Side一夏
休み時間、俺は簪のいる1年4組に行こうとしたのだが
「ちょっとよろしくて?」
金髪の女子に話しかけられていた。
「なに?」
と答えると
「まあ!なんですの、そのお返事。わたくしにはなしかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるn「ないな」なんですって!」
聞いているのもいやだったので遮った。
「たかだか代表候補生に話しかけられた程度のどこが光栄だ。そういうのはせめて代表になってからにしろ」
俺の言葉に金髪は顔を真っ赤にする。
「代表候補生といえども、ここにいる以上一生徒だ。ならばそれに相応しい態度で接する。それが俺の考えだ。」
「いってくれますわね。男のくせに!」
「はあ?何言ってんだお前?どこに女が男より偉いなんて法律がある?馬鹿なのか?」
「もうゆr<キーンコーンカーンコーン>」
「ほらもう授業だ。さっさと席に戻れ。」
「また来ますわ。にげないことね。」
「一つ忠告しておく。態度を改めないといつかいたい目にあうぞ。」
「なっ!」
「ふん。」
最後にそういってやった。金髪、イギリス代表候補生セシリア・オルコットは自分の席に戻っていった。
ISが発表されて十年たつが、女性にしか使えない、最強の兵器、この二点から各国は女性を優遇する制度を取り始めた。結果さっきの様な女性=偉いという頭の痛い勘違いをする女がふえてしまったわけだ。
(なんとかならんかね~)
・
・
・
現在授業中だが
(簡単だな。基礎の基礎じゃん。)
そう簡単すぎるのだ。まあ、俺は簪や義姉さんたちの手伝いをすることもあったからな
「織斑君。何かわからないところはありますか?」
「いえ、大丈夫です。」
「そうですか。更識君は大丈夫ですか?」
「はい大丈夫です」
・
・
・
授業後、今度こそ4組に行こうとすると
・・・ピンポンパンポーン、生徒の呼び出しをしまーす。1年1組更識 一夏君、1年4組更識 簪さん。生徒会室に来てください。愛しのお姉さんが待ってまーす♪・・・
という放送が流れ、みんなの視線が俺に集まった。
っていうかなんてこと言うんだよあのシスコン!!いろいろ勘違いされるような言い方しやがって!
俺は周囲の視線に耐えられず、すぐに教室を飛び出し、4組で簪を視線地獄から救い出し生徒会室に急いだ。
in生徒会室
「「失礼します」」
簪と声をそろえて生徒会室に入ると
「か~~ん~~ちゃ~~ん!!」
義姉さんが飛んできた
「愛する妹に、Let’s ダイブ!!」
「とう!」
「ぶっ!?!??」
状況を説明しよう。
義姉さんが飛び込む。
↓
おれが置いてあったハリセンを振りかぶる。
↓
顔面HIT!
というわけである。なぜハリセンがあったのかは気にしたら負けである。
「いたいわよ!一夏!というかなんでハリセンがあるの!?」
「気にしたら負けだよ。お姉ちゃん。」
そう気にしたら負け。重要なことだ。
「というか、いきなり飛び込んでくるなよ。」
「1秒でもはやくかんちゃんに会いたかったの♪」
「朝会ったし、いっしょに登校したよね!?」
「それでも会いたいのよ、一夏!もういっそのこと4組にずっといたいくらいに」
「やめろ!先生にとてつもない迷惑がかかる!」
「そんなこと・・どうでもいいわ!」
「よくねえよ!」
「ふたりとも、はやく話をすすめよ」
俺と義姉さんの言い合いは簪の仲裁で終わった。
「そうね、冗談はここまで。」
本当に冗談だったのだろうか?
