「っていうわけで、家でフェレットを飼いたいのだけど……」
「フェレットか……」
フェレット状態のユーノを動物病院で預けた後、私はアリサちゃんとすずかちゃんに家で飼えるか聞いてみると言っておくことにしました。
ここは前と同じように頼んだ事がありますから、大丈夫だとは思うのですけど、何か忘れていたような……
「ところでフェレットってなんだ?」
……思わず椅子から転げ落ちそうになりました。そういえばお父さんは私がフェレットの事を言うまで知らないんでした……
とりあえずお父さんにフェレットについて説明しますか。
「イタチの仲間で、近年ではペットとして飼う人が多い人気の動物だよ」
私がフェレットについて説明しようと思っていると、お姉ちゃんが先に説明しました。私も説明しようとしましたけど手間が省けました。
「それでフェレットは飼っていいの?」
私が再度そう聞くと、お父さんは腕を組みながら悩んでいるようでした。
あれ? 前なら簡単に通ったはずでしたが、どうして今回は悩んでいるのでしょうか?
どうして飼っていいと言ってくれないのか疑問に思っていると、お兄ちゃんが小声で話してきた。
「多分、なのはが御神流も習っているから、疲れて世話をしないのか心配なんじゃないか?」
あ~なるほど。確かに今の私のスケジュールだと余り時間がありませんね。
平日は学校へ向かってその後塾に通い、塾から返ってからお姉ちゃんと一緒に御神流の鍛錬をお兄ちゃんとお父さんに教えてもらっている。土曜、日曜、祝日も朝からランニングをして、昼は山の中でフェイシングハートを使いながらの魔法の練習し、夕方ごろに私だけで御神流の鍛錬となっている。お姉ちゃんは昼に教わっているらしい。
そう考えると、フェレットの世話をしている時間はあるのだろうかという事なんだろう。だからお父さんは本当に飼えるのかと思っていたらしい。そうと分かれば次に私が言う事は決まっていた。
「あのねお父さん。御神流もランニングも毎日忘れずにやるし、フェレットの世話も毎日するから」
「しかし……」
「なのはがそう言っているのだから別に良いじゃない。しばらく預かるだけなんだから」
「桃子さんがそう言うのならば……」
お母さんがリビングから自分が良く座っている、今お父さんが座っている椅子の右隣の椅子に座る。
お父さんは私が言った時はまだ渋っていたが、お母さんがそう言うと渋々と承諾する。
っていうことは、フェレットを家で飼って良いという事ですよね?
「あ、ありがとう!! そしてご馳走様!!」
私は食べ終わった自分の食器を片づけ、すぐに自分の部屋へと駆けつけた。正直どうなるかかなり危なかったので、何故か私の喜びは高かった。
部屋に戻るとすぐさまアリサちゃんとすずかちゃんに、私の家で飼っていいと、メールを打って送信した。後はユーノ君からくる念話を待つだけだった。確かアリサちゃんとすずかちゃんにメールを送ってあまり時間が経たずに念話が来たはずだから、少し待てばユーノ君からの念話が来るだろうと思った。
そろそろ来るはずだと思うのだけど……
《――聞こえますか? 僕の声が聞こえますか?》
きたっ!!
私はすぐに出かける準備をし始め、部屋から出ようと右手でドアノブを持とうとするが、その寸前で手が止まる。
どうして手が止まったのかというと、このまま玄関から出たらお兄ちゃんやお父さんに気づかれるのではないかと思ったからだ。そう思ってすぐにドアの前から離れ、部屋にある窓を開けた。部屋は二階にあるため飛び降りることになるが、飛び降りても多分大丈夫だろうと思い、そこから飛び降りることにした。
《聞いてください――》
部屋から飛び降りてお父さんたちに気づかれないように部屋から出ていく途中で、ユーノ君の念話が聞こえてきていたが、とりあえず今は動物病院へと走っていくのだった。
数年前までは毎日走っていたし、今でも土曜、日曜、祝日はランニングをしているので、かなり運動は平気になっている。学校の体育などでは前と違ってかなり成績は上がっているし、タイムリープする以前の私が見ればさぞ驚かれるだろうとは思いますし、自分自身ここまで運動が得意になるとは思いませんでしたし。前もこの時から運動すべきだったかもしれませんね。
少しそんな事を考えながらも、目的地である動物病院の前までたどり着くのだった。着くととても静かでしたので、少し早く付いてしまったかもしれません。考えてみたら前よりかなり早く走れるのですから、早く着いてしまうのは仕方ないですけど。
そう思っていると、結界が張られていくのに気づきました。多分ユーノ君が張ったものでしょう。結界が張られたので私も少し慎重になりました。
結界が張られて少しすると、ユーノ君が動物病院の窓から出てきて、姿を現しました。その後ろにはジェイルシードによって暴走している何かが追っていました。
私はすぐに動き、逃げているユーノ君を捕まえて追ってきていたプロテクションでユーノ君を追ってきていたものから守ります。
――さすがにデバイスの援護が無いと少し辛いですね。
なんとか耐えられてはいるのですが、やはりデバイスの援護が無ければ少し辛かった。フェイシングハートは一応持ってきてはいるのですが、こっちのデバイスはたとえユーノ君であってもなるべく伏せておきたいものです。表沙汰に使うと何かと支障が出そうな気がしますので。
ちなみに私が魔法を使っている事にユーノ君は驚いていました。まぁ、この世界で魔法を使える人物が居るとは思っていなかったはずですからね。
プロテクションで防ぎきると、すぐさま私は攻撃へと変えます。16個のスフィア弾を一気にだし、それを一斉に放ちました。
とりあえずこれで少しは時間が稼げると思い、ユーノ君を持ちながら動物病院から離れます。
「さ、さっきの魔法は一体……」
「とりあえずその話は後なの!! あれは一体どうやったら止められるの!?」
少し離れたところでユーノ君が聞いてきましたが、今はそんな場合ではありませんので後回しにさせます。
そして止め方は分かっているのですが、一応知らないという事にしておいてユーノ君に聞きます。
「これを持って!」
「これは?」
「それを手に持って、目を閉じて心を澄ませて。僕の言う通りに繰り返して」
私は言われた通りに従い、ユーノ君から渡してもらったレイジングハートを手に持ちます。
私が頷くと、ユーノ君の言葉に続けて言い始める。
「我、使命を受けし者なり」
「我、使命を受けし者なり」
「契約のもと、その力を解き放て」
「契約のもと、その力を解き放て」
「風は空に、星は天に」
「風は空に、星は天に」
「そして不屈の心は」
「そして不屈の心は」
「「この胸に。この手に魔法を」」
「「レイジングハート、セットアップ!」」
刹那、レイジングハートが光だし、私はすぐにバリアジャケットと魔法の杖をイメージする。
まぁ、この辺りは前と同じで良いでしょう。あ、でも少しだけ変えようかな?
私はそう思って、前とは少し違ったバリアジャケットと魔法の杖をイメージするのだった。
胸元はリボンではなくて金属にし、他の部分も金属の部分を増やしました。
そして私はイメージしたとおりに変身しするのだった――
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新暦85年、高町なのははある任務の途中で死亡する。
任務は全て嘘であり、全てはなのはを殺害するための一部の管理局員による計画だった。
なのははその計画通りに殺されるが、その任務に向かう途中に偶然何故か落ちていた拾ったジュエルシードによって、なのははタイムリープをするのだった!!
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