No.444771

地球戦士 ハーメラス  第1話

BLACKさん

この話のコンセプトは『「侵略! イカ娘」を昭和の特撮風にしたら『というものです。(話の内容的には「宇宙刑事ギャバン」など昭和の特撮を基にしています。ちなみにタイトルは「イナズマン」がモデルです)
それを踏まえてご閲覧ください。

2012-07-02 21:39:58 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:747   閲覧ユーザー数:736

 

 

 

場面

 

 

 

 

 

山から街へとジャンプして降り立つ青年、人防正司。

 

 

 

場面が変わりある住宅に住む家族。

 

 

 

人防家の母、人防友紀(もりさき ゆき)とその小学4年生くらいの男の子の人防良士(もりさき りょうじ)。

 

 

 

さらに場面が変わり、宇宙空間になり、そこには一つの要塞、ゲリュート要塞が地球に迫って来る。

 

 

 

要塞の中には宇宙犯罪結社「ゲリュート」に所属する様々な宇宙人。

 

 

 

ゲリュート要塞から発進される小型戦闘機が地球へと飛来。それを迎え撃つは地球から生まれし戦士、ハーメラス。

 

 

 

ハーメラスはジャンプし、小型戦闘機を素手で破壊する。

 

 

 

小型戦闘機を破壊した後、地上に降り立ち、新たな変身をする。

 

 

 

そして地球の戦士ハーメラスは赤き怒りの戦士レアガーラに変身する。

 

 

 

国際秘密組織「TLE」の長官であり、最高責任者であると同時に人防家の家長、人防誠(もりさき まこと)がTLE基地にて部下達に指示を出す。

 

 

 

そしてレアガーラは誰もいない山奥で空の方を眺める。

 

 

 

 

 

 

第1話  地球の戦士現る

 

 

 

 

 

それはある世界でのことであった。

よく分からない、とても暑く、人間ではまず数十秒も持たずして死んでしまう場所。

周りはマグマのようなものばかりであった。

そこに一人の青年がいた。

 

『よいか、ハーメラス。人間は私のことなど考えもせずにただ私を汚すばかり。

中には私を汚してはいけないと言うものもいるがそれがごく少数。人間の指でも数えられる程度だ。

その程度では私のことを考えているとは言えん。

よいな、ハーメラス。人間をこのまま私の上に居させてはならん。

必ず絶滅させ、私を昔のような姿に戻せ。人間がいなくなれば私は必ず昔の姿に戻る』

 

青年の耳には誰もいないのに何者かの声が聞こえてくる。

 

「ああ、分かっている」

『そのためにお前は何年も何年も私が手塩をかけて育て上げた。

今のお前なら1週間あれば人類抹殺などたやすいだろう。

さあ行くのだ! 地球の戦士、ハーメラス!』

「ああ!」

 

青年がその空間から飛び出していく。

青年が次に現れたのはどこかの山であった。

その山は観光スポットにされている山でもあった。

 

「さてと……」

 

青年は人のいない場所へと現れていた。

青年は人気のある場所へと歩いて行く。

 

 

 

青年が地球から現れてまだ1分しか経っていない時だった。

遥か宇宙の彼方から突然要塞のようなものが現れ、地球の近くまで近づく。

 

「首領、なかなかいい星です」

『うむ』

 

首領と呼ばれた者は声のみで姿を見せない。

 

『ここまで美しい星は初めて見た。

ここを我らゲリュートの根城にし、宇宙に悪と犯罪の限りを尽くす帝国を作り上げるのだ!』

『おおおおおおお!!』

 

ゲリュートの構成員達が声を上げる。

 

『そのためにはあの星……、地球であったな』

「はっ。既にあの星には先住民が居ります」

 

科学者の一人が答えた。

 

『地球に住む人間をすべて抹殺するのだ!

行くのだ!』

『はっ!』

「ではまずは初陣はこのキシレルにお任せください!」

 

キシレルと名乗った宇宙人は騎士のような全身を鎧の姿であった。

 

『面白い、やってみろ』

「はっ!」

『して、小型戦闘機「ゲファー」はどうする?』

「使わせてもらえるのですか?」

『せっかくの初陣だ。使うべきであろう』

「ありがとうございます!」

 

キシレルは地球へと向かうのだった。

 

 

 

青年が現れた山の観光場所では普通に人でにぎわっていた。

 

「お父さん! お母さん! ここすごい風景だよ!」

 

一人の少年が絶景を見て興奮する。

 

「あらあら、良士ったら…」

「良士、そこまで行ったら危ないぞ!」

 

良士と呼ばれた少年の父親と母親が注意を呼びかける。

 

「何かあるのかな?」

 

良士が絶壁ギリギリのところで下を覗きこむ。

 

「とああっ!」

「うわっ!」

 

良士は下から飛んできたものに驚いて後ずさりした後に尻餅をつく。

 