この人ならやりかねない。シスコンだし。
義姉さんは生徒会の席に座って、俺達も椅子を出して座った。
「二人を呼んだ理由はいくつかあるわ。
まず1つ目、二人には生徒会に入ってほしいの。役職は二人とも副会長ね。」
「まあそれぐらいならいいぜ。な、簪」
「うん、それに虚さんが生徒会の仕事についていろいろ愚痴っていたし。少しでも楽をさせてあげなくちゃ」
「ああそうだな」
「うっ」
そう言って義姉さんをジト目でみる俺と簪。胸を抑える義姉さん。という光景がそこにはあった。
「じ、じゃあ二人ともOKてことで会員登録しておくわ。
2つ目に、二人の専用機についてなんだけど、桜花義姉さんから1週間以内に学園に届けるって連絡がきたわ。」
「1週間。じゃあクラス代表戦には間に合うかな?」
「ええ大丈夫よ。なに簪ちゃん。クラス代表になったの?」
「うん。4組の代表候補生って私だけだから。」
「そう!なら当日は一番いい席とらなくちゃ♪」
「あ・・はは」
義姉さんの様子に簪も苦笑いだ。
「一夏は?」
「さあ?まだ決めていない。多分今頃決めているんじゃないか?」
そう。もう休み時間は何気に終わっているのだ。まあ、生徒会長に呼び出されているんだし大丈夫だろう。
「そう、織斑君とは、どう?」
「問題なし。まだ話していないけど俺はもう割り切っているからな。ふつうにクラスメートとしてなら付き合えると思う。」
「そう。」
「よかった。」
俺の言葉と目を見て、本当のことだと確信したのだろう。二人が安どのため息を漏らした。俺はもう、昔のことは大丈夫だ。あの二人については恨みなどないのだから。
「じゃあ最後に、これが一番重要なんだけどね。
桜花義姉さんのISが1機、奪われたわ。」
「なっ!?」
「えっ!」
銀姉さんのその言葉に、俺たちは驚いた。
桜花義姉さんとは、楯無義姉さんの婚約者、高月 悠輝さんの姉でIS開発者篠ノ之 束に匹敵する天才だ。もっとも本人は研究成果を発表したりしてないのと、いまはこの世界にいないので世間に知られていないが。
「くわしいことはまだ悠輝が調べてくれているけど、犯人はわかっているわ。」
「もしかして・・」
「そう、『亡国機業(ファントム・タスク)』の仕業で間違いないわ」
「でもどうやって?ゲートはみんなが見張っているのに。」
「そこまでは、わからないわ。ただこの一件で作業が少し遅れたらしくてね。わたしのISを後回しにしたらしいわ。」
「え!それじゃあ、お姉ちゃんが」
「あはは。大丈夫よ。代表戦ぐらい訓練機で十分よ♪だからあなたたちは思いっきり戦いなさい。」
「わかった。そうするよ。」
「一夏!?」
「大丈夫だよ、簪。だって姉さんがただの生徒や候補生に負けるわけないだろ。最近人間やめてきたんだsげぼら!」
「だれが人間やめたって?い・ち・か?」
「いや普通の人間は、いきなり前に現れて一瞬でアイアンクローで男を持ち上げらr「メキメキ」ぎゃあああ!!」
それから次の授業まで俺の記憶はなかった。
In教室
「更識、1週間後お前と織斑とオルコットでクラス代表決定戦をやることになった。」
授業が始まるや否や織斑先生にそんなことを言われた。
「先生どういうことですか?」
「さっきの授業の時にクラス代表を決めていたのだが、織斑とお前が推薦され、オルコットが立候補したのだ。それで1週間後の月曜日に決定戦をすることにしたのだ。」
「そうですか。ちなみに俺を推薦したのはだれですか?」
「ほ~~い。わたしだよ~。いっちー~」
そう言って手を挙げたのは、のほほ~んとした雰囲気の少女布仏 本音。更識家の従者の家のものであり、簪の専属メイドだった。
がしっ
ぎりぎりっ
――にゃああああぁぁぁぁー!!?!――
とりあえずアイアンクローをかました。
・
・
・
「先生授業をおねがいします。」
「あ、ああ。わかった。」
こうしてIS学園1日目の授業は過ぎて行った。まあ推薦された以上やってみるか。織斑の実力もわかるし。
Sido???
「ふんふんふーん。ここをこうしてそこをそうして~!」
――無限大な夢のあとの~♪ 何もない世の中じゃあ~♪――
「おや?この着信は!とう」
「やっほう!さっきぶりだね。はねちゃん♪」
『その名前で呼ばないで下さいよ桜花義姉さん。わたしは今は楯無ですよ』
「でもでも私にとっては、あなたはかわいい妹の初音ちゃんだよ♪だからはねちゃん!」
『あはは。そう言ってもらえるのはうれしいんですけどね』
「それでどうしたの?」
『実は一夏が1週間後にクラス代表の座をかけて戦うことになりまして』
「え、そうなの!?」
『それで間にあいますか?』
「大丈夫大丈夫☆絶対間に合わせるから♪
この子達をね!」
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