公園に行くの。すぐに戻ってくるつもりだから!!」

 

 

 私がそういうと、お兄ちゃんは表情を少し嫌な顔をします。あ、そう言えばお兄ちゃんはアリサちゃんと仲が良くなかったですね。

 

 もしかしたら、少し時間がかかってしまうかも……

 

 

「人を待たせている事なら、行ってこい。だけどすぐに戻ってくるんだぞ」

 

 

 あれ、普通に許可もらえました。どういう事でしょう? まぁ、それは後で考えましょうか。

 

 とりあえずお兄ちゃんから出かけてもよいと許可が出ましたので、私はすぐに玄関で靴に履いて家を出るのでした。

 

 家を出てすぐに公園まで向かい、公園に着くとベンチでアリサちゃんが座っていました。

 

 私はすぐにアリサちゃんが座っているベンチへ向かい、アリサちゃんも私の姿を見つけると手を振ってきました。

 

 アリサちゃんに近寄り、アリサちゃんの隣に座る事にしました。

 

 

「それでアリサちゃん、ジュエルシードを見つけたというのは本当ですか?」

「うん、ちょっと待ちを歩いていたら、青い宝石みたいなものを見つけたから、もしかしたらと思っていたら……」

 

 

 アリサちゃんは自分のポケットに入れていたジュエルシードを取り出します。私はそのジュエルシードを受け取るとすぐさまレイジングハートに入れて封印します。

 

 

「あたしも、魔法を使うことは出来ないのかな?」

 

 

 アリサちゃんは私がジュエルシードを封印している様子をずっと見ており、私が封印をし終えるとそう言ってきました。

 

 

「あの時も言いましたが、今の私ではアリサちゃんが魔法を使えるのかは分かりません。調べる方法が無いのでね」

「そうは言うけど、あたしも魔法を使えたらいいなとは思うのよ。なのはの手伝いをしたいから」

 

 

 そう言ってくれるのは有難いですが、アリサちゃんには魔法が使えるほどではないとは私からは言えませんでした。

 

 アリサちゃんに魔法について教えた時に、もちろんアリサちゃんが魔法を使えるのかと聞いてきましたが、その時はさっき私が言ったように調べる方法が無いと言ったのです。実際調べようがなかったのでそう言ったのですが、これは私でも逃げだと分かっています。

 

 今のアリサちゃんに魔法が使えないと言えば、かなり落ち込むのは分かっているので、私以外の方から教えた方が良さそうだと思ったのです。落ち込むのは変わりませんが、私から言うよりは良いと思っていたので。

 

 とりあえず今はアリサちゃんに魔法が使えるかもしれないという可能性があると思い込ませています。正直アリサちゃんが魔法が使えないと分かっている私としては辛いのですが。

 

 

「とりあえず、今日はこれくらいにしましょうか。家にもすぐに帰ると言ってありますし、明日もすずかちゃんの家で会うのですし」

「それもそうだね。じゃあまた明日ね」

 

 

 とりあえず目的のジュエルシードは封印しましたし、アリサちゃんと私はそれぞれ家に帰る事にしました。

 

 それほど時間は掛からなかったので、三十分くらいで家に帰ることが出来、家の中に入るとすぐに自分の部屋へと戻ります。

 

 部屋の中にはいつの間にかユーノ君が居り、多分お姉ちゃんが部屋に置いたのだろうと分かりました。

 

 私がベッドに座ると、ユーノ君は私に話しかけてきました。

 

 

「なのは、突然出て行ったけどどうしたの?」

「ちょっとアリサちゃんがジュエルシード見つけたと言ったから、さっき会いに言ってたの」

 

 

 私がそういうと、ユーノ君は驚いていました。まさか魔法が使えないアリサちゃんがジュエルシードを見つけるとは思っていなかったのでしょうね。

 

 

「それで、一体どこにあったの!?」

「町で歩いていたら青い宝石を見つけて、もしかしたらと思っていたらジュエルシードだったらしいよ」

 

 

 唯、アリサちゃんが見つけたジュエルシードについて、なんか嫌な予感がします。確証はありませんが、このジュエルシードを先に見つけてしまった事によって、この先起こる筈だった何かが起こらないような気がしたのです。

 

 まぁ、過ぎた事は仕方ないので、もし支障が起こるのであったらどうにかするしかありませんね。

 

 

「それより、本当にアリサに教えてよかったの、魔法の事?」

「うん、それは言った私も少し悩んだのだけどね」

 

 

 アリサちゃんに魔法の事を教えてしまったけど、後悔はしていません。これが一番良かったと思っています。

 

 さて、明日はすずかちゃんの家に向かわないといけないので、少し早く寝ましょうか。

 

 

「それじゃあ、私はそろそろ寝るね」

「分かった。おやすみなのは」

 

 

 私は一度立ち上がって電気を消して、ベッドの上で横にり、毛布を上に掛けて就寝しようとするのでした。

 

 

 

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〈マスターまだ起きてますか?〉

「レイジングハート? 急にどうしたの?」

 

 

 寝ようとしてから約数十分後、突然レイジングハートが私に話しかけてきました。

 一応声を出しましたのでユーノ君んの方を見てみますが、ユーノ君はもう寝ているようです。

 

 

「それで、一体どうしたの?」

 

 

 ユーノ君が寝ているのを確認した後、小さい声でレイジングハートに聞きます。

 

 

〈前々から聞きたかったのですが、この部屋にあるもう一つのデバイスは何なのですか?〉

 

 

 ……やはり、レイジングハートには気づいていましたか。

 

 私のもう一つのデバイス、フェイシングハートはレイジングハートを手に入れる前日から机の中に入れたままなのです。当分は使わないと思って最近は全く手にも触れてなかったのですが、レイジングハートにはここにはもう一つデバイスがあると気づいていたようです。

 

 

「あれはもう一つの私のデバイス、フェイシングハートだよ。レイジングハートとは違って近戦に特化したデバイスなの。私って御神流の特訓とかしているから、近戦用の魔法が欲しいと思って」

〈では、どうして今は使っていないのですか?〉

 

 

 確かにそう思いますよね。せっかく作ったデバイスなのに今は使っていないのかと。

 

 

「ちょっと今は秘密にしていようかなと思ってね。なるべくこっちは人に知られたくなくてね」

 

 

 理由はこの先のためです。前のPT事件や闇の書事件の時はレイジングハートだけで終わらせていますから、必要はないと思っていたのです。

 

 

「話はそれだけですか? そろそろ私も寝たいのですけど……」

〈他にも聞きたい事はありますが、また今度にしておきます〉

「分かった。それじゃあおやすみ」

〈おやすみなさい、マスター〉

 

 

 そう言って私は今度こそ寝ることにしました――


 
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