「「良士!」」

 

両親が心配して良士の側による。

 

「大丈夫か?」

「う、うん」

 

良士と親が下から飛んできたものを見てみる。

その飛んできたものとは人であった。

しかもその人はどこからともなく現れた青年であった。

 

「だ、誰?」

「いや、それ以前にここから下は何もない、距離からして10メートルはあるはずだぞ」

 

つまりこの青年は10メートル下からジャンプしてきたことになるのだ。

 

「人間ども、貴様らは今日この時を持って終わりの時を……」

 

青年が何かを述べようとした時、突然町の方で爆発が起こる。

 

『!?』

「なんだ?」

 

青年や観光客が町の方を見るとそこにはゲリュート要塞から発進された戦闘機ゲファーが攻撃を仕掛けていた。

 

「あれは……」

「TLEの物ではない。となるとあれはテロリストのか?」

「あいつ……」

 

ゲファーから声が聞こえてくる。

 

『聞け、地球人類よ。

我らの名は『ゲリュート』、宇宙からやって来た者だ』

 

その声はキシレルのものではなく首領のものであった。

 

『我らはこれからこの地球を根城に宇宙犯罪結社『ゲリュート』の拡大を行う。

そのため我らは地球人類を抹殺する。地球人どもよ、泣き叫びながら死ぬがよい!」

 

ゲファーからの声が途絶える。

ゲファーは町を攻撃する。

 

「まさか宇宙からの訪問者がいきなり侵略を考えるとは……」

 

良士の父親は無線機でどこかに連絡する。

 

「私だ。さっきのは聞いたな?

至急スクランブルだ」

『分かっています。今そちらにレオスが向かっています』

 

無線機からそんな連絡が来ていた。

しかしそんなのはほとんど無意味となる。

良士の家族以外は皆避難などして逃げはじめていたが、良士達の前に現れた青年は逃げるそぶりを見せなかった。

 

「君、逃げないのか?」

 

良士の父は青年に声をかけるが青年は無視する。

 

「あいつら……人類抹殺は俺の役目だ!

地力転身!!」

 

青年が「地力転身」と言う言葉を口にすると青年の体は変化していき、土のような鎧が現れ、頭にも同じようなものが現れ、顔を覆う。

体は改造人間のようなたくましい体になり、頭も鎧騎士の被るようなものが出てきた。

 

「え?」

「すごい…」

「その姿は一体……」

「たあ!」

 

姿を変えた青年はゲファーの方へと飛んで行った。

 

「飛んじゃった」

「あの力は一体…」

 

良士達はただ茫然と見ているだけであった。

 

「うん? なんだ?」

 

キシレルはゲファーに近づいてくるものをモニターで確認する。

 

「なんだあれは? この星の人間か?

まあいい、撃ち落してやる!」

 

キシレルは青年の方に照準を定め、ゲファーの戦闘機銃で射撃する。

しかし青年はその射撃攻撃をいとも簡単に避ける。

 

「ぬっ! 避けられた?」

 

キシレルは避けられながらも攻撃を続けるが、攻撃は一度も当らなかった。

そして青年はゲファーに張り付いた。

 

「とりつかれた!?」

「でやっ!」

 

青年は素手でゲファーを破壊する。

 

「ぬぅ…仕方ない!」

 

キシレルはゲファーから脱出し、良士の家族のいる山の方へと降り立つ。

 

「むっ、こっちに来た!」

「地球人、見せしめに貴様らを殺してやる」

「待て!」

 

キシレルの所にゲファーを完全に爆破した青年が降り立つ。

 

「貴様……地球人があれだけの力がないはず…」

「俺は人間じゃないからな」

「なんだと!? ならば貴様は何者だ?」

「人類を抹殺するために地球から造られた地球の戦士、ハーメラス!!」

 

青年はハーメラスと名乗った。

 

「地球の戦士だと?」

「そうだ! 地球人類抹殺は俺の役目だ。宇宙人である貴様らのやることではない!

ましてや地球を犯罪組織の根城にされたら、地球は今以上に汚れる。ならば地球人類抹殺よりも貴様らを抹殺してやる!」

「やれるものならやってみろ!」

 

ハーメラスとキシレルの戦いが始まる。

キシレルはレイピアのような剣を取り出し、ハーメラスに突き刺そうとする。

ハーメラスはそのレイピアを簡単に避けると同時に自分の脇腹に挟む。

 

「ふん」

 

キシレルはそのレイピアに電流を走らせる。

 

「どうだ! 100万ボルトの電流だ! 貴様が人間でなくても死ぬだろ?」

「これがどうした?」

 

ハーメラスは平然としていた。

 

「なんだと!?」

「こんな電流、雷に比べるとなんともないわ!」

 

ハーメラスは脇腹に挟んだレイピアをへし折った。

 

「ぐおあっ!」

「ならば今度は俺の出せる電流の力を見せてやろう! 地電伝(ちでんでん)!!」

 

ハーメラスがキシレルに軽く触れる。

 

「ぎゃあああああああああああああ!!」

 

ハーメラスに触れられたキシレルは突然悲鳴をあげ、すぐに体が黒こげになる。

 

「これが地球の雷の力だ。もっとも今のは手加減したし、俺は地球の雷以上の電流を出せる」

 

しかしキシレルはもはや虫の息で聞いていなかった。

 

「トドメだ。地滅刺(ちめつし)!!」

 

ハーメラスは手でキシレルの体を突き刺した。

そしてキシレルは爆発を起こし消滅した。

 

「ふん」

 

こうして一人の侵略者がハーメラスによって倒された。

キシレルが倒されたことはキシレルの持っていた通信機によりゲリュート要塞にも届いていた。

 

「キシレルが敗れた!?」

『我らゲリュートの中でも腕が立つ者を簡単に倒すとは…』

「首領…」

『おのれ! 地球! おのれ! 地球戦士、ハーメラス!』

 

首領は怒りを露わにした。

 

 

 

ハーメラスは変身形態を解き、元の青年の姿に戻っていた。

 

「ふん」

 

青年はその場を去ろうとする。

その青年に良士の父が呼び止める。

 

「待ちたまえ!」

「なんだ?」

「私は人防誠(もりさき まこと)。『TLE』『Tutelary in the last earth』の者だ」

「何だそれは?」

「地球の平和を守る国際秘密組織だからな。普通なら分かるまい」

「地球の平和を守る? 笑わせる、地球を汚染している人間がか?」

「あなた…」

「そのいいぶり、君は本当に人間じゃないのか? 先ほどの姿はともかく今の君の姿は人間そのものだぞ」

「俺は人間じゃねえ。この姿は地球が人間の中で混ざるのに適していると判断して作ったものだ。その気になればあの姿を常に維持できる」

「では君は一体…」

「地球から造られた地球の戦士だ。それ以外の何者でもない」

「そうか……。君にお願いがある?」

「ああ?」

「私が管轄する国際秘密組織『TLE』に入ってくれ。

いや、入らなくてもいい。協力してくれ!

一緒に協力して、先ほど現れた宇宙人達の犯罪結社を倒そうじゃないか!」

「ふん」

 

青年が再び立ち去ろうとするが誠は再び呼び止める。

 

「待ちたまえ!」

「だからなんだ?」

「君、住む場所は?」

「俺にそんなものはない」

「だったら我が家に来ないか?

私の家にいれば先ほどの宇宙人達の情報がいち早く手に入るぞ」

「別に必要ない。地球外のものは地球に入った時点で俺のところに情報として入って来る」

「だが………」

「話はそれだけか?」

「待ってよ!」

 

良士が青年の足にしがみつく。

 

「なんだ、放せ!」

「嫌だ!」

「なんで俺にしがみつく!」

「僕、家じゃ一人なんだ!

お兄ちゃんが僕の家にいてくれれば僕は一人じゃない!」

「俺には関係ない」

「私からもお願いしていいかしら」

 

良士の母も言いだしてきた。

 

「はあ?」

「実はね、家に来ないかと言ったのはそこなんだ。

良士はいつも家では一人なんだ。私は『TLE』の最高責任者であり長官、妻も私の手伝いなどで家を空ける時が多くてな……。

良士は寂しい思いをするんだ。その相手となってくれないか?」

「…………」

 

青年は良士の目を見る。

それは本当に悲しそうな目であった。

 

「ふん、地球人類抹殺はあいつらを倒すまで後回しなのは決めたことだ。

しかし抹殺対象をより深く知るにはいい機会だな。いいだろう、貴様らの口車に乗せられてやる。人類を観察するためにな……」

「すまないな」

「そう言えば自己紹介がまだだったわね。私は人防友紀(もりさき ゆき)この子の母親でこの人の妻よ」

「僕は良士! 人防良士(もりさき りょうじ)だよ」

「そうか」

「ところでお兄ちゃんの名前は?」

「ない」

「ない?」

「先ほどの姿はハーメラスだが、この姿での名前は存在しない」

「なら私が名づけよう。そうだな……名字は我が家に来てもらうから私達と同じ人防として、名は正司がいいな。

人防正司(もりさき しょうじ)、これからはその姿の時の君をそう呼ぼう」

「好きにしろ」

「ではついてきたまえ。我々の家に……」

 

こうして正司と名付けられた青年は言われるがままに人防家の人達について行くのであった。

だがこれだけは覚えておいてほしい。

人防正司と名付けられた青年の戦いは今始まったばかりだ。ゲリュートから地球を守ってくれ。

そして人類抹殺を考え直してくれ。戦え! 人防正司! 負けるな! 地球の戦士、ハーメラス!

 

 

 

続く


 
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